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ステークホルダーとは【例文あり】ビジネスでの正しい意味と使い方を簡単に解説

ステークホルダーとは、利害関係者のことで、企業とかかわるさまざまな人や組織を指しています。近年、企業に社会的責任が問われている中で、耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。しかし、具体的にどこまでの範囲を指すのかイメージできない方もいるでしょう。

そこで本記事では、ステークホルダーの意味や使い方を具体例を交えながら解説します。

ステークホルダーとは【例文あり】ビジネスでの正しい意味と使い方を簡単に解説
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    ステークホルダーとは? 意味を簡単に解説

    ステークホルダーとは企業活動に対して、直接的もしくは間接的に利害関係が発生する個人や組織です。経営者や従業員、株主のほかに、取引先や地域社会など幅広い人々が含まれます。

    ステークホルダーとは【例文あり】ビジネスでの正しい意味と使い方を簡単に解説

    ステークホルダー(stakeholders)は、もともとstake(掛け金)とholder(保有者)という英語が由来とされています。哲学者のロバート・エドワード・フリーマン氏が、1984年に著書で提唱して以来ビジネス用語として普及しました。

    ステークホルダーには、さまざまな組織や個人が含まれており、それぞれの利益が常に一致するわけではありません。利害関係は相互に影響を及ぼすため、企業は多様な立場を考慮して利益のバランスを取る必要があります。全体の利益をはかるように戦略を打ち出し、成長を目指していきます。

    人的資本経営との関連

    企業がステークホルダーと信頼関係を築くためにも、昨今注目されている人的資本経営の実現に向けた取り組みが求められます。

    人的資本経営とは、人材を資本と考え、従業員の能力やモチベーションを高めるために投資する経営の在り方です。その取り組みを社内外に公表することで、ステークホルダーからの支持を得られるでしょう。

    従業員の教育や健康増進などに積極的に投資することで、企業の持続的な成長につながると考えられています。

    ストックホルダーとシェアホルダーとの違い

    ステークホルダーと似ている言葉で「ストックホルダー」「シェアホルダー」があります。それぞれの違いは以下の通りです。

    意味使われる場面
    ステークホルダー利害関係者利害関係を明確にしたいとき
    ストックホルダー株を保有している人株に関する問題や課題で使われる
    シェアホルダー議決権を持つ大株主株に関する問題や課題で使われる

    ステークホルダーが利害関係者を指す言葉に対して、ストックホルダーやシェアホルダーは株を保有している人に使います。

    ストックホルダーの中でも、経営に影響力を及ぼす大株主のことをシェアホルダーといいます。いずれも混同されがちな言葉ですが、大きく意味が異なるため違いを把握しておきましょう。

    ステークホルダーが注目されている理由

    ステークホルダーの注目度が年々上がっている理由として、社会貢献を含む企業の在り方が問われる時代になったことが挙げられます。

    企業活動において以前は、目に見える短期的な利益を追求するばかりで、地域社会や環境問題への影響などは重視されていませんでした。

    しかし現在は、持続可能な開発目標(SDGs)や社会的責任(CSR)への取り組みが重視され、企業には社会貢献につながる活動が期待されています。

    また、グローバル化と情報技術の発展により、広範囲に企業活動の透明性が求められ、社会に与える影響がより注目されるようになりました。

    ステークホルダーとの良好関係を築くことは、コーポレートガバナンス(企業統治)の強化につながり、価値の向上と持続的な成長に不可欠といえます。

    ステークホルダーは2種類に分けられる

    ステークホルダーは、大きく以下の2種類に分けられます。

    • 直接的なステークホルダー
    • 間接的なステークホルダー

    直接的なステークホルダー

    直接的なステークホルダーとは文字通り、企業活動に直接的に影響を及ぼす、または直接的に影響を受ける利害関係が強い人たちです。

    • 株主
    • 経営者
    • 従業員
    • 顧客
    • 取引先

    直接的なステークホルダーは、企業活動の成果によって利益や損失を経験します。たとえば、株主は投資した結果、配当金によって直接的に利益を得られます。従業員は、業績が変動することで給与が上がったり下がったりする可能性があるでしょう。

