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OKRの具体例|目標設定方法や注意点も徹底解説!

企業の目標を達成させるためにOKRを実施している企業や、OKRの導入を検討している企業もあるでしょう。しかし「OKRの運用がうまくいっていない」「OKRの具体例を見てみたい」という声も耳にします。

そこで本記事は、OKRの設定例を具体的に挙げながら、OKRの総合的な解説や、OKRの進め方に関する手順も紹介します。OKRの効果がいまいち感じられていない企業や、OKRの例を知りたいという経営層や人事担当者、各責任者はぜひチェックしてみてください。

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    OKRの事例や具体例を参考にするとスムーズ

    OKRの導入を検討している場合、どのようにOKRを設定したらよいのかわからないという場合も少なくありません。そこで実際にOKRを設定する前に、OKRの設定について例をチェックしてみるとよいでしょう。

    OKRでは、企業→部署→個人と細分化して設定していくことになるため、それぞれのOKR例を確認すると、より理解が深まるはずです。

    やみくもにOKRを始めても、設定の段階で誤ってしまい、効果的なOKRの運用ができなくなってしまいます。スムーズに運用するためにも、企業の事例やOKRの具体例を確認しておきましょう。

    OKRを企業で設定する場合の例

    企業としてのOKRを設定する場合の例を紹介します。

    企業のOKRにおけるObjectivesの例

    企業が設定するOKRでは、チャレンジ的かつ定性的な目標にするのがポイントです。

    • 顧客満足度の高いサービスを提供する
    • DX化を進めるリーディングカンパニーになる

    このように、達成するのが難しいレベルかつ数値では判断することのできない目標にしたうえで、達成度を定量的なKeyResultsで判断しましょう。

    企業のOKRにおけるKeyResultsの例

    企業のOKRとして、KRの設定では定性的なObjectivesを達成するために必要な数値目標を立てます。

    • リピート率を30%にする
    • DX化製品の売上を40%伸ばす

    このように、Objectivesを達成させるために必要と判断できる具体的な数値による目標を立てるのがポイントといえるでしょう。

    OKRを部署で設定する場合の例

    部署としてOKRを設定する場合の例を紹介します。

    部署でOKRを設定する際は、会社目標を達成させることを踏まえた内容にする必要があります。

    会社目標を達成させるために必要かどうか、会社目標とリンクしているかどうかを意識しましょう。

    部署のOKRにおけるObjectivesの例

    部署でObjectivesも定性的な内容で設定するようにしましょう。

    • 顧客にアンケートやヒアリングを実施する
    • 商談でDX化の必要性や製品の魅力をアピールする

    上記のように、定性的な目標を設定するため、Objectivesの達成度は定量的なKeyResultsで判断します。

    部署のOKRにおけるKeyResultsの例

    部署のKeyResultsについても、定性的なObjectivesを達成するために必要な数値目標を立てるのがポイントです。

    • アンケートやヒアリングの回答を1000件分回収する
    • 商談数を前期比30件増やす

    このように、Objectivesを達成させるために必要な数値を用いて目標を立てましょう。

    OKRを個人で設定する場合の例

    個人としてOKRを設定する場合の例を紹介します。

    部署でOKRを設定するのと同様に、会社目標の達成を前提にしたうえで部署目標を達成できるような内容にする必要があります。

    部署目標を達成させることができるか、会社目標との関連性も意識したうえで設定しましょう。

    個人のOKRにおけるObjectivesの例

    個人のObjectivesも、客観的な数値で判断できない定性的な内容で設定するようにしましょう。

    • 顧客との信頼関係を深める
    • 新規顧客の開拓をする

    上記のように、数値では測れない内容にし、Objectivesの達成度は定量的なKeyResultsで判断します。

    個人のOKRにおけるKeyResultsの例

    個人のKeyResultsについても、Objectivesの達成度を測れるような数値目標にするのがポイントです。

    • 顧客への対面によるコミュニケーションを10件行う
    • アポイントを10件取る

    上記のように、KeyResultsを達成することでObjectivesも達成とみなせるような内容で設定しましょう。

    OKRとは

    OKR(Objectives KeyResults)とは、ひとつの目標(Objectives)とともに複数の結果(KeyResults)が付随するように設定する目標管理の方法です。

