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セグメントとは?意味やフレームワーク、戦略立案のステップをわかりやすく解説

「セグメント」という言葉を聞いたことはありますか?

貴社が持続的に利益を上げるためには、お客様の多様な要望に的確に応えることが不可欠です。ただ、「お客様」と一言で言っても、その製品やサービスに対する期待や評価は1人ひとり異なります。

この多様なニーズを効果的に分析・理解するための手法が「セグメント」です。

本記事では、具体的な実例を交えて、セグメントを活用した事業戦略の立て方を詳しく解説していきます。

セグメントとは?意味やフレームワーク、戦略立案のステップをわかりやすく解説
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    セグメントとは?

    セグメントとは、ひとことで言うならば「区分け」「分類」といった意味をもつ言葉です。

    セグメントの意味・定義

    ビジネス領域における「セグメント」とは、市場や顧客群を特定の基準や特性に基づいて分割することを指します。

    セグメントの目的は、お客様のニーズ把握です。製品開発や自社製品の売り上げに増減があった際にセグメント化されたデータをもとに、その背景を分析し、お客様が自社製品(サービス)に求めていることを洗い出します。

    いわゆる、マーケティング用語の1つです。

    市場分析の一種であり「市場セグメンテーション」とも呼ばれます。

    セグメントという言葉の使い方(例文)

    ビジネスシーンにおいて、具体的には以下の要領で「セグメント」を使います。

    例文1

    「新しい製品のターゲットとなるセグメントを特定した後、それに合わせたマーケティング戦略を展開する必要がある」

    上記の例文は、新しい製品の市場投入前の戦略策定の文脈で「セグメント」を使っています。

    製品を市場に投入する前に、もっとも製品に適していると考えられる顧客群、すなわち「セグメント」を特定しなければなりません。

    その後、その特定したセグメントに合わせたマーケティング活動を計画・実施していきます。

    例文2 

    「20代の若者を中心としたセグメントが、この新しいアプリの主要な利用者となっている」

    解説: こちらは、属性と言う意味で「セグメント」を使っています。20代の若者という特定の年齢層が、新しいアプリの主要なユーザー層(セグメント)であることを示しています。

    例文3

    「アジア地域のセグメントに特化した販売戦略を考えるタイミングだ」

    3つめの文は、需要という意味で「セグメント」を使っています。

    この場合は「アジア地域の需要」に特化した戦略を考えることで、その地域の消費者のニーズや文化に適した製品開発に繋げる狙いがあるのでしょう。

    セグメントの類義語

    セグメントと類似するマーケティング用語として以下の4つがあります。

    業種や職種、文脈によって混同するケースもありますが、それぞれ次の違いがあります。

    部分 (部門)

    ある全体の一部や一区分を指す言葉。特に、組織や企業においては、特定の業務や機能を担当する部門やチームを指す場合が多い。

    カテゴリ

    類似の性質や特徴を持つものをまとめて分類したグループ。例えば、商品やサービスの種類、内容に基づいて分類されたグループを指す場合がある。

    セクター

    経済や産業の特定の領域や部門を指すことば。具体的には、金融セクターや製造業セクターのように、特定の産業や業種を示すために使用される。

    ある特定の基準や特性に基づいて分類されたグループや階層。例えば、所得層や年齢層といった形で、人々を特定の基準に基づいて分類したグループを指す場合がある。

    セグメントのマーケティングへの活用イメージ例

    市場分析やお客様のニーズ分析に用いられるセグメントですが、たとえば以下のような分け方で活用されています。

    小売業における顧客の購買履歴ベースのセグメント活用

    小売業、特に大手スーパーマーケットでは、顧客の購買履歴を基にしたセグメント化が積極的に行われています。このアプローチにより、顧客の購入傾向や興味を深く理解することが可能となり、それに基づいた効果的なマーケティング戦略を展開することができます。

