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リーダー育成のためには? 課題や必要スキル、教育方法も解説

リーダー育成のためには? 課題や必要スキル、教育方法も解説

リーダー育成には時間がかかるため、早めに戦略的な取り組みを始める必要があります。「優秀なリーダーがいない」「育てようとしているが、なかなか成長しない」——そんな悩みを抱える企業は少なくないでしょう。そして、リーダー育成で何から着手すればよいかわからず、場当たり的な対応に終始してしまうケースも見られます。
本記事では、経営層や人事担当者に向けて、リーダー育成の考え方や具体的な方法を体系的に解説します。リーダー不足という組織課題の解決に向けた第一歩としてご活用ください。

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    リーダーの育成とは

    リーダーの育成とは、目標を達成するためにチームや組織を巻き込んで動けるような、周囲に影響力がある人材を育てることです。

    リーダーの育成として、とくに企業の未来を担う次世代リーダー(経営層や幹部)の育成を目指す場合もあるでしょう。

    企業によって育てたいリーダーの種類は異なります。いずれにしても、企業の経営目標達成のために周囲によい影響を与え、成果を導ける人材という点は共通しているでしょう。

    求められるリーダーとは

    求められるリーダーとは、目標を達成するためにチームや組織を牽引(けんいん)できる人材です。企業という大きな組織のなかで、経営者から一般従業員まで、目標達成のために意識をすり合わせて取り組まなければなりません。

    目標達成に向けた取り組みのなかで、トラブルや問題点、予想しない変化が発生する場合もあるでしょう。そのようなときでも、解決策を考え、一致団結して周囲を鼓舞しながらものごとを前に進める人材がリーダーとして求められています。

    また現代は科学技術やITの進化がめざましく、デジタル化やDX化も推進されています。少子高齢化による労働力人口の減少や働き方の多様化にも対応しなくてはなりません。

    こうしたなかで時代の流れや状況を踏まえ、柔軟な対応や判断ができる人材を育成することも、リーダー育成における課題の一つともいえるでしょう。

    次世代リーダーとは

    リーダー育成という言葉とともに「次世代リーダー」という言葉を耳にする場合も少なくないでしょう。

    次世代リーダーとは、企業の経営を担い、時代の変化に柔軟に判断できる人材です。このような人材を育てることに対して、とくに次世代リーダーの育成と表現する場合があります。

    次世代リーダーの育成の目的は、将来的に企業の経営層や幹部として活躍できる人材を育てること。企業によって育成手法はさまざまです。

    たとえば一定以上の役職者(課長以上)から次世代リーダー候補者を選出して研修を受講してもらったり、大きなプロジェクトの責任者に選出したりして、経験や知識を積む方法が多いでしょう。

    リーダーとマネージャーの違い

    リーダーとマネージャーは混同されやすいですが、両者には違いがあります。

    リーダーは組織を先導し、方向性を示す役割を担います。部署や会社としての目標や、組織としてのあるべき姿に向かって、体現したうえで組織のメンバーを引っ張っていく存在といえるでしょう。

    また、目標に向かって進むためにチームや組織の士気を高められるような存在であることも、リーダーに求められる点といえるでしょう。

    一方のマネージャーは、担当する組織において業務や人材の管理を行う役割を担います。

    マネージャーは現場で指揮をとりながら業務を行うというよりも、チームや組織全体を俯瞰(ふかん)して、メンバーのパフォーマンスが最大化できるように環境を整えて管理します。

    リーダーに求められる素質

    リーダーの育成を行ううえで、リーダーに必要とされる素質や要素を理解しておきたいところです。リーダー候補を選定する際にも重要な視点になるため、どのような素質や要素が必要なのかを把握しておきましょう。

