入社手続きはいつまでに終わらせる? 公的手続きの期限や準備スケジュールを紹介

「入社手続きの準備、いつから始めればいい?」「どの入社手続きを優先すべき?」「期限に間に合わないかも……」新入社員の受け入れ担当になると、不安や疑問が次々と浮かんでくるものです。とくに初めて担当する方は、必要な手続きの全体像がつかめず、スケジュール管理に悩まれることも多いでしょう。
本記事では、入社手続きの法定期限や効率的な準備スケジュールを解説します。本記事を読めば、やるべきことの優先順位が明確になり、余裕を持って新入社員を迎えられるようになるでしょう。
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入社手続きはいつまでに何を終わらせる? 必要書類も解説
入社手続きには法律で定められた期限があります。手続きの種類によって提出期限は異なるため、計画的な対応が必要です。各手続きの期限と必要書類を詳しく解説します。
法定三帳簿の準備期限
法定三帳簿(労働者名簿・賃金台帳・出勤簿)は、雇用開始日までに会社が準備しなければなりません。保存期間は5年間(当分の間は3年間)です。
帳簿 | 主な記載事項 | 目的 |
---|---|---|
労働者名簿 | 氏名、生年月日、履歴、性別、住所、業務の種類、雇入れ・退職(死亡)日 | 雇用状況の把握 |
賃金台帳 | 氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、基本給、各種手当、控除額、時間外労働実績 | 賃金支払いの証明 |
出勤簿 | 氏名、出勤日、出勤日ごとの始終業時刻、休憩時間、時間外労働の記録 | 勤務実態の把握 |
法定三帳簿は従業員の雇用状況や賃金支払い、勤務実態を管理するため、入社手続きの一環で作成されます。
作成していないと、労働基準法違反となり、30万円以下の罰金が科される可能性があります。 従業員の入社が決まったらすみやかに作成し、監査時もすぐに提出できる状態にしておきましょう。

社会保険手続きの期限
社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続きは、雇用開始から5日以内が期限です。年金事務所(または電子申請)で提出します。
用意する書類は以下のとおりです。
- 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
- 健康保険被扶養者(異動)届(被扶養者がいる場合)
- 国民年金第3号被保険者関係届(該当者がいる場合)
資格取得届は担当者が準備し、扶養者届は会社で用意して、新入社員に必要事項を記入してもらったうえで回収します。
入社手続きで用意する書類を一覧で確認するには、以下の記事もご覧ください。
雇用保険手続きの期限
雇用保険の加入手続きは、雇用した日の翌月10日までが期限です。
雇用保険被保険者資格取得届のほかに添付書類は原則不要ですが、新たに適用事業所となった場合などは、添付書類の提出を求められる場合もあります。具体的には労働者名簿や賃金台帳、出勤簿です。
また、前職がある場合は、雇用保険被保険者証を回収しなければなりません。
資格取得届は人事労務担当者が作成し、保険証は前職がある新入社員から回収します。
雇用保険の届け出では、新入社員のマイナンバーの記載が必須です。マイナンバーの回収とあわせて、入社手続きはすみやかに進めましょう。
入社手続きにともなう雇用保険・社会保険手続きについては以下の記事でも詳しく解説しています。
税手続きの期限
税関連の手続きは、最初の給与計算・支払日までに完了する必要があります。遅れると、所得税の控除や住民税の処理を進められません。
入社手続きの際に用意する書類は以下のとおりです。
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書(扶養の有無にかかわらず全員)
- 源泉徴収票(前職がある場合)
- 給与所得者異動届出書(住民税の特別徴収を継続する場合)
申告書はまずは担当者が準備し、必要事項を記入してもらったうえで、すべての新入社員に提出してもらいます。
入社手続きが終わるまでのスケジュール例
入社手続きは一般的に、内定を出してから入社後1か月程度まで続きます。