    例えば、健康志向の顧客セグメントを特定することで、オーガニックや低カロリーの商品を中心としたプロモーションや割引キャンペーンを展開することができます。

    また、家族構成や子供の年齢に基づくセグメントを利用することで、子供向けの商品や家族向けの大容量商品の特別なプロモーションを行うことも可能です。

    さらに、これらのセグメント情報を活用して、個別の顧客に合わせたパーソナライズされたメールマガジンやアプリの通知を送ることで、顧客のロイヤルティを高めるとともに、再購入率を向上させることが期待されます。このようなデータベースのセグメント活用は、顧客との関係を深化させ、長期的なビジネスの成長をサポートする強力なツールとなっています。

    自動車業界における地域別セグメントの活用

    自動車業界では、地域別のセグメント化が重要な戦略の一つとして取り入れられています。各地域の生活スタイル、道路状況、気候条件などの特性を考慮して、最適な車種を提供することで、顧客のニーズに応える試みが行われています。

    都市部では、狭い駐車スペースや渋滞が日常的な問題となるため、コンパクトカーや低燃費のハイブリッド車が人気を集めています。このため、自動車メーカーは都市部向けに、狭い道でも取り回しの良い車種や先進的な運転支援システムを搭載したモデルを展開しています。

    一方、地方部では、広い土地や多様な道路環境が特徴となります。特に山間部や雪の多い地域では、四輪駆動のSUVやクロスオーバーが求められることが多いです。これに応じて、自動車メーカーは地方部向けに、オフロード走行に適した車種や冬の運転をサポートする機能を持ったモデルを提供しています。

    さらに、地域別のセグメントを活用することで、各地域のディーラーやショールームでのプロモーションやイベントも最適化されます。例えば、海沿いの地域では、サーフィンやキャンプを楽しむ層に向けた車種の展示や試乗イベントが行われることが考えられます。

    地域別セグメントの活用は、自動車メーカーが各地域の顧客との関係を深化させ、より適切な商品提供を実現するための鍵となっています。

    金融業界における年齢層セグメントの活用

    金融業界、特に銀行では、顧客の年齢層を基にしたセグメント化が積極的に行われています。これは、異なる年齢層が異なる金融ニーズや利用習慣を持っているため、最適なサービスを提供するための戦略として採用されています。

    若年層は、デジタル技術に精通しており、スマートフォンやオンラインを主要な金融取引の手段として利用する傾向があります。このため、銀行は若年層向けに、スマホアプリを中心としたデジタルバンキングサービスを展開しています。

    これには、リアルタイムの口座残高照会、オンラインでの送金、または投資やローンの申し込みなどの機能が含まれます。さらに、ゲーミフィケーションを取り入れた貯蓄プログラムや、若年層のライフスタイルに合わせた特典提供なども行われています。

    一方、高齢層は、伝統的な店舗サービスを重視する傾向があります。彼らにとって、対面での相談や手続きのサポートは非常に価値があると感じられます。

    このニーズに応えるため、銀行は高齢層向けに、店舗での専門的な金融相談や、手続きのサポートを強化しています。また、高齢者が安心して利用できるように、店舗内の設備やレイアウトの工夫、専門のスタッフの配置なども考慮されています。

    年齢層セグメントの活用は、銀行が顧客の変化するニーズに柔軟に対応し、長期的な顧客関係を築くための重要な戦略となっています。

    旅行業界における趣味・興味ベースのセグメント活用

    旅行業界では、顧客の趣味や興味を基にしたセグメント化が急速に進行しています。

    これは、一般的な観光地巡りだけでなく、よりパーソナライズされた体験を求める旅行者が増えているためです。旅行代理店はこのニーズに応えるため、顧客の趣味や興味を深く理解し、それに合わせたオーダーメイドのツアーを提供しています。

    アウトドア好きの顧客には、自然の中でのアクティビティを中心としたキャンプツアーやトレッキングツアーを提案。これには、専門のガイドの同行や必要な装備のレンタル、さらには特別なキャンプ料理の提供など、アウトドア体験をより豊かにするサービスが組み込まれています。

