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ブレイクスルーとは? ビジネスにおける重要性と実現のための戦略的アプローチ

ブレイクスルーとは? ビジネスにおける重要性と実現のための戦略的アプローチ

ブレイクスルーとは「blake(壊す)」と「threw(通過)」を合わせた造語で「課題突破」を意味します。ビジネスシーンでは、限られた予算・人員・時間の中で成果を上げていかねばなりません。本記事では実例を交えてビジネスシーンのブレイクスルーの方法についてまとめていきます。

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    ブレイクスルーとは?

    ブレイクスルーとは、科学や技術の分野で大きな進歩や発見を指す言葉です。

    ブレイクスルーの意味

    ​​具体的には、医療分野における新しい薬の発見や革新的な治療法の開発がブレイクスルーに当たります。これにより、これまで難治とされていた病気の治療ができる可能性が出てくるのです。

    科学や技術のほかの分野でも、これまでの問題を解決する新技術や発見が、ブレイクスルーとみなされます。この場合のブレイクスルーは「新発見」「革新」といった意味合いで使われます。

    イノベーションとの違い

    「革新」を表す言葉にイノベーションがありますが、ブレイクスルーとイノベーションは似て非なる言葉です。違いは、その焦点と適用範囲にあります。

    ブレイクスルーイノベーション
    定義・問題や課題を解決する重大な進歩・新しいアイデアや技術、プロセスの変化
    ・改善など継続性のある状態も含まれる
    特徴・通常、予想できない突破
    ・それまでの課題や限界を超越する
     新しい発見や理解
    ・アイデアを市場に導入するプロセスを含む
    ・実用性と市場適用が重要な要素
    ・新しい医薬品や治療法の発見
    ・科学的な理論の進展 など
    ・新製品の開発と市場投入
    ・ビジネスモデルの変革
    ・製造プロセスの改善 など
    範囲・特定の問題または分野・範囲の制限はない

    ブレイクスルーは主に科学的または技術的な突破を指すのに対し、イノベーションは新しいアイデアや技術の実際の応用と市場投入を指します。また、ブレイクスルーは1つの大きな変化を指すことが多いのに対して、イノベーションは継続的な改善と進化を意味することが多いという違いがあります。

    ビジネスにおけるブレイクスルーの定義

    ビジネスにおけるブレイクスルーは、企業や製品・サービスが突如として顕著な成功を収めることや、重要な進展を遂げることを指します。

    そこで、ビジネスでのブレイクスルーの一例をご紹介します。

    市場での突破新製品が市場に急速に受け入れられたことによる売り上げ拡大
    技術的進歩企業が新技術を開発し、業界の標準を変更または設定する瞬間
    業界の変革既存の業界を根本的に変える、新しいビジネスモデルや戦略の導入
    運営の改善プロセスや生産の効率性を大幅に向上させる、新しい方法の導入
    新しい顧客層の獲得企業が新しい顧客層を獲得したことによる、大幅な成長の達成

    ブレイクスルーを起こす重要性

    ビジネスにおいて、ブレイクスルーの有無は市場拡大やブランドの向上に大きく影響します。新しい技術の開発で顧客の生活の利便性が増せば、貴社の認知度は跳ね上がります。たとえば、QR決済の普及でソフトバンクや楽天の知名度は一気に跳ね上がりました。

    企業として「収益の安定した事業」をつくることも大切ですが、ブレイクスルーを起こし、新しい分野へ飛び込むことで増収や認知度の向上が期待できます。「安定」と「挑戦」の両輪で戦略を考えると、貴社の組織としての成長を早めます。

    ブレイクスルーの種類

    ブレイクスルーにもいくつか種類があり、大きく「タイプ0〜タイプ3」に分けられます。

    タイプ0

    タイプ0は小さな改良を指します。具体的には、製品のマイナーな改良や製造プロセスの効率化などがこれに当たります。スマートフォンが発表された際、X(旧Twitter)で「今回は大幅なアップデートがなかった」などの感想を見受けますが、それらもタイプ0に入ります。

    タイプ1

    タイプ1は既存の製品やプロセス、または技術の改善を指します。新しい材料の使用や新しいマーケティング戦略の確立を示しています。たとえば、iPhoneの表面にはガラスが使われていましたが、iPhone15から一部モデルでチタンが使用されました。これがタイプ1です。

    タイプ2

    タイプ2は、業界や市場を変革する新製品やサービス、技術の登場を指します。具体的には、スマートフォンの登場や電気自動車の普及がこれに当たります。

    タイプ3

    タイプ3は、世界を変える技術の登場を指します。具体的には、インターネットの普及や遺伝子編集技術(CRISPR)がレベル3に含まれます。医療分野における治療法の発見もここに入ります。

    ブレイクスルー思考とは?