    目標を達成するために必要な結果を設定し、その内容に従って、各部署や個人レベルに必要な業務や役割を割り振っていきます。

    OKRを運用する目的としては会社の意思統一や生産性の向上、モチベーション向上などが挙げられるでしょう。

    企業として達成させたいひとつの目標に対して必要な成果を設定します。

    常に会社の目標を意識して取り組むことで従業員の意思統一がはかれ、モチベーションや生産性の向上が期待できるでしょう。

    Objectives

    一般的に、最終的なゴールとして設定されるのがObjectivesです。

    そのため、Objectivesは定性的な目標かつ取り組むメンバーや従業員のモチベーションが上がるような内容であるものが望ましいとされています。

    • 定性的な目標
    • 従業員のモチベーションが上がるもの
    • わかりやすい内容
    • 四半期で達成できる目標
    • 達成度が60~70%程度になるようなもの

    上記のような内容でObjectivesを設定します。

    さらに、定性的なObjectivesを達成させるために、定量的な成果をKeyResultsとして設定すると認識しましょう。

    KRはKey Results

    Key Resultは、Objectivesを達成させるために必要な数値目標が該当します。これは、Objectivesの進捗をはかる指標にもなるからです。

    Key Resultを設定する際は、定量的かつ頑張れば達成できる可能性があるというような内容で設定するのがポイントです。

    • Oを達成するための定量的な目標
    • KRの数としては2~5個程度
    • ストレッチの効いた内容

    上記のようなポイントを踏まえてKey Resultを設定しましょう。

    OKRを運用する際のポイント

    OKRを運用する際のポイントについて紹介します。効果的なOKRにするためにも、ポイントを理解したうえで運用するようにしましょう。

    定期的に面談や進捗確認を行う

    OKRを進める際は、定期的かつ頻繁な進捗確認が欠かせません。

    従業員本人と上司による1on1を実施して、良い点や課題点を伝え合いながら、コミュニケーションを深めることでモチベーション向上にもつながるでしょう。

    また、目標設定の難易度が高いと進捗が芳しくない場合もあるでしょう。

    設定した目標が適切かどうかを随時チェックしながら、場合によっては柔軟な対応を取ることも意識しましょう。

    達成するための行動を取る

    OKRで設定する目標は、簡単には達成できない場合も多いでしょう。

    OKRを設定したうえで、どうしたら達成できるのかどうかを考えたり、上司やメンバーに相談しながら、達成するための取り組みを行いましょう。

    OKRを設定して満足したり、目標が高すぎてやる気が落ちてしまわないように注意しなくてはなりません。

    本人だけでなく上司も意欲的に取り組むようにしましょう。

    OKRは細分化して設定する

    OKRを運用する場合は、企業としてのOKRだけでなく個人レベルまで細分化してOKRを設定するようにしましょう。

    企業がOKRを設定したうえで、達成するために必要なOKRを部署や従業員の個人レベルで設定していきます。

    部署や個人のOKRは、企業の目標達成に関連するような設定をすることが重要です。

    モチベーションを高く保てるよう意識する

    OKRを設定する際は、チャレンジングな内容や従業員のモチベーションが高まるような内容にするのもポイントです。

    部署や個人のOKRについても同様で、設定する際に従業員の声と管理者の意見をすり合わせながら設定します。

    また、OKRの設定や運用のどちらにおいても、部署間や上司とのコミュニケーションを大切にして、モチベーションを高く保てるようにしましょう。

    目標や評価を公開する

    OKRで設定した目標や評価については、全体共有を行い、社内の誰がいつでも確認できるようにしておきましょう。

    誰でもすぐに確認できるようにしておくことで、常に会社の目標を意識でき、社内の意思統一をはかりながら、モチベーションや生産性の向上にもつながります。

    透明性を確保することで、信頼性や納得感が生じやすくなるはずです。

    OKRを設定する流れや方法

    OKRを設定する際の大まかな流れや方法について紹介します。

    1. 会社OKRを設定
    2. 部門やチームのOKRを設定
    3. 個人OKRを設定
    4. 進捗確認
    5. 1on1の実施
    6. 評価と振り返り
    7. 次の四半期OKRを設定

