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オブザーバーが会議で心がけること|ビジネスでの意味や役割を解説

オブザーバーとは、会議において参加はしても意思決定や議論には直接関与しない観察者です。その存在が、ビジネスシーンにおける客観的な判断の一助となると考えられています。

本記事では、ビジネスシーンにおけるオブザーバーの意味と役割、会議で気をつけたいポイントを解説します。

オブザーバーが会議で心がけること|ビジネスでの意味や役割を解説
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    オブザーバーとは? 意味をわかりやすく

    オブザーバーとは、発言権や決定権を持たないものの、会議や社内研修に参加して観察する人を指します。

    オブザーバーの意味

    英語の「observe(監視する・遵守する)」という意味から派生し「observer(監視者・傍聴人)」という表現が使用されるようになりました。オブザーバーは傍聴人のため、決議には関与しません。

    オブザーバーの対義語


    オブザーバーの対義語は「参加者」や「アクター」であり、単に観察するのではなく、積極的に関与し、影響を与える人を指します。

    また、特にビジネスシーンにおけるオブザーバーの対義語は「レギュラー」です。「レギュラー」は、会議や組織の正式なメンバー、議論や決定過程に積極的に参加する権利を持つ人を指します。

    オブザーバーが外部からの観察者であるのに対し、参加者やアクター、レギュラーは内部から事象に直接作用する者という意味があります。

    ビジネスにおけるオブザーバー

    ビジネスシーンにおけるオブザーバーは、会議や研修の論点がブレないようにするための監視役です。進行状況の把握のためにも参加します。

    通常、オブザーバーは発言しませんが、ビジネスシーンにおいては、論点がブレたり、会議が脱線したりしないようにするため、必要に応じて発言します。具体的には、係長・課長といった上長がオブザーバーを務めることが一般的です。

    オブザーバーと似た言葉との違いや意味

    ビジネスシーンでは、オブザーバーのほかに「アドバイザー」「ファシリテーター」など似たような役割がありますが、意味はそれぞれ異なります。

    アドバイザー

    アドバイザーは、専門知識や経験をもった助言者を指します。具体的な職業は、就職・転職で選考対策や求人紹介を担当するキャリアコンサルタントや、企業の財務諸表を見て事業戦略・経営戦略の方針を策定する経営コンサルタント、労働問題に関する専門家として社会保険労務士が該当します。

    ただし、アドバイスそのものには法的拘束力はないため、採用するか否かはアドバイスを受けた個人または企業の判断によります。

    ファシリテーター

    一方でファシリテーターは、グループの活動や議論を円滑に進めるためのポジションです。ファシリテーターは会議の流れを管理したり、参加者の間で意見や情報を効果的に共有できるようにまとめたりすることが求められます。

    オブザーバーは主に「見る」役割に焦点を当て、ファシリテーターはグループの活動や議論を「導く」役割に焦点を当てています。

    スーパーバイザー

    スーパーバイザーは、一定の責任や権限を持って他者の仕事を指導、監督する人を指します。特定のタスクやプロジェクトを適切に進行させるために、チームや個人のパフォーマンスを監督し、必要に応じて指導やフィードバックを行います。

    オブザーバーは一般的に何の権限も持ちませんが、スーパーバイザー進行や助言の助言の権限を持っています。このため、ビジネスシーンにおいては、オブザーバーとスーパーバイザーが混同されるケースも少なくありません。

    オブザーバーは主に事象を「観察」する役割に焦点を当てているのに対し、他者の活動や仕事を「指導・監督」するのがスーパーバイザーです。

    オブザーバーパターン

    オブザーバーパターンとは、もともとソフトウェアやアプリケーションの開発で使われるIT用語です。たとえば、開発中にあるプログラムに欠陥が見つかると、それに付随するプログラム、またはそれを扱っているエンジニアに自動で通知される仕組みを指します。

    オブザーバーの言い換えとは?

    オブザーバーは、以下の言葉に言い換えられます。

    陪席者

    陪席者は、特定の場面や状況、特に職場や学習環境で、ある人が何らかのタスクや活動を行う際に同席し、サポートや助言を提供する役割を持つ人を指します。たとえば、新入社員のトレーニングや実技の指導で、経験豊富な社員が陪席し、必要に応じて助言や指導を行います。

    傍聴者

    傍聴者は、会議や裁判、セミナーなどの場において、参加はしているものの、発言や活動の主体としての役割は持たず、主に聞き手として存在する人を指します。傍聴者は、情報を受け取ることが主な目的であり、議論や意思決定に直接関与しません。

    監視者

    監視者は、特定の状況や活動を監視・監督する役割を持つ人です。監視者は、規則や基準が守られているかをチェックし、不正行為や問題が発生しないように注意を払います。たとえば、試験の際の監督者や、工場での品質監視を行う人などが該当します。

    観察者

    観察者は、特定の事象や行動を中立的な立場から観察し、情報を収集する役割を持つ人です。観察者は情報を分析したり、報告したりします。

    たとえば、研究や市場調査の際に、特定の行動や反応を観察する研究者などがこの役割に該当します。すべて仲介者としての役割がありますが、ビジネスにおけるオブザーバーは「陪席者」に近いといえるでしょう。

    オブザーバーが担う役割

    ビジネスシーンにおけるオブザーバーは単なる傍聴者ではありません。オブザーバーには具体的に以下の役割が求められます。

    意思決定過程の透明性の確保

    オブザーバーは会議やワークショップにおいて、オブザーバーは中立的な立場で進行を監視し、その内容や進行をのちに報告する役割を担います。意思決定の過程公開は、従業員の結束、社外においては貴社の信頼度に大きく影響します。

