コミュニケーションコストとは? 高い人の特徴や削減方法も解説

コミュニケーションコストとは? 高い人の特徴や削減方法も解説

コミュニケーションコストは、組織内の意思疎通や情報伝達を円滑に進めるうえで見過ごせない要素です。コミュニケーションコストが高い状態が続くと、無駄な時間や一部の人への負担が増え、業務効率や生産性の低下にもつながります。しかし、「どのような状態がコミュニケーションコストが高いと言えるのか」「なぜ高くなるのかがわからない」と感じている方もいるでしょう。

そこで本記事では、コミュニケーションコストの意味や高くなる原因を解説します。あわせて、コミュニケーションコストが高い人や組織の特徴、削減する方法も紹介します。情報伝達や組織内の意思疎通に課題を感じている経営層や人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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    コミュニケーションコストとは?

    コミュニケーションとは、情報共有や意思疎通にかかる時間や労力のことです。コミュニケーションコストが高い場合は手間がかかっており、低い状態とは、スムーズな連携ができているといえるでしょう。

    コミュニケーションコストに関連する「ブルックスの法則」

    ブルックスの法則とは、コミュニケーションコストと関係のある法則として、フレデリック・ブルックス氏が提唱しました。組織のメンバーが増加するほどコミュニケーションコストが増加し、業務やプロジェクトの進捗が滞るという解釈です。

    業務やプロジェクトの進捗が遅くなっているからといって、人員を増加させると、さらに遅れる可能性があるため注意しなければなりません。

    コミュニケーションコストの計算は人数の2乗

    コミュニケーションコストの計算には「人数の2乗」とする考え方もあります。たとえば、チームメンバーが5人の場合は25倍のコミュニケーションコストが発生するというざっくりとした考え方です。

    一人ひとりの理解力や価値観は異なるため、人数が増えるほど、1つのテーマを全員が理解するのに必要な時間が多くかかるといえるでしょう。

    コミュニケーションコストが高い人の特徴

    コミュニケーションコストが高い人には、どのような特徴や共通点があるのでしょうか。具体的な特徴を紹介します。

    ・組織内での役割を理解できていない
    ・情報処理が苦手
    ・話を聞けない

    組織内での役割を理解できていない

    自分の役割を理解できておらず、組織内での役割を理解できていないことが挙げられます。

    企業全体から部署やチーム、個人へと役割を細分化できておらず、自分が何をすべきなのかわかっていない状況です。余計なことをしてしまったり、やるべきことができなかったりする人が該当するでしょう。

    情報処理が苦手

    与えられた情報に対する処理が遅いことや、処理自体が苦手ということも挙げられます。与えられた情報の処理速度が遅い場合、理解するまでに時間がかかったり、間違った認識をしてしまったりするのです。

    話を聞けない

    相手の話を最後まで聞けないという点も挙げられます。相手が話しているときに、遮って自分の意見を言う人や、ルールを意識せずに業務を進めてしまう人に対しては、何度も説明が必要になるため時間や労力がかかるでしょう。

    コミュニケーションコストが高い組織の特徴

    コミュニケーションコストは、個人だけでなく組織状態によっても高くなります。コミュニケーションコストが高くなりがちな組織状態の特徴や共通点を紹介するので、自社全体や部署、チームごとに当てはまるかどうかの参考にもしてみてください。

    ・質問や相談がしにくい
    ・社内ルールが適切に伝わっていない
    ・従業員に理解差がある

    質問や相談がしにくい

    コミュニケーションコストが高い組織は「誰に相談すればよいのかわからない」という質問や相談がしにくい状態です。質問や相談をすべき人や担当者が不明瞭で、疑問に対する資料がどこにあるかわからないような場合も同様です。

    また、組織の風土として質問や相談をしにくい環境も、コミュニケーションコストが高くなります。このような状態では、従業員が複数人に質問してしまったり、資料探しのために時間がかかってしまったりなど、無駄な時間が生じてしまうでしょう。