手続きを円滑に進めるには、いつまでに何をやるのかを意識しながら、適切なタイミングで対応しなければなりません。
参考までに、採用内定から入社後までのスケジュール例を紹介します。
採用内定後~入社1か月前 | 必要書類の案内・準備 |
入社1か月前~1週間前 | 書類確認・職場環境の準備 |
入社日当日 | 書類提出・オリエンテーション |
入社後〜1か月後 | 法定手続き完了 |
採用内定後~入社1か月前
採用の内定通知と同時に入社手続きが始まります。新入社員に必要な書類一式を案内し、準備を早めに進めましょう。
主な対応 | |
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内定通知と入社手続きの案内 | 内定通知を送付し、誓約書の受領を確認する |
必要書類の準備と案内 | 提出が必要な書類を案内し、提出期限を伝える |
社会保険・税関連の手続き準備 | 健康保険・雇用保険・年金手続きに必要な情報を整理し、書類を準備する |
必要に応じてメールや電話でリマインドし、忘れずにフォローします。郵送・持参・オンライン、提出方法も明確に指定し、従業員が迷わないように配慮することも大切です。
入社1か月前~1週間前
入社1か月前からは、労務書類の最終確認と職場環境の整備を進めます。
主な対応 | |
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労務関連書類の最終確認 | 労働条件通知書や雇用契約書の内容、署名・捺印を確認する |
職場環境の整備 | デスク・椅子・ロッカーの準備、PC・社用携帯・社員証の手配する |
システム環境の設定 | 社内メールアドレスの発行、勤怠管理システム・社内チャットツールのアカウントを作成する |
業務開始に必要な環境が整っているか、チェックリストを作成し、抜け漏れがないか確認 するとよいでしょう。
「出社初日の流れ」「持ち物」「必要な準備」をまとめた入社案内を事前に送付するのもおすすめです。
入社手続きの案内メールの書き方については、以下の記事をご確認ください。
入社日当日
入社初日は、新入社員が会社の一員としてスタートを切る日です。指定した書類の回収と会社のルール説明など、安心して仕事を始められるようにサポートします。
主な対応 | |
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提出書類の受領と確認 | 必要書類を回収し、不備がないかチェックする |
社内ルール・就業規則の説明 | 勤務時間、福利厚生、コンプライアンスなどについて説明する |
配属部署・オフィス案内 | 直属の上司やチームメンバーの紹介、オフィスツアーを実施する |
業務システムの説明 | メール、社内チャットツール、業務管理システムの使い方を教える |
入社日にすべての書類がそろわないこともあるため、未提出書類があれば再度期限を設けて提出を依頼します。初日は緊張しやすいため、オフィス案内を通じて、リラックスした雰囲気をつくることが大切です。
入社後〜1か月後
入社後、人事労務担当者はすみやかに法定手続きを完了させます。
社会保険関連ではマイナ保険証が使えない社員のために資格確認書を発行しましょう。雇用保険の手続きや住民税の手続きも確実に進めます。
社内手続きでは法定三帳簿への情報記載を行います。労働者名簿の作成、賃金台帳の準備、出勤簿の設定を進めます。従業員管理システムには個人情報やマイナンバー情報、資格情報を登録します。
入社後は、必要な法定手続きを完了させるとともに、社内システムへの登録を進めます。今後の人材管理体制を整えることが目的です。
主な対応 |
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社会保険・雇用保険の手続き完了 |
法定三帳簿の作成・管理 |
住民税・所得税の処理 |
健康保険・厚生年金は入社後5日以内、雇用保険は翌月10日までに手続きを完了させる 必要があるため、遅れないように管理しましょう。資格確認書が発行されたら本人に交付します。マイナンバーカードを持っていない場合は、申請によらず資格確認書が発行されますが、通常よりも時間がかかる可能性があります。そのため、資格取得届の提出時に発行を申請をしたほうがよいでしょう。

入社手続きでもっとも時間が取られることは?
