One人事

5W1Hとは? ビジネスシーンにおける使い方をシチュエーション別に紹介

社内ミーティングや商談では、論点を明確にしたり、自社製品の特徴を分かりやすく伝えたりする能力が求められます。そのために有効なのが「5W1H」です。本記事では、5W1Hを使ったビジネスシーンにおける論点整理の方法をまとめていきます。

5W1Hとは? ビジネスシーンにおける使い方をシチュエーション別に紹介
目次アイコン 目次

    5W1Hとは?

    「5W1H」とは、情報を整理・分析するための基本的なフレームワークです。

    5W1Hは「Who(誰が)」「What(何を)」「When(いつ)」「Where(どこで)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の6つの要素と順番から成り立っています。これらの要素や正しい順番を用いることで、事象や問題の全体像を明確に捉え、効果的なコミュニケーションや問題解決を行うことができます。

    学校教育のなかでも、文章の整理や情報の整理の方法として5W1Hが取り上げられることがあります。特に、レポートの作成や発表の際に、情報を明確かつ効果的に伝えるための手法として紹介されることが多いです。

    以下、5W1Hの構成要素それぞれについて解説します。

    When(いつ)|時間

    「When」は5W1Hの構成要素の一つで、「時間」や「期間」を指します。

    「When」の要素は、情報の時系列的な文脈を理解するうえで非常に重要です。たとえば、事象が発生した背景や、それに続く出来事の流れを把握するためには、具体的な「いつ」が不可欠です。

    「When」を明確にすると、以下のような点が明らかになります。

    • 事象の発生の前後関係や因果関係
    • 期限やスケジュールの確認
    • 過去の経緯や歴史的背景の理解

    具体的な質問としては「いつ起こりましたか?」や「いつ行動を取るべきですか?」などが挙げられるでしょう。ビジネスの現場では、プロジェクトの進捗管理やタスクの優先順位付け、事件や事故の原因分析など、多岐にわたるシーンで「When」の情報が求められます。そのほかのビジネスシーンでは、会議の時間やイベントの場合では、開催期間、開催日時です。

    Where(どこで)|場所

    「Where」は、出来事や行動が発生した「場所」や「環境」を指します。

    「Where」の要素は、情報の空間的な文脈を把握するのに役立ちます。たとえば、事象が発生した背景や、それに関連するほかの出来事との関係を理解することなどが挙げられるでしょう。

    「Where」を明確にすることで、以下のような点が明らかになります。

    • 事象の発生地点や関連する場所の特定
    • 地域や地点に関連する特性や背景の理解
    • 空間的な範囲や広がりの確認

    具体的な質問には「どこで起こりましたか?」や「どこで行動を取るべきですか?」などが挙げられます。ビジネスにおいては、市場分析の際の地域特性の理解や、プロジェクトの実施場所の選定、事故や事件の現場調査など、多岐にわたるシーンで「Where」の情報が重要とされるでしょう。

    Who(誰が)|人

    「Who」は、出来事や行動に関与する「人」や「グループ」を意味します。

    「Who」は、情報の主体や関与した人を特定します。たとえば、事象の発生原因や、意思決定の背後にある人物や組織を把握することが考えられるでしょう。

    「Who」を明らかにすると、以下のようなことが把握できます。

    • 事象や行動の主体や関与した人の特定
    • 責任や役割の明確化
    • 関与した人の背景や立場の理解

    ビジネスで情報整理をする際には「誰が関与していますか?」や「誰が行動を起こしますか?」「誰が影響を受けますか?」と質問するとよいでしょう。

    ビジネスの現場では、プロジェクトのステークホルダーの特定や組織内の意思決定者の把握、顧客やパートナーとの関係性の理解など、多岐にわたるシーンで「Who」の情報が重要といえます。

