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給与明細は再発行できる? 発行義務や保存方法などを解説

給与明細は再発行できる? 発行義務や保存方法などを解説

企業は従業員から、給与明細の再発行を依頼されることがあります。しかし、給与明細の再発行が義務なのかわからず、適切な対応方法に迷うケースもあるのではないでしょうか。

本記事では、給与明細の再発行における基本について解説し、給与明細の保存や管理方法などもご紹介します。給与明細の再発行で困っている人は、参考にしてください。

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    給与明細に再発行の義務はある?

    企業には、給与明細を再発行する義務はありません。そのため、従業員から再発行を求められても、対応する必要はないといえます。また、給与明細を保管しておく義務もありません。

    「再発行」に義務はないが「発行」は企業の義務

    再発行の義務はないですが、給与明細を発行して交付することは企業の義務です。すべての従業員に対して、給与明細の発行を済ませなければいけない点に注意が必要です。

    実際は給与明細の再発行に対応している場合が多い

    給与明細の保存と再発行は義務ではありませんが、実際には多くの企業が従業員の要望にあわせて対応しています。

    賃金台帳を参照することで再発行できる

    従業員から再発行を求められた場合、賃金台帳を参考にすることで、給与明細に記載すべき内容の確認ができます。そのため、給与明細を保存していなくても、再発行は可能です。

    従業員から給与明細の再発行が求められる理由

    従業員から給与明細の再発行が求められる理由を3つ取り上げて解説します。

    確定申告

    従業員が確定申告を行う場合、収入の証明として給与明細が必要です。昨今は副業を解禁する企業が増え、みずから確定申告をする従業員も多いです。副業を許可している企業は、従業員の確定申告に備えて再発行の準備をしておくとよいでしょう。また、確定申告の際、具体的にどういう場面で必要になるのか記載しておきます。

    従業員の退職後

    退職した従業員が失業給付や再就職手当を受け取る際、給与明細が必要になることもあります。そのようなとき退職後に給与明細の再発行が求められるでしょう。辞めた従業員の賃金台帳についても保存が必要となるため、再発行の対応は可能です。

    ローンやクレジットカードの申請

    ローンやクレジットカードの申請時にも、給与明細が必要です。収入を証明する書類となるため、申請前に再発行を依頼されることも多いでしょう。具体的にどういう場面で原本が必要になるのか確認しておくとよいです。

    給与明細の再発行に備えた保存方法

    給与明細の再発行に備えた保存方法について、紙媒体と電子データ、それぞれのケースで解説します。

    紙媒体

    給与明細を紙媒体で保存する場合、従業員ごとにファイルやバインダーで保存するとよいです。また、保管場所を決めておくことも重要です。紛失を避けるためにも、持ち出しを禁止したり、閲覧できる人に制限をかけたりしておく必要があるでしょう。ただし、紙媒体はかさばるため、従業員数が多い会社には不向きだといえます。

    電子データ

    給与明細は、電子データで保存することも可能です。従業員の同意があれば、給与明細を電子データで交付できます。電子データでの保存は、スペースを取らないことや簡単に内容を検索できることなど、メリットが多い方法といえます。

    保存期間は3〜5年が目安

    給与明細の保存期間は、3〜5年が目安です。賃金台帳の保存期間が5年(経過措置によって当分は3年)となっているため、その期間にあわせて保存しておくのがおすすめです。労働基準法では未払い賃金の請求権の時効を5年(経過措置によって当分は3年)と定めており、最短でも3年間の保存がよいでしょう。また、最長で5年間保存することを考慮した管理体制の構築も重要です。

    給与明細の再発行時の注意点

    給与明細を再発行するときの注意点を3つご紹介します。

    再発行には手間と時間がかかる

    問い合わせ対応や内容の確認など、給与明細の再発行にはある程度の手間がかかります。ほかの業務の時間がなくなるため、あまりに再発行が多いと現場の負担になる可能性もあるでしょう。

    紛失を防止する

    給与明細は、個人がそれぞれきちんと管理できていれば再発行の必要はありません。現場の負担にならないように、給与明細の紛失に関する注意喚起をしておくことも重要なポイントです。

    電子保存のセキュリティを万全にする

    給与明細を電子データで保存するのなら、セキュリティ対策が必要です。セキュリティ対策が甘いと、マルウェアなどによって情報漏えいの被害に遭う可能性があります。専用のシステムなどを活用し、安全に管理・保存できるよう備えておくことが大切です。

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    まとめ

    従業員から給与明細の再発行を依頼された場合、対応する義務はありませんが、実際はほとんどの企業で求めに応じて再発行を行っています。保存自体も義務ではないものの、賃金台帳の内容を参照とすることで再発行が可能です。

    給与明細は、確定申告や退職後の手続き、ローンやクレジットカード申請時など、給与金額の確認で必要になるケースが多く、再発行が求められます。

    また、再発行には手間や時間がかかるため、給与明細は3〜5年を目安に保存しておくとよいです。保存方法として、紙媒体と電子データがありますが、省スペースなどのメリットが大きい電子データがおすすめです。ただし、セキュリティには万全の注意を払う必要があります。

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