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建設業が抱える勤怠管理の課題|2024年問題に対処するシステム導入のメリットや選び方を解説

働き方改革が進むなか、多くの業界で正確な勤怠管理が求められています。特に建設業は、ほかの産業と比較して労働時間が長い傾向にあり、勤怠管理が正確に行えていないケースが見られます。「紙やタイムカードでの勤怠管理に限界を感じている」「正しく勤怠管理ができていない」という企業も少なくないでしょう。

本記事は、建設業界における勤怠管理の課題を詳しく解説します。注目されている2024年問題や勤怠システム導入のメリット、選び方も紹介するため、建設業の経営者や勤怠管理の担当者はお役立てください。

※本記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

建設業が抱える勤怠管理の課題|2024年問題に対処するシステム導入のメリットや選び方を解説
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    建設業における労働時間の現状

    国土交通省が発表している『建設業を取り巻く現状と課題』から、建設業における労働時間の実態を確認してみましょう。同資料によると、2007年度と2020年度の建設業と製造業、全産業平均それぞれの年間実労働時間は以下の通りです。

    2007年2020年
    建設業2065時間1985時間
    製造業1993時間1838時間
    全産業平均1807時間1621時間

    参考:『建設業を取り巻く現状と課題』国土交通省

    すべての労働時間は、ここ10年ほどで短くなっています。しかし、建設業は、製造業や全産業平均よりも年間労働時間が長く、全産業平均と比較すると年間360時間以上長い労働を強いられていることがわかります。

    【2024年問題】建設業における労働時間の上限規制

    法定労働時間を超えて労働者に時間外労働をさせる場合や、法定休日に労働させる場合は、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)の締結が必要です。

    以前は36協定を締結し届出ていれば時間外労働に上限規制はなく、法定労働時間を超過しても罰則はありませんでした。しかし、2018年に公布された働き方改革関連法にともない、時間外労働時間に対して罰則つきで上限が設けられることになりました。

    時間外労働の上限規制は、大企業では2019年4月から施行され、中小企業では2020年4月から適用されています。

    建設業では法令の適用が猶予されていましたが、2024年4月からはほかの業種と同様に、時間外労働時間に罰則つきで上限が設けられます。

    時間外労働の上限規制の内容は、次の通りです。

    1時間外労働の上限は、原則として月45時間・年間360時間である
    2臨時的な特別な事情があったとしても、以下のルールを守らなければならない
    ・時間外労働が年720時間以内・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満・時間外労働と休日労働の合計が2〜6か月平均で80時間以内・時間外労働が月45時間を超えられるのは年に6回が限度
    3災害時における復旧や復興事業に限り、以下の規定は適用されない
    ・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満・時間外労働と休日労働の合計が2〜6か月平均で80時間以内

    出典:『建設業 時間外労働の上限規制 わかりやすい解説』厚生労働省

    規制に違反した場合、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される恐れがあります。

    参照:『時間外労働の上限規制 わかりやすい解説』厚生労働省

    建設業における勤怠管理の課題4つ

    2024年問題を受けて建設業界では、労働力不足などの問題が取り沙汰されています。問題に対処するには、効率的な勤怠管理が重要です。ここでは、建設業の勤怠管理における4つの課題をご紹介します。

    タイムカードはリアルタイムでの状況把握が難しい

    建設業界はプロジェクト単位で業務が発生するため、従業員は各現場に分散し、勤務場所も変動します。そこで多くの建設現場では、従業員が直行直帰するケースが多々あり、タイムカードや日報で勤怠管理が行われています。

    タイムカードで勤怠管理をしていると、労働時間が月途中で超過したとしても、担当者の確認のタイミングがずれて、締め日にならないと状況の把握が難しいでしょう。

    また、現場が頻繁に変わる建設業では、それぞれの現場で同じ打刻機を使用しているとは限らず、タイムカードでの打刻に限界もあります。

    そこで、メモやチャットツールを使った自己申告により、勤怠管理の課題に対処している企業も少なくありません。

    日報管理は正確な労働時間の把握が難しい

    タイムカード以外にも、自己申告に基づいて日報を提出してもらうやり方で勤怠管理を行っている企業も多いです。しかし、紙の日報管理では労働時間を正確に把握することは難しいでしょう。