    状況分析や問題解決の手法として「ブレイクスルー思考」という論法があります。

    ブレイクスルー思考とは、従来の枠組みや制約を超えて新しいアイデアや解決策を生み出す思考方法のことです。既存の問題や課題に対して革新的なアプローチを取ることで、従来の方法では到達できなかった結果や成果を得ることを目的とします。

    ブレイクスルー思考の主要素をご紹介します。

    ビジョンの設定チームや組織が目指すべき方向を示すことで、動機付けの源となる
    制約の特定と排除リスクを最小化することで、新しい可能性や機会を追求する
    常識にとらわれない
    問題解決手法の模索
    多様な視点とアイデアを利用し、
    問題解決のための新しいアプローチを探求する
    実行ビジョンに向けて、具体的なアクションとステップを定義する

    通常思考との違いとブレイクスルー思考の利点

    通常思考は、現状を把握し「なぜそうなったか」を分析してから解決法を考えます。一方、ブレイクスルー思考は「こうする」という目標を決めてから、そこに向かうためのプロセスや役割分担を決めます。

    通常とはまったく別のアプローチをとるため、論点整理や問題解決の際、見落としを防ぐ効果があるとされています。

    ブレイクスルーを生む要因

    ブレイクスルーは、ビジネスの成長や革新の鍵となる要素です。その背後には、多くの要因が絡み合っています。以下では、ブレイクスルーを生む主要因を解説します。

    技術革新と市場の変動

    技術の進化は、ビジネスのブレイクスルーを生む最も強力な要因の一つです。新しい技術が登場することで、従来の方法や手法が一変し、新しい市場が生まれるケースもあります。

    たとえば、スマートフォンの登場は、通信やエンターテインメント、ビジネスの方法を根本的に変えました。また、新興市場の出現や、消費者の行動の変化などの市場変動も、ブレイクスルーのチャンスを生む要因です。

    顧客のニーズの変化

    顧客のニーズや期待は、常に変化しています。これに迅速に対応することで、企業は新しい価値を提供し、ブレイクスルーのチャンスを掴むことができます。

    たとえば、環境問題への関心の高まりを受けて、サステナビリティを重視した製品やサービスが注目されるようになりました。顧客の声をしっかりとキャッチし、それに基づいた柔軟かつ迅速な対応が成功には不可欠です。

    組織文化とリーダーシップ

    ブレイクスルーを生むためには、組織内部の文化やリーダーシップも必要な要素です。オープンで柔軟な組織文化は、新しいアイデアや提案を受け入れやすくします。

    また、ビジョンを持ち、チームを適切に導くリーダーシップは、ブレイクスルーを実現するための方向性を示す役割を果たします。リーダーが前向きな姿勢で変革を推進し、チームの意欲を引き出すことで、組織全体としてのブレイクスルーが生まれやすくなるでしょう。

    ブレイクスルーを阻む障壁

    ブレイクスルーは、企業や組織が新しい価値を生み出すための重要なステップですが、その道のりは必ずしも平坦ではありません。

    具体的に、ビジネスシーンにおいては以下のようなリスクが考えられるでしょう。

    内部の抵抗と恐れ

    新しい取り組みや変革を進める際、組織内部からの抵抗や恐れが生じることがよくあります。これは、従業員が現状の安定を望むためや、新しい方法に対する不安によるものです。

    このような内部の抵抗を乗り越えるためには、変革の意義やビジョンを明確に伝え、従業員の理解と協力を得ることが不可欠です。

    資金とリソースの制約

    ブレイクスルーを目指すプロジェクトや取り組みは、しばしば大きな資金やリソースを必要とします。しかし、多くの企業や組織は、限られた資金や人材しかありません。このような制約の中で、どのプロジェクトに資源を割り当てるか、どのように効率的に活用するかが問われます。

