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勤怠管理で知っておくべき法律とは? 法改正や勤怠管理の方法を解説

企業の勤怠管理では、労働基準法などの法律に沿って行うことが求められています。また、勤怠管理に関する法律は毎年のように改正されており、随時対応しなくてはなりません。

当記事では勤怠管理と法律について解説し、法律を遵守した勤怠管理のポイントもご紹介します。勤怠管理で覚えておくべき法律について理解を深めたい人は参考にしてください。

※当記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

勤怠管理で知っておくべき法律とは? 法改正や勤怠管理の方法を解説
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    勤怠管理と法律

    勤怠管理と労働基準法、法改正との関連について解説します。

    勤怠管理と労働基準法

    「労働基準法」は、国家公務員など一部を除き、原則として日本国内のすべての労働者に適用される法律です。労働条件の最低ラインが定められており、基準に達しない労働条件は無効となります。

    また労働基準法では、企業には従業員の勤怠を管理する義務があると定められています。

    勤怠管理と法改正

    昭和22年(1947年)に制定された労働基準法は歴史が古く、勤怠に関係する法改正も何度も行われています。たとえば、昭和62年(1987年)の改正では、週の法定労働時間の短縮や変形労働時間制の導入などが取り入れられました。

    労働基準法の法改正は毎年のように実施されており、2023年も行われ、2024年にも予定されています。勤怠管理の担当者は常に最新情報を入手する必要があるでしょう。

    法律に合わせた勤怠管理が必要な理由

    勤怠管理を法律に合わせなければいけない理由を2つ取り上げて解説します。

    企業のトラブルを避けるため

    勤怠管理が不適切な場合、残業などを含めた正しい労働時間での給与計算ができません。この場合、賃金未払いだけでなく、過重労働による健康被害も発生し、賠償問題などの労使トラブルに発展する恐れがあります。

    企業を守るためにも、勤怠管理ではしっかり法律に合わせ、正しく記録しておくことが重要です。

    労働者を保護するため

    近年、長時間労働による従業員の健康トラブルが多く報告されています。企業は勤怠管理によって過重労働を防止し、従業員の心身の健康を守る必要があります。そのためにも、勤怠管理は適切に法律と合わせておかなければいけません。

    法律で定められている勤怠管理とは

    法律で定められている勤怠管理について、労働時間を中心に解説します。

    労働時間の適切な管理

    「労働時間」とは、労働者が使用者の指揮命令下にある状態の時間です。具体的には拘束時間から休憩時間を除いた時間であり、たとえば作業着・制服に着替える時間や朝の清掃、昼休み中の電話当番なども労働時間として扱われます。

    労働基準法第32条により、1週間の労働時間が40時間(1日8時間)を超えないように管理することが使用者の義務とされています。

    労働時間の記録と管理

    労働基準法第109条により、使用者は、労働者名簿や賃金台帳、雇い入れ・解雇・災害補償・賃金その他労働関係に関する重要な書類を5年間保存しておく必要があります。ただし、現在は経過措置として3年間が適用されています。

    また、労働安全衛生規則第52条の7の3によると、使用者自身による確認、および記録や客観的な方法による確認・記録(タイムカードやICカードなど)が必要です。労働時間が週40時間を超えて仕事をするには、労働基準監督署長への36協定の届け出が必要なことも労働基準法で定められています。

    勤怠管理で対応が必要な近年の法改正

    近年の法改正によって、勤怠管理で対応が必要となるケースを4つご紹介します。

    【労働安全衛生法】客観的な記録による労働時間の把握

    「労働安全衛生法」の改正により、2019年4月1日から「客観的な記録による労働時間の把握」が義務化されています。客観的な記録とは、原則として、タイムカードやパーソナルコンピュータなどの電子計算機の使用時間の記録、事業者の現認などのことです。

    記録の保存期間が3年から5年に延長(経過措置あり)されている点にも注意する必要があります。

    【労働基準法・労働安全衛生法】労働時間の上限

    働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)により労働基準法第36条や労働安全衛生法の見直しが行われ、時間外労働の上限について、原則月45時間・年360時間とされています。

    また、臨時的な特別な事情がある場合でも、年720時間・単月100時間未満(休日労働含む)、複数月平均80時間(休日労働含む)を限度として設定されています。

    法律上では残業時間の上限がなく、行政指導のみでしたが、この2018年の法改正によって労働時間の上限が定められました。大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月から施行されています。

    【労働基準法】年5日の年次有給休暇の取得義務

    2018年に行われた労働基準法第39条第7項の改正では「使用者は10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、年5日について毎年時季を指定して与えなければならない」とされています。この場合、対象労働者には管理監督者や有期雇用労働者も含まれる点に注意しましょう。

    年次有給休暇管理簿の作成と5年間(当面の間は3年間)の保存に加え、就業規則に時季指定の対象となる労働者の範囲や時季指定の方法についても記載が必要です。

    【労働基準法】割増賃金率の引き上げ

    月60時間超の残業割増賃金率は大企業、中小企業ともに50%とされており、中小企業に対しては猶予期間が設けられていました。しかし、2023年3月で猶予期間は満了し、現在は企業規模を問わず、50%の割増率が適用されています。

    たとえば深夜(22:00~5:00)の月60時間を超える時間外労働の場合、賃金は「深夜割増賃金率25%+時間外割増賃金率50%=75%」です。ただし、引き上げ分の割増賃金を支払う代わりとして、有給の休暇(代替休暇)の付与もできます。

