入社手続きの案内メールの書き方|使える例文・NG例とポイントを解説

入社手続きの案内メールの書き方|使える例文・NG例とポイントを解説

採用活動を経て内定者が決定すると、多くの企業では入社手続きの案内メールを送信します。新入社員との最初の正式なコミュニケーションであり、会社の印象を左右する重要な文書です。「どのような内容を含めるべきか」「どのような文面にすればよいのか」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。案内メールには必要書類や提出期限、手続き方法など、漏れなく伝えるべき情報があります。

本記事では、入社手続きの案内メールの基本的な作成方法から例文まで、わかりやすく解説していきます。よくある注意点やNGポイントについても紹介しますので、案内メールを作成する際は、ぜひ参考にしてください。

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目次アイコン 目次

    入社手続きで必要になる案内メールの種類・例文

    入社手続きでは、内定通知から入社日の案内まで、複数のメール連絡が必要です。シーン別に適切なメール作成のポイントと例文を紹介します。

    内定通知メールの案内・例文

    内定通知メールは、採用が決定したことを伝える重要な最初のコミュニケーションです。面接時の印象や評価ポイントに触れながら、今後の手続きについても明確に案内します。

    内定通知メールの例文
    件名:採用内定のご連絡【株式会社〇〇】〇〇 〇〇様

    お世話になっております。
    株式会社〇〇 採用担当の〇〇でございます。
    先日はお忙しいなか、弊社の採用面接にお越しいただき誠にありがとうございました。
    厳正なる審査の結果、〇〇様を弊社の社員として採用することが内定いたしましたので、ご連絡申し上げます。
    つきましては、内定通知書を添付いたしますので、ご確認のうえ、期限までにご返送くださいますようお願いいたします。


    ■提出期限〇〇年令和〇〇月〇〇日
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

    内定通知書と一緒に内定承諾書が添付されるのが一般的です。内定者に署名・捺印して返送してもらい、承諾の意思を早い段階で確認しておくと、その後の入社手続きも進めやすいでしょう。

    内定通知書については以下の記事で詳しくご確認いただけます。

    内定辞退者への返信メール・例文

    内定者から辞退の連絡を受けた場合は、理由や背景について確認しつつ、ていねいな対応を心がけます。

    内定辞退への返信例文
    〇〇様

    お世話になっております。
    株式会社〇〇の〇〇です。

    このたびは数ある企業のなかから弊社にご応募いただき、誠にありがとうございました。
    内定をご辞退とのこと、弊社としては大変残念ではありますが、承りました。
    〇〇様の今後のご活躍を陰ながら応援しています。

    自社に適した形式に変更して、ぜひお役立てください。

    内定辞退を防ぐ対策を知るには以下の記事もご確認ください。

    必要書類を回収する際の案内メール・例文

    入社手続きに必要な書類として雇用誓約書や身元保証書、健康診断書、卒業証明書などがあります。必要な文書を回収する案内メールでは、書類の提出期限や方法を明確に伝えます。

    必要書類案内メールの例文
    件名:【重要】入社手続き書類提出のお願い

    〇〇 〇〇様
    お世話になっております。

    〇〇株式会社 人事部の〇〇でございます。
    先日は当社の採用試験にご足労いただき、誠にありがとうございました。
    厳正な選考の結果、〇〇様の内定が決定いたしました。

    つきましては、入社に際し必要な書類を本日郵送いたしました。
    必要事項に記入、押印のうえ、〇〇月〇〇日までにご返送くださいますよう、お願いいたします。

    提出書類は、以下のとおりです。
    ・雇用誓約書
    ・身元保証書
    ・健康診断書(3か月以内に受診したもの)
    ・卒業証明書

    ご不明点がございましたら、下記連絡先までお気軽にお問い合わせください。
    〇〇株式会社 〇〇Tel:〇〇E-mail:〇〇

    入社書類を一覧で確認するには以下の記事をご確認ください。

    入社日についての案内メール・例文

    入社日の案内では入社日時、場所、持ち物などの情報を、新しい従業員に漏れなく伝えることが重要です。

    入社日案内メールの例文
    件名:【重要】入社日程のご案内

    〇〇 〇〇様
    株式会社〇〇 人事部の〇〇でございます。

    先日は採用面接にご参加いただき、誠にありがとうございました。
    つきましては、入社日程について下記のとおりご案内申し上げます。

    日時:〇月〇日(〇)場所:本社〇階集合時間:午前〇時

    なお、当日は以下のものをご持参ください。
    ・筆記用具
    ・印鑑
    ・写真つき身分証明書

    〇〇様とお会いできることを、社員一同心よりお待ちしております。
    今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

