カムバック制度とは? ジョブリターンの意味とメリット・デメリット、注意点や事例も紹介

カムバック制度とは、一度退職した従業員を再び雇用する制度です。以前は「出戻り」とネガティブに見られるケースもありましたが、働き方の多様化や人材獲得競争が激化するなか、注目が高まっています。企業にとっては即戦力の確保や教育コストの削減につながり、従業員にとっても柔軟な働き方の選択肢となるメリットがあります。
本記事では、カムバック制度の概要や類似する制度との違い、導入メリット、注意点、導入企業の事例までを解説します。制度導入を検討している人事・労務担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
カムバック制度とは?
カムバック制度とは、一度退職した人を再び雇用する制度です。法律上の定義はないため、カムバック制度運用の形式はひとつではありません。企業の方針に応じて対象者や名称が異なるケースもあり、それぞれ柔軟に設計されています。
一般的なカムバック制度では、結婚や出産、介護といったライフステージの変化など、やむを得ない事情で仕事を続けられずに退職した人を対象とします。家庭の事情で一度離職しても、環境が整えば再び働けるケースは十分にあり、そうした人材の活用が期待されています。
企業がカムバック制度を導入すると、働き方の選択肢が広がり、従業員の働きやすさが向上します。元従業員を再度雇用すれば、企業側も採用コストの削減や即戦力の確保が可能です。
カムバック制度は公務員でも運用されている
カムバック制度は、民間企業だけでなく、公務員における人材確保の手段としても運用されています。
たとえば大阪市では結婚や出産、配偶者の転勤などを理由に退職した人材を再び採用する「カムバック採用」を実施しています。
応募条件は、満5年以上の実務経験があることや、退職後10年以内であることなどです。
参照:『報道発表資料 令和7年度 大阪市職員(カムバック採用)を募集します』大阪市

カムバック制度と似た言葉
カムバック制度には、よく似た意味を持つ言葉がいくつかあります。いずれも再雇用に関する制度です。
法律上、厳密な定義や決まりはないため、企業によって対象者が違う点には注意が必要です。ここでは、それぞれの制度における一般的な特徴を解説します。
| カムバック制度 | アルムナイ制度 | ジョブリターン制度 | 復職制度 | |
|---|---|---|---|---|
| 対象となる退職理由 | 家庭の事情など(主にやむを得ない) | 自発的な転職・起業も含む | 結婚・出産・転勤などの事情 | 家庭の事情など(ジョブリターンと類似) |
| 主な特徴 | 元従業員の再雇用制度。企業により柔軟設計 | OB・OGネットワークを活用 | 同職種・部署への復職が前提 | 呼称が異なるだけで制度内容は同じ |
アルムナイ制度
アルムナイ制度はカムバック制度とは違い、家庭の事情に限らず自発的な転職や起業など、幅広い理由で退職した元従業員を対象とする再雇用制度です。「アルムナイ(Alumni)」とは、卒業生や同窓生という意味です。
アルムナイ制度は、一度退職した人を「OB・OG」のように捉え、人脈ネットワークを形成する狙いもあります。企業独自の制度によっては、再雇用だけでなく、情報共有や紹介採用にも活用されています。
ジョブリターン制度
ジョブリターン制度は、結婚・出産・配偶者の転勤など、やむを得ない理由で退職した社員を対象としています。復帰を希望する本人が申し出て、会社が了承すれば復職が実現します。
呼び方が異なるだけで、カムバック制度と大きな違いはありません。本人の希望を踏まえて双方合意のうえ、退職時と同じ職種・部署に復職するのが一般的です。企業によっては「再入社制度」と呼ぶこともあります。
復職制度
復職制度は、ジョブリターン制度と同じ意味合いで使われることが多く、家庭の事情などで退職した従業員を再雇用する仕組みを指します。企業によっては「再雇用制度」「キャリアリターン制度」といった名称で呼ぶ場合もあります。

カムバック制度の導入率
カムバック制度は実際にどれくらいの企業が取り入れているのでしょうか。厚生労働省が民間に委託して実施した調査結果を紹介します。
