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メルクマールとは【ビジネスでの意味・使い方】ベンチマークやマイルストーンとの違いも解説

ビジネスにおいて目標達成の道筋を示す重要な指標として、近年使われることが増えた「メルクマール」です。しかし、言葉の意味や設定する方法がわからない人もいるでしょう。

本記事では、メルクマールの意味や使い方、似た言葉との違いを詳しく紹介します。メルクマールの設定によるメリットや、企業の成長にどのように貢献するのかについて解説します。

メルクマールとは【ビジネスでの意味・使い方】ベンチマークやマイルストーンとの違いも解説
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    メルクマールとは?意味や語源から解説

    メルクマールとは、ドイツ語で「目標達成までの道のり」や「中間目標」を指す言葉です。ビジネスでは、目標達成の進捗状況を把握するための指標として使われます。プロジェクトの各段階で達成すべき具体的な目標を設定するときに使用され、振り返りや進捗状況を確認する際の基準としても活用されます。

    語源はドイツ語のmerkmal(=特徴)

    メルクマールはドイツ語の「Mérkmal」が語源です。意味は「特徴・特性」ですが、「特別なしるし」という意味合いも持ちます。そこから派生した言葉が、ビジネスでは「中間目標」です。プロジェクトの進行や達成度を測るための重要な指標として使用されます。ビジネスシーンだけでなく、医療や法律の世界でも使用され、それぞれ意味は異なります。

    メルクマールの各分野における意味・使い方

    メルクマールはビジネス全般のほか、医療や法律など異なる分野でも使われる言葉ですが、それぞれ意味合いが異なります。どのような場面で、どのような意味で使われるかを例文とともに確認してみましょう。

    ビジネス全般

    ビジネス全般におけるメルクマールは、プロジェクトの進捗状況や目標達成度を確認するための中間目標の数値として使われます。プロジェクトの最終目標に向かって途中経過を確認する際の指標ともいえるでしょう。

    たとえば、営業部門では月間の売り上げ目標を設定し、それを達成するための具体的なアクションをメルクマールとして設定します。これによって、最終目標に向かってプロジェクトが順調に進行しているか否かを確認できます。

    営業チームは、新商品の売り上げ向上の目標達成のため、1か月ごとに新規顧客獲得数や既存顧客からのリピート受注率をメルクマールに設定しています。

    医療

    医療業界におけるメルクマールは、患者の治療プロセスや健康状態の進行状況を把握するための「評価指標」という意味で使われます。

    メルクマールによると、患者への投薬はあと1週間は続けるべきです。

    法律

    法律に関連する業界でのメルクマールは、判決や控訴・上告の「判断基準」の意味で使われます。過去の判例がメルクマールになります。

    今回の判決は、今後同様のケースにおけるメルクマールになるでしょう。

    金融

    金融業界も法律業界と同様に「判断基準」という意味合いでメルクマールを使います。

    融資のメルクマールは、顧客の3年間の純資産額の平均です。

    哲学

    哲学においては、メルクマールは「目印」として使われます。ほかの分野での使い方と異なり、「目印としての概念」「比喩的な目印」という意味合いを持ちます。

    存在することとは何かを考えることが人間のメルクマールといえます。

    メルクマールとベンチマーク、マイルストーン、KPIの違い

    メルクマールには似たような意味合いを持つ言葉にベンチマーク、マイルストーン、KPIがあります。それぞれの意味とメルクマールとの違いを解説します。

    ベンチマークとの違い

    ベンチマークは、主にほかの類似する事例や競合他社と比較するための基準・指標を指します。メルクマールは目標達成の中間目標や指標としてプロジェクトの進行状況を把握するために使用する一方、ベンチマークは他社や業界の基準と比較し、自社のパフォーマンスを評価するために使用するものです。

    マイルストーンとの違い

    マイルストーンは重要な通過点に中間目標として設置されるもので、メルクマールと同じ意味合いで使われることが多い言葉です。ただし、メルクマールは目標達成の途中経過を評価するための指標であり、マイルストーンは特定の期日までのタスク完了の確認に使われる指標です。両者は似た意味を持ちながらも、異なる使い方や目的を持っています。

    KPIとの違い

    KPIは主要業績評価指標を意味し、組織や部門のパフォーマンスを定量的に測定するための指標です。どちらも「中間目標」という意味合いで使われるため、ほとんど同じ使われ方をします。ただし、メルクマールは目標達成の途中経過を評価する指標・目印として柔軟性がある一方、KPIは組織や部門を評価するための具体的な数値や指標ですKPIは戦略に直接関連することから、目標達成に関する管理に重きを置いているともいえます。

    メルクマールはビジネスでなぜ重要?