    資金やリソースの制約を乗り越えるためには、優先順位を明確にし、業務に合わせた人員配置を考えなければなりません。

    外部環境の変動

    たとえば経済の変動や政策の変更、競合の動きなどは、ブレイクスルーの取り組みを大きく左右する要因です。これらの変動は予測が難しく、企業や組織の計画を大きく狂わせることもあるため、柔軟な戦略や計画の見直しを常に行う必要があります。

    ブレイクスルーを起こすための戦略的アプローチ

    ブレイクスルーは、企業や組織が新しい価値を生み出すための重要なステップといえるでしょう。それを実現するためには、戦略的なアプローチが不可欠です。

    具体的には、以下のような方法があります。

    リスク管理と評価

    ブレイクスルーを目指す取り組みは、多くのリスクをともないます。

    新しい技術の導入や市場の変動、競合との関係など、さまざまな要因が企業や組織の取り組みを左右します。そのリスクを分析し、評価することで、ブレイクスルーを実現するための道筋を明確にできるのです。リスクの早期発見とその対策の策定は、成功への鍵といえます。

    イノベーションの推進

    イノベーションは、ブレイクスルーの中心的な要素です。新しいアイデアや技術を生み出し、それを実際のビジネスやサービスに取り入れることで、市場での競争力を高めることができます。

    イノベーションを推進するためには、組織内の文化やリーダーシップが非常に重要です。オープンな組織文化や、イノベーションを推進するリーダーシップは、新しい価値を生み出すための土壌となるでしょう。

    パートナーシップと協力

    単独での取り組みだけでは、ブレイクスルーを実現するのは難しいことが多いです。

    外部の組織や専門家との連携と協力を通じて、新しい知識や技術、リソースを取り入れることで、ブレイクスルーの可能性を高めることができます。特に、異なる業界や分野の組織との連携は、新しい視点やアイデアを生み出すための大きなチャンスとなります。

    ブレイクスルー実現のための具体的手法・理論

    ブルーオーシャン戦略

    ブルーオーシャン戦略は、W.チャンキム氏とルネ・モボルニュ氏によって提唱されました。

    この戦略の核心は、競合が多く競争が激しい市場である「赤い海」から離れ、まだ競争が少ない新しい市場である「青い海」を創出することです。この「青い海」の市場では、企業は独自の価値提案を行い、新しい顧客層を獲得することができます。

    具体的には、既存の市場や製品カテゴリーに固執するのではなく、新しい市場のニーズや未満足の顧客層を発見し、それに応える製品やサービスを開発することを目指します。このアプローチにより、企業は競争を避けつつ、高い利益を上げることができるのです。

    ジョブ理論

    ジョブ理論は、クレイトン・クリステンセン氏が提唱したユニークな考え方です。

    この理論の中心的な概念は、消費者がある製品やサービスを購入する際に「雇う」という視点で捉えることです。つまり、消費者は特定の「仕事(ジョブ)」を達成するために、製品やサービスを利用するという考え方です。

    たとえば、朝の通勤時にコーヒーを購入する行為は、単にコーヒーが飲みたいからではなく「目を覚まして1日を始めるためのエネルギーを得る」という「仕事」を達成するためのものと捉えることができます。

    このように、ジョブ理論を採用することで、企業は消費者の真のニーズや動機を深く理解することができます。そして、その理解をもとに、より適切な製品やサービスの開発、マーケティング戦略の策定などを行うことができるのです。

    リーンスタートアップ

    リーンスタートアップは、エリック・リース氏が提唱した、新しいスタートアップの実践方法です。

    この方法論の核心は「最小限のリソース」を使用して「最小実行可能製品(MVP)」を速やかに市場に投入することです。MVPは、製品の基本的な機能だけを持つプロトタイプのようなもので、これを利用して実際の市場での反応や需要をテストします。

    このテストの結果をもとに、製品の方向性を確認したり、必要な改善点を特定したりします。そして、そのフィードバックをもとに製品を迅速に改善・進化させることで、市場のニーズに合わせた製品を効率的に開発することができます。

    リーンスタートアップのアプローチは、大きなリスクを取る前に市場の実際のニーズを確認し、失敗を早期に検出して修正することを重視します。これにより、無駄な時間や資源を使わずに、成功の可能性の高いビジネスを構築することができるのです。

