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ギャップイヤー制度のメリットとデメリット、日本における現状を解説

ギャップイヤーとは、学生が大学入学前や卒業後などに一時的に学業から離れ、様々な活動を行う期間です。この制度は、ギャップイヤーは学生の自己成長や将来のキャリア形成に大きく貢献するものであり、自己成長や経験を積むための貴重な機会です。

本記事では、ギャップイヤーの概要や企業側がギャップイヤーを経験した学生を採用するメリットなどを紹介します。

ギャップイヤー制度のメリットとデメリット、日本における現状を解説
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    ギャップイヤーとは?

    ギャップイヤーとは、一般的に学生が大学入学前や在学中、卒業後に、学業から一時的に離れ、さまざまな活動を行うインターバル期間です。

    ギャップイヤー制度は、自分のやりたいことを追求する時間を提供し、留学やボランティア活動、インターンシップなどの活動を通じて経験を積ませることができます。これにより、学生は自己成長を促進し、自己理解を深め、将来のキャリアパスを明確できるのです。

    ギャップイヤーの起源と定義

    ギャップイヤー制度の起源は、1978年にイギリスで始まった「ドレイク活動」にさかのぼります。

    ドレイク活動は、学生が卒業と入学の間の期間を利用して、世界一周や無人島生活などの挑戦を奨励するものでした。これにより、学生は自己啓発のための時間を持つことができ、新たな視点や経験を得ました。その後、世界中の多くの国々で採用され、現在に引き継がれています。

    ギャップイヤーは、定義が広範であるため、具体的な内容は学生やプログラムにより異なります。しかし一般的には、学生が一定期間、学業から離れて自己啓発やキャリア探求、社会貢献活動などを行う時間を指します。

    ギャップイヤーの種類

    ギャップイヤーには大学が関与する場合としない場合の2種類があります。

    大学が関与する場合は、大学と地元の企業との協力や国際人の育成などのメリットがあります。たとえば、学生はインターンシップや研究プロジェクト、留学などを通じて、専門的なスキルや知識を習得できます。また、大学と企業の協力により、学生は実際の職場での経験を得ることができ、将来のキャリア選択に役立てられます。

    一方、大学が関与しない場合、学生は自主的に過ごすことができます。これには、自己啓発のための旅行やボランティア活動、自己学習などが含まれます。このタイプのギャップイヤーは、学生が自分自身の興味や情熱を追求する自由を提供します。しかし、この場合、学生自身が活動を計画し、資金を調達するなど、自己管理能力が求められます。

    ギャップイヤーは、学生にとって自己成長と経験を得るための重要な機会であり、その形は多様です。しかし、学生が自分自身と世界をより深く理解し、自己啓発を促進するという目的は共通しています。

    ギャップイヤーの過ごし方

    ギャップイヤーの期間は、自己成長や視野の広がり、人脈の拡大などのメリットを享受するための絶好の機会といえます。

    自主的な活動

    ギャップイヤーの期間中は、自分の興味や関心に基づいてさまざまな活動を自由に行うことができます。奉仕活動や学習、アルバイト、旅行など、自分自身の成長や経験のために時間を使えます。

    奉仕活動は、地域社会への貢献や他者への思いやりを育む機会です。また、新たなスキルを学ぶことも可能で、その経験は将来のキャリアにも役立つでしょう。

    学習は、自分の興味や関心に基づいて深く掘り下げることができます。新たな知識やスキルを身につけ、自己成長を促進できるでしょう。

    アルバイトは、実際の職場での経験を積み、社会人としてのスキルを身につけることができます。また、自分の興味や関心に基づいて選ぶことで、将来のキャリア選択の参考にもなります。

    旅行は、新たな場所や文化に触れることで、視野や人脈を広げる機会になるでしょう。

    海外留学

    日本では、ギャップイヤーの過ごし方として海外留学が人気です。海外での留学経験は、自己成長や人脈の広がりにもつながり、将来のキャリアにプラスになる可能性があります。

    海外留学は、新たな文化や言語に触れることで視野を広げられます。また、異なる背景を持つ人々との交流を通じて、自己成長を促進できるでしょう。さらに、海外での生活経験は、自立心を育む機会にもなります。

    また、海外留学は、グローバルな視点を持つことが求められる現代社会において、大きなアドバンテージといえます。異文化理解や語学力は、多様なバックグラウンドを持つ人々と協働する能力を高め、将来のキャリアにおいて大きな強みにできるでしょう。

