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労働保険番号がわからない【調べ方】何を見ればわかる? 数字の意味や必要な場面も紹介

労働保険番号がわからない【調べ方】何を見ればわかる? 数字の意味や必要な場面も紹介

労働保険番号とは、労働保険に加入する事業所や会社に対して与えられる14桁の番号です。労災事故が発生して保険請求をする際には、労働保険番号を記載しなければなりません。

しかし、急に労働保険番号が必要になり、戸惑ってしまうケースもあるでしょう。労働局のホームページで調べても見つからず、どこに問い合わせればよいのかわからないという方もいるかもしれません。

本記事では、労働保険番号の調べ方を解説します。数字の意味や労働保険番号が必要になる場面なども紹介するので、人事や労務関連の業務に携わる方はお役立てください。

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    労働保険番号14桁の調べ方とは?

    労働保険番号14桁の調べ方を詳しく解説します。

    何を見ればわかる? 検索できる?

    労働保険番号がわからない場合は、以下の方法で調べます。

    • 労働基準監督署から発行された「加入証明書」で確認する
    • 労働保険事務組合の「会員証」で確認する
    • 労働保険料の年度更新時の書類控えで確認する

    労働保険に加入する方法によって、労働保険番号の確認方法は以下の通り異なります。

    労働保険の【加入方法別】番号の確認方法
    事業主みずから労働基準監督署とハローワークに加入を申請した場合労働保険の事務を代行する労働保険事務組合を通して加入した場合
    労働基準監督署から発行された加入証明書労働保険事務組合の会員証

    まずは労働保険への加入時に発行された加入証明書、もしくは会員証を確認します。万が一、手元に加入証明書がない場合は、再発行も可能です。「労災保険加入証明願」に必要事項を記入のうえ、管轄の労働基準監督署に提出しましょう。

    また、前年分の労働保険料を申告・納付するために毎年提出する「労働保険概算保険料申告書」に、事業所の労働保険番号が記載されています。正しく手続きが完了していれば、申告書の控えが返送されているはずなので、その控えでも番号を確認できます。

    参照:『労災保険加入証明について』東京労働局

    わからないときの問い合わせ先は?

    労働基準監督署が発行する加入証明書や労働保険事務組合の会員証、労働保険概算保険料申告書の控えが手元にない場合は、加入する労働保険団体に問い合わせて労働保険番号を確認することも可能です。

    労働保険番号は、労働局やハローワークに問い合わせても調べられません。労働局やハローワークのホームページ上で検索することもできないと覚えておきましょう。

    そもそも労働保険番号とは? 何に使う?

    労働保険番号とは、労働保険の適用事業所に対して各都道府県の労働局が交付する14桁の番号です。

    労働保険は労災保険と雇用保険の総称であり、正規雇用や非正規雇用に関係なく、従業員を1人以上雇用する事業者は加入する義務があります。また、事業所は従業員を雇用するたびに労働保険の加入手続きを行い、労働保険料を支払わなければなりません。

    続いて、労働保険番号が必要とされる場面や、雇用保険適用事業所番号・雇用保険番号との違いを詳しく解説します。

    必要な場面

    労働保険番号は、業務上または通勤により負ったケガや病気に対して、労災保険の給付金を請求する際に必要です。

    就労時や通勤時に負傷したり、病気を発症したりすることを労災事故といいます。労災事故が発生した場合、労働保険に加入していれば、治療費や休業(補償)給付などが支給されます。

    労災保険で支給される給付金の例は、以下の通りです。

    • 療養(補償)給付
    • 休業(補償)給付
    • 傷病(補償)年金
    • 障害(補償)給付
    • 遺族(補償)給付
    • 葬祭料(葬祭給付)
    • 介護(補償)給付

    労働保険番号は、上記のような各種給付金の請求をするときに、労働保険に加入していることを証明する番号として使用します。

    参照:『労災保険給付の種類』厚生労働省北海道労働局

    雇用保険適用事業所番号との違い

    雇用保険適用事業所番号とは、雇用保険に加入している事業所に対して労働基準監督署から発行される番号です。

    労働保険番号が14桁であるのに対し、雇用保険適用事業所番号は「4桁・6桁・1桁」の合計11桁で構成されている点が大きな違いです。具体的には「XXXX-XXXXXX-X」の形式で交付され、それぞれの数字には以下のような意味があります。

    労働保険番号の意味
    4桁ハローワークの番号
    6桁ハローワークごとの一連番号
    1桁検査番号(チェックディジット)

    また、労働保険番号が労災保険の給付金を請求するときに必要なのに対し、雇用保険適用事業所番号は雇用保険に関する手続きに必要な番号です。具体的には、以下の場面で必要とされます。

    • 雇用保険料の納付
    • 雇用保険に関連する手続きなど

    参照:『雇用保険事務手続きの手引き』厚生労働省

    雇用保険番号との違い

    労働保険番号が労働保険の適用事業所に対して割り振られる番号であるのに対し、雇用保険番号は雇用保険に加入した従業員一人ひとりに割り振られる番号です。

    雇用保険番号は、雇用保険適用事業所番号と同様に11桁の数字で構成されており、「被保険者番号」とも呼ばれます。

    雇用保険番号は、失業手当の受給や転職時の雇用保険加入手続きなどに必要な番号です。退職や転職をしても同じ番号を使い続けるため、新しい勤務先に雇用保険番号を提出する必要があります。