    入社手続きの案内メールを書くコツ・ポイント

    ビジネスでは、わかりやすく伝えることが大前提です。入社手続きの案内メールも同様に、事前に項目を整理して、シンプルで明確な文面を心がけましょう。以下では案内メールを書くコツやポイントを紹介していきます。

    件名は簡潔にわかりやすく記載する

    入社手続き案内の件名は、受信者がひと目で理解が可能な表現にします。

    • 【重要】入社手続きのご案内
    • 【ご確認ください】入社日程について
    • 【提出のお願い】入社時必要書類について

    宛名や差出人、署名を正しく記載する

    入社手続き案内では、正式な文書として以下の要素を漏れなく記載します。

    • 宛名:姓名を正確に記載(「様」をつける)
    • 差出人:会社名、部署名、担当者名を明記
    • 署名:会社の連絡先情報(電話番号、メールアドレス)を記載

    本文の冒頭にあいさつ文やお礼の文章を入れる

    ていねいな印象を与える入社手続き案内の冒頭文を例示します。

    • 「お世話になっております」
    • 「先日は面接にお時間をいただき、ありがとうございました」
    • 「ご多忙のなか、採用選考にご参加いただき、誠にありがとうございました」

    要件をわかりやすく伝える

    入社案内メールの本文には、次の情報を明確に記載します。

    • 採用結果の通知
    • 必要書類の一覧
    • 提出期限
    • 提出方法
    • 入社日程
    • 注意事項

    箇条書きやナンバリングを活用し、視認性の高い文面を心がけるとよいでしょう。

    結びの文章で締める

    入社案内メールの結びの文章例は以下のとおりです。

    • 「お気軽にお問い合わせください」
    • 「今後ともどうぞよろしくお願いいたします」
    • 「〇〇様とお会いできることを、社員一同心よりお待ちしております」

    前向きなメッセージで締めくくることで、好印象を与えられるでしょう。

    入社手続きの案内メールのNG例と注意点

    入社手続きの案内メールの内容は、伝えるべき情報を論理的に整理し、一貫性のあるわかりやすい文章にすることが重要です。

    そこで入社手続きの案内メールでよくあるNG例と、注意点について解説します。

    いずれもビジネスパーソンとして基本的なことですが、気をつけないと内定者に混乱を与えたり、不安を抱かせたりする原因となります。

    内定者が迷わず手続きを進められるように確認していきましょう。

    誤字脱字

    誤字や脱字のチェックは非常に重要です。送信前には必ずフルネームやメールアドレス、必要書類の添付内容、内定式の日付、必要な手続きの内容を二重チェックしましょう。

    NG例
    ・氏名の漢字間違い
    ・日付や時間の数字の誤表記
    ・会社名や部署名の誤表記

    誤字脱字のミスは誤解を引き起こし、信頼を損なう要因となります。

    就業時間外の送信

    メールは就業時間内に送信するよう注意が必要です。

    就業時間外にメールを送ると、過度な時間外労働が常態化している印象を与えたり、企業の常識を疑われたりする可能性があります。

    NG例
    ・深夜、早朝のメール

    企業の印象を悪くしてしまわないように気をつけましょう。

    わかりにくい記載

    入社手続きの案内通知で用いられている敬語が間違っていたり、上から目線のきつい言葉遣いだったりすると内定者は不安を覚えるかもしれません。また、1つの文章が長すぎると相手を混乱させてしまうおそれもあります。

    NG例
    ・【締切厳守】必要書類を◇月末日までに返送してください
    ・■月▲日の内定式に絶対にお越しください

    一方で、短すぎると冷たい印象を与えてしまうのでバランスに配慮したいところです。

    個人情報の取り扱いがずさん

    個人情報の取り扱いがずさんな対応は、企業の信頼を大きく損なう重大な問題です。

    入社手続きでは、マイナンバーや住所、家族構成など、多くの重要な個人情報を取り扱います。採用活動や入社手続き、入社後の配属、人材育成や福利厚生その他労務管理など、明確な目的の範囲内でのみ使用します。