入社手続きにはさまざまな業務があるなか、とくに時間がかかるのは「提出書類の準備」と「公的手続き」といえます。
新入社員は書類をそろえるのに手間がかかり、人事労務担当者も社会保険手続きや帳簿の作成など、期限のある業務に追われがちになるからです。
時間を取られすぎるとスケジュール全体が遅れてしまうため、業務の特性を紹介したうえで、効率化のポイントを解説していきます。
内定者は提出書類の準備
内定者にとってもっとも時間を要するのは、各種提出書類の準備です。住民票やマイナンバー、資格証明書など取得や再発行に手間のかかる書類が含まれています。
とくに新卒者は作成に不慣れなため、準備に時間がかかるかもしれません。そのため人事労務担当者がフォローするとよいでしょう。効率的に進めるためのポイントは以下のとおりです。
- 提出書類の一覧と準備手順を明確に示す
- 書類ごとの取得方法や記入例を提示する
- 提出期限に余裕を持たせる
- チェックリストを活用し、不備を防ぐ
採用担当者は帳簿の作成・公的手続き
採用担当者は、入社手続きのなかでも法定三帳簿の作成と公的手続きに多くの時間を割く必要があります。
とくに公的手続きには期限が設けられており、遅れると労務トラブルにつながる可能性があります。期限をあらためて確認しておきましょう。
- 健康保険・厚生年金→雇用開始から5日以内
- 雇用保険→雇用した月の翌月10日まで
- 所得税→給与支払日の前日までに
- 住民税→雇用した日の翌月10日まで
以上の入社手続きは、手作業で進めると負担が大きく、デジタル化が求められる分野といえます。効率化するには、入社手続きの電子化も検討してみてはいかがでしょうか。
労務管理システムを導入することで、書類作成から保管、公的申請までをデジタルで一元管理できます。
労務管理システムの機能は以下の記事よりご確認ください。
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入社手続きが期限までに終わらない場合の対応
入社手続きが遅れた場合は、すみやかに対応し、影響を最小限に抑える必要があります。手続きの種類ごとに、対応策を確認しましょう。
法定三帳簿 | すぐに作成し、労働基準監督署の指導を受けないよう対応 |
社会保険 | 入社後5日を経過しても手続き自体は可能だが、事業所調査実施時に賃金台帳や出勤簿を確認される場合がある |
雇用保険 | 3か月以上の遅延で追加書類、6か月以上で遅延理由書の提出が必要 |
入社手続きが遅れているなか、従業員が医療機関を受診しなければならない場合は、「健康保険被保険者資格証明書」 を発行すれば、受診が可能です。
入社により国民健康保険と社会保険の保険料を二重に支払った場合は、過払い分は返金されます。
遅れたからといって、実際の入社日と異なる日付で申請してはいけません。あとで発覚した際、修正と追加の保険料負担が発生するため注意しましょう。
参照:『【事業主の皆様へ】届出等における添付書類の取扱いの変更について』日本年金機構
入社手続きを期限までに終わらせるコツ・注意点
入社手続きを確実に進めるためには、計画的な準備と効率的な進行管理が重要です。期限内に手続きを完了させるための方法を紹介します。
スケジュール管理では、書類提出の締切日を入社日から逆算して設定します。社会保険の手続期限が5日以内、雇用保険が翌月10日までと定められているため、余裕を持って対応しましょう。
新入社員への配慮も欠かせません。書類作成の手引きや記入例を用意し、不明点への問い合わせ窓口を明確にします。とくに新卒者は手続きに不慣れなため、丁寧なサポートを心がけます。
書類の受け取り後は不備を確認し、修正が必要な場合、すみやかに連絡して再提出を依頼します。
入社手続きを効率的に行うには、運用のデジタル化も検討してみてはいかがでしょうか。労務管理システムを活用することで、進捗管理が簡単になり、続きの漏れや遅延リスクを軽減できます。
また、社内フローも定期的に見直しましょう。前年度の課題を洗い出し、改善点を次年度に反映させます。とくに入社時期が集中する年度初めは、余裕を持った準備が必要です。
入社手続きは期限内に完了を(まとめ)
入社手続きは、法定期限の遵守と新入社員への配慮の両立が求められる重要な業務です。本記事で解説した内容を振り返ってみましょう。
雇用保険や社会保険関連の手続きには明確な期限があります。社会保険は5日以内、雇用保険は翌月10日までの手続きが必要です。期限を過ぎると、追加の事務負担や罰則のリスクが生じます。
手続きを円滑に進めるためには、計画的な準備が不可欠です。採用内定から入社後までの一連の流れを把握し、余裕を持ったスケジュール設定が重要です。とくに書類の準備や提出には、新入社員への丁寧なサポートが必要となります。
手続きの効率化には労務管理システムの活用が有効です。書類の電子化や進捗管理機能により、期限管理や書類確認の負担を軽減できます。
適切な準備と効率的な運用により、新入社員が安心して入社できる環境を整えましょう。
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