    デザイン思考

    デザイン思考は、ユーザーや顧客の視点を中心に置いた問題解決の手法です。この手法は、特に複雑な問題や未知の課題に対して、革新的な解決策を見つけるためのフレームワークとして用いられます。

    デザイン思考のプロセスは、以下の5つのステップから成り立っています。

    1共感ユーザーの立場になって感じることで、その悩みやニーズを深く理解
    2定義共感のステップで得られた情報をもとに、問題の本質を明確に定義
    3発想定義された問題に対して、多くのアイデアや解決策を発想
    4作成3を形にし、実際の製品やサービスのプロトタイプを作成
    5テスト4をユーザーに試してもらい、その反応やフィードバックを収集

    これらのステップを繰り返しながら、ユーザーの真のニーズに合わせた最適な解決策を見つけ出します。デザイン思考は、単に美しいデザインを作るためのものではなく、ユーザーの問題を解決するための実践的な手法として広く採用されています。

    ピボット戦略

    ピボット戦略は、スタートアップが直面する多くの変動に対応するための戦略的なアプローチです。

    スタートアップは、新しい市場や技術を探求する過程で、予期しない障壁や市場の変化に直面することがよくあります。このような状況で、初めに設定したビジネスモデルや製品の方向性が市場の実際のニーズと合致しない場合、企業は大きなリスクを背負うことになるでしょう。

    ピボット戦略は、そうしたリスクを最小限に抑えるためのものです。具体的には、市場からのフィードバックや収集されたデータをもとに、ビジネスモデルや製品の方向性を大きく変更することを意味します。たとえば、製品の機能を大幅に変更する、ターゲットとする顧客層を変える、あるいはビジネスモデルそのものを変えるなどのアクションが考えられます。

    このアプローチにより、スタートアップは迅速に市場の変化に対応し、成功の確率を高めることができます。ピボット戦略は、失敗を恐れずに新しい方向性を模索する柔軟性が求められるため、スタートアップの経営者やチームの意思決定能力が試される重要なステップといえるでしょう。

    オープンイノベーション

    オープンイノベーションは、ヘンリー チェスブロウ氏が提唱した革新的なイノベーションです。

    従来のイノベーションは、企業の内部の研究開発部門が中心となって行われる「クローズドイノベーション」と呼ばれるスタイルが主流でした。しかし、オープンイノベーションは、この閉鎖的なアプローチを打破します。

    オープンイノベーションの核心は、企業の内外のリソースやアイディアを活用して、新しい価値を生み出すことです。具体的には、外部のスタートアップや研究機関、ほかの企業との協業を通じて、新しい技術や知識を取り入れ、それを組み合わせて新しい製品やサービスを開発します。

    また、企業が持っている未活用の技術や知識を外部に公開し、ほかの企業や研究者と共同で新しい価値を生み出すこともオープンイノベーションの特徴の一つです。

    このアプローチにより、企業は迅速に市場の変化に対応し、より多様な視点やリソースを活用して、革新的な製品やサービスを生み出すことができます。オープンイノベーションは、企業の成長や競争力向上のための重要な戦略として、多くの企業に採用されています。

    ディスラプティブイノベーション

    ディスラプティブイノベーションは、クレイトン・クリステンセン氏が提唱した、市場や産業に革命をもたらすイノベーションの考え方です。

    この概念は、新しい技術やビジネスモデルが、従来の市場や産業の構造を根本から変える力を持つことを指します。ディスラプティブイノベーションは初めはニッチな市場で登場しますが、その製品やサービスが持つ独自の価値や特徴によって、徐々に主流の市場を席巻することが特徴です。

    たとえば、デジタルカメラがフィルムカメラの市場を破壊したり、スマートフォンが従来の携帯電話市場を変革したりすることなどが挙げられるでしょう。

    ディスラプティブイノベーションの考え方は、企業が新しい市場の機会を捉え、競争力を維持・強化するための重要な指針となっています。しかし、このような変革を起こすイノベーションは、既存のビジネスモデルや組織文化に大きな挑戦をもたらすため、適切な戦略や経営の判断が求められます。