    労働保険番号の数字の意味【見方】

    労働保険番号は14桁の数字で構成されており、「XX-X-XX-XXXXXX-XXX」の形式で表記されています。それぞれの数字には以下の通り意味があります。

    意味1.府県番号2.所掌番号3.管轄番号4.基幹番号5.枝番号
    桁数2桁1桁2桁6桁3桁

    それぞれの意味や見方を詳しく解説します。

    府県番号2桁

    労働保険番号の初めの2桁は、都道府県ごとに割り振られた番号です。北海道の「01」から始まり、沖縄県の「47」まで存在します。たとえば、東京都は「13」が府県番号です。

    府県番号は、厚生労働省のホームページにある『都道府県番号』で確認できます。

    参照:『都道府県番号』厚生労働省

    所掌(しょしょう)番号1桁

    労働保険番号の3桁目である所掌(しょしょう)番号とは、労働保険番号を付与する行政機関をあらわす数字です。行政機関によって、以下の通り番号が異なります。

    所掌番号
    労働基準監督署1
    ハローワーク3

    参照:『労働保険番号及び年金証書番号の構成について』厚生労働省

    管轄番号2桁

    所掌番号に続く2桁の管轄番号とは、各都道府県管内に複数ある労働基準監督署やハローワークごとに割り振られた番号です。

    たとえば、東京都には19の労働基準監督署が存在します。新宿労働基準監督署は「08」、立川労働基準監督署は「16」という2桁の番号が割り振られています。

    参照:『「別紙」労働基準監督署コード表』日本医師会

    基幹番号6桁

    6桁の基幹番号とは、事業所や労働保険事務組合ごとに付与される番号です。末尾の番号ごとに、以下の意味を持ちます。

    末尾の番号区分
    0または1一元適用事業所
    2または3二元適用事業所の雇用保険(建設業)
    4二元適用事業所の雇用保険(林業)
    5二元適用事業所の労災保険(建設業)
    6または7二元適用事業所の労災保険(林業)
    8一人親方、家内労働者、海外派遣者の特別加入団体

    一元適用事業所とは、労災保険と雇用保険の徴収事務が一元化して行われる事業所です。。

    対して二元適用事業所は、労災保険に係る保険関係および雇用保険に係る保険関係ごとに、別の事業とみなして徴収法が適用される事業所を指します。

    一般的に、農林漁業や建設業などが二元適用事業、それ以外の事業が一元適用事業に分類されています。

    参照:『労働保険の基礎知識』厚生労働省

    参照:『労働保険の成立手続』厚生労働省

    枝番号3桁

    枝番号3桁は、基幹番号を補完する番号です。労働保険事務を委託している事業所に対して、特定の番号が付与されます。

    多くの企業は1社として労働保険に加入しているため、枝番号はつかず「000」となります。

    しかし、労働保険事務組合の会員として労働保険に加入する事業所には、事務組合を示す基幹番号のあとに、各事業所を示す3桁の枝番号が与えられると覚えておきましょう。

    桁数による違い

    労働保険番号は、2つの加入方法によって桁数が異なります。

    加入形態桁数
    事業者みずから労働基準監督署とハローワークに申請して加入する11桁
    労働保険事務組合などの加入団体に入会して加入する14桁

    1社として労働保険に加入する場合は労働保険番号が11桁になり、労働保険事務組合などに入会して加入する場合は枝番号がついて14桁になると覚えておきましょう。

    労働保険番号を取得するには?

    労働保険番号を取得するためには、労働保険の適用事業所として、保険関係成立届を労働基準監督署やハローワークに提出する必要があります。

    必要書類手続きの期限書類の提出先
    一元適用事業所保険関係成立届保険関係が成立した日の翌日から10日以内所轄の労働基準監督署
    二元適用事業所・所轄の労働基準監督署・所轄のハローワーク

    一元適用事業所は、保険関係成立届を期限内に労働基準監督署へ提出するだけで問題ありません。

    一方、二元適用事業は、労災保険と雇用保険の保険関係を別々に成立させる必要があります。労災保険の保険関係成立届は所轄の労働基準監督署、雇用保険の保険関係成立届は所轄のハローワークへそれぞれ提出しなければなりません。

    労働保険番号が変わることはある?

    事業所の移転によって労働基準監督署の管轄が変わると、労働保険番号も変更されます。加入時と別の都道府県に事業所が移転する場合は、移転先の所在地を管轄する労働基準監督署に保険関係成立届を提出しなければなりません。

    たとえば、同一都道府県内での移転により、労働基準監督署の管轄が変わる場合は、以下の手続きが必要です。

    一元適用事業所の場合

    一元適用事業所は、移転後の所在地を管轄する労働基準監督署へ「労働保険名称・所在地等変更届」を提出します。その後、移転後の所在地を管轄するハローワークへ「雇用保険事業主事業所各種変更届」を届け出ます。

     二元適用事業所の場合

    二元適用事業所は、労災保険と雇用保険、それぞれにおいて手続きが必要です。

    労災保険については、移転後の所在地を管轄する労働基準監督署に「労働保険名称・所在地等変更届」を提出します。

    雇用保険については、移転後の所在地を管轄するハローワークに「労働保険名称・所在地等変更届」および「雇用保険事業主事業所各種変更届」を届け出ます。

    労働保険番号の意味や調べ方を理解しましょう(まとめ)

    労働保険番号は、労働保険に加入する事業所や会社に対して与えられる14桁の番号です。労災保険の各種給付金を申請するタイミングで必要になります。

    使用頻度が低い番号であるため、労働保険番号を把握していない人事労務担当も少なくないはずです。緊急時に焦ることがないよう、労働保険の会員証や加入証明書などを確認して、すぐに労働保険番号を調べられる状態にしておくとよいでしょう。

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