    状況を把握する能力

    リーダーは、どのようなシーンでも状況を的確に把握する能力が必要とされています。

    業務上におけるトラブルが発生した際や顧客からのクレーム、メンバーの人事面の問題などさまざまなシーンで予想外の事態が起こる場合もあるでしょう。

    こうしたときに、すぐに状況を飲み込み、対応や解決策を考える力が必要といえます。

    状況を把握する能力がある人材は、人の話に耳を傾けられる、日頃から空気を読む習慣がある、人の気持ちがわかるなどの特徴があります。

    目的や目標の設定

    リーダーには、目的や目標など、ビジョンを明確にして設定することも求められます。

    最終的な目的を達成するための目標を明確にして、メンバーが理解して行動できるようにしなくてはなりません。

    またチームや部署単位だけでなく、企業の経営目標達成というゴールのためにどのような目標を立てるべきなのかを、正しく的確に設定することも必要とされます。

    コーチング力

    リーダーは、メンバーが主体的に動けるように誘導するコーチング力も求められます。相手を尊重しながら、メンバー自身に自分で気づかせ、行動させられるような方向性に持っていきます。

    コーチングは、それぞれのメンバーに最適な対応をとる必要があるため、メンバーの性格や特性を把握しておかなくてはなりません。

    そのため日頃からのコミュニケーションや信頼関係の構築にも関係してくるでしょう。

    経営やマネジメントの知識

    リーダーとして企業の経営や未来を担う人材は、経営やマネジメントに関する知識も必要とされています。専門的かつ広範囲の知識が必要になるため、外部研修などを活用するとよいでしょう。

    論理的思考力

    リーダーは、感情に左右されない論理的思考力が必要です。

    ものごとを体系的に整理したうえで筋道を立て、矛盾がないように考える思考は、ビジネスや経営判断に重要とされます。

    判断力

    リーダーには、的確な判断力も重要な素質の一つといえます。ビジネスシーンや経営課題に対して、経験や知識に基づく的確な判断が必要とされるでしょう。

    ただし、リーダーの下す判断が必ずしも正解であるとは限りません。そのためにも、論理的思考力やリスク管理力もあわせて持っておきたい能力です。

    リーダーの育成がうまくいかない理由

    リーダー育成がなかなかうまくいかないというお悩みを抱えている企業も少なくありません。そこで一般的にリーダーの育成が難しいとされる理由について、ご紹介していきます。

    リーダー候補の選定ができない

    リーダーの育成がうまくいかない理由の一つに、リーダー候補が選定できていない点が挙げられます。

    従業員のなかからリーダーの素質があるかを見抜けなかったり、選定する方法がわからなかったりする場合です。そのような場合には、自社でリーダーの基準が明確にできていないのかもしれません。

    リーダー候補の選定基準を明確にしたうえで、管理している人材データからリーダー候補の特性や経験を確認したり、各部署の責任者に協力を仰いだりするとよいでしょう。

    リーダー育成にかかる時間を確保しにくい

    リーダー育成がうまくいかない理由として、育成のための時間確保が難しいという点が挙げられます。

    とくに次世代リーダーの育成には、経営やマネジメントの学習など、長い時間がかかります。とくに人材不足に悩んでいる組織や部署では、現場の業務と並行しなくてはならない場合もあるでしょう。こうした状況下の場合、どうしても現場が優先され、育成の優先度が下がりやすいという問題があります。

    このような場合には、社内周知できていなかったり、ほかの従業員から理解を得られていなかったりすることが原因といえるでしょう。

    リーダー候補を現場から外せない

    リーダー育成がうまくいかない理由の一つには、現場の人材不足などによりリーダー候補を現場から外せないという点もあります。

    リーダー候補になる人材は、現場での経験や知識があり、優秀な人材でもあるといえるでしょう。

    しかし組織やチーム自体が人材不足の場合、優秀な人材(リーダー候補者)が外れてしまった場合に回しきれないなどの問題が発生します。

    こうした理由から、いつまでもリーダー候補者が現場から離れられず、ダラダラと並行して行うことで、育成もスムーズにいかないという問題があるのです。極端に現場を優先させる雰囲気があると、リーダー育成が難しくなるということを認識しておくようにしましょう。