    直接的なステークホルダーは、大きな影響を受けやすいぶん、企業の活動に高い関心を持っています。企業は彼らのニーズを満たすための戦略を立案する必要があります。

    意見が重要になるため、どのような人物がいるのかリストを作成しておくと綿密にかかわれるでしょう。コミュニケーションを深め、支持を得ることが企業の成長には不可欠です。

    間接的なステークホルダー

    間接的ステークホルダーは、企業活動に目立った影響は受けませんが、将来的に直接的な関係者になる可能性がある人たちです。

    • 従業員の家族
    • 競合企業
    • 行政機関
    • 地域社会

    間接的ステークホルダーは、直接的ステークホルダー以外のすべての人が、該当する可能性があります。

    ステークホルダーの範囲を決めることは難しく、プロジェクトによっても変化するため、常に関心を寄せておく必要があるでしょう。

    ステークホルダーの使い方や例文|場面ごとに紹介

    ステークホルダーの使い方について、場面ごとに例文を紹介します。

    • 自社サイト
    • 株主総会の準備
    • 経営方針の表顕
    • 経営者と幹部会議

    同じ言葉を使っていても対象者が異なるため、確認しておきましょう。

    自社サイト

    自社サイトの制作過程におけるステークホルダーは「従業員やお客様」のことです。

    例文
    自社サイトをリニューアルするにあたり、ステークホルダーの意見を取り入れていくことが重要なポイントです。

    自社サイトは企業の顔ともいえます。従業員は社内からの情報や価値観を発信し、顧客はサイトを通じて製品やサービスを理解し、購入や問い合わせを行います。そのため、自社サイトは両者の期待に応えるコンテンツが求められます。

    株主総会の準備

    株主総会の準備におけるステークホルダーは「株主全員」を指しています。

    例文
    株主総会では、ステークホルダーから合意を得ることを第一とします。

    上記の例文では株主や大株主が当てはまり、ストックホルダーと言い換えても差し支えありません。

    企業経営では、株主から賛同を得て、長期的な支持を確保することが重要です。準備段階では、資料作成などにおいて株主の視点を考慮し、透明性の高い情報提供を心がける必要があります。

    経営方針の表顕

    経営方針を決めるときに使うステークホルダーは「地域社会や住民」などの間接的なステークホルダーです。

    例文
    今後の地域活動において大切な視点は、ステークホルダーの意見を取り入れた方針を採用することです。

    たとえ間接的であっても、ステークホルダーの期待や懸念を理解し、経営方針に反映させることが求められます。社会的責任を果たすうえで、地域の発展に貢献する視点は、持続的な成長に必要です。ただし、どの範囲までステークホルダーの意見を取り入れるかを明確にした方がよいでしょう。