    What (何を/何が)|内容

    「What」は、出来事の「内容」や「対象」をあらわします。

    「What」の要素は、情報の核心や本質の理解において中心的な役割を果たします。たとえば、出来事の詳細や行動の目的、問題の具体的な内容などを把握するためには、具体的な「何を/何が」が必要とされるでしょう。

    「What」が整理できると、以下のようなことが明確にできます。

    • 事象や行動の具体的な内容や詳細の把握
    • 問題や課題の核心の特定
    • 必要なリソースや手段の明確化

    質問をする際には「何が起こりましたか?」や「何が問題ですか?」と聞くとよいでしょう。ビジネスでは、プロジェクトの目的や成果物の特定、市場のニーズや顧客などの要望の把握、課題の詳細な分析などで「What」の情報がが必要とされます。

    Why (なぜ)|理由

    「Why」は、出来事や行動の「理由」や「背景」を指します。

    「Why」は、出来事の原因や動機を深く探るための鍵となります。出来事が発生した背後にある要因や、ある行動を取る動機、問題が生じた根本的な原因などを理解するためには、具体的な「なぜ」の探求が必要だからです。

    「Why」を明確にすることで、以下の3つが明らかになります。

    • 事象や行動の根本的な原因の特定
    • 問題の深層的な理解や解決策の探求
    • 意思決定や行動の背後にある動機や価値観の理解

    原因や動機を深く理解するためには「なぜ起こりましたか?」や「なぜ問題なのですか?」と質問します。ビジネスの現場では、問題解決のための原因分析や戦略策定の際の背景理解、顧客の購買動機の分析などで「Why」の情報が求められるでしょう。

    How(どのように)|過程

    「How」は、出来事の「方法」や「過程」を意味します。

    「How」は、どのような手段や過程で問題が発生したのか、ある目的を達成するための具体的な手法やアプローチを理解することに役立ちます。たとえば、ある成果を得るための具体的な手順や、出来事が発生するまでの経緯、問題を解決するための方法論などを把握するためには「How」の探求が必要になるでしょう。

    「How」を明確にすると

    • 事象や行動の具体的な手段や方法の特定
    • 問題解決や目的達成のための具体的なステップやアプローチの理解
    • 事象の発生過程や経緯の追跡

    を理解することができます。

    具体的な質問内容としては「どのようにして起こりましたか?」や「どのように問題を解決すべきですか?」などが挙げられます。

    ビジネスの現場では、プロジェクトの実施方法の策定や製品の製造過程の最適化、顧客のニーズに合わせたサービス提供の方法などの場面で「How」の情報を収集することが多いです。

    ビジネスシーンにおける状況分析や問題把握の論法として、TPO(Time(時間)・Place(場所)・Object(目的))がありますが、5W1Hはそれをもっと細かくしたもの、と覚えてください。

    ビジネスシーンにおける5W1Hの重要性

    ビジネスシーンで5W1Hを使うと、以下のような利点があります。

    情報の整理・構造化

    伝えるべきこと、または起きてしまった問題を5W1Hの要素に当てはめて分析するので、何を話すべきか、あるいは何に原因があって問題が起こってしまったのかを明確にできます。

    明確なコミュニケーション

    5W1Hをもとにした報告やプレゼンテーションは、受け手にとって理解しやすく、情報の伝達が効果的になります。

    問題解決

    問題の原因や背景を明確にするために、5W1Hを用いて状況を分析することができます。5W1Hをもとにした論点整理で「何をすれば問題を解消できるか」が明確になります。

    意思決定

    5W1Hを活用することで、必要な情報が網羅的に収集され、より適切な意思決定を下すことができます。

    共通認識の形成

    チームや部署間での5W1Hを用いた情報共有により、メンバー間で問題に対する共通認識をしやすくなります。

    計画・戦略策定

    5W1Hを用いて現状分析を行うと、将来の計画や戦略を策定する際の方向性を明確にできます。

    効率的なタスク管理

    5W1Hを活用すると、業務の優先順位や必要な時間・人手が明確になります。これにより、効率的なタスク管理が可能です。

    5W1Hのデメリット(注意点)

