給与管理システムとは? 規模別おすすめと7つの比較項目、選定に役立つ判断ポイント

給与管理システムとは? 規模別おすすめと7つの比較項目、選定に役立つ判断ポイント

給与管理は、従業員の生活と信頼を支える重要な業務です。ミスや遅れは大きな問題につながります。

本記事では、給与管理システムの基本や選び方を実務担当者の目線で解説します。計算の正確性と業務効率を高めたい方は、参考にしてみてください。

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目次アイコン目次

    給与管理システム/ソフトとは何か? 主な機能を解説

    給与管理システムは、従業員の給与計算から支払い、法定帳票の作成まで、給与に関連する業務を一貫して自動化できるツールです。

    毎月の給与計算に加え、社会保険料や年末調整のような複雑な処理も正確に行えます。手計算や転記の手間が減り、ミスのリスクも抑えられるのがメリットです。

    多くのシステムでは、給与明細を自動で作成したり、銀行振込用のデータを出力したりできます。

    主な提供形態は3種類

    給与管理システムには、大きく分けて「クラウド型」「オンプレミス型」「インストール型」の3つの提供形態があります。

    クラウド型はインターネットを通じて利用する方法で、初期費用を抑えられるのが特長です。法改正にも自動で対応するため、システム管理の手間がほとんどかかりません。ネット環境があれば、社外からもスマホでアクセスできる利便性も特徴です。

    オンプレミス型は自社内にシステムを構築・運用する方法です。カスタマイズ性が高く、セキュリティポリシーにあわせた設計が可能です。ただし、保守や管理には専門知識が求められます。

    インストール型は、自社のパソコンに購入したソフトを導入して利用する方法です。インターネット接続が不要な場合もあり、比較的手軽に導入できます。ただし、複数拠点での利用や法改正対応には、手動での更新や管理が必要になるケースがあります。

    給与管理システムの種類・規模別おすすめソフト

    給与管理システムにはいくつかのタイプがあり、企業の規模や業務範囲によって最適な選択は変わってきます。タイプ別の種類と特徴は以下のとおりです。

    タイプ特徴適した企業規模主な機能
    人事労務包括型人事・給与・勤怠を一元管理中堅〜大企業人事管理、給与・賞与計算、勤怠管理、社会保険手続き
    ERP統合型基幹業務全体を統合管理大企業会計連携、販売管理連携、在庫管理連携
    給与特化型給与計算に特化中小企業給与・賞与計算、年末調整、法定調書作成
    無料タイプ基本機能のみ提供小規模事業所基本的な給与計算、給与明細書の作成

    それぞれのタイプを紹介しますので、自社にあうシステムを検討するときは参考にしてみてください。

    人事労務を包括的にカバーするタイプ

    給与管理システムのタイプには、給与だけでなく労務管理全体に対応する「包括型」があります。従業員の情報を一度登録すれば、各種手続きに情報が自動で反映されます。

    たとえば、部署異動や昇給の情報をWeb上で更新すると、給与や勤怠にも反映される仕組みです。有給休暇や残業を申請できたり、マイナンバーの管理・収集もできたりする製品もあります。

    労働保険の申告や年末調整の処理も一貫して対応できるものが多いため、企業規模が大きいほど導入効果を実感できるでしょう。

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    ERP(販売・会計まで)カバーするタイプ

    給与管理システムのなかでも、ERP型は企業のバックオフィス業務全体を統合管理できるタイプです。給与計算だけでなく、販売・会計・在庫などほかの基幹業務システムと連携できるのが特徴です。

    販売管理とつなげば歩合給を自動で計算でき、会計システムと連携すると仕訳が自動で作成されます。経費精算も給与とあわせて処理が可能です。

    人件費データを部門別に自動で振り分けられるので、経営状況も簡単に分析できます。複数事業や拠点がある大企業では効果を感じられるでしょう。

    ただし、導入コストは高めなので、業務全体の効率化を重視する企業に向いています。

    給与管理に特化したタイプ

    給与管理システムのなかで、給与計算だけに特化したタイプは中小企業におすすめです。

    必要な機能を無駄なく備えており、導入や運用のコストを抑えられます。毎月の計算や年末調整、給与明細の作成など、日常業務をコンパクトにカバーしています。

    操作や設定も比較的シンプルでわかりやすく、専任担当者がいない企業でも使いやすいでしょう。はじめての給与管理システム導入でも安心です。

    少人数なら無料タイプも検討

    給与管理システムには、少人数向けに無料で使えるタイプもあります。

    基本的な給与計算や給与明細の発行は問題なく行え、シンプルな給与体系であれば、対応できるケースもあります。

    ただし、利用人数や機能に制限があることに注意が必要です。サポートも限定的なため、将来の規模拡大を考えて、有料プランも視野に入れてもよいでしょう。

    給与管理システムの7つの比較項目

    給与管理システムを選ぶとき、何を基準に検討すればいいのか迷う方もいるでしょう。比較検討を行う際におさえておきたい7つのポイントを紹介します。

    1. 企業規模に適した機能
    2. 運用フローに合わせた自動化・業務対応範囲
    3. ほかのシステムとの連携可否・方法
    4. 出力可能な帳票の種類
    5. 料金体系
    6. サポート対応・問い合わせ方法
    7. トライアルの方法・期間

