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年末調整の書類を郵送する方法|提出物と流れ、注意点を解説

年末調整の書類は郵送でもよいのか|提出すべき書類と提出の流れ、注意点などについて解説

年末調整では、さまざまな書類を取り扱います。なかには税務署や市区町村へ提出が必要なものがあります。たとえば、給与支払報告書や法定調書合計表などです。通常の業務も忙しい年末は、効率的に年末調整を終わらせるために、郵送での提出を考える会社も多いでしょう。

本記事では、年末調整の書類を郵送で提出できるのかや提出が必要な書類、提出先、提出方法などを解説します。

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    年末調整書類は郵送でも問題ない?

    年末調整の書類は、直接持参する方法のほかに、電子申請や郵送が選択できます。

    ただし、法定調書の種類ごとに、前々年の提出すべきであった当該法定調書の提出枚数が100枚以上であるものについては、e-Taxを使用して送付する方法や光ディスクなどを使用して提出する方法、国税庁長官の認定を受けたクラウドサービスなどを利用して提出する方法によらなければなりません。

    年末調整の書類を提出するまでの流れ

    年末調整の書類を提出するまでの流れは、以下の期間ごとに対応すべき手続きが分かれています。

    1. 対象者への書類配布・回収(~11月下旬)
    2. 年末調整の計算・過不足分の調整(12月中)
    3. 源泉徴収税の納付および法定調書の提出(12~翌1月)

    それぞれ解説します。

    1.対象者への書類配布・回収(~11月下旬)

    年末調整の対象となる従業員を確認し、書類に必要事項を記入してもらいます。基本的に、以下の書類が必要です。

    • 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
    • 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
    • 給与所得者の保険料控除申告書

    ほかにも「住宅借入金等特別控除申告書」や「保険料控除証明書などの証明書類」「前職の源泉徴収票」が必要になる場合もあるため、都度、個別に提出してもらいましょう。

    2.年末調整の計算・過不足分の調整(12月中)

    従業員から回収した書類を基に年間給与や控除額を計算し、所得税を算出します。そのあと、確定した給与や所得税などを記載した源泉徴収票を作成しましょう。

    また、所得税額とこれまでに源泉徴収した所得税額を比較し、差額は還付または徴収して調整する必要があります。なお、作成した源泉徴収票は、従業員に交付するとともに税務署や市区町村への提出が必要です。

    3.源泉徴収税の納付および法定調書の提出(12~翌1月)

    年末調整で正しく源泉徴収した所得税は、翌年1月10日までに納付する必要があります。源泉徴収票以外に、税務署や市区町村へ提出が必要な法定調書を作成し、翌年1月31日までに提出しましょう。

    年末調整で提出が必要な4つの書類

    年末調整で提出が必要な書類は以下の4つです。

    • 源泉徴収票
    • 支払調書
    • 給与の合計などをまとめた法定調書合計表
    • 給与支払報告書(個人別明細書・総括表)

    それぞれ解説します。

    1.源泉徴収票

    源泉徴収票とは、会社が従業員に支払った給与や給与所得控除を適用した金額、所得控除の合計、源泉徴収の額が記されている書類です。 年末調整で作成した源泉徴収票は、以下の要件に該当する従業員などがいる場合、該当者分は税務署への提出も必要です。

    • 給与などの支払い金額が150万円を超える役員
    • 弁護士や司法書士、税理士などは、その年中の給与としての支払い金額が250万円を超えるもの
    • 上記以外で、その年中の給与などの支払い金額が500万円を超えるもの

    2.支払調書

    支払調書とは、税理士や社労士などの専門家、外部のフリーランスなどに支払った報酬や不動産の使用料などで源泉徴収した金額を報告する書類です。

    なお、支払調書には以下のような種類があります。

    • 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
    • 不動産の使用料などの支払調書
    • 不動産等の譲受けの対価の支払調書
    • 不動産等の売買または貸つけのあっせん手数料の支払調書

    3.給与の合計などをまとめた法定調書合計表

    法定調書合計表とは、該当する従業員や役員、退職者を含む全員分の合計を記した書類です。支払調書も合計して記載します。年末調整を行った翌年の1月末までに、源泉徴収票や支払調書とともに、税務署に提出する必要があります。

    4.給与支払報告書(個人別明細書・総括表)