    論点整理に有効な5W1Hですが、以下のようなデメリットもあります。5W1Hのフレームワークを使うときは、以下の3点に注意が必要です。

    過度な単純化

    5W1Hの活用により、複雑な問題や状況を整理できます。ただし「シンプルにすること」が目的になってしまい、問題の本質を見失ってしまうケースもあります。

    5W1Hに落とし込む目的は情報整理です。問題の本質を見失わないよう、メンバー間で声を掛け合いながら、フレームワークに落とし込みましょう。

    固定的な思考

    5W1Hのフレームワークは便利ですが、そこに「当てはめなければ」と考えすぎると、解決策を1つしか出せなかったり、論点が1つに限定されてしまったりします。

    お客様が抱える課題は経営状況や予算によって異なるように、業務に必要な時間や人員もタスクによって変わるでしょう。単純化された情報だけでなく、考えうるすべての要因を考慮して施策を判断するようにしましょう。

    表面的な分析

    5W1Hで簡略化された情報では本質的な解決策を提案できないケースが見受けられます。「情報整理」と「問題の本質」をそれぞれ分けて考えると、そのような事態を回避できるでしょう。

    5W1Hの順番は状況に応じて入れ替える

    報告書などは「起承転結」の順番で書くのが一般的ですが、商談は「結論→理由」の順番で話すのが一般的です。順序立てを変える理由は「相手に論点や特徴を分かりやすく伝えるためにほかなりません。ビジネスシーンでは伝えるべき事柄に合わせて、順番を入れ替えたほうがよい場合もあります。

    そこで各場面での入れ替え例と、入れ替える際の注意点をご紹介します。

    基本的な順番

    1. いつ
    2. どこで
    3. 誰が
    4. 何を
    5. なぜ
    6. どのように

    が基本の順番です。

    状況に応じた5W1Hの順番の変更方法

    以下のような場面では、5W1Hの順番を入れ替えた方が論点が明確になり、業務のスムーズな遂行が見込めるでしょう。

    プロジェクト計画

    プロジェクト計画では「When(いつ)」を先に検討してスケジュールの制約と対処を明確にします。次に「What(何)」と「How(どのように)」でタスクと実行方法を特定します。

    問題解決

    問題解決においては「What(何)」で問題を特定したあと「Why(なぜ)」でその根本原因を分析します。その後、「How(どのように)」で解決策を、最後に「Who(誰)」「When(いつ)」「Where(どこ)」で施策の詳細を決めるのが有効です。

    新製品開発

    新製品開発では「What(何)」を最初に配置し、製品のコンセプトを明確化します。続いて「Who(誰)」でターゲット顧客を特定し「How(どのように)」で製品を製造します。

    イベント計画

    イベント計画では、開催できなければ意味がありません。このため、まずは「Where(どこ)」と「When(いつ)」を前面に出して、場所と日時を確定します。その後、ほかの要素を順次決めましょう。

    順番の変更がもたらす効果と注意点

    状況と場面に合わせた5W1Hの変更には、迅速な問題の解決や効率的なタスクの推進などの効果があります。その一方、慣れない型を使った論点整理には、いつも以上に時間を使ってしまったり、論点そのものの見落としにより、話し合いの落とし所が見えなくなってしまったりするケースも見受けられます。