    社内ルールが適切に伝わっていない

    社内ルールについて、全員が理解できるように周知されていないと、コミュニケーションコストが高くなります。

    また、社内ルールが更新された場合、更新の旨を周知しないことで従業員が把握できておらず、結果的に非効率な流れになってしまうでしょう。

    従業員に理解差がある

    組織のなかには、リテラシーが高い人とそうでない人がおり、こうした従業員の理解差もコストの増大に影響します。

    リテラシーが低い人に全面的にあわせる必要はありませんが、高い人向けに説明してしまうと全員の理解が及ばず、かえって時間がかかってしまう可能性があります。できるだけわかりやすい情報伝達を意識したり、詳細な資料をつくっておいたりするのもおすすめです。

    コミュニケーションコストが高くなる原因

    コミュニケーションコストが高くなる原因にはどのような点が挙げられるのでしょうか。個人でも組織でもコミュニケーションコストの増加につながる具体的な原因を紹介します。

    ・コミュニケーションの方法や手段が適切ではない
    ・情報量が多すぎる
    ・社内ルールや前提情報が浸透していない

    コミュニケーションの方法や手段が適切ではない

    コミュニケーションコストが高くなる原因として、コミュニケーションの方法や手段が適切でないことが挙げられます。

    たとえば、口頭のみで情報を伝達していると大切な情報が抜け漏れていても気づかず、記録も残らないため、複数の人から同じ質問をされてしまう場合です。つまり、口頭での情報伝達は、情報の抜け漏れや再質問の可能性を高めます。

    また、毎回異なる方法で情報伝達を行うことも、情報が必要になった際にどこにあるか探す手間がかかるため、非効率になりやすいでしょう。情報伝達や意思疎通の方法として最適なものを選び、基本的には統一して行うことがおすすめです。

    情報量が多すぎる

    情報伝達や意思疎通において情報量が多すぎる場合、かえって混乱を招き認識相違の可能性があります。

    正しく伝えるために補足情報を加えることは否定しませんが、できるだけシンプルでわかりやすい情報伝達を意識することが大切です。相手に伝える前に、不要な情報が含まれていないか一度整理してから伝達することを意識してみましょう。

    社内ルールや前提情報が浸透していない

    新たな情報伝達や意思決定の周知を行う場合、そもそも前提となる情報が理解されていない場合もあります。そのため、社内ルールや前提情報が十分に理解されていない状況で新たな情報を伝えても理解されにくいでしょう。

    まずは、日頃から社内ルールや企業の方針などに関する情報を明確化し、全員がいつでも確認できるような状態にしておくことが大切です。

    コミュニケーションコストの増加で起こる問題

    コミュニケーションコストが高くなることで生じる問題にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な問題点について紹介します。

    ・業務効率が低下する
    ・チームの士気やモチベーションが低下しやすくなる
    ・意思決定の速さに影響が出る
    ・特定の従業員への負担が重くなる

    業務効率が低下する

    すぐに理解できないメンバーへの決定事項の説明や情報共有は、何度も同じことを言ったり、かみ砕いて説明したりしなければならず、時間や労力を消費し、業務効率を下げます。

    また、伝えた内容に対して理解が不十分もしくは間違った認識をしてしまった場合、結果的にミスが起き、業務をやり直す事態にもなりかねません。

    チームの士気やモチベーションが低下しやすくなる

    情報伝達が不十分な場合、チームや組織としての連携が取りにくくなるでしょう。理解に齟齬(そご)があれば、ミスやトラブルの原因となり、チーム全体の士気やモチベーションの低下にもつながります。

