リファラル制度とは? 採用・マーケティング・営業での意味と活用、メリット・デメリットを解説

リファラル制度とは? 採用・マーケティング・営業での意味と活用、メリット・デメリットを解説

「リファラル採用やリファラル営業は本当にメリットがあるのか」と感じたことはありませんか。企業はコスト削減や成約率向上のために「リファラル(紹介)」を積極的に活用しています。

リファラルは、採用やマーケティング、営業など幅広いビジネスシーンで活用されている言葉です。

本記事はリファラルの基本的な意味から、採用・マーケティング・営業での活用、メリット・デメリットを紹介しています。「自社でリファラルを活用するにはどうすればいいか?」という疑問解決に役立つヒントもあるので、ぜひ最後までお読みください。

目次アイコン目次

    リファラルの意味とは

    リファラルは、ビジネスシーンで「紹介」「推薦」「委託」を意味する言葉で、主に採用活動や営業で活用される手法です。英語の「referral」が語源で、第三者を介して新しいつながりを築ける点が特徴です。

    リファラル(referral)とは、ビジネスシーンで「紹介」「推薦」「委託」を意味する言葉です。 

    「referral=紹介を受けること」という意味があり、第三者を介して新しい人や企業と関係を築く手法を指します。

    ビジネスでは、主に以下の3つの代表的なシーンで活用されています。

    • リファラル採用(紹介採用)
    • リファラルマーケティング
    • リファラル営業

    リファラルの最大の特徴は、「信頼関係がすでに築かれている状態からスタートできる」点にあります。通常の採用やマーケティングよりも成功率が高く、コストを抑えられるのがメリットです。

    リファラル採用とは

    リファラル採用は、従業員や関係者が自社にふさわしい候補者を紹介する採用手法です。従業員の友人や知人から人材を紹介してもらうことで、採用のミスマッチを防ぎ、採用コスト削減や離職率低減につながります。労働力不足が課題となっている昨今、注目されている採用手法の一つです。

    リファラル採用は転職サイトや人材紹介会社を使う採用と比較して、従業員のネットワークを活用するため、 企業文化に合う人材を確保しやすい傾向にあります。

    一般的にリファラル採用は、不特定多数に求人の募集をかけるよりも、採用率が高いといわれています。候補者は紹介者からすでに企業のカルチャーを聞いており、入社前から職場環境についての理解があるため採用が決まりやすいのでしょう。

    リファラル採用と縁故採用との違い

    リファラル採用と縁故採用は、どちらも社員の人脈を活かすというポイントは共通しています。

    しかし縁故採用は、経営者の親族や役員の友人など、特定の関係者を採用するときによく使われる言葉です。役職者の家族・友人が推薦され、通常の選考フローを省略して採用されることもあります。

    一方でリファラル採用では、通常の選考プロセスを経て、候補者の適性やスキルを見極めたうえで採用されます。

    候補者の能力や適性が十分に評価されないまま採用が進む縁故採用の場合、企業文化とのミスマッチ対策が必要です。

    リファラル採用のメリット

    リファラル採用の最大のメリットは、採用コストを削減できることです。求人広告の掲載や人材エージェントの利用を省けるため、その分の費用が大幅に削減できます。従業員からの紹介により、無駄な面接や選考の手間が省け、さらなるコスト削減が可能です。

    また、自社の理想に近い人材を見つけやすい点もメリットです。企業文化や必要なスキルを理解した従業員が推薦するため、理想的な人材と出会える可能性が高いでしょう。候補者は入社時からすでに知人がいるため、安心して職場に溶け込め、定着も期待できます。

    メリット
    ・採用コストを削減できる
    ・採用のミスマッチが少ない
    ・早期離職率が低い

    早期離職は採用課題の一つなので、担当者にとって安心できる要素が多い方法といえるでしょう。

    ▼若者の早期離職に課題があるなら以下の記事も対策のヒントにしてみてください。

    リファラル採用のデメリット

    リファラル採用のデメリットは、採用までに時間がかかる点です。

    転職市場で積極的に活動していない「転職潜在層」にもアプローチできる一方、候補者は現在すでに働いているからです。即戦力が欲しくても、すぐに転職を決断するとは限りません。転職意向が低い場合、説得に時間がかかることもあります。