調査によると、再雇用制度の導入率は16.7%、今後導入を検討している企業も16.1%と、導入率は2割に届きません。まだそれほど普及しているとはいえない数字です。
しかし、従業員1,001人以上の企業では、36.4%の導入率と約3社に1社の割合になっています。
働き方の多様化や人材獲得競争の激化を背景に、今はまだ大企業での導入が多いですが、今後は企業規模を問わず伸びていくと予想されています。
参照:『出産・育児等を機に離職した女性の再就職等に係る調査研究事業 企業アンケート調査結果 (三菱UFJコンサルティング&リサーチ)』厚生労働省(2015年3月)P50-51
カムバック制度が注目される背景
カムバック制度が注目をされている背景には、人材獲得競争の激化と、働き方の多様化があります。
とくに中小企業では、人材確保が年々難しくなっています。「採用してもすぐ辞めてしまう」「新たな即戦力が見つからない」といった課題を抱える企業も少なくありません。
カムバック制度を導入すれば、効率的に採用が可能です。注目される背景について、より詳しく解説していきます。
人材獲得競争の激化
カムバック制度が注目される背景のひとつに、人材獲得競争の激化があります。近年では、終身雇用や年功序列制度が見直され、人材の流動化が進むとともに、成果主義が浸透しつつあります。
ひと昔前までは「1つの企業に定年まで勤め上げる」のが常識でしたが、キャリアアップを目的に退職する従業員もめずらしくなくなりました。
結果として企業では人手不足が深刻化し、優秀な人材の確保が難しくなっています。
カムバック制度は、すでに会社を理解している元従業員を効率よく再雇用できるため、採用コストの削減や即戦力確保につながり、人材獲得競争の手段として注目されています。
働き方の多様化
カムバック制度は、働き方の多様化という観点からも関心が高まっています。
働き方改革やダイバーシティの推進により、働き方は多様化し、「自分らしい働き方」や「ライフスタイルに合わせたキャリアの選択」が尊重されるようになってきました。
結婚・出産・介護・配偶者の転勤などを理由に、一時的に退職する人も少なくありません。
カムバック制度は、退職後も再び働ける道を開く制度として、従業員にとっての選択肢を広げます。現代の柔軟な働き方に対応した仕組みとして、注目されているのです。
カムバック制度のメリット
カムバック制度の導入で得られるメリットを5つに整理して紹介します。
- 即戦力になる人材を確保できる
- 教育コストを削減できる
- 採用のミスマッチを防げる
- 新しい価値観やスキルを取り入れられる
- 企業のイメージアップが期待できる
人材確保に課題を抱える企業にとって、カムバック制度は魅力的な選択肢の一つです。一度退職した社員を再び迎えることで、採用や教育にかかる手間やコストを抑えながら、即戦力を確保できます。
即戦力になる人材を確保できる
カムバック制度の大きなメリットは、再雇用によって、すぐに戦力として働ける人材を確保できることです。
退職前に業務を経験していた元従業員は、業務内容や社内ルール、関係部署の動きまで理解しているケースが多く、初日から実務に貢献しやすい傾向があります。
一般的な中途採用者に比べて、慣れるまでのスピードや成果を出すまでの時間が短く、即戦力として期待できます。
教育コストを削減できる
カムバック制度は、人材育成にかかるコストを抑えることができます。
通常の新規採用では、業務に慣れるまで、時間と費用をかけた教育・研修が必要になります。
カムバック制度なら、すでに基礎的な知識や企業文化を理解した人材を再び迎えるため、研修工数やOJTの負担を最小限に抑えられます。
教育にかかるコストを削減できるため、一人ひとりに対する戦略的な育成や新人フォローにリソースを集中できる点はメリットです。
採用のミスマッチを防げる
カムバック制度は、採用のミスマッチ防止にも有用です。
カムバック採用の対象となる元社員は、業務内容や企業風土に不満があったり、仕事で問題を起こしたりしたわけではありません。
やむを得ない事情で退職したものの、自社との相性が悪くないことがあらかじめわかっているという安心感があります。
マッチングがスムーズに実施できるため、新規採用でありがちな「入社後にギャップを感じる」といった雇用のミスマッチを避けられるのはメリットです。