    一方、文化や歴史に興味を持つ顧客には、歴史的な建造物や文化遺産を巡るツアーを提供。地元のガイドが同行し、深い背景知識やエピソードを共有することで、ただの観光地巡りを超えた深い体験ができるよう工夫されています。また、伝統的な工芸品の製作体験や地元の食文化を楽しむ食事会など、文化・歴史好きの顧客が喜ぶ独自のプログラムも取り入れられています。

    趣味・興味ベースのセグメント活用は、旅行代理店が顧客の個別のニーズに応え、より満足度の高い旅行体験を提供するための鍵となっています。これにより、リピート顧客の獲得や口コミによる新規顧客の獲得も期待されます。

    セグメント活用の成功事例

    ここからは、国内企業におけるセグメント活用の成功事例をご紹介します。

    トヨタ

    トヨタは複数のブランドを持ち、それぞれ異なる市場セグメントを対象にしています。

    たとえば、レクサスは高級車市場をカバーしています。一方、アクアやシエンタといったミニバンは、1人暮らしやカップル、ファミリー層をカバーしています。

    顧客を家族層や所得、利用シーンなどに分けて、それぞれの顧客ニーズを分析。セグメント化による戦略立案で、同社は幅広い市場を網羅し、日本を代表する大手メーカーとして、認知されています。

    参考:トヨタ自動車WEBサイト

    ソニー

    ソニーはイヤホン・ヘッドホンの「活用シーン」で消費者をセグメント化しています。

    たとえば、高品質なプロ向け製品は「音楽制作」、一般消費者向けの製品は「音楽鑑賞」やBluetoothを使った通話を目的にしています。

    音楽制作は、音質が不可欠です。プロ向けの製品価格は3万円〜10万円とさまざまです。一方、一般向けの製品価格は高くても3万円程度に抑えられています。

    こうした製品セグメント化戦略は、広範な顧客層に対する製品販売に繋がり、同社は市場において高いシェアを確保しています。

    参考:ヘッドホン | ソニー

    資生堂

    資生堂は美容とスキンケア製品の市場でセグメント化戦略を利用しています。

    年齢、肌のタイプ、ライフスタイルなどに基づいて製品をセグメント化。各セグメントに合わせた製品とマーケティング戦略を展開しています。これより、資生堂は各セグメントでの顧客ニーズを的確に満たし、ブランディングにも成功しています。

    参考:資生堂‐化粧品・美容の情報

    セブンイレブン

    セブンイレブンは、地域ごとのニーズに基づいて店舗の商品ラインナップをカスタマイズする戦略を採用しています。地域の特性や消費者の嗜好に合わせて商品をセグメント化し、店舗ごとに異なる販売戦略をとっています。店舗ごとにおすすめ商品やポップが違う要因はここにあります。

    地域別・店舗別のセグメント化戦略により、同社は顧客満足度を向上させ、リピート購入を促しています。

    参考:セブン‐イレブン~近くて便利~

    セグメントの概念を活用したフレームワーク「STP分析」とは?

    販売戦略を考えるときにセグメントと合わせて覚えておいていただきたいのが「STP分析」です。

    STPはSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字からきています。

    Segmentation (セグメンテーション)市場を異なるセグメントまたは顧客グループに分割します。各セグメントは、顧客のニーズ、好み、行動などに基づいています。
    Targeting(ターゲティング)企業はセグメントの後、ターゲットを決めます。利益を出すには、選ばれたターゲットが自社が目指す事業の方向性、将来のビジョンと一致している必要があります。
    Positioning (ポジショニング)企業は、選択されたセグメント内で製品またはブランドの独自の位置を確立します。ポジショニングは、顧客に対して製品の価値と特性を明確に伝え、競合他社との差別化を図ることが目的です。

