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キャリアプランとは? 書き方や職種別例文、年代別ポイントも解説

キャリアプランとは? 書き方や職種別例文、年代別ポイントも解説

キャリアプランとは、仕事における将来の理想を明確に定め、実現するための具体的な計画のことです。キャリアプランを作成すれば、従業員は目標が明確になり、モチベーション高く仕事に取り組めるメリットがあります。

本記事では、キャリアプランの意味や重要性、具体的な作り方について解説します。人材育成や組織力を強化したいと考えている企業の経営層や人事担当者はぜひ参考にしてください。

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    キャリアプランとは?

    キャリアプランとは、自分が望む働き方やキャリアの将来像を実現するための具体的な行動計画のことです。具体的には、将来なりたい姿から逆算し、いつまでに何をすべきかを明確にして実行計画を立てます。

    たとえば、15年後に営業部の部長を目指す場合、5年後までに主任、8年後までに課長、10年後までに副部長といった「中目標」を設定し、それぞれの段階(中目標)に到達するための「小目標」を立てます。

    キャリアパスとの違い

    キャリアパスは、役職や職務に就くまでのプロセスを指す言葉です。たとえば現在従事する職種とは異なる職種を希望している場合などにキャリアパスを検討します。現在は営業部に所属していて、将来的には人事部の仕事がしたいと考えている場合は、人事部へ配属されるための方法や計画を立てます。

    キャリアデザインとの違い

    キャリアデザインとは、将来なりたい姿や理想の働き方を、自分の職業人生を主体的に設計することです。キャリアデザインは、単に理想や目標に向けた計画を立てるのではなく、キャリアと人生を総合的に踏まえて考える点に特徴があります。

    キャリア形成との違い

    キャリア形成とは、自分が望むキャリアを実現するために必要な資格やスキルを身につけることです。キャリアプランで考えた将来像を実現したり、計画を遂行するために、キャリア形成を行うイメージです。

    キャリアプランやキャリアデザインを行っても、必要なスキルや経験が明確でなければ、計画の実行が難しくなり、成功しづらくなる場合があります。自分が望むキャリアプランを達成させるためには、キャリア形成への意識が近道です。

    キャリアプランの重要性

    キャリアプランが重要視される理由を解説します。

    従業員のモチベーションが上がる

    キャリアプランを立てることで、従業員は自分の目標とやるべきことが明確化できるため、モチベーションを向上できます。企業側にとって、モチベーションの高い従業員が多くなれば、組織力も強化され、成果につながりやすくなります。

    従業員エンゲージメントの向上につながる

    従業員のキャリアプランを企業がサポートすれば、従業員のエンゲージメント向上も期待できます。企業が、従業員のキャリアプラン実現のために、キャリアパスやキャリア形成などの支援で、従業員は会社への恩を感じ、愛着や貢献意欲が強まります。従業員のエンゲージメント向上は、組織の団結力強化にも効果的です。

    効果的な人材配置のヒントになる

    キャリアプランは、企業が効果的な人材配置をする際に、判断材料です。人材配置を行う際は、適性やスキルなどだけでなく本人の意欲も重視されます。従業員がキャリアを見据えて希望を明確にすれば、企業側も本人の希望を考慮した人材配置が可能です。従業員は、配属の希望が反映されれば、よりモチベーションを高めて仕事に取り組めます。

    離職防止につながる

    キャリアプランは、企業が支援を行えば、従業員の離職防止につながります。企業として一人ひとりの従業員を大切にし、キャリアプランの実現をサポートできれば、エンゲージメントが向上し「この会社でならキャリアプランを実現できる」と前向きな気持ちになるため、離職防止策になります。

    逆に、キャリアプランの支援を十分に行わない場合、従業員のモチベーションが低下し、キャリアプランを実現するために離職してしまう可能性もあるため注意が必要です。

    キャリアプランの作り方

    キャリアプランは、どのようにつくるのでしょうか。一般的な作り方をご紹介します。

    自分の現在について知る

    キャリアプランの作り方として、まず初めに、自分のキャリアに関する現状把握を行います。過去から現在までの仕事やキャリアの整理を行います。キャリアの将来像を明確化する前に、現時点でどのような課題があり、今後どのような働き方をしていきたいかなどをあらためて考えることが大切です。

    理想の将来像を考える

    キャリアプランでは、自分のキャリアや仕事について、希望の将来像を具体化します。たとえば、「部長職に就いてチームマネジメントをしたい」、「DXやデジタル領域のスペシャリストになりたい」といったように、さまざまな観点から希望を抽出します。

    さらに、将来像を具体化できたら、実現するために必要な能力や経験も把握しなければなりません。キャリアプランでは、理想像に向けて必要なステップをどの時点で達成するかなども含めて計画します。そのため、単に将来像を明確化するだけでなく、その実現のためにどのような行動が必要かまで考える必要があるのです。

    将来像に向けた計画を策定

    キャリアプランで将来像を明確化したら、実現するための道筋を考えましょう。具体的に必要なスキルや経験などを抽出したら、いつまでにどのようにして一つひとつの目標を達成するのかを詳細に計画します。これは、年齢や役職の各段階で適切な設定が必要です。あまりにも現実的でない難しい計画は、キャリアプラン失敗の原因にもなります。自分の人生設計もふまえながら、無理や矛盾のない計画を立てましょう。