    意思決定の速さに影響が出る

    情報伝達がスムーズにいかないことで、意思決定のスピードが遅くなる可能性もあるでしょう。意思決定が遅くなることは、業務の進捗や成果に影響を及ぼします。

    業務時間は限られており、与えられた情報への理解に時間がかかるほど重要な意思決定や判断も遅れ、さまざまな業務に影響しやすくなるでしょう。

    特定の従業員への負担が重くなる

    コミュニケーションコストが高いと、特定の従業員の負担が増大する可能性があります。たとえば、説明者は何度も同じことを伝えることや、質問に答える必要があります。

    また、メンバー全員に対して一斉に説明を行った際に、すぐに理解できない場合は、全員が理解するまで待たなければならず無駄な時間が生じてしまうでしょう。

    コミュニケーションコストの削減方法

    コミュニケーションコストが高い場合、どうすれば削減できるでしょうか。組織や個人で意識できるコミュニケーションコストの削減方法について紹介するので、できることから取り組んでみましょう。

    ・組織の役割分担を明確にする
    ・5W1Hで情報を整理する
    ・コミュニケーションを見える化する
    ・社内教育の仕組みを整える
    ・ツールを導入する

    組織の役割分担を明確にする

    組織におけるそれぞれの役割を明確化しておくことが大切です。

    組織は多くの部署やチームにより構成されています。そのため、担う役割もそれぞれ異なるでしょう。組織全体の構成や役割を明確化し、全社員が確認できるような状態にしておくことで、自分の役割も理解しやすくなります。

    5W1Hで情報を整理する

    どのような場面においても、相手の話を聞く際は「5W1H」を意識しましょう。5W1Hを意識して情報を整理することで、理解がしやすくなります。

    組織だけではなく個人においてもコミュニケーションコストの削減に役立ちます。

    コミュニケーションを見える化する

    コミュニケーションを取る際、とくに重要な内容について、やり取りを見える化するのがポイントです。チーム全体に情報を共有したり、質問を投げかけたりすることで、全員に伝えられ、質問への回答も効率的に集まります。

    たとえばチャットツールなどの手段を用いれば、過去のやり取りについて全員が同じものをさかのぼって確認できるため、情報伝達の内容や質を均一化できるでしょう。同時にリテラシーが低い人に向けて、別途、細かい内容に言及した資料を添付しておくのもおすすめです。

    社内教育の仕組みを整える

    コミュニケーションコストが高くなりやすい原因でもある従業員の理解の差を埋めるためには、社内教育を充実させることも大切です。一定水準のリテラシーを身につけてもらうために、研修を実施したり、試験を行ったりするのも効果的でしょう。

    ツールを導入する

    コミュニケーションコストを抑えるためには、ツールを導入するのもおすすめです。コミュニケーションコストの削減に効果的なツールには、以下のようにさまざまなものがあります。

    ・ビジネスチャットツール
    ・情報一元化システム
    ・FAQシステム
    ・オンライン会議
    ・社内SNS

    ビジネスチャットツールや社内SNSでは、メンションをつけて相手を指名できたり、絵文字などでリアクションを残したりすることも可能で便利です。

    FAQシステムは、組織におけるナレッジ共有や検索性が向上しやすくなります。質問や相談を受ける特定の担当者の負担を軽減でき、従業員にとっても答えを探しやすくなるため無駄な時間を削減できるでしょう。

    また、情報一元化システムにはさまざまなものがあります。目標管理システムやタスク管理システムなどは部署やチーム、個人の業務や進捗状況を適宜確認でき、タレントマネジメントシステムでは従業員情報、勤怠管理システムでは勤怠情報に関する内容の把握や管理がしやすくなります。

    意識や手動による対策だけでなく、デジタルツールを活用することでもコミュニケーションコストの削減を進められるでしょう。

    まとめ

    コミュニケーションコストとは、情報伝達や意思疎通にかかる時間や手間を指します。コミュニケーションコストが高いことで、非効率な業務や組織の生産性を低下させる原因にもなりかねません。

    コミュニケーションコストが高い状態は、個人だけでなく組織状態によって起こっている場合もあるため、原因を考えながら対策に取り組んでみましょう。