    送信・確認漏れ

    入社手続きの案内メールで送信ミスや内容の確認漏れがあると、内定者に混乱を与え、企業の信頼を損なう可能性があります。とくに必要書類や提出期限の記載が抜けていると、手続きの遅れにつながるため注意が必要です。

    記載漏れにあとから気づいたときは、資料やメールを送った相手におわびの文書やメールを送りましょう。再発防止のためにも、送信前のダブルチェックや、チェックリストを活用することが大切です。

    入社手続きの案内メール送信後に必要なフォロー

    入社手続きの案内メールは、企業と内定者の正式なコミュニケーションの始まりとなります。準備を円滑に進めるためも、単に情報を提供するだけでなく、送信後も適切なフォローを行うことが大切です。

    少しの気遣いが、入社前の不安を解消し、内定辞退の防止にもつながるかもしれません。以下では、入社手続きの案内メール送信後に実施したいフォローのポイントを紹介します。

    内定者面談を実施する

    入社手続きの案内メールだけでは伝わりにくいこともあるため、内定者面談を通じて補足を説明すると、内定者の不安解消につながります。

    人事労務担当者は、内定者面談で以下のポイントを確認するとよいでしょう。

    • 入社手続きの進捗確認(提出済みの書類、不明点の有無)
    • 業務内容や会社の方針の説明
    • 労働条件や給与、福利厚生についての補足
    • 配属先の希望ヒアリング

    面談をすることで徐々に信頼関係を築けるようにします。面談のコツは以下の資料もぜひご活用ください。

    内定者懇談会や交流会を設定する

    入社手続きの案内メールのなかで、内定者懇談会や交流会の開催情報を伝えると、参加率が高まります。

    たとえば、カジュアルランチは、内定者同士や先輩社員との親睦を深められ、職場の雰囲気を体験してもらうよい機会です。

    リラックスした雰囲気で自然な会話が生まれ、内定者同士の距離を縮められるかもしれません。より交流が深まるように、入社前研修の一環としてグループワークを企画するのも一案です。

    内定者研修会や勉強会についての制度を設ける

    内定者研修会は、ビジネスマナーやワークスキルを習得するうえで重要です。入社前に知っておきたい基礎知識やスキルを学べる研修を受けると、内定者の安心感にもつながります。

    企画の例として以下のようなものが挙げられます。

    • eラーニングを活用した通信教育
    • 合同研修
    • アルバイト形式での業務体験
    • オンライン研修

    ただし、入社前の研修への参加は強制できません。業務の一環とみなされる場合は、報酬が発生が発生するため、適切な制度設計が必要です。

    内定者フォローを円滑にするよう心がける

    入社手続きの案内メールを送ったあとも、定期的にフォローを継続します。内定者の不安を少しでも減らすことが、内定辞退を防ぐポイントです。

    会社への期待を高め、やる気を引き出すフォローが必要となります。SNSを活用して内定者の悩みを相談しやすい雰囲気をつくったり、人事担当者が定期的にメールで連絡を取ったりするとよいでしょう。

    まとめ|内定者に寄り添った入社手続きの案内メールを

    入社手続きの案内メールは、新入社員との最初の正式なコミュニケーションです。会社の誠実さと歓迎の気持ちが伝わるよう、わかりやすくていねいな文面を心がけます。」

    作成時は、件名を簡潔にし、宛名・差出人を正確に記載するとともに、誤字脱字や記載漏れに注意します。個人情報や送信時間にも配慮しましょう。

    メール送信後は、面談や研修でフォローし、内定者が会社に早くなじめるように配慮する必要があります。

    入社手続きの案内メールは、単なる事務連絡ではなく、内定者の不安を解消し、入社への期待を高める機会です。適切な対応で、良好な関係を築いていきましょう。

    入社手続きの効率化に|One人事[労務]

    入社手続きにはメール対応以外にも、社会保険の手続きなど期限内に進めなければならないタスクが多くあります。

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