    勤怠管理が法律に違反したときの注意点

    勤怠管理が法律に違反したときに注意すべき点を2つ取り上げて解説します。

    労働基準監督署の是正勧告

    勤怠管理が法律に違反した場合、労働基準監督官により書類確認と事業者・労働者双方からの聞き取り調査が行われ、違反に対して是正勧告を受けることになります。是正勧告書の期限までに法令違反の改善が求められるため、注意が必要です。

    2021年度の長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の実施は32,025事業場で、そのうち23,686事業場(74.0%)について労働基準関係法令違反が認められ、是正勧告書が交付されています。

    参照:『長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和3年4月から令和4年3月までに実施)』 厚生労働省

    違反による罰則・制裁

    是正勧告から改善が見られない場合、逮捕や起訴などの刑事手続に移行します。是正勧告で改善しない悪質な違反は、企業名の公表が行われます。

    また、労働基準法違反の罰則は、30万円以下の罰金または6か月以下の懲役です。さらに「労働基準法に違反した企業」という評価を受けることによって、社会的評判が下がるリスクがあります。

    法律に沿った勤怠管理の方法

    法律に沿った勤怠管理の方法として、

    • 出勤簿(手書き)管理
    • エクセル(自己申告)の管理
    • タイムカードによる管理
    • 勤怠管理システムによる管理

    の4つがあります。それぞれについて解説していきます。

    出勤簿(手書き)管理

    従業員が出退勤時間を記入し、締め日にそれぞれの労働時間を手作業で集計する方法です。フォーマットを作成してしまえば、紙とペンのみで運用できるといったメリットがあります。

    ただし、手書きによる出勤簿の管理自体は違法ではないものの、手書き管理は客観的な記録とはいえません。国は推奨していないことに気をつけておく必要があります。

    エクセル(自己申告)の管理

    出退勤の時間をエクセルに入力する方法です。勤務時間や日数を自動的に集計でき、コストもかからないので利用している方も多いでしょう。

    従業員の自己申告によって出退勤の時間が入力されているため、国が推奨する方法ではない点に注意が必要です。また、法改正のたびに集計用の関数やマクロを修正しなくてはいけません。

    タイムカードによる管理

    タイムレコーダーにタイムカードを通し、出勤・退勤を自動的に記載する方法です。誰でも簡単に運用できるのが特徴で、タイムカードを集めたあとは手作業での集計またはパソコンに接続して労働時間を自動で集計します。

    ただし、打刻漏れが発生しやすく、集計に時間がかかったり、各拠点にタイムレコーダーを設置して毎月タイムカードを集めたりする必要があります。

    勤怠管理システムによる管理

    勤怠管理システムを導入して利用する方法です。勤怠管理システムは、出退勤時間の打刻・記録はもちろん、残業や各種休日休暇の申請やシフト作成、労働時間の集計など勤怠管理に関する業務全般を支援してくれます。

    スマートフォン打刻やパソコン打刻、ICカード打刻などさまざまな打刻方法があり、従業員の不正打刻も防止します。また自動集計により、労働時間をリアルタイムで確認可能です。

    勤怠管理システムのメリット

    勤怠管理システムによって得られる主なメリットを2つご紹介します。

    勤怠管理の手間が減る

    勤怠管理システムを取り入れるメリットとして、担当者の手間が減らせる点が挙げられます。各種申請状況や就労状況、超過勤務など就業に関するさまざまな状況を集計することで社内業務の「見える化」が実現します。

    また、勤務日数や年次休暇の取得日数、超過勤務時間などの情報をリアルタイムで集計・分析できるサービスもあります。スマートフォンなどのモバイル端末を使って、外出先やリモートワークでも打刻可能です。

    改正法など法律にも柔軟に対応できる

    労働基準法をはじめとする多様な法令や規則に、手間をかけずに準拠できる点も勤怠管理システムの特長です。今後発生する法改正にもスムーズに対応できるため、導入により効率化が実現し、空いた時間で担当者が本来注力すべき業務に取り組めます。

    さらに勤怠管理システムは、各社の運用に沿って柔軟に設定をカスタマイズできるサービスが多いです。変形労働時間制やフレックスタイム制など複数の勤務時間を、雇用形態別に運用している企業は、管理の煩雑さが軽減されるでしょう。管理担当者が気にされる閲覧権限も細かく設定できます。

    自社の管理運用ルールを変えることなく、スムーズに導入したい企業こそ、まずは無料でご相談ください。より従業員が使いやすいシステムをお探しの企業も、リプレイスを検討してみてはいかがでしょうか。

    まとめ

    勤怠管理は、労働基準法や労働安全衛生法といった法律に合わせて行うことが求められます。法律で定められている勤怠管理とは、労働時間の適切な管理や確認、客観的な方法による記録などです。

    ただし、労働に関する法律は毎年のように改正されているため、勤怠管理についても随時対応する必要があります。法律に違反した場合は、労働基準監督署からの是正勧告や罰則・制裁があるので注意しなくてはいけません。

    法律に沿った勤怠管理には、出勤簿(手書き)やエクセル(自己申告)、タイムカードなどを使う方法がありますが、勤怠管理システムによる管理です。システムを導入・利用することで、勤怠管理の手間が減り、法律にも柔軟に対応できるというメリットがあります。

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