新しい価値観やスキルを取り入れられる
カムバック制度で再雇用する元従業員が、退職期間中に別の会社で経験を積んでいる場合、新たな視点やスキルを組織に持ち込んでくれる可能性があります。
転職や起業を経験した人材と在籍社員が協力しあい、今までにない発想が生まれてイノベーションの促進につながるのは、組織にとって大きなメリットです。
カムバック制度は、多様な価値観を取り入れ、組織力を強化するチャンスになります。
企業のイメージアップが期待できる
カムバック制度の導入は、従業員満足度を高め、採用活動において企業イメージの向上にもつながります。
ライフスタイルの変化でやむを得ず退職を選択しても「戻れる制度がある」とわかっていれば、安心して働き続けられるでしょう。
柔軟な仕組みを設けている企業は、外部からも「働きやすい会社」として評価されやすく、求職者や顧客からの信頼性向上にも期待できます。
カムバック制度のデメリット
カムバック制度は、人材確保の観点で大きなメリットがありますが、デメリットがないわけではありません。
- 在籍中の従業員が不満を抱く原因になる
- 離職者が増える可能性がある
- 復職者間で処遇格差に対する不公平感を招くこともある
カムバック制度の導入を考えている企業は、デメリットによる影響も考慮して検討しましょう。
在籍中の従業員が不満を抱く原因になる
カムバック制度の導入は、既存従業員の不満につながる可能性があります。たとえば一度退職した人が、以前より好待遇で再雇用されると、職場に不公平感を招きます。
否定的な感情が広がると、個々のモチベーションが低下したり、職場の空気が悪くなったりするケースも少なくありません。
カムバック制度を運用する際は、再雇用時の待遇ルールをあらかじめ明確にし、社内にもていねいに説明することが重要です。
離職者が増える可能性がある
カムバック制度は、一度退職しても再雇用の選択肢があることで、退職への心理的な抵抗を下げるおそれもあります。
制度の柔軟性としてプラスに働く面もありますが、「とりあえず辞めてもまた戻れる」といった考えを助長してしまうと、かえって離職者が増える可能性も否定できません。
カムバック制度を適切に利用してもらうためには、日頃から働きやすい職場環境の整備が必要です。
復職者間で処遇格差に対する不公平感を招くこともある
カムバック制度では、復職者同士の間でも不公平感が生じるケースがあります。
たとえば復職時の配属や待遇で、「ある人の希望は通ったのに、自分は通らなかった」といった事例があると、不満を抱くきっかけになります。
不公平感を放置してしまうと、制度そのものへの不信感にもつながりかねません。
企業側は、復職者一人ひとりと向き合い、処遇の理由や背景をていねいに説明する機会を設けることが大切です。
カムバック制度の導入手順
カムバック制度の設計から運用まで基本の導入手順を、5つのステップに分けて解説します。
- カムバック制度のルールを決める
- 就業規則に明記する
- カムバック制度について周知する
- 復職希望者との面談を行う
- 再雇用を決定する前に企業の状況を説明する
カムバック制度を導入しようと思っても、「何から手をつけていいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。
制度をつくっても、現場が混乱したり、従業員に不信感を与えたりしては逆効果です。
失敗しないために、1ステップずつ確認していきましょう。
1.カムバック制度のルールを決める
カムバック制度を導入する際は、まずルールを明確にを決めましょう。 とくに次のような点をあらかじめ定めておくと、運用時のトラブルや不公平感を防げます。
| 対象者の条件 | ・退職理由 ・退職時の勤続年数 ・退職後の経過年数 ・年齢など |
|---|---|
| 復職時の処遇 | ・職位の扱い ・給与の扱い ・勤務体系 ・試用期間の有無など |
解釈違いを防ぐためにも、ルールはできる限り客観的・具体的に定めるのがポイントです。
2.就業規則に明記する
カムバック制度のルールが固まったら、次は就業規則に正式に記載します。
対象となる退職者の条件や応募方法、復職時の処遇内容など、制度の根幹となる内容は就業規則に明文化しておくことが必要です。
