内勤とは?メリット・デメリットや求められるスキルをわかりやすく解説

内勤とは、企業や店舗などの建物内で行う、主にデスクワーク業務を担当する仕事・職種のことです。
「内勤は具体的にどのような仕事?」「内勤と外勤の違いは何?」こうした疑問は、採用や配置を考える場面でも出てきますよね。
本記事では、内勤の定義、内勤と外勤の違い、メリット・デメリット、求められるスキルを解説します。

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内勤とは
内勤とは、社内(店舗・オフィスなど)での業務が中心となる働き方、またはその働き方に従事する人を指します。いわゆるデスクワークが多いイメージですが、内勤=事務職とは限りません。営業支援や顧客対応、技術職など職種は幅広いです。
内勤の特徴は、業務が社内で完結する割合が高いことです。パソコン作業、社内調整、電話・メール対応が中心になりやすく、1日のスケジュールが決まり、日々の進め方も比較的パターン化しやすい傾向があります。落ち着いて作業しやすい反面、関係者が固定されやすい面もあります。
内勤手当とは
内勤に関する手当として「内勤手当」という言葉が使われることがあります。
内勤手当は内勤の従業員に支払われる手当の総称です。支給の有無や対象、金額、条件は会社の賃金規程によって異なり、法律で一律に決まっているものではありません。
まずは自社の賃金規程や就業規則で取り扱いを確認しましょう。