    教育体制が整っていない

    リーダー育成を行うにあたって、企業や人事部としてリーダー育成の教育体制が整備できていないことも問題点になりやすいです。

    人事育成に関する制度や育成担当者などが整っていないと、リーダー育成の効果が発揮できない可能性が高まってしまいます。

    社内だけでリーダー育成の制度を整えるのが難しい場合は、外部サービスを活用するのも方法の一つとして、検討してみましょう。

    リーダーを育成する方法

    リーダーを育成するためには、知識を深める学習としてのリーダー研修と各現場における業務経験が必要といえるでしょう。どちらかだけに偏っても、企業の経営を担う人材にはなれません。

    それぞれの方法をチェックしてみましょう。

    リーダー育成のための研修を実施する

    リーダーとして経営や財務会計、マーケティング、人事や組織に関する知識を身につけるために研修の実施が必要といえるでしょう。

    企業の教育体制が整っていれば、自社で育成研修を実施するのが理想的といえます。一方、自社での研修が難しい場合、外部研修などの活用を取り入れるのもおすすめです。

    オンライン講座やeラーニングなどで学ぶ方法もあるので、必ずしも「対面座学」という点にこだわる必要はありません。自社に適した研修方法を探してみるとよいでしょう。

    日常業務の中でスキルを鍛える

    次世代リーダーとして企業の未来を担う人材は、各部署の業務経験や理解も必要になるでしょう。それぞれの現場を理解しておくことで、経営判断などに役立つときがくるかもしれません。

    自分の職種だけでなく、さまざまな部署の業務を経験することで、経験値を上げられるようにしておきましょう。

    企業全体でリーダーを育成する

    リーダー育成は短時間で終わるような単純なものではなく、長い時間と教育コストもかかります。そのためには、社内でリーダー育成を行うための教育体制を整える必要があります。

    リーダー育成は各部署のみで行うのではなく、企業全体として取り組むものであるため、従業員全員がリーダー育成の必要性を理解し、いつでも協力できる状況にしておきましょう。

    リーダー育成のステップ

    リーダーを育成する際の手順や流れについて、チェックしてみましょう。

    1.リーダー育成に関する目標設定

    リーダー育成をする目的と目標について深掘りしましょう。リーダー育成には周囲の協力が不可欠といえます。理解や納得を得られていないと、思うように進められない原因にもなりかねません。

    また、最初に目的や目標が明確になっていないと、次の流れにも影響する可能性があります。

    これらの問題が生じることを避けるためにも、あらかじめリーダーを育成する理由や、育成にかかる時間を明確にするようにしましょう。

    2.リーダー像の明確化

    リーダーとして望ましい素質や特性をまとめ、リーダー像として具体的に出してみましょう。リーダー像を明確にすることで、今後に必要な育成にも役立つからです。

    経営理念や経営目標をもとに、自社の最終目標を達成するためにはどのような人物が必要か、逆算して考えるとよいでしょう。

    3.候補者の選定

    リーダー像が明確になったら、企業が抱える従業員のなかでリーダーとしての素質がある人材がいるかどうかをチェックして選定します。

    人事評価の結果や実績などの定量的なものだけではなく、仕事に対する意欲や周囲との関係性などの定量的な視点からも判断するようにしましょう。

    また選定方法は、人材データにある情報から素質や特性のある人を確認していくだけでなく、自己推薦によるものでもよいでしょう。

    4.トレーニングや研修実施

    リーダー育成における次のステップとして、リーダー候補者を対象に、自社で展開するリーダー教育カリキュラムや社外研修などを通して研修を受けましょう。

    リーダー候補者の強みや弱みを引き出し、能力値をさらに引き上げられるような内容にすることが理想的です。また、研修を通して他部署のリーダー候補との交流もできれば、視野を広げられるきっかけにもなるでしょう。