    フィードバックの提供

    オブザーバーは新しいプロジェクトや顧客との打ち合わせにおいて、議論やプレゼンテーションのフィードバックを求められることがあります。

    会議の透明性を担保するほか、営業の質を上げるためです。契約は双方にとってメリットがなければ成立しません。オブサーバーはあくまで中立的な立場で、双方の主張を聞き、状況に応じて折衷案を出すなどの対応が求められます。

    学習と育成

    オブザーバーとして、新入社員や研修生がビジネスの現場を理解するために、会議や作業を見学することがあります。オブザーバーは学習者の役割を果たし、現場の雰囲気や業務の流れを理解するための経験を積むことが目的です。

    変化の検出と報告

    オブザーバーは、企業の環境や市場状況の変動を敏感にキャッチし、適切な対応や戦略の変更が必要な場合に、情報を迅速に報告しなければなりません。この報告は、事業計画や経営方針の策定を左右します。

    オブザーバーを配置するメリット

    オブザーバーは議論をコントロールする立場です。従業員が主体的に働くのは企業にとってよいことですが、熱が入りすぎて議論や営業の本質を見失っては意味がありません。

    企業がオブザーバーを配置するメリットは次の通りです。

    客観的な視点の提供

    ビジネスを運営する中で、全体像を見る始点が欠けてしまうことがあります。オブザーバーは、日常の業務から一歩引いた立場で事態を評価でき、客観的なフィードバックや提案を行います。他社からの視点は問題点の特定や新しいアイデアの発掘につながるでしょう。

    プロセスの透明性の確保

    組織内での意思決定や議論の透明性は、信頼の確保に不可欠です。オブザーバーは、プロセスを確認し、公正で公平な手続きが実施されているかを保証する役割があります。これにより、組織の透明性が向上し、従業員同士の信頼関係が築けるでしょう。

    リスクの早期発見

    オブザーバーは、市場の変動や組織内の動きを注意深く監視し、潜在的な問題を早期に特定します。変化の速いビジネス環境では、潜在的なリスクや課題を早期に発見することが大切です。リスクの早期発見は、リスクを最小限に抑え、組織が迅速に対応するために役立ちます。

    【階層別】オブザーバーが会議に参加する理由

    オブザーバーが会議に参加する理由は、階層別に異なります。

    新入社員が務める場合

    新入社員がオブザーバーを務めるのは、業務を学ぶためです。観察を通じて、業務や企業文化に溶け込むことで、早期の活躍が見込めます。

    上長が務める場合

    上長がオブザーバーを務める場合は、後輩の育成と教育が目的にあるかもしれません。上長は、メンバーへの習熟度を推察しながら、理解に相違があるときには正しい情報を共有します。

    オブザーバーが参加すべき会議

    ビジネスシーンにおいて、オブザーバーは仲介に加えて進行や提案も求められます。次のような会議に配置することで、スムーズな進行を助け、客観的な案が出やすくなるでしょう。

    戦略計画会議

    組織の将来の方向性や目標を設定する戦略計画会議では、多様な視点が必要です。オブザーバーは、過去の成果や失敗から、参加者が見落としやすい点を指摘する役割を果たします。これにより、より総合的で現実的な戦略が策定されるでしょう。

    プロジェクトレビュー会議

    進行中のプロジェクトの進捗状況や問題点を共有・検討する会議では、オブザーバーが客観的な視点でプロジェクトのリスクや改善点を指摘することが有効です。プロジェクトチーム内での先入観や固定概念を避けるために、オブザーバーの配置をおすすめします。

    危機管理会議

    企業の危機や突発的な問題に対応するための会議では、迅速かつ冷静な判断が求められます。オブザーバーは、感情に左右されることなく、真実を明確に伝える役割を果たします。客観的な情報提供は、適切な危機対応のために不可欠です。

    若手社員主体の会議

    若手社員主体の会議では、沈黙が生まれて停滞したり、意見がぶつかり合って会議が長引いたりすることもあります。タイムマネジメントを教えるためにも、オブザーバーを配置すべきです。

    オブザーバーが会議で心がけること

    オブザーバーは会議において、客観的な視点と冷静な判断力が求められます。冷静な判断力を維持するために、以下の3点を意識するとよいでしょう。

    感情の分離

    オブザーバーは会議の内容や参加者からの意見に対して感情的に反応することは避けるべきです。感情が介入すると客観的な判断が難しくなるため、自分の感情を判断や評価から切り離す努力をしなければなりません。

    事実ベースでの評価

    オブザーバーが意見や情報を評価する際には、具体的な事実やデータに基づいて考えましょう。噂や未確認の情報、あるいは先入観に基づく判断は避け、確かな情報源をもとに冷静な評価を行うことで、客観的な視点を維持できます。

    他者の視点を尊重

    会議にはさまざまな考え方や経験を持つ人々が参加します。オブザーバーは一人ひとりの意見や視点を尊重し、他者の考え方を受け入れる姿勢が求められます。一方的な判断を避け、多角的な視点から考察しましょう。

    オブザーバーの視点を活用して有益な会議を

    ビジネスシーンにおけるオブザーバーは、単なる監視役や聴衆者ではありません。本記事でご紹介したように、ビジネスシーンにおいて客観的かつ冷静な判断が求められる立場です。オブザーバーを配置すると的確な状況判断と意思決定が見込めます。

    会社や事業の行方を決める会議では、特に客観的な視点が必要です。会議の内容に応じてオブザーバーの配置を検討してみてください。