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ソフトスキルとは?ハードスキルとの違いや種類一覧を紹介

ソフトスキルとは、コミュニケーション能力や問題解決能力など、職場や日常生活で活きる基礎的な能力のことです。専門スキルとは異なり、いつの時代もどんな職種に就いても求められ、個人の習慣や性格も大きく影響すると考えられています。

そこで「具体的なソフトスキルの種類を知りたい」「ソフトスキルを向上させて仕事を円滑にしたい」「ハードスキルとの違いがわからない」という人もいるでしょう。

本記事は、ソフトスキルの重要性や種類について、ハードスキルとの違いを比較しながら解説し、ビジネスシーンで役立つ具体的なスキルの一覧も紹介します。人材育成や人事部門の担当者、マネジメント層や経営者、はぜひ参考にしてください。

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    ソフトスキルとは

    ソフトスキルとは、業務遂行のベースにある能力や個人特性のこと。多くの社会人に求められる基本的な能力ともいえます。

    数値など明確な基準で評価しにくいのが特徴で、コミュニケーションスキルやビジネスマナーもソフトスキルに含まれるでしょう。

    ソフトスキルの例
    ・協調性
    ・コミュニケーション能力
    ・発想力
    ・時間管理能力
    ・リーダーシップ

    ソフトスキルは「個人スキル」や「社会人基礎力」「トランスファラブルスキル」と呼ばれることもあります。

    必要なソフトスキルはシーンによって異なる

    ビジネスにおいて求められるソフトスキルの種類は、職種や企業風土、状況によってさまざまです。

    管理職はリーダーシップや部下とのコミュニケーションスキル、クリエイティブ職は発想力などのソフトスキルが業務上求められる場面があるでしょう。

    また会議では、周囲の発言を聞いたうえで、様子を見ながら自分の意見を主張する、柔軟性や積極性が必要とされます。

    企業によっては、人材育成の方針に社員に求めるソフトスキルを盛り込んでいるようです。

    このように、ビジネスパーソンに必要なソフトスキルは状況によって異なるため、一人ひとり必要なもの見極める必要があるでしょう。

    ソフトスキルを身につけるメリット

    社員一人ひとりがソフトスキルを身につけるメリットは、主に以下の3つが挙げられます。

    ・日常的な業務がスムーズに行える
    ・転職活動の際に高く評価される
    ・人間関係が円滑に進む

    そもそもソフトスキルは、プライベートの対人関係や幼少期の遊びの中で身につくといわれています。ソフトスキルが身についていないと、高度な専門スキルがあったとしても活かしきれないかもしれません。専門スキルを持っているにもかかわらず思うような成果に結びついていないとしたら、それは何らかのソフトスキルが欠けている可能性も考えられます。

    座学での習得が難しいとされるソフトスキルですが、担当者としては育成に注力し、一人ひとりの活躍を促したいところでしょう。

    ソフトスキルとハードスキルの違い

    ソフトスキルの対義語は、ハードスキルです。ハードスキルとは、職種ごとに求められる専門的な知識や技術のこと。過去に専門的な教育を受けたり、仕事上の経験を通じて学んだりして習得することが多いです。

    ここでは、ソフトスキルとハードスキルの特徴の違いを3つ取り上げます。

    ソフトスキルは経験で身につく

    ソフトスキルは、ハードスキルよりも経験値で評価されます。座学で身につけるのが難しく、実際に業務を行わないとスキルアップにつながりにくいためです。

    たとえば仕事に必要なコミュニケーション能力は、座学や研修でどんなに勉強時間を確保して知識を得たとしても、実際の業務で再現できるとは限りません。

    一方のハードスキルは、座学である程度の専門的な知識や技術を習得したうえで、実践の場で活かし、高めていくこともできるでしょう。

    ソフトスキルは明確な数値で評価しにくい

    ソフトスキルは明確な数値であらわしにくく、ハードスキルとは対照的です。

    ある社員を評価しようとしても、定性的なソフトスキルの現状は把握しにくく、今後どのように伸ばしていけばいいかという対策が立てづらいといえます。

    一方のハードスキルは、筆記テストによって現状のレベルを計測したり、専門的な資格取得の有無によって客観的にレベルを判断できます。

    ソフトスキルは汎用性が高い

    ソフトスキルの方が、ハードスキルよりも汎用性が高いとされています。一度身につけると、時代や職場が変わっても活用できる可能性が高いためです。

    ハードスキルである専門知識は、時代によって古くなったり、企業の業務内容によって役に立たなくなってしまうこともあるかもしれません。

    このように、ソフトスキルはハードスキルと対照的といえます。どちらか一方が優れているという訳ではないため、一方だけレベルが高くても評価に値しないこともあるでしょう。社員の育成を目指すのであれば、ソフトスキルとハードスキルのどちらもバランスよく鍛えるのがよいでしょう。