    5.モニタリングや改善策の検討

    リーダー育成では、トレーニングや研修をやりっ放しにして終わりにするのではなく、モニタリングをしましょう。

    リーダー候補者をフォローする担当者をつけるなどして、こまめにリーダー候補者の状況や気持ち、研修後の進捗を確認するようにします。

    モニタリングやリーダー候補者のフォローをするなかで見えてきた問題点や課題点を洗い出し、改善策として検討し、以降のリーダー育成につなげていきます。

    リーダー育成を行うタイミング

    リーダー育成を行うタイミングとして、とくに難しいのが次世代リーダーの育成時期です。一般的には課長以上の人材から選出し、育成を行うことが多いでしょう。

    しかし、現在のリーダー(バブル世代に入社した層)が退職する時期にあたるため、今後企業によってはリーダー不足が急激に加速することが懸念されています。

    本来、次世代リーダーの育成は長期的なスパンで取り組むものです。そのため、次世代リーダーの育成を始めるタイミングは、課長以上に限定しないようにします。本人の素質や従業員の意思も踏まえながら、時期を前倒しすることも検討するとよいでしょう。

    リーダー育成のポイント

    リーダーを育成するうえで重要なポイントとはどのような点でしょうか。とくに押さえておきたいポイントを中心に紹介します。

    最優先課題とする

    リーダーの育成は企業の未来に影響するため、優先度をあげて取り組みましょう。

    経営層の価値観や人材不足などさまざまな状況により、リーダー育成の優先度を上げにくい場合は、まず経営層にリーダー育成の重要性を訴えてみましょう。

    人事部だけで動くのではなく、経営者の納得と共感を得ることでさらに動きやすくなるでしょう。

    リーダー育成の目的を明確にする

    リーダーを育成するにあたって、目的を明確にしましょう。具体的なリーダー像を立てたうえで、リーダーとともにどのような組織を目指すのかまで検討しておきたいところです。

    目的が具体的になることで、従業員はただ単にリーダーを目指すのではなく、企業の将来についても考えるきっかけになるはずです。

    リーダーの選定基準を明確にする

    リーダーの育成では、まず対象となる候補者を選定します。その際に、どのような基準で選定されるのかを明確にしましょう。

    リーダーの選定基準が明確にされていれば、スムーズに選定が進んだり、従業員からの納得も得られやすくなったりするでしょう。

    また、リーダーを目指す従業員にとっても選定基準が公開されていることで、一つの指標として目指すべき方向性がわかりやすくなるためモチベーション向上につながるのです。

    中長期的スパンで計画する

    リーダーの育成は、短期間でできることではありません。

    とくに次世代リーダーの育成は、さまざまな研修や現場経験を経る必要があるためです。そのため、中長期的な育成計画のなかで焦らずじっくり育成するというスタンスを忘れないようにしましょう。

    リーダー候補者に幅広い業務を経験させる

    リーダーの育成では、候補者がやったことのない業務や新規プロジェクトなど、さまざまな業務を経験させましょう。

    視野を広げたり経験値が上がったりすることで、リーダーになった際に部下への説得力や偏りのない指示に役立つはずです。

    リーダーになれなかった人材のフォローをする

    リーダー育成では、候補者全員がリーダーポジションに就けるわけではありません。選抜に漏れた候補者に対して、フィードバックや上長を交えたキャリア面談を通じて、次の目標を明確にするフォローが重要です。失望感でモチベーションを低下させないよう、気持ちを前に向かせるサポートが求められます。

    リーダー育成にもタレントマネジメントシステム活用も

    リーダー候補の選定には、従業員一人ひとりの素質や特性を正確に把握する必要があります。しかし、多くの従業員を対象に情報を収集・整理するのは容易ではありません。

    タレントマネジメントシステムを活用すれば、従業員データを一元管理し、必要な情報をすぐに参照できます。選定にかかる時間・人的コストを大幅に削減しながら、精度の高い抜擢や育成が可能になるでしょう。

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    まとめ

    企業の未来を担う次世代リーダーの育成は、今後さらに重要な人事課題の一つです。今後も変化し続けていく経済状況や社会情勢のなか、どのような状況でも柔軟に対応できるリーダーが必要とされています。

    リーダーの育成には、長い時間や労力、教育体制も必要です。企業の未来を任せられるリーダーの育成に必要な体制整備に向けて動き出しましょう。