    10分以上話し合って、落とし所を見出せないときには5W1Hの基本に立ち返って論点を整理してみてください。

    5W1Hの具体的な使い方をシチュエーション別に紹介

    5W1Hのフレームワークは、日常業務の以下のシーンで応用できます。

    上司やチームへの報告

    Who(誰)・タスクやプロジェクトの責任者や関係者を洗い出す
    ・これにより、責任の所在を明確にする
    What(何)・プロジェクトやタスク、問題の具体的な内容を説明する
    ・達成すべき目標や解決すべき問題点を具体的に書き出す
    Why(なぜ)・タスクやプロジェクトの重要性や問題発生の背景を説明する
    ・これらを理解してもらうことで、モチベーションを向上させる
    When(いつ)・タイムラインや締め切りを明示する
    ・時間管理を確保し、プロジェクトの進捗を追跡する
    Where(どこ)・イベントやタスクの実施場所や、問題の発生地を指定する
    ・場所の詳細を共有することで、リソースの適切な配分を支援する
    How(どのように)・プロジェクトやタスクの実施方法、実行手順を詳細に説明する
    ・手順の明確化で、実行の効率と正確性を確保する

    この場合は、報告の冒頭で関与者(Who)とプロジェクトまたは問題の内容(What)を明確にします。これにより、メンバーは進捗状況を把握できます。続いて、プロジェクトや問題の背景(Why)と時間(When)を説明し、さらなる理解を促します。

    加えて、場所(Where)と方法(How)についての詳細な情報を最後に提供することで、全体の理解を深め、実行に移す準備を整えます。

    報告に5W1Hのフレームワークを使う場合、第一に伝えるべきは進捗状況です。そのうえで、根拠を交えて次にとる施策を話すと、内容に具体性が増し、メンバーは今後の方向性をイメージしやすくなるでしょう。

    現状分析や課題解決

    What(何)・まず、現状や問題点を明確に定義する
    ・具体的な事実や数値を用いて、問題を明確にする
    Why(なぜ)・問題の原因や背景を深堀りする
    ・5W1Hなどを使用して、本質的な原因を特定する
    Who(誰)・問題に関与している人物や組織を特定する
    ・影響を受ける人々や、問題解決に貢献できる人々を識別する
    Where(どこ)・問題が発生している具体的な場所を指定する
    ・地理的、組織的な場所に関する情報を提供する
    When(いつ)・問題が発生するタイミングや頻度を把握する
    ・問題解決の締め切りやタイムラインを設定する
    How(どのように)・問題が発生するプロセスやメカニズムを理解する
    ・修正策や解決策の提案を行う

    状況分析・問題解決においては、メンバーに状況を把握してもらうため「今、どうなっているか」「なぜそうなったかを」伝えねばなりません。最初に問題の具体的な定義(What)と原因分析(Why)を持ってきています。

    次に、関係者(Who)と問題の地理的・時間軸(Where、 When)を明示します。これにより、問題の全体像を捉えてもらいます。最後に「How」の部分では問題発生のプロセスを分析し、効果的な解決策を計画・実行します。

    コンテンツ作成やプレゼンテーション

    Why(なぜ)・目的を明確にする
    ・なぜこの話題が重要なのかを聞き手に示し、関心を集める
    Who(誰)・ターゲットオーディエンスを定義する
    ・発表する対象を明確にし、内容を調整する
    What(何)・主要なメッセージや情報を提示する
    ・何を伝えたいのか、どの情報が重要なのかを明確にする
    How(どのように)・メッセージや情報をどのように伝えるのかを決定する
    ・視覚的な要素やストーリーテリング、データ、例などを用いる
    Where(どこ)・どこで行うかを詳細を伝える
    例:イベントの場所やオンラインプラットフォームなど
    When(いつ)・タイミングやスケジュールを明確する
    ・イベントの日時やコンテンツのリリーススケジュールを共有する

    コンテンツ作成やプレゼンテーションは「自社製品の認知度を高めたい」「利用者層を広めたい」という目的があって行われるでしょう。それゆえ、このケースにおいては「Why」が先頭にきます。

