One人事

ジェンダーギャップ指数とは? 低いとどうなる? 日本の現状と改善の重要性、具体的な取り組みを紹介

ジェンダーギャップ指数は男女間の格差を数値化した指標で、経済活動や教育、健康、政治の4つの分野で評価されます。日本の指数は世界的に低く、特に経済と政治の分野で問題があるとされている一方、教育分野では男女間の格差がほとんどなく、世界1位を獲得しています。

そこで当記事では、ジェンダーギャップ指数の概要や現状、改善するための取り組みについて解説します。

ジェンダーギャップ指数とは? 低いとどうなる? 日本の現状と改善の重要性、具体的な取り組みを紹介
目次アイコン 目次

    ジェンダーギャップ指数とは

    ジェンダーギャップ指数とは、男女間の格差を数値化したものです。

    ジェンダーギャップ指数の目的は、男女格差を解消することです。ジェンダーギャップ指数によって各国の男女格差の状況や課題を明らかにすることで、男女格差の解消に向けた政策策定や意識改革が期待できるでしょう。

    ジェンダーギャップ指数は、非営利団体の世界経済フォーラム(WEF)によって毎年公表されています。世界経済フォーラムは、世界の経済や社会問題に取り組んでおり、ジェンダーギャップ指数はその一環です。

    ジェンダーギャップ指数の評価基準

    ジェンダーギャップ指数の評価は、経済参画と政治参画、教育、健康の4分野14項目から行われます。

    分野項目
    経済参画・労働参加率の男女比
    ・同一労働における賃金の男女格差
    ・推定勤労所得の男女比
    ・管理職従事者の男女比
    ・専門・技術者の男女比
    政治参画・国会議員の男女比
    ・閣僚の男女比
    ・最近50年における行政府の長の在任年数の男女比
    教育・識字率の男女比
    ・初等教育就学率の男女比
    ・中等教育就学率の男女比
    ・高等教育就学率の男女比
    健康・出生児性比
    ・健康寿命の男女比

    ジェンダーギャップ指数は、4分野14項目のそれぞれの項目から

    女性の人数÷男性の人数

    で求められ、0から1までの数値で評価されます。1に近いほど男女間の格差が少ない、つまり男女平等が進んでいるといえるでしょう。それぞれの項目で数値化したスコアをまとめ、合計スコアの高い国から順位が決められます。

    参考:『ジェンダー・ギャップ指数(GGI)2023年』内閣府男女共同参画局

    日本のジェンダーギャップ指数の現状

    2023年のジェンダーギャップ指数で、日本は146か国中125位という結果でした。2021年にも156か国中120位と、ほかの先進国と比べて低い順位にとどまっています。これは、日本が男女平等の観点から見て、まだまだ課題が多いことを示しています。

    分野別にみると、日本のジェンダーギャップ指数は経済参画分野と政治参画分野で低い一方、教育分野では男女格差がほとんどなく、2022年は1.000ポイントで1位を獲得しました。

    順位(2023)分野ジェンダーギャップ指数
    47位教育分野0.997ポイント
    59位健康分野0.973ポイント
    123位経済参画分野0.561ポイント
    138位政治参画分野0.061ポイント

    2023年は0.997ポイントで47位に下降したものの、健康分野とともに高いスコアであることから、男女ほぼ平等に教育の機会があり、健康を維持できているといえるでしょう。しかし、スコアの高い分野が社会全体の男女平等につながっていないことが問題視されているのです。

    ジェンダーギャップ指数から見る日本の課題

    日本のジェンダーギャップ指数は、経済参画分野と政治参画分野のスコアの低さが課題です。

    経済参画分野では、特に管理職の女性割合が低いことと、出産や育児による女性のキャリアアップの困難さが指摘されています。女性の能力や才能が十分に活かされていないといえるでしょう。

    たとえば、女性が子育てと仕事を両立することが難しい環境や、出産や育児でキャリアを中断せざるを得ず、その後の昇進や昇給の機会を逃すことが挙げられるでしょう。

    政治参画分野では女性の政治参加の少なさが課題とされています。女性議員の割合が低いことから、女性の意見や視点が政策決定の過程で十分に反映されないことが考えられるでしょう。

    参考:『ジェンダー・ギャップ指数(GGI)2023年』内閣府男女共同参画局

    ジェンダーギャップ指数を改善することの重要性

    社会全体の生産性への影響

    ジェンダーギャップ指数が低いと、女性が受ける被害の増加や、雇用や賃金の格差拡大などの問題が起こります。つまり女性の社会参加が制限され、能力が十分に活用されない状況です。こうした状況が続くと、社会全体の生産性が低下したり、アイデア創出の機会を損なったりするかもしれません。