    メルクマールは、最終目標に至るまでの道筋を明確にする中間目標として設定されます。経営計画をより具体的でスムーズに遂行するために重要な指標なのです。

    メルクマールを設定することで、業績の統一的な基準が確立され、従業員の動機づけや業務改善にも貢献するでしょう。定量的・定性的な評価を通じて、業務の成果や課題を明確に把握し、効率化をはかることもできます。結果的に、企業は目標達成に向けた戦略的なアプローチを行い、最短で成果を得られるでしょう。

    メルクマールはビジネス活動を円滑に進めるうえ不可欠な要素であり、組織全体の成功に貢献する重要な指標といえます。

    メルクマールを設定するメリット

    メルクマールの重要性の観点から、設定するメリット3つを解説します。

    • KPIの役割を果たす
    • 課題や達成理由が明確になる
    • 最終目標までの達成を助ける

    KPIの役割を果たす

    メルクマールに設定した目標を定量化することで、KPIの代用ができます。中間地点で、各プロセスの達成度を数値によって把握できれば、最終目標に向かう進捗状況や修正の必要性を判断できます。

    課題や達成理由が明確になる

    メルクマールを設定することで、プロジェクトや目標達成における課題や達成理由が明確になります。中間目標があれば、進行状況を定期的に確認し、問題点を早期に発見しやすくなります。また、目標達成時の要因や成功の理由も明確化されるため、今後の戦略策定や業務改善にも役立つでしょう。

    最終目標までの達成を助ける

    メルクマールは中間地点としてゴールに向かう途中の目標を設定します。到達度合いを把握できれば、適切なタイミングで軌道修正ができます。最終目標達成までの道筋が明確になり効率的に進められるため、メルクマールは最終目標達成までの助けになるでしょう。具体的な目標が設定されると、従業員は最終目標に向けた明確な目標を持ち、モチベーション高く業務に集中できます。

    メルクマールの設定順序

    メルクマールはどのように設定すればよいのでしょうか。3つのステップに分けてメルクマールの設定方法を紹介します。

    • 最終目標を設定
    • 逆算してメルクマールを設定
    • 分割して短期指標を設定

    1.最終目標を設定

    メルクマールを設定する前に最初に明確にすべき点は、プロジェクトや目標の最終的な成果物や到達点です。たとえば「新商品の完成」「事業提携」など、長期的な目標や戦略が最終目標にあたります。

    最終目標の設定で注意したいのは「具体的である」「達成可能である」「達成難易度が適切である」であることです。

    具体的な目標にするためには、定量的・定性的のいずれでもわかりやすくし、測定可能であることもポイントです。数値でわかりやすく示すことで、アプローチ方法も理解しやすくなるでしょう。

    2.逆算してメルクマールを設定

    次に、最終目標に到達するためのステップを逆算して、中間目標であるメルクマールを設定します。最終目標までの道のりを逆算し、その途中で達成すべき段階的な目標を設定しましょう。これにより、プロジェクトの進捗状況を定期的に評価し、必要に応じて修正や調整をするための具体的な基準がわかるようになります。

    メルクマールについても、最終目標と同様に「定量的・定性的な視点で具体的かつ達成可能なチャレンジングな目標」を設定することを意識しましょう。

    3.分割して短期指標を設定

    最後に、中間目標であるメルクマールをさらに分割し、短期的な指標やタスクを設定します。短期指標は、チームが目標に向かって段階的に業務を遂行するための基準として働きます。「大きな目標」が「小さな具体的なステップ」に分割されると、プロジェクトの進行状況を定期的にモニタリングできるでしょう。

    短期指標についても、最終目標やメルクマールと同様に、定量・定性どちらの視点も含んだものを設定する必要があります。

    メルクマールの達成に向けて意識したいこと

    メルクマールを設定したら、達成に向けて、次の3つを意識することが大切です。

    • 社内共有と意識づけ
    • 社内コミュニケーションの活発化
    • 達成度合いの測定・分析

    社内共有と意識づけ

    メルクマールの設定や意義を全従業員と共有し、全員が同じ目標に向かって一体となり働くことが重要です。社内共有と意識づけにより、チーム全体が目標に対する意識を高め、協力して達成に向けて努力できるでしょう。反対に、意識や目標の共有が不十分な組織では、チーム全体が目指すべき方向性や重要性を理解できず、目標達成の方針が乱れてしまいます。

