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協会けんぽ(全国健康保険協会)とは? 加入条件や保障内容を解説

協会けんぽ(全国健康保険協会)とは、日本の公的医療保険の一つです。厚生労働省所管の公法人が運営し、多くの中小企業が加入しています。

日本は「国民皆保険」であるため、原則としてすべての人が、いずれかの公的医療保険に入らなければなりません。公的医療保険には種類があり、それぞれ特徴や補償内容が異なります。

そこで本記事では、協会けんぽとはどのような保険なのか解説し、補償内容や加入方法も紹介します。そのほかの公的医療保険も解説するため、協会けんぽとの違いを確認してみてください。

※本記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

協会けんぽ(全国健康保険協会)とは? 加入条件や保障内容を解説
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    協会けんぽ(全国健康保険協会)とは

    協会けんぽとは、厚生労働省所管の公法人「全国健康保険協会」が運営する健康保険で、公的医療保険の一つです。日本最大の健康保険として、多くの中小企業が加入しています。

    協会けんぽ(全国健康保険協会)の保険料

    協会けんぽの保険料は、被保険者の標準報酬月額に設定された保険料率を乗じた金額です。保険料は、企業側と従業員側で折半して負担します。

    保険料率は都道府県ごとに異なります。例として、東京都と沖縄県の保険料率と計算方法を紹介します。

    介護保険第2号日保険者に該当しない場合の保険料率
    東京都9.98%
    沖縄県9.52%

    東京都で標準報酬月額が200,000円の場合、保険料は以下の通りです。

    200,000×0.0998÷2=9,980(円)

    沖縄県で標準報酬月額が200,000円の場合、保険料は以下の計算式で算出できます。

    200,000×0.0952÷2=9,520(円)

    このように協会けんぽの保険料は、等級で設定された従業員の標準報酬月額に、該当する都道府県の保険料率を乗じて計算し、保険料全額を企業と従業員で折半して算出します。

    参照:『令和6年度保険料額表(令和6年3月分から)』全国健康保険協会

    そもそも健康保険とは

    健康保険とは、公的な医療保険制度の一つです。

    健康保険に加入している企業に勤める会社員や一定の条件を満たす非正規雇用社員は「被保険者」と呼ばれ、健康保険の各制度を利用できます。健康保険に加入すると、病気やケガなどの事故に備えられます。

    公的医療保険の種類

    公的医療保険は大きく分類すると以下の3つに分類されます。

    • 被用者保険(健康保険)
    • 国民健康保険
    • 後期高齢者医療制度

    被用者保険(健康保険)

    被用者保険(健康保険)とは、企業に加入義務がある公的な医療保険制度です。

    健康保険に加入すると、病気やケガによる休職や出産などの不測の事態に備えることができます。企業と被保険者が毎月保険料を支払うことで、不意の事態が発生したときに保険給付を受けられるためです。

    たとえば、医療費負担の軽減や出産手当金、出産育児一時金などの支給により、被保険者の生活を手厚く補償しています。

    また、健康保険組合には種類があり、勤務先によって加入先が異なります。

    健康保険組合大企業などが組織する
    全国健康保険協会 
    (協会けんぽ)
    全国健康保険協会(公法人)が管轄し、多くの中小企業が加入する
    共済組合公務員や私立の教職員などが加入する

    国民健康保険

    国民健康保険は、都道府県や市区町村が運営する医療保険制度です。

    健康保険に加入していない自営業や無職の方が加入します。国民健康保険では、加入者本人が保険料を負担します。国民健康保険でも、手当や給付のほか、医療費の負担を軽減してくれる補償があります。

    後期高齢者医療制度

    後期高齢者医療制度とは、75歳以上の人が加入する医療保険です。

    就労状況に関係なく、75歳になった日に、これまで加入していた健康保険から自動的に後期高齢者医療制度へ切り替わります。

    協会けんぽの被保険者が受けられる制度

    協会けんぽ(全国健康保険協会)とは? 加入条件や保障内容を解説

    協会けんぽでは、どのような制度を設けているのでしょうか。協会けんぽの被保険者が受けられる主な制度を紹介します。

    • 保険診療の利用
    • 健康診断費用の補助
    • 高額療養費制度の利用
    • 柔道整復師による施術などの保険適用
    • 傷病手当金の支給
    • 出産や育児に関する手当金の支給
    • 協会けんぽの任意継続

    保険診療の利用

    保険診療の利用ができるため、医療機関で受診したときの窓口負担は2〜3割です。具体的には、70歳未満の人は3割負担、70歳以上の人や小学校入学前の子どもは原則として2割負担とされています。