    ギャップイヤーのメリット

    ギャップイヤーは、近年特に若者の間で注目を集めています。その理由は、ギャップイヤーが持つ多くのメリットにあります。

    自己成長と視野の広がり

    ギャップイヤーは、自分自身と向き合う機会になります。

    日々の忙しさから一歩離れ、自分が何を求め、何を達成したいのかを深く考える時間を持つことができます。この期間を通じて、自分自身の強みや弱み、興味や情熱が何であるかを見つけ出せるでしょう。これは、将来の目標を設定するうえで非常に重要なステップといえます。

    また、ギャップイヤーは視野を広げる機会でもあります。新たな環境や文化、人々との触れ合いにより、自分の価値観や考え方が大きく変わることもあります。新たな知識の獲得や人脈の形成、大学生活での目標設定の支援、進路の考え方の明確化にもつながるでしょう。

    人脈の拡大

    ギャップイヤーは、新たな人脈を形成する機会でもあります。異なる背景を持つ人々との出会いは、自分自身の視野を広げるだけでなく、将来のキャリア形成にも大きな影響を与えます。新たな人脈はさまざまな機会を生み出し、自分自身の可能性を広げることができます。

    企業にとってのメリット

    ギャップイヤーを経験した人材は、企業にとっても大きなメリットをもたらします。

    その一つが、入社後の離職率の低下です。ギャップイヤーを経験した人材は、自己理解が深まり、自分が何を求めているのか明確なため、自分に合った職場を選ぶ可能性が高くなります。これにより、企業は離職率を抑えられるでしょう。

    また、ギャップイヤーを経験した人材は、グローバルな視野を持つ傾向にあります。異なる文化や価値観に触れ、広い視野を持ち、企業のグローバル展開を支えることができるでしょう。

    さらに、ギャップイヤーを経験した人材は、課題解決に強い傾向があります。新たな環境や状況に対応する経験を通じて、柔軟な思考力や問題解決能力を身につけているためです。これは、企業が直面する様々な課題を解決するうえで大きな力となるでしょう。

    ギャップイヤーのデメリット

    ギャップイヤーは多くのメリットを持つ一方で、デメリットも無視できません。特に、費用と計画性の問題、就活への影響は、ギャップイヤーを考えるうえで重要な要素といえるでしょう。

    費用と計画性の問題

    ギャップイヤーの最大のデメリットとして、金銭的負担が挙げられます。海外旅行や専門的なスキルを学ぶための教育、生活費など、ギャップイヤーを有意義に過ごすためには費用が必要です。

    特に、学生や若手社会人がギャップイヤーを取る場合、自己資金でこれらの費用を賄うことは難しい場合が多いです。そのため、ギャップイヤーを計画する際には、費用面の計画もしっかりと立てなければなりません。

    また、ギャップイヤーは自由な時間が多いため、計画性が求められます。目的のない場合や計画を立てずに過ごすと、ただ時間を浪費するだけになる可能性もあります。

    そのため、ギャップイヤーを有意義に過ごすためには、自己啓発の目標を設定し、計画を立てることが必要です。また、計画を立てるだけでなく、実行する自己管理能力も求められます。

    就活への影響

    ギャップイヤーは就活への影響も考慮する必要があります。特に、日本の企業の中には、ギャップイヤーを理解していない場合もあります。そのため、ギャップイヤーを経験したことが就職活動においてマイナスに働く可能性もあるかもしれません。

    たとえば、ギャップイヤーを経験した学生が新卒採用の面接で「なぜギャップイヤーを取ったのか」「その期間中に何を学んだのか」などの質問に対して、明確な答えを用意していないと、企業側から見て不利になる可能性があります。

    また、ギャップイヤーを取ったことで卒業が遅れると、新卒採用の対象外となる可能性もあります。

    そのため、ギャップイヤーを取る際には、就職活動にどのように影響するかを事前に考え、ギャップイヤーの経験を就職活動に活かすための準備も必要です。

    たとえば、ギャップイヤー中に得た経験や学んだことをどのように自己PRに活かすか、ギャップイヤーを取った理由をどのように説明するかなど、具体的な戦略を立てましょう。