    キャリアプランをつくる際に注意すべきポイント

    キャリアプランを作成する際に注意すべきポイントをご紹介します。企業が従業員への声かけとして意識すべき点でもあるため、人事担当者も注意しましょう。

    キャリアプランと人生設計の双方を考える

    キャリアプランを考える際は、私生活の人生設計も考慮しなければなりません。たとえば女性の場合、人生において結婚や出産を希望している場合も少なくありません。特に出産においては、長期的に仕事を休む可能性があります。そのため、私生活の人生設計とキャリアプランを考え、矛盾や無理な計画は避けなければなりません。

    具体的な目標計画を立てる

    キャリアプランの作成では、期間などを定めて具体的な目標を立てましょう。希望する将来像から逆算し、いつまでに何をすべきかを具体化し、中目標や小目標の設定で、よりモチベーションを高められます。一つひとつのステップを着実に達成していくことが、キャリアプランの実現には必要です。そのため、漠然とした目標や抽象的な内容には注意しましょう。

    キャリアプランは軌道修正を行う

    キャリアプランを設定した従業員や支援する企業側は、状況に応じて、内容修正や軌道修正を行う意識が必要です。各段階や設定した期間までに達成出来ていないステップがある場合、そのままにしてはいけません。また、環境や価値観の変化によってもキャリアプランを修正すべき場合があります。

    職種別のキャリアプランの回答例

    キャリアプランの例文として、いくつかの職種別にご紹介します。職種によっても記載する内容や目指せるキャリアは異なります。

    事務職

    事務職のキャリアプランについて、例文を紹介します。事務職は幅広いジャンルで必要とされます。事務職としてどのような姿を目指すのかを明確にしましょう。

    例文
    事務職のメンバーをマネジメントする管理職を目指します。事務スキルには自信があるため、迅速で正確な作業を行う姿を部下やメンバーに見せ、手本となるようになりたいです。また、メンバー一人ひとりを管理し、営業部門をサポートできるようなチームをつくりたいです。まずは、部下や後輩の育成に力を注ぎ、主任と係長を一人ずつ輩出します。

    営業職

    営業職のキャリアプランの例文を紹介します。営業職で一般的なキャリアプランは、昇進やチームマネジメントを行うことなどが挙げられます。

    例文
    営業メンバーのマネジメントを行いたいです。まずは、商品知識とコミュニケーション能力を伸ばし、月間MVPを目指します。今年度中にチーフ、30歳までには係長への昇進を目指します。その後、33歳までに課長としてチームを作り、数字にこだわるチームを築きたいです。

    クリエイティブ職

    クリエイティブ職にはさまざまな職種がありますので、職種ごとにキャリアプランは異なります。たとえば、エンジニアやデザイナーは専門職としてスペシャリストを目指したり、PM(プロジェクトマネージャー)を目指すキャリアプランもあります。

    例文
    エンジニアとして、35歳までに課長を目指し、チームのマネジメントを行いたいです。40歳までには、マネージャーとしてエンジニアチーム全体を統括し、知識やスキルの底上げとプロジェクトマネージャーも目指します。

    販売職

    販売職のキャリアプランを紹介します。販売職のキャリアプランには、売上にこだわる店舗スタッフや店舗を統括する管理職、商品企画や販売促進部門などの本社スタッフへの道があります。

    例文
    3年以内に売上金額の年間MVPを目指します。その後は、店長やマネージャーとしてマネジメントを担うことを目指します。35歳までにPR宣伝部門に所属し、これまでの販売力を活かし、商品の魅力を顧客に伝える仕事がしたいです。

    キャリアプランの年代別のポイント

    キャリアプランは、年代によっても意識すべき点があります。各年代で注意すべき点を把握し、キャリアプラン作成のヒントにしましょう。

    20代のキャリアプラン

    20代でキャリアプランを作成する際は、特に以下の点を意識します。

    • 自分に求められていることを把握
    • チームや組織、会社への貢献
    • スキルや経験値の向上

    20代の若い世代は、学びながら貪欲に業務に取り組んでいく世代です。経験や周囲から学ぶとともに、失敗を恐れずに積極的な姿勢を忘れないようにしましょう。また、学びを通して、スキルアップや知識を深めるための努力も怠ってはいけません。キャリアプランとして具体的な将来像がわからない場合は、身近にいる先輩や憧れの上司などをモデルとして考えるのもおすすめです。

    30代のキャリアプラン

    30代は、将来的に会社を牽引していく存在になるため、やりたいことだけでなく、適性や経験、スキルを活かせるキャリアプランを考えることが大切です。自分の希望を大切にするのはもちろんですが、会社から求められている役割を自覚し、客観的視点を持つことも求められます。また、さらなるスキルアップで専門性の向上を目指すのもおすすめです。

    40代のキャリアプラン

    40代は、会社の中心的存在や従事する職種のリーダーとして、数字を管理したり、メンバーをマネジメントしたりする役割が求められています。また、課題解決や業績向上のためにさまざまな施策を計画・実行する必要があります。これらの点を踏まえて、キャリアプランを作成しましょう。

    50代以降のキャリアプラン

    50代以降のキャリアプランは、現場で活躍するより、より広い範囲のマネジメントを行い成果に責任を持ったり、会社の上層部として経営に携わる場合もあります。そのため、これまでの経験や知見、人脈などを活かして会社に貢献できるようなキャリアプランを検討しましょう。

    まとめ

    キャリアプランは、従業員のモチベーションを高め、生き生きと働くために重要な計画です。キャリアプランの作成は、従業員個人にだけメリットがあるわけではありません。企業側は、従業員のキャリアプランの作成や計画の実行支援で、人材の成長や組織強化、成果創出など、さまざまなメリットを享受できる可能性があります。企業は、従業員のキャリアプラン作成を促進し、計画実行の支援を行いましょう。