    STP分析を使うメリット

    戦略立案において、STP分析を使う利点は以下の4点です。

    効率的な資源の利用

    STP分析により、企業はマーケティング活動と資源を特定の顧客セグメントに集中することができ、より効果的で効率的な戦略の実施が可能になります。

    市場の理解の向上

    STP分析を通じて、企業は市場の動向や顧客のニーズをより深く理解できます。
    これにより、顧客の需要に合わせた製品やサービス提供に直結します。

    市場におけるポジションの確保

    STP分析は、サービスの独自のポジショニング確立に繋がります。
    これにより、企業は中長期でのブランディング戦略を考えることができ、認知度の向上を見込めます。

    顧客満足度の向上

    STP分析を使用することで、企業は特定のセグメントの具体的なニーズと要望により適切に対応でき、顧客満足度の向上に好影響を与えます。

    セグメントを活用した戦略立案のステップ

    セグメントを活用して事業戦略を考えるとき、以下のように段階を分けていくと自社の利益に繋がる選択肢を導き出せます。

    目的の明確化

    セグメントを活用する際の目的を明確に定義します。このステップは、全体の方向性を決定する基盤となります。以下は、具体的な目的の例です。

    • 新製品のターゲット層の特定:新しい製品やサービスを市場に投入する際、最も効果的にアプローチすべき顧客層を特定します。
    • 既存顧客のリテンション向上:既存の顧客を維持・増加させるための戦略を考える際の基準として使用します。

    市場分析

    その上で、分析をはじめます。以下の2つの分析を行うと、施策を考えやすくなります。

    • 市場調査:市場全体の動向、顧客のニーズと行動、競合状況を理解するために包括的な市場調査を行います。
    • データ収集:顧客データ、販売データ、業界データなど、関連するすべてのデータを収集します。

    データの分析とセグメント化

    収集したデータの傾向に基づいてセグメントの基準を決めましょう。

    • 基準の設定:セグメンテーションの基準(例:年齢、地域、収入、購買行動等)を定義します。
    • セグメントの識別:上記の基準に基づいて市場をセグメントに分割します。

    ターゲットセグメントの評価と選択

    メンバー間で定義した顧客層でどの程度の利益が出るかを算出してみましょう。

    • セグメントの評価:各セグメントのサイズ、成長性、競争状況、アクセシビリティ等を評価します。
    • ターゲットセグメントの選択:評価に基づいて、ターゲットとするセグメントを選択します。

    ポジショニング戦略の開発

    ターゲットを決めたら、競合他社と自社製品との違いを言語化します。

    マーケティング施策の策定

    「ターゲット」「競合他社との違い」を明確にできたら、販売戦略を考えましょう。

    • 製品戦略: ターゲットセグメントのニーズに適合した製品を開発または調整します。
    • 価格戦略: 適切な価格ポイントを設定します。
    • プロモーション戦略: セグメントに対して効果的な広告やプロモーション活動を計画します。
    • 販売方法の選択: 実店舗での販売、オンライン、またはその両方なのか。自社にとって収益性の高い方法を選びましょう。

    実施と評価

    計画された戦略を実施します。

    「やって終わり」では、長期的な収益化やブランド力の向上は見込めません。KPIや目標達成度をもとに、戦略の効果を評価しましょう。 

    改善と最適化

    施策の効果(購入数、リピート率など)をモニタリングし、必要に応じて戦略を調整します。こうしてPDCAを回し続けていくと、「収益性」と「ブランド力」を向上させられます。

    まとめ

    セグメント化は、ビジネスの中核となる手法の一つです。

    セグメントを適切に行うことで、顧客の多様なニーズを深く理解し、それに基づいた戦略を策定することができます。また、競合他社との違いを明確に言語化することで、自社の強みや独自性を強調し、市場での立ち位置を確固たるものとすることが可能となります。

    これらの作業を通じて、ビジネスの意思決定や施策実行は、単に勘や過去の経験だけに頼るのではなく、客観的なデータや情報に基づいて行われるようになります。

    セグメントの考え方を用いたアプローチは、企業が持続的な成長を遂げるための鍵となり、市場の変動や競合の動きにも柔軟に対応できる強固な経営基盤を築くことができます。

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