目標管理ツール(システム)の比較ポイント【企業・個人向け】無料版や導入メリットも紹介
目標管理ツールとは、目標管理のプロセスを効率化し、企業内での目標達成をサポートするためのツールです。
「目標管理をエクセルで運用し手間がかかっている」「目標に対する行動の進捗が可視化できていない」と、目標管理に課題を抱える企業は、ツールの活用により改善される可能性があります。
本記事では、目標管理ツールを導入するメリットや、ツールを選ぶ際のポイント、無料版ツールの活用方法について解説します。
目標管理ツール(システム)とは
目標管理を効率的かつ便利に運用できるツールが「目標管理ツール」または「目標管理システム」です。
そもそも目標管理とは、会社全体や部署など組織の目標達成のために、従業員が自ら個人目標を立て、自主的な行動を促すマネジメント手法です。
目標管理ツールの目的や種類などについて、詳しく解説します。
目標管理ツールの必要性
目標管理を紙やエクセルなどで管理しようとすると、達成状況の共有がしづらく、データ管理が煩雑で思うように運用できない場合があります。目標管理がうまく機能しない原因として、現場によって目標設定や評価方法が統一されていないケースがあります。
そこで役に立つのが、目標管理に特化した「目標管理ツール」です。ツールに沿って運用することで、目標設定から進捗状況、評価までを社内で一元管理できるため、格段に運用しやすくなるでしょう。
「紙やエクセルでの目標管理に煩わしさを感じている」「目標管理がうまく機能していない」という場合には、目標管理ツールの導入をおすすめします。
目標管理ツールの目的
企業の目標管理ツールの導入目的としては、目標管理の精度を高めることが挙げられます。
目標管理ツールを活用すると、目標達成のために必要な取り組みや、現状の課題などが把握しやすくなるため、従業員の目標達成意欲が高まる効果が期待できます。
また、目標管理ツールの中には、目標管理と人事評価を連携できるものもあります。目標の達成状況に応じて評価することにより、納得感があり透明性の高い人事評価を行えるでしょう。
目標管理ツールの種類
目標管理ツールにはさまざまな種類があるため、自社の規模や目的に合ったツールを選ぶことがポイントです。
どのような特徴を持った目標管理ツールがあるのか、大きく3つに分けて紹介します。
目標管理の効率化・精度向上に重点を置いたツール
1つめは、紙やエクセルでの目標管理を脱却し、目標管理の効率化・精度向上に特化した目標管理ツールです。
評価シートの配布や回収、進捗確認をツール上で行うことができるため、業務負荷の軽減や、マネジメントがしやすくなります。
なかには、自動で従業員への進捗確認が届き、結果は自動集計によりグラフ化されるというような機能を備えたツールもあります。
目標達成意欲向上のサポート機能が充実したツール
2つめは、目標達成意欲を高める機能が充実している目標管理ツールです。
メンバー全員の目標と進捗を公開・共有できる機能や、カジュアルに相談しやすいチャット機能などが備わっており、コミュニケーションをとりながら目標達成を目指せます。
目標と進捗をメンバー間で共有すると、チームの一体感を感じやすくなるため、個人の目標達成への意欲を高める効果が期待できるでしょう。
人事評価やタレントマネジメントまで包括したツール
3つめは、目標管理のみならず、人事評価や人材情報の管理まで包括したツールです。
このような目標管理ツールを活用すると、目標管理と人事評価を連動させられるほか、社内に散在していたデータを集約し共有できるため、人事業務の効率化に役立てることができるでしょう。
目標管理ツールでできること・主な機能
さまざまな種類がある目標管理ツールですが、たとえば次のような機能が備わっています。
- 従業員が設定した個人目標の共有
- 目標達成に向けた進捗確認
- MBOやOKRに対応した目標管理機能
- チャットシステムのようなコミュニケーション機能
- 人事情報の管理機能
ツールによってできることは異なるので、自社に合った機能を備えたものを選ぶとよいでしょう。
目標管理ツールのメリット
目標管理ツールを活用することで期待できる、4つのメリットを紹介します。
1.業務効率化
目標管理ツールを導入することで、評価シートの配布や回収、管理の手間が省けるため、運用の煩わしさを解消できます。
特に社員数が多い企業にとっては、これまでの運用にかかっていた手間や労力が軽減され、業務効率化につながるでしょう。