    社内コミュニケーションの活発化

    メルクマールの達成に向けて、定期的なコミュニケーションや情報共有は不可欠です。チームメンバー間や関係者とのコミュニケーションを活発化させることで、進捗状況や課題を共有し、適切な対策を講じることができます。

    また、双方のやり取りにより協力関係も強化されるでしょう。コミュニケーションが不足すると、情報共有や問題解決が遅れ、目標達成に向けた効率的な作業が阻害されてしまいます。

    達成度合いの測定・分析

    メルクマールの達成度合いを定期的に測定し、分析することが重要です。実績の評価や課題を把握することで、必要な修正や改善に早期に取り組めます。達成度合いの定量的・定性的な評価により、目標に対する進捗状況を明確に把握し、達成に向けた戦略の修正や方針の再検討が可能です。

    反対に測定や分析が不十分であると、目標に対する進捗状況や課題が見えにくくなり、必要な対策が取れなくなります。ただし、目標の進捗状況の把握や測定には手間がかかるため、専用システムの導入なども視野に入れておきましょう。

    タレントマネジメントシステムの中には従業員一人ひとりの目標の進捗を視覚的に管理できる機能が備わったサービスがあります。目標の振り返りができていない、達成度が正しく評価できていないという方は、検討されてみてはいかがでしょうか。

    タレントマネジメントシステムで具体的に「どんなことが実現できるのか?」と疑問に思われた方は、ぜひ、タレントマネジメント入門ガイドをお申し込みください。

    メルクマールの設定事例

    メルクマールを設定するには他社を参考にするのも一案です。3つの企業における目標設定の取り組みをご紹介します。

    • メルカリ
    • 楽天
    • ソフトバンク

    メルカリ

    株式会社メルカリは、目標設定において「納得感」を重視しています。同社では過去に、経営陣を集めた合宿を実施し、LTV(Life Time Value)を上げるための目標設定について議論を重ねました。

    参考:『メルカリ流!納得感のあるKPIの決め方』mercan

    楽天

    楽天は、特定の商品やサービスを顧客にどれだけ推薦したいかを数値化した「NPS」もKPIに取り込んでいます。NPSにより企業やブランドへの顧客ロイヤルティの測定が可能であるため、KPIの達成により同社のサービスは持続的な向上を実現できています。

    参考:『顧客満足を推進する全社KPI設計』楽天グループ株式会社 採用情報

    ソフトバンク

    ソフトバンクは持続可能な社会への貢献と持続的な成長の2軸の観点から、6つの重要課題に沿った目標設定を行っています。

    1. DXによる社会・産業の構築
    2. 人・情報をつなぎ新しい感動を創出
    3. オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出
    4. テクノロジーのチカラで地球環境に貢献
    5. 質の高い社会ネットワークの構築
    6. レジリエントな経営基盤の発展

    参考:『マテリアリティ(重要課題)』ソフトバンク株式会社

    メルクマール設定で事業成長に(まとめ)

    メルクマールはビジネスにおいて、中間目標や進捗状況を確認する重要な指標です。事業成長を促進するためには、最終目標を明確に設定し、達成に向けての途中段階を具体的なメルクマールとして設定することが重要です。

    メルクマールの設定により、チーム全体が目標に向かって一体となり、進捗状況を定期的に把握し調整することが可能です。

    また、目標に向かう過程での問題や課題を早期に把握し、効果的な戦略や方針の修正が行えるため、短期間で目標を達成することも期待できます。他社の事例などを参考に、メルクマールを設定し、事業成長への道筋を明確にしましょう。

    メルクマールの意識づけにタレントマネジメントシステム活用も

    事業成長には、従業員一人ひとりがメルクマールを意識することが大切です。日頃から目標を意識づけたり、進捗状況を管理したりするには、目標管理の機能が備わったタレントマネジメントシステムの活用も一案です。

    One人事[タレントマネジメント]は、個人と組織の目標を一括管理できる機能を搭載したタレントマネジメントシステムです。最終目標とリンクさせたメルクマールを設定し、目標管理機能によるチーム内共有が可能です。それぞれの関連性を理解し、メルクマールを意識した効果的な目標設定に役立ちます。

    また、目標の達成状況がグラフで可視化できるため、適切なタイミングで適切なフィードバックを行うこともできます。効率的にメルクマール達成、そして最終目標達成を目指すなら、タレントマネジメントシステムの導入も検討してみてはいかがでしょうか。