    ブレイクスルーの事例

    上述の論法を活用し、市場開拓や増収に成功した国内外に多くあります。そこで、ブレイクスルーに成功した企業の事業事例とその要因を分析してみましょう。

    国内企業

    まずは国内4社です。

    トヨタ自動車株式会社

    トヨタは、ハイブリッドカー「プリウス」を開発し、自動車業界に大きな変革をもたらしました。

    トヨタの長期的なビジョンと、環境に対するコミットメントがこのプロジェクトの推進力となりました。また、ハイブリッド技術の開発に投資することで、環境に優しい車の新しい市場を創出しました。

    参考:『プリウス』トヨタ自動車株式会社

    ソニーグループ株式会社

    ソニーは、費者のニーズと技術の進歩をうまく組み合わせることで、新しい製品カテゴリである、ポータブルオーディオプレーヤー市場を創り出しました。

    「ウォークマン」の登場後、競合他社も追随し、今ではポータブルオーディオプレーヤーは大きな市場になっています。

    参考:『WALKMAN』ソニーグループ株式会社

    株式会社ユニクロ

    ユニクロは、ファッションリテール業界において、品質の高い衣料品を低価格で提供することで大成功を収めました。

    効率的な供給チェーン管理と、量産によるコスト削減が、ユニクロの低価格戦略の基盤です。これにより、ユニクロは「高品質で安い」を実現し、運営元の株式会社ファーストリテイリングは増収を記録しました。

    参考:株式会社ユニクロ

    任天堂株式会社

    「Nintendo Switch」は、家庭用ゲーム機と携帯ゲーム機の間をシームレスに移動することができる革新的なゲーム機です。従来にない任天堂の思考が、Switchの成功の背後にあります。ゲームのプレイスタイルに柔軟性をもたらした結果、子どもだけでなく大人からも支持を受けています。

    参考:『Nintendo Switch』任天堂株式会社

    海外企業

    次に海外企業4社の事例です。

    TESLA

    テスラは、高性能の電気自動車を市場に導入し、伝統的な自動車業界の構造を揺るがす存在となりました。テスラの成功は、技術的先進性や持続可能なエネルギーへのコミットメント、CEOであるイーロン・マスク氏の着眼点も影響しているでしょう。

    参考:TESLA

    Airbnb

    Airbnbは、民泊というそれまでなかった宿泊サービスを提供し、世界中で急速に普及しました。

    • 個人の住居を他の人々と共有する新しい文化が、受け入れられたこと
    • 旅行者などが手頃な価格で首都圏に滞在できること

    この2つが噛み合った結果、Airbnbが普及したのでしょう。

    参考:Airbnb

    Spotify

    Spotifyは、音楽をダウンロードするのではなく、インターネット経由でストリーミングするという新しい方法を広めました。

    豊富な楽曲ライブラリ、ユーザーの好みに合わせたカスタマイズ機能、そして月額定額制のビジネスモデルが、多くの音楽ファンに受け入れられました。

    参考:Spotify

    Amazon

    Amazonは、オンライン小売のパイオニアとして、ショッピングの方法を劇的に変革しました。

    「自宅にいながら買い物できる」

    今では当たり前ですが、この発想は2000年代前半にはありませんでした。もともとは書籍だけを取り扱っていた同社。本の注文量の多さから「自宅にいながら買い物したい人が多いのではないか」と考えたことが拡大のきっかけといわれています。社員の何気ない気づきがAmazonを世界有数の企業へと押し上げました。

    参考:Amazon

    まとめ

    ブレイクスルーは科学や医療に限った話ではありません。

    本記事でご紹介したAmazonのように、何気ない気づきも起こり得ます。そのきっかけを見逃さないためには、メンバー同士が仕事について忌憚なく話せる環境作りが欠かせません。その一環としてランチミーティングが有効です。職場にいながら、仕事から離れる時間はブレイクスルーのきっかけになります。

    このほか、実務においてはブレイクスルー思考のように通常とは違うプロセスで施策を考えてみるのもよいでしょう。そうして見つけたブレイクスルーの種を、事業フェーズまでもっていくときに使えるのが理論と論法です。

    直感も大切ですが、そればかりでは大きな利益は見込めません。事業を立ち上げるときには必ず根拠を求められます。まずは、種を見つけ、論法で根拠を突き詰めてみてください。それがブレイクスルーへの第一歩になるでしょう。