    コンテンツやプレゼンテーションは読者・視聴者がいて初めて成立するものです。そこで、誰に向けてのものかを明確にします。そのあとで、コンテンツやプレゼンの内容に言及し、最後に具体的な施策や今後のスケジュールを話し、結びます。

    iPhoneで有名なApple社のプレゼンもこのフレームワークで展開されています。

    プロジェクト管理や進捗確認

    What(何)・プロジェクトの内容と目標を確認する
    ・現時点で達成したマイルストーンと未完了のタスクを評価する
    Why(なぜ)・プロジェクトの目的と重要性を確認する
    ・これにより、プロジェクトの方向性を決定する
    Who(誰)・プロジェクトにかかわるステークホルダーとその役割を検討する
    ・責任とタスクの割り当てを評価し、必要な変更を確認する
    Where(どこ)・プロジェクトが地理的、組織的に影響を与える領域を分析する
    ・必要に応じて、リソースやタスクの割り当てを調整する
    When(いつ)・プロジェクトやタスクごとの締め切りを確認する
    ・遅延や早期完成の可能性を評価し、スケジュールの調整を検討する
    How(どのように)・プロジェクトがどのように進行しているかを評価する
    ・効率性と生産性を最大化するための改善点を特定する

    事業はチームで進めるものです。最初に「何をやるか」「なぜやるか」に言及し、メンバー同士でプロジェクトの目的を共有するとビジョンがブレにくくなり仕事を進めやすくなります。

    そのうえで、実務において重要なのは「誰の責任で、個人がどんな役割を担うか」です。これは「個人がどこまで責任をもつか」とも言い換えられるでしょう。

    責任の所在と役割分担を明確にしてから業務を始めると、メンバーが「自分は何をすべきかわからない」と迷うことはありません。そのため「What・Why・Who」が最初に来ています。

    製品開発やサービス設計

    What(何)・製品やサービスの具体的な特性や機能を明確にする
    ・目標市場のニーズや要求にどのように対応するかを考察する
    Why(なぜ)・製品やサービスが存在する理由、その目的や利点を特定する
    ・市場での競争力や独自性を考慮する
    Who(誰)・ターゲット顧客や利用者を特定する
    ・ユーザーペルソナを作成し、そのニーズを分析する
    How(どのように)・製品やサービスがどのように機能・提供されるかを計画する
    ・実装や製造、配布、サポートなどのプロセスを定義する
    Where(どこ)・製品やサービスの販売や展開の場所を決定する
    ・ジオグラフィックまたはデジタルな市場戦略を設定する
    When(いつ)・製品やサービスの発売時期、製造スケジュールを決める
    ・タイムラインや締め切りを明確に管理する

    直感的に「つくりたい」といっただけでは会社は動けません。製品開発においては「何を」「なぜつくるのか」を明確にする必要があります。そこから「誰のためにつくるのか」あるいは「誰に向けての商品か」を決め、ローンチ(販売)までの戦略を考えます。

    マーケティングや広告戦略

    What(何)マーケティングまたは広告の具体的な目標や目的を定義する
    例:ブランド認知度の向上や製品の販売促進など
    Why(なぜ)キャンペーンを実施する背景や理由を明確にする
    例:新製品の発売や市場シェアの拡大など
    Who(誰)ターゲットオーディエンスを特定する
    カスタマーペルソナやセグメントを定義し、そのニーズを分析する
    How(どのように)キャンペーンをどのように設計し実行するか、戦略を説明する
    例:SNSマーケティングやイベント、メールキャンペーンなど
    Where(どこ)キャンペーンを展開するプラットフォームやチャンネルを決定する
    例:オンライン(ソーシャルメディア、ウェブサイト)
      オフライン(テレビ、ラジオ)
    When(いつ)キャンペーンのタイミングやスケジュール、期間を設定する
    例:季節やイベント、特定の時間帯など

    なぜやるかが大切なのはいうまでもありませんが、マーケティングで重要なのは「どのような戦略をどこで、いつやるか」です。たとえば、冬服を真夏に売っても買う人はほとんどいないでしょう。