    健康診断費用の補助

    協会けんぽの被保険者は、年度内につき1回の健康診断費用を一部補助されます。費用を抑えて健康診断を受診できるので、健康管理に役立つでしょう。

    高額療養費制度の利用

    高額療養費制度とは、医療機関などの窓口で支払った医療費が自己負担限度額を超えた際、超えた分の金額が公的な医療保険から支給される制度です。

    具体的には、高額療養費制度の手続きを行うことで、自己負担した医療費が1か月の上限額を超えると、超えた分の金額が還付される仕組みです。

    手術や入院をともなう治療に高額な医療費がかかる場合、仮に3割負担であっても、被保険者にとって大きな支出といえます。そこで、少しでも安心して医療行為を受けられることを目的とするのが高額療養費制度です。

    柔道整復師による施術などの保険適用

    本来、柔道整復師による施術やマッサージなどは、保険適用の対象外です。ただし、例外的に保険適用となる場合もあるため、それぞれのケースを確認してみましょう。

    • 柔道整復師による施術
    • はり・きゅう
    • あん摩・マッサージ

    保険適用になる治療には「療養費支給申請書」の提出が必要です。保険適用させたい場合は、忘れずに申請しましょう。

    柔道整復師による施術

    柔道整復師による施術で、保険適用となるものは以下の通りです。

    • 打撲
    • 肉離れ
    • 骨折
    • ねんざ
    • 脱臼 など

    上記のように、急性のケガに対する施術は治療に該当します。

    一方、肩こりなど慢性的な症状や後遺症によるもの、通勤中や勤務中のケガのための治療は保険適用になりません。

    はり・きゅう

    はり・きゅうに関する施術で保険適用となるのは以下の治療で、医師の同意があるものが該当します。

    • 神経痛
    • リウマチ
    • 五十肩
    • 頚腕症候群
    • 腰痛
    • 頸椎捻挫後遺症

    一方、医師の同意がない場合や、ほかの医療機関でも治療が行われている場合は、保険適用外です。

    あん摩・マッサージ

    あん摩やマッサージについても、医師の同意がある施術は保険適用となり、医師の同意がない施術は保険適用外として扱われます。

    傷病手当金の支給

    傷病手当金とは、病気やけがによって休業する被保険者やその家族の生活を保障するために設けられた制度です。

    具体的に傷病手当金を受け取れる要件は、以下の通りです。

    • 業務外の病気やケガ
    • 療養中であり労務に服することができない
    • 継続した3日間の待期期間を含め、4日以上仕事を休む
    • 休んだ日に傷病手当金以上の給与を受けていない

    傷病手当金の額は、標準報酬月額に基づいて決定します。

    参照:『病気やケガで会社を休んだとき』全国健康保険協会

    出産や育児に関する手当金の支給

    協会けんぽは、出産や育児に関する手当も支給しています。

    出産育児一時金とは、被保険者や扶養者の出産で、生まれた子ども1人につき50万円が支給される一時金です。多胎児は、生まれた人数分支給されます。

    出産手当金とは、出産のために仕事を休んで給与を支給されなかった被保険者に対して、休業期間中に支給される手当金です。出産手当金の対象期間は、出産日以前42日〜出産日後56日目までとされています。

    協会けんぽの任意継続

    協会けんぽは「任意継続」できます。

    任意継続とは、従業員が企業を退職後も協会けんぽに加入し続けられる制度です。再就職が決まっていない場合は、いずれかの公的医療保険に入らなければなりません。

    任意継続を利用すると、最長2年間そのまま継続して加入できるため、受けられる保障が大きく、メリットも感じられるでしょう。

    任意継続できる条件は以下の通りです。

    • 退職前に2か月以上連続した被保険者期間がある
    • 退職日翌日から20日以内に手続きを完了させる

    また、任意継続の手続きで必要な書類は以下の通りです。

    • 任意継続被保険者資格取得申請書
    • 扶養家族がいる場合は、扶養事実を確認できる書類(非課税証明書や源泉徴収票の写しなど)

    任意継続できる2年間の満了日翌日には、資格を喪失してしまうため、必要に応じて次の公的医療保険への切り替え手続きを行いましょう。

    まとめ

    協会けんぽ(全国健康保険協会)とは、日本の公的医療保険の一つであり、多くの中小企業が加入しています。手厚い保障も受けられるため、魅力を感じている方も少なくないでしょう。

    企業や自分が加入している公的医療保険がどれなのかを確認したい場合は、健康保険証を見ればすぐにわかります。協会けんぽの場合は「全国健康保険協会」と記載されています。ご自身の健康保険証を確認し、記載されている保険者名を確認してみましょう。