    比較1.企業規模に適した機能

    給与管理システムで重視したい最初のポイントは、企業規模との適合性です。

    大企業では複数の給与体系や雇用形態に柔軟に対応できる豊富な機能が必要です。大量データを扱う処理能力や、複数拠点での利用を前提とした設計も考慮しなければなりません。

    一方、小規模企業では、シンプルな給与計算機能だけで十分な場合もあります。さらに将来的な人員増や給与制度変更も見据え、ある程度の拡張性を確保すると安心でしょう。

    比較2.運用フローに合わせた自動化・業務対応範囲

    給与管理システムを選ぶときは、自社の業務フローに合う自動化レベルを確認しましょう。

    たとえば、勤怠データの取り込みから計算、明細作成、振込データ生成まで、どの工程を自動化できるかが大事です。

    タイムカードやICカードの情報を取り込む機能があれば、手入力が不要になります。給与計算ルールを設定しておくと、手当や控除も自動で計算できます。

    比較3.ほかのシステムとの連携可否・方法

    給与管理システムの連携性も大きな選定基準です。

    とくに勤怠管理システムや会計システムとシームレスにデータ連携できるかが重要です。連携方法はCSVやAPIによる連携などさまざまです。

    最近では1つのデータベースで勤怠や給与をまとめて管理できる給与管理システムも登場しており、より効率的です。

    システム連携を考慮する場合は、事前にデータ形式やセキュリティ要件を確認しておくと、導入後のトラブルを防げます。

    比較4.出力可能な帳票の種類

    給与管理システムを選ぶときは、法定帳票を正しく作成できることが基本です。給与明細や賃金台帳、源泉徴収票など、法律で作成が義務づけられた帳票を出力できる必要があります。

    社会保険の届け出や年末調整の書類にも対応していると、より安心です。さらに、部門ごとの人件費集計や昇給管理表など、経営に役立つ管理帳票がそろっていると便利でしょう。

    帳票を電子保存できるかどうかも、大事な選定ポイントといえます。

    比較5.料金体系

    給与管理システムの料金体系も必ずチェックしましょう。

    クラウド型は月額課金が一般的で、利用ユーザー数や利用機能に応じたプランが用意されています。

    初期費用として導入支援やデータ移行、操作研修などが別途必要になる場合があります。保守費用やバージョンアップ費用など、継続的にかかる金額も把握しておくと安心です。

    比較6.サポート対応・問い合わせ方法

    給与管理システムは、サポート体制も選定の大事なポイントです。

    締め日や支給日などトラブルが許されないタイミングが多いため、問い合わせの対応時間や方法を確認しましょう。

    電話・メールだけでなく、チャットやリモート操作など、複数の手段で相談できる体制だと安心です。休日や夜間のサポートも確認しておくと心強いでしょう。

    比較7.トライアルの方法・期間

    給与管理システムの導入前にトライアルが用意されているかも重要です。

    実際に自社の給与データで操作性や自動化機能を試すことで、適合性を具体的に把握できます。帳票の出力やすでに社内で使っているシステムの連携も事前に確認しましょう。

    トライアルは2週間から1か月程度が一般的です。複数の担当者で試しながら、運用に問題がないか検証しましょう。

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    給与管理システム(ソフト)の選定に役立つ判断のポイント

    給与管理システムの比較ポイントがわかったものの、「結局、どれを選べばいいのか」と悩む方もいるはずです。

    そこで、企業規模・社内体制・勤怠管理の方法といった視点から、失敗しないためにおさえておきたいポイントを紹介します。

    給与管理システムの導入後に「よかった」と思える判断にお役立てください。

    企業規模で選ぶなら

    まず企業規模で給与管理システムの候補を絞り込んでもよいでしょう。

    1,000名以上の大企業ではERP型が多く、複雑な給与体系や多拠点を統合管理できます。会計システムと連携すれば仕訳を自動化でき、経費精算もまとめて処理が可能です。