    ソフトスキルの例【種類一覧】

    多くの社会人に必要とされる、代表的な7つのソフトスキルを一覧表にしてご紹介します。

    協調性異なる立場や考えを尊重して物ごとを進める
    コミュニケーション能力対人関係で意思疎通をはかる
    発想力新しいアイデアを思いつく
    時間管理能力物ごとに優先順位をつけてコントロールする
    リーダーシップ集団をまとめて引っ張っていく
    問題解決能力問題の原因を見つけて解決の筋道を立て、実行する
    積極性自分から進んで働きかける

    それぞれについて詳しく解説します。

    協調性

    ソフトスキルの例1つめは、協調性です。自分の意見を主張して押し通すのではなく、他者の異なる意見も受け入れながら、同じ目標の達成に向けて行動する力を指します。

    コミュニケーション能力

    ソフトスキルの例2つめは、コミュニケーション能力です。自分が伝えたい内容を相手が理解できるように言語化し、伝わるよう工夫する力ともいえます。

    人間関係でスムーズに意思疎通をはかるには、相手に興味・関心を持って発言や態度から情報を過不足なくキャッチし、真意を汲み取る必要があるでしょう。

    コミュニケーション能力は直接的な対話の場面ではもちろん、メールや電話でのテキストコミュニケーションにおいても求められます。

    発想力

    ビジネスにおいて発想力とは、まだこの世に存在しないような独創的なアイデアを思いつき、新しい施策などに応用する力です。発想力のある人は、常に新しい感性や考え方を取り入れようとする好奇心に溢れている傾向にあります。

    クリエイティブ職だけでなく、課題の解決策を考えたり、新しい企画を生み出したりする企画開発職や、経営においても重要視されているソフトスキルといえるでしょう。

    時間管理能力

    ソフトスキルの一つに、時間管理能力も挙げられます。どのようにすれば効率よく進められるかを考え、最適なルートで業務を行う能力です。

    時間管理のスキルがある人は、業務の優先順位を適切に設定し、スケジュール内に目標を達成できます。時間管理能力の高い人がチームにいると、チーム全体で生産性の高い働き方を実現できるでしょう。

    リーダーシップ

    リーダーシップはメンバーをまとめあげ、チーム一丸となってプロジェクトを成功に導く組織に欠かせないソフトスキルといえます。チーム内の人間関係を良好な状態に保ち、個人のモチベーション維持にも配慮するなど、実務で経験しないとなかなか身につかない能力でしょう。

    問題解決能力

    問題解決能力もソフトスキルの一種です。トラブルが発生した際に的確な指示を出し、問題解決をスピーディー主導していく力といえます。原因を洗い出して特定したうえで、実行可能な解決策を考案し、現状の改善が求められるでしょう。

    積極性

    積極性とは、指示を待つ受け身の姿勢ではなく、自分から仕事を見つけ出す姿勢をあらわすソフトスキルです。リモートワークの普及によって、積極的に業務を行う意欲の高さがより重視されるようになりました。

    ソフトスキルと対応するハードスキルの例

    続いてソフトスキルとは反対に、習熟度が測りやすいハードスキルを7つご紹介します。

    • マーケティング
    • 語学力
    • UI・UXデザイン設計
    • プログラミング
    • SEO
    • データサイエンス
    • Excel

    それぞれ関連するソフトスキルをご紹介しながら、詳細について解説します。

    マーケティング

    マーケティングでは消費者のニーズを把握したうえで、適切な広告を出したり、新たな企画を考えたりします。相手の気持ちを考えて行動する、協調性のようなソフトスキルが土台にあると、マーケティングのようなハードスキルはより発揮しやすくなるでしょう。

    語学力

    語学力もハードスキルの一種です。英語や中国語、フランス語などの外国語が話せたり、読み書きできたりする力を指します。コミュニケーション能力のようなソフトスキルが前提にあるからこそ、語学力を活かしてグローバル企業で活躍できるでしょう。

    UI・UXデザイン設計

    UI・UXデザイン設計のスキルとは、サービスにおける使いやすさや顧客体験をよりよくするために、サイトやアプリなどを設計・デザインする力です。

    クリエイティブ・デザイナー職で求められます。ソフトスキルである発想力とハードスキルであるUI・UXデザイン設計力は相互に補完し合って、実際の業務で活かせるでしょう。

    プログラミング

    プログラミングは、特殊な言語を書き出してコンピューターに動作を指示する能力です。プログラミング言語はさまざまな種類があり、使い分ける必要があるため専門性の高いハードスキルといえます。

    時間管理能力などのソフトスキルを土台にして、業務効率化の実現をイメージしながら言語を書き出してシステムを構築する必要があるでしょう。

    SEO

    SEO(検索エンジン最適化)とは、検索エンジンの上位にWebサイトなどが表示されるように対策を行うことを指します。SEOは複数のハードスキルの集合体ともいえるかもしれません。