    ギャップイヤー制度の日本における現状

    ギャップイヤー制度は欧米では一般的な制度であり、多くの若者が海外旅行やボランティア活動、インターンシップなどを行い、自己成長を促しています。しかし、日本ではまだ浸透していない制度であり、その現状について詳しく見ていきましょう。

    日本の大学におけるギャップイヤー制度

    日本の大学におけるギャップイヤー制度の導入はまだ一部の大学に限られています。しかし、その中には国際的な視野を持つ学生を育成するため、ギャップイヤー制度を積極的に活用している大学も存在します。

    たとえば、一部の大学では、学生が自由に学びの場を選べるように、ギャップイヤー制度を導入し、海外の大学で学ぶ機会を提供しています。また、自己啓発や社会経験を積むための時間として、ギャップイヤーを利用する学生に対して、学費の免除や奨学金の提供などの支援を行っています。

    しかし、日本の大学全体として見ると、ギャップイヤー制度の導入はまだまだ少ないのが現状です。その理由としては、学生自身がギャップイヤーの存在を知らない、メリットを理解していない、大学側がギャップイヤー制度の導入に消極的であるなどが挙げられます。

    日本の企業におけるギャップイヤーの理解

    企業側のギャップイヤーに対する理解も、日本ではまだ浅いのが現状です。

    多くの企業では、新卒一括採用が主流であり、ギャップイヤーを取った学生は採用時期がずれるため、採用の対象外となることが多いです。しかし、ギャップイヤーを通じて得た経験やスキルは、企業にとって大きな価値を持つ可能性があります。

    そのため、企業側もギャップイヤーの期間を理解し、採用時にマイナスと捉えないようにする必要があります。最新のギャップイヤーへの取り組みについて情報収集する、研修や勉強会を実施するなど、企業としてギャップイヤーへの理解を深めるとよいでしょう。

    また、企業側がギャップイヤーを経験した学生を積極的に採用することで、多様な視点や経験を持つ人材の確保が期待できます。企業の競争力を高めるためには欠かせない要素であるため、ギャップイヤー制度の理解と活用は、企業にとっても重要な課題といえるでしょう。

    ギャップイヤー制度の将来性

    ここでは、ギャップイヤー制度の将来性について掘り下げていきます。

    日本におけるギャップイヤー制度の可能性

    日本では、受験戦争や就活のシステムの違いから、ギャップイヤーが一般的ではありません。しかし、自分の将来やキャリアを考えるうえで、ギャップイヤーを活用することは有益な選択肢となるかもしれません。

    日本の教育システムは、一貫性と効率性を重視しています。そのため、高校卒業後すぐに大学に進学し、大学卒業後すぐに就職するという流れが一般的です。しかし、この流れに疑問を持つ学生も増えてきており、自分の将来を真剣に考える時間を持つためにギャップイヤーを取ることを検討している学生もいます。

    企業と学生にとってのギャップイヤーの価値

    ギャップイヤーは、より優秀な人材を採用するためにも理解を深めるべき制度です。学生の自己成長や将来のキャリアにも役立つとされています。

    ギャップイヤーを通じて、自己理解を深め、自己成長を遂げた学生は、企業にとって価値ある人材となる可能性があります。また、ギャップイヤーを経験した学生は、一般的な学生とは異なる視点や経験を持っているため、企業の多様性を高めることにも寄与するでしょう。

    一方、学生にとってもギャップイヤーは有益です。ギャップイヤーを通じて、自分自身の能力や興味を深く理解できます。また、自分自身のキャリアを考える時間を持つこともできます。これらの経験は、将来の就職活動やキャリア形成に大いに役立つでしょう。

    まとめ

    ギャップイヤーとは、学生が大学入学前、在学中、卒業後に一時的に学業から離れ、自己啓発や経験を積む期間を指します。起源はイギリスで、学生が卒業と入学の間の期間を利用して自己啓発や経験を積むことを奨励する制度から始まりました。

    大学が関与する場合としない場合の2種類があり、大学が関与する場合はインターンシップや留学などを通じて専門的なスキルや知識を習得できます。一方、大学が関与しない場合は自主的に過ごすことができ、自己啓発のための旅行やボランティア活動などが含まれます。

    日本ではギャップイヤー制度の導入はまだ限られていますが、学生の自己成長や将来のキャリア形成、企業の人材採用における多様性の確保など、さまざまな面でのメリットが期待できるでしょう。