    経営者との幹部会議

    経営者との幹部会議で使用されるステークホルダーは、主に「顧客や取引先」を指しています。

    例文
    当社では、ステークホルダーのニーズを取り入れた戦略を策定することで、企業価値の向上を目指します。

    顧客や取引先などの視点を経営方針や事業戦略の策定に活かすことで、他社との競争優位性を高め、事業の成長を促進できるでしょう。

    ステークホルダーと関係を築くための取り組み例

    ステークホルダーと良好な関係を築くために適切な管理や分析が必要です。具体的には以下の3つの取り組みが行われています。

    • ステークホルダーマネジメント
    • ステークホルダーエンゲージメント
    • ステークホルダー分析

    順番に解説します。

    ステークホルダーマネジメント

    ステークホルダーマネジメントとは、企業や組織などプロジェクトにかかわるさまざまな利害関係者を管理することです。

    対象者は、企業やプロジェクトによって異なり、たとえば、経営者や従業員、取引先です。

    規模が大きいプロジェクトほどステークホルダーの人数も増えるため、整理しておきましょう。

    ステークホルダーエンゲージメント

    ステークホルダーエンゲージメントとは、ステークホルダーと信頼関係を築いて目標達成のために協力を行うことです。

    環境省は、ステークホルダーマネジメントについて以下のように説明しています。

    ステークホルダーエンゲージメントを実施することで、事業者は、事業活動に影響するような情報収集やトレンド観察といった戦術的ニーズを充足すると同時に、組織の透明性向上、長期的成長に不可欠なステークホルダーからの信頼獲得、または、新たな課題・機会に対応するために必要なイノベーションや組織変革の促進まで、さまざまな戦略的ニーズにも対応することが可能です。

    引用:『ステークホルダーエンゲージメント』環境省

    ステークホルダーと良好な関係性を築くことで、互いによい利害関係を実現できるでしょう。

    ステークホルダー分析

    ステークホルダー分析とは、目標達成のために必要な利害関係者の情報を収集したり分析したりすることです。具体的な分析方法は以下の通りです。

    1. ステークホルダーを洗い出す
    2. ステークホルダーをセグメント化する
    3. セグメントの優先度を明らかにする
    4. セグメントの現状のスタンスと期待する状態を明確にする
    5. 想定される「阻む壁」を明らかにする

    ステークホルダーを洗い出したら、関連性の高さや属性に応じてセグメント化します。セグメントごとにプロジェクトへのかかわり方が異なるため、グループ分けをしておきましょう。それぞれのグループでは課題となっている壁を明らかにして、具体的な施策を立案しておくと詳細な分析が行えます。

    ステークホルダーは、組織や個人によって求められる役割が異なります。そのため、役割やポジションを明確にしておくと仕事がスムーズに進むでしょう。

    ステークホルダーと良好な関係を築くコツ

    ステークホルダーと良好な関係を築くコツは以下の3つです。

    • すべてのステークホルダーを意識した経営を行う
    • 自分自身もステークホルダーと言うことを理解する
    • 企業の考えるステークホルダーを確認する

    順番に解説します。

    すべてのステークホルダーを意識した経営を行う

    ステークホルダーは社内外に関係なくさまざまな人がいます。そのため、特定のステークホルダーとの関係構築ばかりに力を注いでいると、ほかの関係者とのかかわりが薄くなり、信頼を損なってしまう可能性も否定できません。

    経営者や従業員をはじめ、公平にかかわることで、良好な関係性が築けるでしょう。

    自分自身もステークホルダーということを理解する

    株主や従業員、地域社会などあらゆるステークホルダーがいる中で、自分の意見や考えもプロジェクトを進めるうえでは重要です。自分自身もステークホルダーであるということを意識するとよいでしょう。

    周りの意見を参考にしながら、自分の考えも取り入れると、お互いの思いを取り入れたビジネスを推進できるでしょう。

    企業の考えるステークホルダーを確認する

    企業が考えるステークホルダーと認識のズレが生じていた場合、プロジェクトがスムーズに進みません。企業が考えるステークホルダーと認識を擦りあわせておく必要があります。

    両者の認識を把握しておくと建設的な議論が行われ、ステークホルダーとも良好な関係を構築できるでしょう。

    まとめ

    ステークホルダーは利害関係者を指しており、組織や個人などさまざまな人が対象です。経営者や従業員など企業と直接的にかかわる人もいれば、地域社会といった間接的な影響がある組織まで幅広い範囲に及びます。

    ステークホルダーの存在は近年、社会的責任(CSR)やコーポレートガバナンスの強化が求められる中で、企業を評価する基準の一つとなっています。

    企業の持続可能な成長には、ステークホルダーとの良好な関係性の構築が欠かせません。ステークホルダーとの対話を通じて期待に応え、企業価値の向上に取り組みましょう。