    企業のSEO担当は、日常的にランキングや流入数などの数値データを見て判断し、必要な施策を実行します。ライターやデザイナー、コーダーに指示を出すこともあるでしょう。複数の部署と連携しなければならず、リーダーシップのようなソフトスキルも兼ね備えたうえで、技術的なSEOの知識を活かしていくことが求められます。

    データサイエンス

    データサイエンスとは、ビッグデータを活用して課題を解決するスキルのことです。ソフトスキルの一種である問題解決能力と関連が深いハードスキルといえます。

    数値データを読み解き、それを根拠に問題の要因を分析したり仮説を立てたりして、解決に導く必要があります。当然ながら統計学や数学の知識が求められるでしょう。

    Excel

    Excelを日常的に使うビジネスパーソンのうち、マクロまで自由に使いこなせる人は多くないかもしれません。Excelのマクロ設計力はハードスキルの一種であり、特定の部署では高く評価されます。

    積極性などのソフトスキルを発揮して、自発的にハードスキルであるマクロの知識を習得したケースもあるでしょう。

    ソフトスキルが重視されている背景

    コミュニケーション能力のようなソフトスキルは、いつの時代もどんな企業でも求められることが多いですが、近年はさらに重視される傾向にあるといえます。

    ソフトスキルへの注目が高まっている社会的な背景を3つ取り上げます。

    AIの普及

    AI(人工知能)が普及し、IT・DX化が推進される一方で、人間にしかできないことも注目されるようになりました。高性能な人工知能やシステムでは対応しきれない、共感性や感受性、柔軟性などの人間特有の感覚がソフトスキルの一種、あるいは土台となっています。

    AIに代替されにくい人間らしいソフトスキルをビジネスに活かすことが、今の時代を生き抜くには必要といえるかもしれません。

    働き方改革の推進

    ソフトスキルが重視されているのは、働き方改革の実現が急がれている社会背景も影響しています。社員のソフトスキルが鍛えられると、企業全体の業務の生産性が高められるためです。

    時間管理能力や発想力などのソフトスキルが高い社員は、より短い労働時間で大きな成果を上げられるため、働き方改革の推進に貢献してくれるはずです。

    転職に対する考え方の変化

    ソフトスキルが重視されている背景として、転職に対する価値観が変化したことが挙げられます。昨今は終身雇用制度は衰退し「転職は当たり前」という考え方が社会に広がってきました。

    職場を変えても活かしやすいソフトスキルを身につけることで、転職に成功しやすかったり、転職先で高い評価を受けられたりするため、社員側にメリットとして考えられています。

    また、社員を定着させるにはソフトスキルを持っているかどうかが重要といわれています。

    ソフトスキルを鍛える方法

    ここからは、社員のソフトスキルを鍛える方法や手順を3つ取り上げてご紹介します。

    個人のソフトスキルを可視化する

    1つめの方法は、個人のソフトスキルを可視化することです。ソフトスキルは数値で計測しにくいため、工夫が必要です。1on1ミーティングなどで社員と直接対話を重ねてそれぞれの個性を見つけたり、スキルを数値化する指標を設けたりする方法があります。

    外部研修を活用する

    ソフトスキルを鍛える2つめの方法は、外部研修を活用することです。

    具体的には、以下のような例が挙げられます。

    • コミュニケーション研修
    • マネジメント研修
    • ストレス対策研修

    ソフトスキルは座学で簡単に身につくものではないとされているため、多種多様な外部研修の中から実践を踏まえたものを選ぶのがおすすめです。また、積極的に研修に参加してもらうため、事前にソフトスキルや研修の重要性を伝えるようにしましょう。

    360度評価を実施する

    360度評価を実施することも、ソフトスキルを鍛えるには有効とされています。360度評価は、上司だけではなく、部下や同僚などさまざまな立場から判断する人事評価の一手法です。

    評価結果によって自分が客観的にどのように見えているかわかるため、社員が自身のソフトスキルを見つけやすくなるでしょう。

    まとめ

    ソフトスキルとは、協調性やコミュニケーション能力、発想力などの仕事を進めるうえで基礎となる能力のことです。

    AIの普及や働き方改革の推進によって、ソフトスキルへの注目度が高まっています。社員のソフトスキルを高められると、効率的な働き方につながるとされています。

    当記事でご紹介したソフトスキルを鍛える方法を参考に、自社に合う施策を検討、実施してみてはいかがでしょうか。

    ソフトスキルの可視化にOne人事[タレントマネジメント]


    One人事[タレントマネジメント]は、社員のスキル情報を人材データベースにまとめて管理し、スキル管理を支援するタレントマネジメントシステムです。ソフトスキルの登録や検索、組織全体のスキルバランスなどを直感的に把握でき、1on1や研修の管理にも役立ちます。

    可視化したスキル情報を人事評価と連携し、個々のスキルアップなど計画的な人材育成にもつなげられるでしょう。