    目安として、300名以上の中堅企業は人事・勤怠を一括管理できる包括型もおすすめです。人事データを一元化し、給与明細の電子化が実現できるでしょう。

    100名を下回る小規模企業ならシンプルな特化型や無料ソフトで十分な場合もあります。基本機能があれば日常業務をカバーできます。

    必要に応じて、将来的に機能を追加することを考慮してもよいでしょう。

    社内体制・運用フローで選ぶなら

    企業規模だけでなく、実際に「誰がどのように給与管理システムで業務を担うか」も大切な視点です。

    専任の担当者がいる場合、人事データと給与を連携できる包括型が適しています。高度な分析や複雑な給与計算も柔軟に対応できます。

    一方、経理や総務が兼任する体制なら、操作が直感的な特化型が安心です。必要最小限の機能に絞り、日々の業務を効率よく進められます。サポートやマニュアルの充実度も、運用しやすさにつながります。

    自社の勤怠管理の方法で選ぶなら

    今実施している勤怠管理の方法と、給与管理システムの相性も欠かせません。


    タイムカードやICカードを使っているなら、データを自動で取り込めるか確認しましょう。自動取り込み機能があると二重入力の手間やミスを削減できます。

    クラウド型勤怠システムを利用しているなら、同じくクラウド型を選ぶと連携がスムーズな場合が多くあります。

    シフト制や変形労働時間制を採用している場合は、複雑な労働時間の計算に対応できる機能が必要です。 勤怠と給与の運用をそろえることで、担当者の手間を減らし、ミスを最小限に抑えられるでしょう。

    給与管理のよくある悩みと課題

    給与管理において、企業規模や業種を問わず、担当者が直面する課題を紹介します。 「毎月発生する給与業務のなかで、負担もミスもなくならない」という声は少なくありません。自分の業務と照らし合わせながら、確認してみてください。

    給与管理担当者のよくある悩み

    給与管理では正確性を保ちながら、いかに負担を減らすかが課題です。手当や控除の数が多かったり、残業代の計算が煩雑だったりすると、確認に時間がかかってしまう方も多いでしょう。

    さらに、毎年変わる税制や保険料率の改定が追い打ちをかけ、ミスへの不安も尽きません。


    会社独自のルールや例外処理が多いと、業務が属人化し、担当者が変わったときに引き継ぎが難しくなります。

    明細を紙で配布している場合は、配布に手間がかかり、書類の保管コストもかさみます。

    給与管理を効率化することは、多くの企業に共通する課題といえるでしょう。

    給与管理は外注のほうがラク?

    給与管理は手間もリスクも多く、負担を軽くするため外注を考える企業もありますよね。専門家に任せれば正確性が高まり、法改正にも迅速に対応できるのは事実です。

    一方で、コストやデータ流出リスクには不安が残ります。アウトソーシングすると緊急時の対応遅れも否めません。

    給与管理のアウトソーシングを検討する場合は、自社の体制や予算を踏まえ、慎重に検討しましょう。

    もし外注に踏み切れない場合は、給与管理システムを導入して社内で効率化を進めるのも一案です。

    給与管理システム導入で変わる業務・解決できること

    給与管理システムを導入すると、面倒な作業を減らしてコア業務に集中できるようになります。自動計算と一元管理で、手作業の負担やミスの不安から解放されるのがメリットです。

    具体的には次のような業務改善が期待できるでしょう。

    改善ポイント導入前の課題導入後の効果
    給与計算業務手作業で残業や控除を確認自動計算でスピード・正確性が大幅アップ
    属人化特定の担当者に業務が依存標準化と分担で引継ぎもスムーズ
    法改正対応制度変更の情報収集に時間がかかる自動アップデートで常に最新のルールに準拠
    書類の配布・管理コスト紙の明細や帳票の印刷・保管が手間ペーパーレスで管理がラク・紛失も防止

    給与管理システムの活用で、複雑な計算や法改正への対応、書類管理など負担が大きい業務を大幅に効率化できます。

    手作業や属人化を減らし、スピードと正確性を両立しながら、業務の標準化・分担が可能です。最新の法改正にも対応しやすくなるので安心感も高まるでしょう。

    給与管理業務を根本から変えたいと考えているなら、管理が一段とラクになるシステム化がおすすめです。

    給与管理システムは規模・運用・連携で比較検討(まとめ)

    給与管理システムの導入は、ただ業務を効率化するだけでなく、毎月の負担やリスクを減らし、安心感をもたらす手段です。

    本記事で紹介した比較ポイントや選定の視点をもとに、自社にあう仕組みを選ぶことで、正確性の向上と作業時間の短縮を実現できます。

    制度改正や組織の拡大にも柔軟に対応できる給与管理システムを導入すれば、将来的なトラブルや属人化の悩みも大きく減らせるでしょう。

    給与管理を見直したいと感じているなら、具体的に比較検討を始めてみてはいかがでしょうか。

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