2.従業員のモチベーションアップ
目標管理ツールの活用は、従業員のモチベーションアップ効果も期待できます。
ツールの活用により目標達成までの進捗を可視化できるため、ゴールを目指すモチベーションにつながりやすくなります。
また、マネージャーが部下の進捗状況を簡単に把握することもできるため、達成率が乏しい社員がいれば、適切なサポートを行えます。
このように、前向きに取り組む職場環境がつくりやすくなるという点も、目標管理ツールのメリットといえるでしょう。
3. 従業員の自己管理能力向上
目標管理ツールを活用することで、従業員の自己管理能力を育成することもできます。
ツール上で目標達成までの進捗を可視化できるため「決められた期間内でどうすれば達成できるのか」という計画が立てやすくなります。
従業員が自主的に課題を見つけ、解決に向けて何をすべきかを考えられるようになることで、一人ひとりの能力向上も見込めるでしょう。
4. 客観的な評価をしやすくなる
目標管理ツールを導入すると、人事評価がしやすくなるというメリットもあります。
ツールの活用により「目標達成に向けてどのような行動をし、どんな成果を残したのか」が明確になるため、誰が見ても納得しやすい、客観的な評価を行いやすくなります。
目標管理ツールのデメリット
目標管理ツールの導入にあたって、注意しておきたい点もあります。ツールを効果的に活用するためにも、デメリットを理解しておきましょう。
「達成できそうな目標」を設定をしてしまう可能性がある
目標管理ツールは、従業員が掲げた目標の進捗を可視化し、評価に役立てることができます。しかしその反面、従業員は高い評価を得るために、生産性の低い「達成できそうな目標」を設定してしまう可能性があります。
運用を始める前に、従業員が設定した目標が適切かどうか、上司がチェックしフォローするようにしましょう。
チェックの頻度が上がり評価者の負担が増える
目標管理ツールは、進捗確認や評価の回数が増えるため、その分評価者の負担が増える可能性もあります。
なるべく評価者の負担を減らしながら、効率的に運用できるようなツールを選ぶこともポイントです。
目標管理ツールの比較ポイント・選び方
実際に目標管理ツールを導入するにあたって、どのような基準でツールを選べばよいのでしょうか。
目標管理ツールの比較ポイントや選び方についてご紹介します。
自社の導入目的とマッチするかどうか
目標管理ツールにはさまざまな特徴を持った種類があります。
ツールを選ぶ基準は、機能が多く搭載されているほどよいというわけではありません。
「目標管理の効率化に特化したい」「従業員の目標達成意欲を高めたい」「社員の情報や人事評価を包括して管理したい」など、自社の目的に合わせて選んでみましょう。
自社の目標管理フレームワークに対応しているか
目標管理のフレームワーク自体は導入しており、ツールの活用により運用を改善したいという場合「自社のフレームワークに対応しているかどうか」という点も選び方のポイントです。
代表的な目標管理のフレームワークには「MBO」と「OKR」の2つあります。
MBOは目標と評価を連動させセルフマネジメント力を育てることが主な目的であることに対し、OKRは企業やチームの目的を達成することを重視した目標管理手法です。
まだ目標管理のフレームワークを導入していないという場合は、自社にはどちらが向いているかを検討してみるとよいでしょう。
【無料版】目標管理ツールについて
目標管理ツールの中には、無料で利用できるものもあります。
ただし、無料のツールよりも、有料のツールの方が格段と機能が充実しており、便利に活用できることも事実です。目標管理を初めて導入する場合や、業務効率化が目的であれば、有料ツールの活用を検討することがおすすめです。
「ツールを導入するかどうか」を迷っている場合は、まずは無料のツールから試してみるとよいでしょう。
無料の目標管理ツールについて
完全無料で利用できる個人向けの目標管理ツールとして、たとえば「Googleスプレッドシート」があります。
Web上でデータの共有ができるため、紙やExcelで目標管理を行っており、管理の煩わしさを感じている企業におすすめです。
ただし目標管理のための専用ツールではないので、運用をより効率的に行いたいなら、有料ツールを活用する方がよいかもしれません。
有料の目標管理ツールは無料で試せる?