内勤の代表的な職種
内勤の職種は多岐にわたります。代表的な3つの職種を見ていきましょう。職種ごとに業務内容も必要なスキルも変わります。
事務職
事務職は、代表的な内勤業務として幅広い分野で活躍します。人事や経理、総務や企画、生産管理など、さまざまな部門で必要とされる職種です。
主な仕事内容は、パソコンを使ったデータ入力や文書作成、電話やメールでの対応、コピーやファイリングです。裏方の業務に見えますが、正確性が組織運営を支えています。
ミスがそのままトラブルにつながる場面もあるため、ていねいさと段取り力が必要です。
内勤営業
内勤営業は、店舗やオフィスにいながら顧客対応や提案を行う職種です。保険、不動産、旅行代理店、カーディーラーなどの業界で見られます。
来店客への提案が中心になるケースもあれば、電話やオンラインでのアポイント獲得、問い合わせ対応が中心になるケースもあります。
外勤営業のように移動が多い働き方ではないものの、顧客対応の比重は高めです。数字目標がある場合も少なくありません。
技術職
技術職は、主に製造業などで「ものづくり」に携わる専門職です。開発や研究、設計や生産技術、品質保証などに分かれます。
いずれの分野でも、理系の専門性を土台に、企業の技術力向上に貢献する役割を担います。
常に改善を考え、新しい方法を探る探究心のある人が向いているでしょう。
設計職ではCADの操作、品質保証では検査や分析など、担当する工程や分野によって求められる技能は多岐にわたります。
内勤と外勤の違い
内勤と外勤では、働き方や求められる能力が異なります。「どこで働くか」だけでなく、「何をどう進めるか」にも違いがあるのです。
社内の職種区分をそろえ、人事戦略を整理するうえでは、違いを理解することも重要です。主な3つの観点から内勤と外勤の違いを詳しく解説していきます。
勤務場所
内勤は、オフィスや店舗など建物内で行うデスクワーク中心の働き方です。資料作成、社内調整、問い合わせ対応など、社内の落ち着いた環境で集中して行う作業が多いです。
一方で外勤は顧客のオフィスや商談先のカフェ、展示会場など、社外での業務が中心です。訪問や打ち合わせなど、対面の機会が増えやすい傾向があります。
ただし、同じ会社でも職種や担当によって内勤と外勤が混ざり、たとえば「基本は内勤だが月に数回外出がある」といった働き方もあるでしょう。求人票への表記や配属先の説明では、この点を整理して伝える必要があります。
仕事内容やスキル
内勤は、情報を整理し、正確に処理し、関係者と調整して進める仕事が多くあります。文書化、進捗管理、社内外の連携などの能力が欠かせません。
一方で外勤は、取引先訪問や商談など顧客と直接やり取りする仕事が中心です。信頼関係を築くため、対面での説明力や咄嗟の判断力が求められる場面が多くなります。
裁量権
内勤は、社内のルールや承認フローに沿って進める業務が多く、進め方が定型化しやすい面があります。調整相手が社内に集中することも多いでしょう。
一方で外勤は、訪問計画や移動を含めて自己管理が必要になり、日中のスケジュールを自分で調整できる場面が増えます。昼食の場所・時間などを自分で調整でき、比較的自由度の高い働き方が可能です。柔軟で裁量の大きい仕事のスタイルといえるでしょう。
内勤と外勤でどちらが優れているというものはありません。働く場所や仕事内容が対照的で、求められるスキルや向き・不向きも人によって大きく変わります。
内勤のメリット
内勤には、安定した環境で働けることや、キャリアアップの機会が豊富にあるなど、さまざまなメリットがあります。人材採用や人材配置の観点で、内勤の主なメリットについて詳しく見ていきましょう。
転職しやすい・専門性の高い仕事が多い
内勤には、経理・人事・秘書といった専門知識が活きる職種が多くあります。業界をまたいでも通用しやすいスキルが多いのも特徴です。
企業側から見れば、職務要件を言語化しやすく、採用の母集団をつくりやすい場合があります。専門性が積み上がれば、キャリアの安定やライフステージの変化にあわせた働き方を選びやすい傾向があります。
肉体的負担が少ない
内勤は、座って行う作業が多く、屋外移動や立ち仕事が少ないため、体力的な負担が比較的軽いのが特徴です。営業のように外回りがなく、天候や季節に左右されず一定の環境で業務を進められます。
体力に自信がない人や腰・膝などへの負担を、避けたい人にも向いています。室温や休憩場所が整った環境が多く、無理なく健康的に長く働ける条件が整っているのは、内勤ならではのメリットです。
内勤のデメリット
内勤には快適な環境で働けるメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。内勤特有のデメリットについて、健康面や労働環境、人間関係の観点から詳しく解説していきます。
ポイントを知っておくと、採用後のミスマッチ防止や配置判断にも活かせるでしょう。
運動不足になりやすい
内勤は意識しないと、運動不足になりやすい働き方です。1日の大半を机に向かって過ごし、自然と身体を動かす機会が減るからです。
同じ姿勢のまま作業を続けると、肩こりや腰痛が起きやすくなります。歩く距離が短い職場だと、気づかないうちに「一日ほとんど歩いていない」状態もめずらしくありません。
意識的に立つ回数を増やす、数分のストレッチを挟む、昼休みに少し歩くなど、体を動かす工夫が必要です。
残業時間や労働時間が長くなりやすい
内勤は残業が増えやすい一部の職種があります。
内勤は「仕事が社内で完結しやすい」一方で、締め切りや繁忙が重なると、タスクが一気に積み上がるためです。
たとえば、経理の月次・年次、エンジニアのリリース前、クリエイターの納品前などは、どうしても集中しやすいですよね。突発的な対応が入ると、休憩が削られたりすることも否定できません。
結果として、プライベートの時間が削られ、ワークライフバランスが崩れる要因になります。個人の頑張りだけでは解決しないため、組織全体で属人化を防止し、業務の標準化といった対応が必要です。