    さらに男女格差の影響には、女性が満足な教育を受けられないことも挙げられます。2018年に発表された世界銀行の調査によると、教育を受けられなかった女性は教育を受けた女性と比較して、収入が半分ほど減少傾向にあるようです。

    女性が教育を受けることは女性の雇用や生活に影響を及ぼすだけでなく、人手不足の解消や偏った考えに凝り固まることで低下した生産性の回復など、社会全体にもよい影響を与えるでしょう。

    参考:『Publication: Missed Opportunities: The High Cost of Not Educating Girls』World Bank Group

    持続可能な開発目標(SDGs)の一つ

    ジェンダーギャップ指数の向上は、持続可能な開発目標(SDGs)の一つであるジェンダー平等の実現につながります。SDGsは、経済や社会、環境の持続可能性を目指す国際的な目標であり「ジェンダー平等の実現」も目標に掲げています。

    男女格差の解消には、女性の政治や経済への参画や、女性の教育問題の解消、女性管理職の登用促進など、さまざまな取り組みが必要とされています。女性の社会参加促進や権利の保護により、生活の質を向上させるためです。

    また「ジェンダー平等の実現」は、ほかのSDGsの目標達成にも寄与します。たとえば、3つめの目標である「すべての人に健康と福祉を」や、4つめの目標「質の高い教育をみんなに」の達成には、健康維持や教育の機会を男女平等に与える必要があるといえるでしょう。

    参考:『みんなで目指す!SDGs × ジェンダー平等』内閣府男女共同参画局

    ジェンダーギャップ指数を改善するための取り組み

    ジェンダーギャップ指数を改善するために、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか。政府と企業、個人で行われている具体的な取り組みをご紹介します。

    政府の取り組み

    日本政府はジェンダーギャップの解消を目指し、いくつかの法律を制定しています。

    そのうち「男女共同参画の推進に関する法律」は、政治の場においても男女平等が実現されるよう、女性の政治参加を促進するために制定されました。また「女性活躍推進法」では、企業に対して女性の活躍をあと押しするよう求めています。

    さらに、男性が育児に参加することで家庭内の男女格差を縮小できるため、産後パパ育休の制度を新設するなどの取り組みも行われています。これにより、男性と女性が平等に育児できる環境が整いつつあるといえるでしょう。

    企業の取り組み

    企業でも、ジェンダーギャップの解消に向けた取り組みが行われています。

    1つめに、賃金格差の是正が挙げられます。取り組みの理由は男女間で同じ仕事をしていても賃金に差があるという問題を解消するためです。

    2つめは、育児休暇の取得期間延長です。育児休暇を延長することで、女性が出産後に育児期間が短いことを理由に退職せず、仕事を続けやすい環境が整えられるでしょう。さらに、女性が仕事と家庭を両立できるように時短勤務やリモートワークの推進も行われています。

    企業がジェンダーギャップ解消を進めることには、優秀な人材の確保や多様な視点からの企画・商品開発などのメリットがあります。女性の視点を取り入れることでより広いニーズに対応した商品開発に寄与し、企業の競争力向上につながるでしょう。

    個人の意識改革

    男女格差の解消には、個人の意識改革も必要です。まずは、一人ひとりがジェンダーギャップやジェンダーバイアスについて理解し、自分の行動を見直すことから始めましょう。ジャンダーバイアスとは「男性だから」「女性だから」という偏見のことをいいます。

    また、自分の行動が社会全体の男女格差に影響を与えるという意識を持つことも重要です。「自分には関係のないこと」ではなく、身近な問題としてとらえ、意識することが大切なのです。

    そのためには、ジェンダーギャップについての教育や、身の回りでジェンダーバイアスにあたることが起きていないか見直すことが必要といえるでしょう。

    まとめ

    ジェンダーギャップ指数は、男女間の格差を数値化した指標で、各国のジェンダー平等に関する進捗や状況を評価するために使用されています。

    ジェンダーギャップ指数は、以下の4つの分野で評価されます。

    1. 経済参画
    2. 政治参画
    3. 教育
    4. 健康

    日本のジェンダーギャップ指数は、経済参画分野と政治参画分野でのスコアが低く、特に女性のキャリアアップの難しさや政治参加の少なさが課題とされています。ジェンダーギャップ指数を改善するには、政府や企業だけでなく、個人での取り組みも必要です。

    当記事でご紹介した取り組み例やジェンダーギャップ指数改善の重要性を参考に、まずは自分の身の回りで男女格差が起きていないか見直すことから始めてみましょう。

    資料アイコン
    無料ダウンロード
    さらに詳しく知りたい方、導入をご検討中の方のためにPDF資料をご用意しております。
    まずは資料請求をする