    給与支払報告書は住民税の計算に必要な書類です。従業員の住む市区町村に提出が必要です。給与支払報告書は以下の2種類があります。

    • 個人別明細書
    • 総括表

    個人明細書には、支払った給与額の合計や保険料控除の合計額など、記載されている内容は源泉徴収票と同様です。また、従業員別に作成する必要があります。

    統括表とは、給与支払報告書の表紙の役割をするもので、提出が必要な市区町村ごとに作成する必要があります。会社名や所在地、住んでいる従業員数などを記載しますが、市区町村によって様式が異なるため確認が必要です。

    年末調整で必要な書類の入手方法

    年末調整で必要な書類の入手方法は、大きく以下の2パターンです。

    • 国税庁や市区町村のサイトからダウンロードする
    • 税務署で受け取る

    それぞれ解説します。

    国税庁や市区町村のサイトからダウンロードする

    年末調整で提出する書類のフォーマットは、国税庁のサイトでダウンロードできます。給与支払報告書に関しては、各市区町村のサイトからもダウンロード可能です。年度によってフォーマットが変わる可能性があるため、最新のものをダウンロードするようにしましょう。

    税務署で受け取る

    税務署で直接受け取る方法もあります。サイトからのダウンロードは、従業員数が多いと印刷の手間がかかりますが、税務署で必要な分をもらうと楽に手に入ります。

    また、税務署主催の年末調整の説明会に参加すると、必要書類のほかに手引きなどももらえるケースがあるため、年末調整に不安がある担当者は利用するとよいでしょう。

    年末調整の書類を郵送する方法

    年末調整の書類の郵送方法は決まっています。誤った方法で送らないためにも、正しい郵送方法をおさえておきましょう。

    年末調整の書類は信書扱いで送る

    税務関係の書類は「信書」扱いとなるため、第一種郵便物か、信書便物として郵送します。封筒でも送れますが、追跡可能なレターパックや特定記録郵便、簡易書留を利用した方が安心でしょう。

    ただし、以下の方法では信書扱いで送れないため注意が必要です。

    • ゆうパック
    • ゆうメール
    • ゆうパケット
    • クリックポスト

    参考:『信書の送付について』日本郵便

    控用の書類が必要なら返信用封筒も入れる

    年末調整に関する領収書などは、7年間の保管義務がありますが、提出義務のある法定調書にはありません。しかし、控えとして保管しておきたいなら、郵送時に控え用の用紙と返信用封筒を同封する必要があります。

    封筒は、書類が入る大きさのもので、自社宛の住所や担当者名、切手を貼って同封します。なお、控えは必ずしも必要ではないため、返信用封筒を入れるかどうかは、会社側で判断しましょう。

    年末調整の書類を郵送するときの注意点

    年末調整の書類を郵送する場合の注意点は以下の3つです。

    • 書類の受付期限に注意する
    • 書類の不備やミスに注意する
    • 年末調整関連の制度改正に注意する

    それぞれ解説します。

    書類の受付期限に注意する

    法定調書の提出期限は、年末調整の翌年1月31日までです。一般的に、税務関連の書類は、税務署や市区町村に到着した日が提出日となりますが、提出期限が明記されている年末調整のようなケースでは、郵便物の通信日付印が提出日とみなされます。

    つまり、1月31日までに郵送すれば、手続きに間に合います。しかし、年末調整のような大切な手続きは、期限に猶予を持たせて行う方が賢明でしょう。

    書類の不備やミスに注意する

    提出が必要な書類を郵送で済ませれば、行く手間や時間を削減できるため効率的ですが、書類に不備やミスがあると、何度も修正で対応しなければなりません。

    やり取りが続いてしまうと、持参したほうがよかったというケースもあり得るため、できるだけ不備やミス、漏れがないように慎重にチェックしましょう。

    年末調整関連の制度改正に注意する

    年末調整に関する法改正は頻繁に行われています。最新の情報をしっかりチェックしていなければ、不備のもとになりかねません。フォーマットが変わるケースもあるため、書類作成の前に最新の年末調整の情報をチェックしておきましょう。

    まとめ

    年末調整の書類は郵送でも問題ありません。しかし、紙ベースでの手続きは管理や処理などに手間がかかります。可能であれば、年末調整は電子申請で行うのがおすすめです。

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