就業規則を変更する場合は、労働組合または従業員の過半数代表者の意見書を添え、労働基準監督署へ届け出なければなりません。
制度の信頼性を担保するためにも、法的な手続きを踏んで導入を進めましょう。
▼就業規則の変更方法を詳しく知るなら、以下の記事をご確認ください。
カムバック制度を整備しただけでは不十分です。すべての従業員に内容をしっかり伝えます。
カムバック制度は、従業員の働き方やキャリア選択に大きくかかわる制度です。メール通知や社内報、面談を通じて、制度の目的・対象・利用方法をわかりやすく伝える工夫をしましょう。
4.復職希望者との面談を行う
実際にカムバック制度を利用して復職を希望する人があらわれたら、面談を実施します。
面談では、復職者が過度に緊張しないように、リラックスして臨める配慮も必要です。
企業側は、復職後の業務内容や処遇について説明し、期待値をすり合わせることが大切です。
面談をおろそかにすると、カムバック制度であっても、採用ミスマッチは発生します。互いに納得したうえで再スタートを切るようにしましょう。
5.再雇用を決定する前に企業の状況を説明する
最後に、復職を決定する前には、企業の現状について説明する機会を設けましょう。
退職から時間が経っている場合、会社の組織体制や人事制度、業務内容が大きく変わっていることもあります。
とくに経営状況や配属先の方針など、復職後にかかわる環境の変化については説明が欠かせません。
退職からの経過年数が長いほど、変化の幅は大きくなります。復職者がスムーズに再適応できるように、最新の情報提供を怠らないようにしましょう。
▼最近では企業の実情をありのまま伝える採用手法も注目されています。
カムバック制度に関する就業規則の規定例
カムバック制度を導入する際は、制度のルールや概要を就業規則に明記する必要があります。就業規則に盛り込みたい項目例は、以下のとおりです。
| 項目例 | |
|---|---|
| 制度の目的 | なぜカムバック制度を導入するのか |
| 適用範囲 | どの従業員・部署が対象となるか |
| 対象要件 | 退職理由、退職時の勤続年数、退職後の経過年数など |
| 手続き方法 | 応募から復職決定までの流れ |
| 採用選考のプロセス | 面談・評価方法・最終決定のプロセスなど |
| 再雇用時の処遇 | 職位や給与、勤務体系の取り扱い |
| 雇用後の配属や昇進・昇給の扱い | ー |
| 再雇用者への教育・研修 | ー |
就業規則の規定でとくに大切なのは、対象とする退職理由や対象要件、再雇用時の労働条件です。あらかじめ規定しておけば、従業員との認識相違によるトラブルを未然に防ぐことにつながります。
カムバック制度を成功させるための注意点
カムバック制度を成功させるためには、おさえておきたい注意点は次の5つです。
- カムバック制度でも不採用とする場合がある
- 離職者が円満退社になるよう意識する
- 在籍中の従業員と復職者が気まずさを感じないように配慮する
- 適切な人材配置を実施する
- カムバック制度の登録者に定期的な発信を行う
一度辞めた優秀な人材を再び迎え入れるカムバック制度は、つくっただけで安心してはいけません。制度を機能させ、企業と復職者の双方にとってよい結果を生むために、ぜひ参考にしてください。
カムバック制度でも不採用とする場合がある
カムバック制度は、必ずしも復職希望者の全員が再雇用されるとは限りません。多くの企業では、選考や面接を実施し、現時点でのスキルや知識、組織との相性を確認します。
選考の結果、希望者が不採用となる可能性も十分にあります。
制度の透明性を保つために、「カムバック制度は再雇用を保証するものではない」ことを、就業規則や社内通知などで明確にしておきましょう。
離職者が円満退社になるよう意識する
カムバック制度は退職者との関係性が重要です。円満に退職した従業員は、企業に対して好印象を持ちやすく、「また働きたい」と思ってもらえる確率も高まります。
たとえ一時的に退職しても、企業は最後まで誠実に送り出すことが重要です。退職後も良好な関係性を維持する姿勢が欠かせません。
在籍中の従業員と復職者が気まずさを感じないように配慮する