    冬服で利益を上げるには秋口から少しずつ商品を出し、気温や天気の変化を見通してラインナップを充実させるのが有効です。このため、優先度の高い「How」がきて、以降「Where」「When」と続いています。

    人事や採用活動

    What(何)採用や人事戦略の具体的な目標や必要性を特定する
    例:特定のスキルや経験を持つ人材の確保、ダイバーシティ向上など
    Why(なぜ)その戦略や採用活動を実施する理由を明確にする
    例:プロジェクトの拡大や特定の役割の欠員など
    Who(誰)ターゲットとなる候補者のプロファイルを定義する
    例:新卒者や中途採用、業界の専門家など
    How(どのように)採用プロセスや人事戦略の実行方法を計画する
    例:採用イベントの実施や採用情報のオンライン広報など
    Where(どこ)採用活動や人事戦略を展開する場所やプラットフォームを決定する
    例:キャリアフェアやジョブボード、ソーシャルメディアなど
    When(いつ)採用や人事戦略のタイムラインやスケジュールを設定する
    例:採用シーズンや採用イベントの日程など

    なぜその人事、または採用活動をやるのかを明示します。その次にどんな経歴の人をどのような方法で採用するのか、人事戦略の場合は通達するのかを現場レベルで話し合い、具体化させます。「Why」以降「Who」「How」が来ているのはこのためです。

    5WIHの派生概念

    活用シーンに応じて、5W1Hの順番が変わるのと同様に、基本形から派生した論法がいくつかあります。

    5W2H

    5W2Hは、問題解決やプロジェクト管理、ビジネスプランニングなど、さまざまな分野で用いられるフレームワークの一つです。基本的には5W1Hの拡張版で、2つの「how」が加えられています。

    5W2Hの各要素は以下の通りです。

    What(何)プロジェクトやタスク、問題の具体的内容や目標
    Why(なぜ)実施の背景や理由、目的
    Who(誰)責任を持つ人物や関係者
    When(いつ)タイムラインやスケジュール、期限
    Where(どこ)実施場所や地理的な範囲、関連する場所
    How(どのように)実行する方法やプロセス
    How much(どれだけ)コストや予算、必要なリソース

    5W2Hのフレームワークを使用すると、プロジェクトやタスク、問題に対して包括的な視点からアプローチできます。それぞれの要素を詳細に検討することで、プランニングや実行、モニタリング、評価の各フェーズで必要な情報を可視化できます。

    たとえば、新しい製品の市場投入を計画する際、5W2Hフレームワークを使用して、何を投入するのか(What)、なぜ投入するのか(Why)、誰が責任を持つのか(Who)、いつ投入するのか(When)、どこで投入するのか(Where)、どのように投入するのか(How)、投入にかかるコストはどれだけか(How Much)を詳細に検討できるでしょう。

    5W3H

    5W3Hは、5W1Hのフレームワークをさらに拡張したもので、計画や問題解決、プロジェクト管理、製品開発など、多様な状況での分析や計画立案に使用されます。3つの「How」が含まれており、それぞれ異なる側面から実行方法を検討します。

    What(何)目的やタスク、問題の具体的内容
    Why(なぜ)実施の背景や理由、目的
    Who(誰)タスクや活動を実行する人や関係者、責任者
    When(いつ)タイムラインやスケジュール、期限
    Where(どこ)実施場所や地理的な範囲、関連する場所
    How(どのように)具体的な方法や手順
    How much(どれだけ)コストや予算、必要なリソース
    How often(どれくらいの頻度で)タスクや活動の頻度