人間関係が悪くなると精神的負担が大きくなりやすい
内勤は同じオフィスで毎日同じメンバーと顔を合わせるため、人間関係の影響を受けやすい働き方です。
上司や同僚の視線がある環境では、息抜きのタイミングがつくりにくいと感じる人もいるかもしれません。苦手な相手と距離を取りづらい場面もありますよね。
職場の雰囲気が悪化すると、外勤のように移動して気分転換する機会が少なく、ストレスをためてしまう人もいます。役割や相談先を明確にしておくことが重要です。
内勤に求められるスキル
内勤の仕事を効率的に進め、高いパフォーマンスを発揮するためには、求められるスキルを紹介します。
内勤には作業の正確さだけでなく、関係者と調整しながら、期限までに形にする力が欠かせません。職種や業界を問わず、内勤職全般に共通して求められる基本的な4つの能力です。
経営者や人事担当者の方は、採用要件や人材育成の観点からも参考にしてください。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルによって、内勤の仕事の進み方は変わります。 上司や同僚、他部署のメンバーなど関係者が多く、情報共有や社内調整が日常的に発生するためです。
具体的には、報告・連絡・相談のタイミングを逃さないことに加え、相手が理解しやすい方法で伝える必要があります。事実を簡潔に整理してまとめる力と、相手の意図をくみ取る傾聴力も必要です。
メールやチャットのやり取りも多いので、文章で誤解を生まない表現力も欠かせません。円滑なコミュニケーション能力は業務効率だけでなく、職場の雰囲気にも影響します。
案件管理スキル・スケジュール管理スキル
内勤は複数の案件を同時進行で処理する力が求められます。複数の依頼が並行し、優先順位の判断が必要になる場面が多いからです。
依頼が重なった場合に、進捗状況を把握し優先対応を判断できないと、遅延や抜け漏れが起きやすくなります。
カレンダーや進行管理ツールを使い、期限と重要度を可視化することが組織としても重要です。
PCスキル
内勤職では、パソコン操作は欠かせない基本スキルです。
- Wordで文書を整える
- Excelでデータを集計・分析する
- Excelの関数やピボットテーブルを使いこなす
- PowerPointで説明資料をつくる
これらの活用力や習熟度で、処理速度も品質も変わります。社内システムやメールの操作能力などは、日々の事務作業を効率化するうえで大切です。
正確かつスピーディーに業務を遂行するスキル
内勤の仕事では「正確さ」と「速さ」を両立しなければなりません。
重要書類や契約書、請求書などミスが許されないデータを扱う場面が多い一方で、期限も厳しいからです。
一つの誤りが、手戻りや信頼低下につながることもあります。細部まで注意を払いながら確実に処理することが必要です。
ただし、時間をかけすぎると全体業務を滞らせてしまいます。テンプレートやチェックリスト、定型作業の仕組み化で処理時間を短縮する姿勢も欠かせません。

内勤職のスキルを高める方法
内勤職の育成は、組織全体の生産性にも影響し、長期的な視点で取り組むことが大切です。場当たり的に研修を増やすより、一人ひとり「何を伸ばすか」を決めて施策を検討していきましょう。
内勤職のスキルを高めるために、3つの方法を紹介します。
資格取得を推進する
資格はスキルアップの成果を可視化しやすい手段の一つです。学習の方向性が定まり、本人も会社も成長を確認しやすくなるからです。
例として内勤職では、以下の資格が、業務で直接的に役立つ場面があります。
- 日商簿記検定
- MOS(Microsoft Office Specialist)
- TOEIC
企業によっては受験料補助や合格時の手当支給を用意している場合も少なくありません。
資格取得は内勤職本人の自信にもつながります。企業として「取らせること」より「業務で使える状態にすること」をおすすめします。
内勤職務向けの研修や勉強会を実施する
内勤職向けの研修は短期間でスキルを底上げしやすい方法の一つです。日常業務だけでは学びにくい型やノウハウを、まとめて吸収できる機会となります。
【研修の例】
- Excelや業務システムの活用
- 文書作成のルール共有
- 業務改善の進め方
勉強会は大々的に開催するより、短時間でもいいので継続的に開催していくことをおすすめします。
人事評価制度や賃金制度を見直す
内勤職の能力向上を企業として支援していくなら、スキルアップの成果を評価する設計づくりも欠かせません。
努力や成果が評価につながれば、従業員のモチベーションも高まりやすくなります。
- 資格取得や業務改善の成果を、評価基準にどう反映するか
- 賃金や昇格にも影響させるか
- どのような目標を設定するか
- どのようにフィードバックするか
以上が整理されていると、本人も自律的に動きやすくなります。評価制度を整えて、組織全体で認識をそろえ、運用していきましょう。
まとめ|内勤者のスキルアップを支援
内勤とは、店舗やオフィスなど建物内での業務が中心となる働き方で、デスクワークに限らず事務・内勤営業・技術職など幅広い職種を含みます。
外勤と比べて内勤は、社内調整や進捗管理など「正確に処理し、関係者と連携して進める力」がより重要です。メリットは専門性を積み上げやすく、体力面の負担が小さい点で、デメリットは運動不足や繁忙期の残業、人間関係の影響を受けやすい点が挙げられます。
内勤人材の育成は、本人の適性や保有スキルを踏まえ、計画的に進めることが大切です。社員一人ひとりのスキルアップは、人的資本への投資となり、企業価値向上にもつながります。