カムバック制度で復職した従業員と、すでに在籍している従業員との人間関係や立場の変化に注意が必要です。
たとえば、かつての同僚や後輩が上司になっているケースでは、互いに気まずさを感じやすくなります。
復職前に組織体制や配属予定先について、双方にていねいな説明を行うことが大切です。 不安や誤解が生まれないよう、復職者・既存社員双方への配慮を欠かさないようにしましょう。
適切な人材配置を実施する
カムバック制度を利用した復職者が過去に活躍していたからといって、今の組織でも同様に力を発揮できるとは限りません。
退職後に業務内容や体制が変わっている可能性もあるため、人材配置は慎重に行う必要があります。
復職前に、本人の希望をヒアリングし、現在のスキルを見極めたうえで、企業側とのマッチングを意識して最適な部署・業務へ配属しましょう。
復職後も、定期的な面談やサポート体制を設けることで、定着と活躍を後押しできます。
▼適材適所に人材を配置する方法の例として、次の資料もご活用ください。

カムバック制度の登録者に定期的な発信を行う
カムバック制度を登録制で運用する場合、登録者(元従業員)との接点を切らさないよう、定期的に情報発信をしましょう。
たとえば、社内報の送付や定期的なメール配信を通じて、企業の近況や採用情報を届ける方法があります。
退職後も企業の状況を把握しやすい状況にあれば、復職を検討するタイミングでスムーズに制度を活用してもらえます。 「企業と退職者のつながりを維持すること」が、カムバック制度成功のポイントです。
カムバック制度に関する導入企業の事例
カムバック制度を導入する企業の事例をご紹介します。これからカムバック制度の導入を検討している企業は、すでに運用している他社の事例や情報を参考に、自社の導入や運用に役立てましょう。
トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社では、幅広い理由で退職した元従業員を対象としたカムバック制度の一環として、アルムナイ採用を実施しています。
退職理由については、キャリアアップを目的とした自己都合退職や、やむを得ない事情も含まれ、多岐にわたる事情が対象です。
同制度を通じて、従業員にキャリアと真剣に向き合う機会や、再び働く選択肢を提供しており、キャリア形成を後押しする仕組みになっています。
また、アルムナイ専用のコミュニティサイトも運営しており、退職後も元従業員同士が交流できる場を整備しているのも特徴です。
参照:『アルムナイ採用 | キャリア採用情報 | 採用情報』トヨタ自動車株式会社
パナソニック ホールディングス株式会社
パナソニック ホールディングス株式会社では、「カムバックキャリア」や「社員再就職制度」を導入しています。
「カムバックキャリア」は、一度退職して別のキャリアによる経験を積んだ人材が対象の制度です。
一方で「社員再就職制度」は、家庭事情などやむを得ない理由で退職した元社員が対象です。どちらの制度も、指定の採用選考に応募する必要がありますが、再雇用を前提とした環境が整っており、退職後も復職しやすい制度設計になっています。
参照:『A Better Career|パナソニックグループ 採用情報』パナソニック ホールディングス株式会社
株式会社みずほフィナンシャルグループ
株式会社みずほフィナンシャルグループでは、退職者が再入社できる制度「カムバック入社」を設けています。
家庭事情やキャリアアップなどのための転職など、幅広い退職理由を対象としている点が特徴です。
退職者専用のコミュニケーションサイト「アルムナイネットワーク」を整備しており、元従業員同士が退職後も交流できる環境があります。
参照:『カムバックアルムナイ採用|キャリア採用情報』株式会社みずほフィナンシャルグループ
まとめ
カムバック制度は、一度離れた人材ともう一度つながるチャンスを生む施策です。人材確保が難しい今、自社を知る即戦力を再び迎え入れることで、採用・教育コストの削減や組織の活性化につながります。
しかし、在籍者と復職者双方に配慮し、ルールの透明性を確保できなければ、不満や労務トラブルを招くリスクもあります。
大切なのは、「またあの会社で働きたい」と思われる企業であること。そのためにも、カムバック制度を、信頼を再構築する仕組みとして整備・運用していきましょう。