    5W3Hのフレームワークを使用する際は、各要素を順番に、または関連性に基づいて評価し、プロジェクトや活動の各側面を包括的に考慮します。

    たとえば、新しいマーケティングキャンペーンを計画する場合、次のようにアプローチできます。

    What(何)新製品のプロモーション
    Why(なぜ)売り上げ増加とブランド認知度の向上のため
    Who(誰)マーケティングチーム
    When(いつ)来月の初週
    Where(どこ)ソーシャルメディアや電子メール、ウェブサイト
    How(どのように)広告や割引、インフルエンサーマーケティング
    How much(どれだけ)800万円の予算
    How often(どれくらいの頻度で)週に2回のメールマガジンとLINE配信

    6W2H

    基本形である5W1Hに「Which」および「How Much」が追加された論法です。

    What(何)タスクやプロジェクト、問題の具体的な内容
    Why(なぜ)行動やタスクの目的や理由
    Who(誰)責任を負う人物またはチーム
    When(いつ)タスクやプロジェクトのタイムラインやスケジュール
    Where(どこ)タスクやプロジェクトの地理的または概念的な場所
    Which(どの)利用可能な選択肢や代替案
    How(どのように)タスクやプロジェクトの実行方法
    How much(どれだけ)タスクやプロジェクトのコスト、予算

    6W2Hは、以下のようなシーンで活用できます。

    プロジェクトの計画プロジェクトの詳細な計画
    ・どの技術を使用するか(Which)
    ・どれだけのコストがかかるか(How Much)など
    問題解決問題や課題の原因と解決策の分析
    ・どの部分が問題を引き起こしているのか(Which)
    ・どれだけのリソースが必要なのか(How Much)など
    意思決定より綿密な意思決定
    ・どの選択肢を選ぶか(Which)
    ・これらにかかるコストやリソースの評価(How Much)など

    7W2H

    7W2Hモデルは、プロジェクト管理や問題解決、ビジネスプランニングなどのコンテキストで使用されるフレームワークの一つです。これは5W1Hの拡張で、さらに詳細な分析と洞察を提供することを目指しています。具体的には、このフレームワークでは、以下の7つの「W」の質問と2つの「H」の質問を検討します。

    What(何)行うべきタスクや活動は何か
    Why(なぜ)その活動やタスクを行う理由や目的は何か
    Who(誰)誰がそのタスクや活動を実行するか
    When(いつ)いつそのタスクや活動を実行するか
    Where(どこ)どこでそのタスクや活動を実行するか
    Which(どの)どのリソースや道具、方法を使用するか
    Whom(誰に)誰を対象にするか、誰のために行うか
    How(どのように)どのようにタスクや活動を実行するか
    How much(どれだけ)タスクや活動の実行に必要なコスト、リソースはどれだけか

    新しいプロダクトの市場投入を計画する場合、次のように7W2Hを応用できます。

    What(何)新製品の市場投入
    Why(なぜ)企業の売り上げを増やすため
    Who(誰)マーケティングチーム
    When(いつ)次の四半期初め
    Where(どこ)オンラインとオフラインのストア
    Which(どの)ソーシャルメディア広告やイベントプロモーション
    Whom(誰に)20歳から35歳の男女
    How(どのように)インフルエンサーマーケティング、特別オファー
    How much(どれだけ)予算は2000万円

    このフレームワークを使用することで、ビジネスプロフェッショナルは計画やプロジェクトの各側面を慎重に考慮し、より効果的な戦略と実行プランを立てることができます。

    まとめ

    記事中で5W3Hなど複数の論法が出てきましたが、そのような論法が使われる目的は、論点整理にあります。企画やプレゼンをする際「会社として伝えるべきこと」と「個人的によいと思っているポイント」が混ざってしまい、論点がぼやけてしまうケースがあります。

    これは「あれも言わなきゃ」「これも言わなきゃ」という焦りが原因です。プレゼンを簡素化しすぎてしまっては説得力に欠けますが、詰め込みすぎると話をまとめられなくなり、取引先や社内メンバーを惹きつけられません。

    「言うべきこと」と「言いたいこと」の判断が難しいと感じたら、まずは基本形の5W1Hに当てはめて、論点を整理してみてください。