有料の目標管理ツールには、無料で試せる「無料トライアル版」が設けられている場合が多いです。
有料版をいきなり導入してしまうと、万が一自社にマッチしなかったときに、無駄なコストとなってしまいます。有料の目標管理ツールを導入する際は、無料で試せるものを選択することもポイントです。
有料版と無料版の違いとは
無料版の目標管理ツールは、利用できるユーザー数や機能、データの保存期間などに制限がある場合が多いです。そのため、無料版のみで目標管理を行おうとすると、十分な効果を得にくいかもしれません。
無料版はツールの使用感を確認する目的で利用し、継続的にツールの利用を続ける場合には、有料版を活用するのがおすすめです。
機能が充実した有料版の目標管理ツールを導入すると、目標管理にかかっていた時間や手間が減り、結果的に人的コストの削減が期待できるでしょう。
目標管理ツール導入時の注意点
「せっかく目標管理ツールを導入したものの、効果を発揮できない」という失敗を防ぐために、目標管理ツール導入時の注意点を紹介します。
従業員への説明を徹底する
1つめは、従業員に対し目標管理そのものの目的や、目標管理ツールの使い方などの事前説明を徹底することです。
従業員一人ひとりが目標達成に向けて取り組めるように、導入前からフォローを行うようにしましょう。
目標達成率にこだわりすぎない
目標管理ツールの導入により、一人ひとりの目標と達成状況が明確になるため、達成できなかった際に従業員は大きなプレッシャーを感じてしまうことがあります。
目標達成率にこだわりすぎると、従業員のメンタル面に悪影響を及ぼす可能性もあるため、上司は部下の状況を確認しながら適切なサポートを行なうようにしましょう。
ノルマ管理にならないようにする
目標管理がノルマ管理と化してしまうと、従業員のモチベーション低下につながりかねません。
従業員の自主性を育て、目標達成に向けて前向きに取り組めるような仕組みづくりが、目標管理の目的です。ノルマ管理となってしまうと、従業員は義務感や強制力を感じてしまい、目標管理本来の効果を得られない可能性があります。
目標管理ツールの導入時には、これらの注意点を意識してみましょう。
人事評価と連動した目標管理ツールOne人事[タレントマネジメント]
One人事[タレントマネジメント]は、目標管理はもちろん、人材データの一元管理により人事業務の効率化や戦略的人事の実行をサポートする、タレントマネジメントシステムです。
MBOやOKRなどの目標管理の進捗状況をクラウド上で管理できるほか、1on1ミーティングの面談記録やスキル管理など、さまざまな人事情報をまとめて一元管理できます。集計結果はグラフで可視化できるなど、運用面でのサポートも充実しています。
また、目標管理シートは自社に合わせて自由に設計でき、簡単に利用できるテンプレートも用意しています。
One人事では、サービス紹介資料はもちろん、人事労務のノウハウに関する資料を無料でダウンロードいただけます。また、無料トライアルもご提供していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
目標管理ツールの導入で効率的な運用を
目標管理ツールを活用することで、効率的に目標管理が運用できます。ツールにはさまざまな種類があるので、自社に必要な機能が搭載されたものを選ぶとよいでしょう。
また、目標管理ツールを導入する際は、いきなり有料プランに申し込むのではなく、無料でお試しができるツールを選ぶのがおすすめです。
目標管理の本来の目的が発揮できるように、ツールをうまく活用してみてはいかがでしょうか。