    このような勤怠管理は客観性や正確性に欠け、労働安全衛生法および労働安全衛生規則に規定される「客観的かつ適切な方法」に反してしまいます。

    日頃から適切に勤怠管理を行っていないと、従業員の心身の健康を害してしまい、企業の責任問題に発展する恐れがあるため、2024年問題を機に勤怠管理を見直す企業は増加しています。

    厚生労働省が提唱する「客観的な」勤怠管理とは次の3つの方法です。

    • タイムカード
    • ICカード
    • パソコンの使用時間の記録

    従業員による手書きや口頭での申告で日報管理を行っている企業は、勤怠管理方法をあらためて見直す必要があるでしょう。

    労働時間の集計に時間がかかる

    手書きの日報やタイムカードを使用していると、勤怠データの集計と管理に多くの工数がかかります。出勤簿やシフトとを照らし合わせながら、内容を入力や集計をするアナログ作業は、担当者の負担になっているでしょう。特に、大規模なプロジェクトや多くの従業員を抱える企業では、作業がさらに煩雑になりがちです。

    このような勤怠管理の課題は、勤務時間の写し間違いや集計ミスなどのヒューマンエラーにつながり、労務コストを増大させています。担当者の負担を減らすためにも、デジタル化や自動化の方法を模索したほうが効率的といえるでしょう。

    シフト管理に負担がかかる

    シフト管理の煩雑さも、建設業における勤怠管理の課題の一つです。

    特に、プロジェクトごとに異なる作業工数を計算し、最適な人員配置やシフトを計画する必要があるため、管理者には相当な労力が求められます。

    正社員だけでなく派遣社員やアルバイト、パートなど多様な雇用形態がある企業では、その調整はより一層煩雑になるでしょう。

    シフト管理の負担を軽減し、より効率的な人員配置を実現するためにも、効率化を実現するツールの導入などが不可欠です。

    建設業が勤怠管理システムを導入するメリット6つ

    2024年問題を抱えてる建設業が、勤怠管理システムを導入するメリットを解説します。

    労働時間を正確に把握できる

    勤怠管理システムを導入すると、従業員の労働時間を正確に把握できます。労働時間が自動で集計されるため、集計間違いや回収漏れなどのミスを回避することにつながります。

    国が求める客観的なデータを記録でき、労働時間や休暇の取得状況をリアルタイムで把握できることは、運用を効率化するうえで大きなメリットです。

    勤務情報を自動集計できる

    勤怠システムを導入すると、従業員が入力した情報をリアルタイムで自動集計できます。日報やタイムカードを回収する必要もなく、労働時間の計算もすべて任せられるのが特徴です。

    従業員が複数の現場をかけ持ちしていたり、多様な勤務形態の従業員が勤務していたりする場合も、アナログな作業を回避して効率的に集計できるでしょう。

    給与計算と連携できる勤怠管理システムを導入すると、給与計算も一体化して自動化でき、さらなる業務の効率化が見込めます。

    勤怠管理だけでなく工数管理も行える

    勤怠管理システムは、勤怠管理だけでなく現場の工数管理にも活用できます。複数の現場が同時進行する状況であっても、各現場の工数や進捗状況を一元管理することが可能です。

    スマートフォンやパソコンなどを使って、外出先でもリアルタイムで状況の入力と確認ができ、状況に合わせた人員調整を行えるため、スケジュール管理もしやすくなるでしょう。