    1.会社OKRを設定

    OKRの設定では、まず会社全体としてのOKRを立てます。

    最初に年間OKRを立てたうえで、達成するために逆算しながら四半期OKRを設定します。

    具体的な内容については、全従業員が理解できるよう、わかりやすい表現を用いるように意識することも重要です。

    会社全体のOKRを設定したら、従業員全体に周知を行いましょう。

    全社的に取り組むためにも全員に理解してもらわなくてはなりません。設定した目標の背景や理由を説明したうえで、従業員の理解を得られるようにしましょう。

    2.部門やチームのOKRを設定

    次に、部署やチームのOKRを立てます。会社のOKR達成を踏まえて、会社目標に関連するもので設定するのがポイントです。

    OKRが設定できたら、それぞれのOKRについて周知を行います。OKRの責任者や各KRの担当者等についても紹介しましょう。

    3.個人OKRを設定

    部署やチームのOKRが周知されたら、従業員個人レベルのOKRを設定します。

    個人OKRを設定する際も、会社目標と部署目標の達成を踏まえて、関連したもので設定するのがよいでしょう。

    基本的に上司や責任者と1on1をして決めていきますが、チームで話し合ってそれぞれのOKRを設定する場合もあることも認識しておきましょう。

    4.進捗確認

    OKRでは、目標に対する進捗確認を定期的に行うのがおすすめです。

    コンスタントに進捗確認や共有を行うことで、上司が従業員の目標を管理したりサポートしたりできるからです。

    OKRの運用では、会社目標を達成させることが前提となり、そのために部署や個人OKRを設定します。

    そのため、個人レベルのOKRも、会社目標の達成に重要なポイントとなるでしょう。

    5.1on1の実施

    OKRでは定期的な進捗確認を行いますが、特に節目となるタイミングでは上司や責任者と1on1を実施しましょう。

    OKRで目標を達成するためには、従業員個人の努力だけでなく、上司のサポートが重要です。

    従業員の進捗を把握するだけでなく、さらにモチベーションが高まるようなコミュニケーションをとるようにしましょう。

    6.OKRの評価と振り返り

    OKRの期間が終了したら、目標に対する評価を行います。特に個人の評価については、面談の中で結果を確認しながら振り返りをしましょう。

    7.次の四半期OKRを設定

    次の四半期を迎えるにあたり、あらためて四半期OKRの設定を行います。

    年間のOKRに基づき、前回のOKRの達成度を踏まえたうえで、あらためて新たな四半期OKRを立て、調整を行いしょう。

    ステップに関しては、ステップ1における会社OKR(四半期)の設定ができ次第、部署や個人へと細分化していくサイクルを繰り返します。

    OKRの注意点

    OKRを運用する際に注意すべきポイントを紹介します。OKRの運用に失敗しないためにも注意点を理解しておきましょう。

    責任者層や上司だけで目標設定しない

    OKRは設定したら終わりではなく、従業員の意見にも耳を傾けることが重要です。

    企業としてひとつの目標に向かって動いていくためには、納得感があるものでなければなりません。

    部署メンバーや従業員に共有した際に出た意見なども参考にしながら、目標を設定するようにしましょう。

    人事評価や業績評価に直結させない

    OKRを運用する際に意識したいのが、OKRを人事評価や業績に直結させないようにする点です。

    OKR自体は高めの目標設定を行うのが一般的です。そのため、最終的な達成度は60~70%で達成とみなされます。

    仮に達成度が60%だった場合に、そのまま人事評価に反映させてしまうと、優秀な人材のモチベーションが下がってしまうこともあります。

    また、人事評価が低くなることを恐れて、OKRの目標を低く設定する可能性もあるため人事評価や業績とは切り離すようにしましょう。

    OKRの運用はツールやシステムで効率化

    OKRを運用する際は、会社や部署、個人レベルなど多くの目標を管理しなくてはなりません。OKRを手動で管理すると、手間がかかったり、負担が増えてしまい、本来の業務や目標達成の取り組みに影響が出る可能性もゼロではありません。

    そこで、OKRを効率よく管理できるツールやシステムを使うのがおすすめです。

    OKRの運用をサポートするシステムの一つに、タレントマネジメントシステㇺがあります。

    タレントマネジメントシステムは、従業員データの管理や、戦略人事の実行を目的としていますが、OKRなどをはじめとした目標の管理に役立つ機能が搭載されているのをご存知でしょうか。

    タレントマネジメントシステムの中には、目標管理シートのテンプレートや複数の評価制度を管理できるものがあります。