    さまざまな働き方に対応できる

    勤怠管理システムを活用することで、さまざまな働き方に応じた勤怠管理ができます。

    建設業の現場では、日雇い従業員や契約社員、パート、アルバイトなど多様な勤務形態の従業員を抱えていることもめずらしくありません。そのため、勤怠管理が複雑化しやすいという特徴があります。

    勤怠管理システムは、働き方が多様な建設業界において重要な役割を果たします。

    長時間労働を防止できる

    勤怠管理システムの中には、労働時間の超過を発見しやすい仕組みや機能が搭載されているサービスが多数あります。残業アラート機能などを活用することで、勤務実態をデジタルで管理し、働き方の改善にもつなげられるでしょう。

    従業員の負担を軽減できる

    勤怠管理システムを活用すると、出退勤の打刻をスマートフォンやタブレットなどで簡単に行えます。勤怠管理のために事務所へ出向いたり、日報に手書きしたりする必要がなくなり、従業員の作業工数や負担を大幅に削減できるでしょう。

    建設業における勤怠管理システムの選び方と注意点

    建設業において勤怠管理システムを選ぶ際のポイントや注意点を解説します。

    自社の運用に必要な機能があるか

    勤怠管理システムを導入する際は、自社の運用に必要な機能があるかを確認しなければなりません。そのためには、システムを導入する前に自社の課題を明確にする必要があります。

    たとえば、事務所で打刻してから現場に向かう工程を省きたい場合は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末に対応したシステムを採用するとよいでしょう。

    シフト管理や給与計算ツールと一元化したい場合は、すでに導入しているシステムと連携できるか、もしくは利用したいすべての機能を搭載しているシステムであるかを確認してください。

    ほかにも、建設業特有の工数・日報の管理や人件費などを一元管理できる機能を活用することで、適切なスケジュール管理を実現できます。

    必要な機能や実際の操作性を確認するためにも、導入前にトライアル期間を設けるのがおすすめです。無料のお試し期間を設けているサービスもあるため、事前に必要な機能がそろっているか確認しておきましょう。

    さまざまな働き方に対応しているか

    内勤や外勤、夜勤など、自社の勤務形態に適した打刻ができる勤怠管理システムであるかも確認してください。現場作業が多い建設業なら、社外での打刻にも対応しているクラウド型勤怠管理システムがおすすめです。

    不正打刻に課題を抱えている企業は、スマートフォンの生体認証やGPSを用いた打刻に対応したシステムの導入を検討しましょう。

    導入コストが適しているか

    勤怠管理システムを利用する前に、導入コストはもちろん、導入後のランニングコストについても調査する必要があります。複数の料金プランを設けている勤怠管理システムも多いため、料金形態はもちろん、プランごとに利用可能な機能を確認することが大切です。

    無料で利用できるシステムやアプリも存在しますが、有料版と比較して機能が制限されていることが多いです。自社の予算と必要な機能のバランスを考慮して、最適なシステムを導入しましょう。

    サポートが充実しているか

    勤怠管理システムを選ぶ際は、導入時や導入後のサポートが充実しているかも確認してください。設定代行や活用提案など伴走サポートがあるサービスだと運用がスムーズでしょう。また、労働関連法の改正に自動で対応してくれるサービスのほうが、導入後の混乱や設定変更も少なくて便利です。

    問い合わせ窓口の有無や相談方法など、どのようなサポート体制が整っているかを事前に確認しておくとよいでしょう。

    建設業での勤怠管理にはシステム活用がおすすめ

    建設業は、ほかの業種と比較して働き方が複雑であり、長時間労働を強いられる傾向があります。現場仕事が多いため、慣例としてタイムカードや出勤簿のような紙での勤怠管理が多く採用されてきましたが、2024年問題を契機に方法が見直されています。

    2024年問題に適切に対応するためにも、勤怠管理を効率的に行えるシステムを導入して工数削減を目指す企業は多いでしょう。勤怠管理システムを選ぶポイントとして、搭載されている機能や操作性、運用コストを総合的に比較検討し、自社にとって最適なシステムを選んでください。

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