    一部のリファラル採用では、企業側と候補者の間で意欲や期待に差が生じることも課題です。紹介者の従業員が企業のよい面を強調ばかりを伝えてしまうことがあるからです。

    課題・メリット
    ・採用決定までに時間を要することがある
    ・期待とのギャップを生まないように正しい情報を伝える必要がある

    やり方によってはミスマッチが発生してしまうため、候補者が企業に過剰な期待を抱かないよう、お互いに可能な限り正直である必要があります。

    近年は率直に現実を伝えるRJPという手法も注目されています。

    リファラル採用を成功させるポイント

    リファラル採用を進める際は、制度を社内で認知させることが重要です。従業員がリファラル採用に積極的に取り組むには、まず制度の仕組みを理解する必要があります。定期的な情報発信や社内説明会を通して、制度を周知させるとよいでしょう。

    さらに、従業員が積極的に紹介をするための動機づけとして、紹介成功時にインセンティブ(報酬)を設けるのも一案です。

    成功ポイント
    ・社内認知を高める
    ・インセンティブ制度を設ける

    金銭的な報酬だけでなく、評価点を上げるなど、方法はさまざまです。従業員の参加意欲を高められる工夫を検討するとよいでしょう。

    また、通常の採用面接と同様に「この会社で働きたい」と思ってもらえるよう、応募者体験の向上に努めることが大切です。

    リファラルマーケティングとは

    リファラルマーケティングは、既存顧客が商品やサービスを友人や知人に紹介し、新規顧客を獲得するマーケティング手法です。一般的な広告や営業と違い、口コミや紹介を通して広がるため信頼性が高く、新規顧客の獲得や顧客定着率の向上が期待できます。

    SNSの普及によって、リファラルマーケティングは今まで以上に大きな影響力を持つようになりました。高い広告費をかけずに、エンゲージメントの高い顧客を獲得できるマーケティング活動です。

    リファラルマーケティングのメリット

    リファラルマーケティングのメリットは、継続率が比較的高い点です。信頼できる人物からの紹介者であれば、紹介された人も安心してサービスを利用しやすくなります。結果として、長期的な利用につながりやすくなります。

    また、リファラルマーケティングは業種や業態を問わず、さまざまな分野での応用が可能です。実際にECサイトやサブスクリプションサービス、BtoB向けサービスなどで広く導入され、成果を上げています。幅広い業界で効果が期待できる柔軟性も大きなメリットです。

    メリット
    ・顧客の継続率が高い
    ・幅広いチャネルで展開できる
    ・ブランドロイヤルティを高められる
    ・広告コストを抑えられる

    リファラルマーケティングのデメリット

    リファラルマーケティングは、ネガティブな情報や口コミに注意して実施しなければなりません。紹介された商品やサービスに満足しなかった顧客が批判的なコメントを拡散する可能性が十分にあります。

    顧客が必ずしもポジティブな口コミを書くとは限りません。SNSが普及した している現代では、悪いうわさが急速に広まり、企業のブランドイメージに悪影響を与えます。このようなリスクを完全に排除することは難しいのが現実です。

    さらに、リファラルマーケティングを効果的に運用するためには、リスクマネジメントの知識が欠かせません。たとえよいキャンペーンであっても、思わぬところで炎上する可能性があります。

    デメリット・課題・リスク
    ・ネガティブキャンペーンになることも
    ・低品質なリファラルもある
    ・危機管理体制を見直す必要がある

    ネガティブな情報の拡散を防ぐためには、広報チェックや法的なリスク管理が必要です。悪評が拡散された際には、適切な対応が求められます。

    リファラルマーケティングを成功させるポイント

    リファラルマーケティングを成功させるためには、キャンペーンの存在をターゲットにしっかりと伝えることが重要です。既存の顧客や関係者にキャンペーンを認知させ、参加方法を理解してもらうために、告知を徹底します。SNSやメール、ホームページなどのチャネルを活用し、情報を広く周知することが効果的です。

    さらに、リファラルマーケティングでは、誰が紹介活動を行うのかを明確にしたほうが成功率が高まります。顧客のなかでも、ブランドへの愛着度が高いユーザーや、商品・サービスに満足しているユーザーに紹介してもらう仕組みをつくりましょう。

    成功ポイント
    ・広く認知させる
    ・ロイヤルティの高い顧客から紹介を得る

    満足度が高く、積極的に紹介してくれる顧客からは、信頼性の高い紹介が期待できます。

    リファラル営業とは

    リファラル営業とは、既存顧客や取引先、信頼関係のある第三者から新たな見込み顧客を紹介してもらう営業手法です。紹介者からの推薦により初期段階で顧客の関心が高く、商談への抵抗が少ない点が特徴です。

    見込み客が自社に対して好印象の状態でスタートできるため、通常の営業手法よりも高い成約率が期待できます。

    リファラル営業はとくにBtoB領域で効果を発揮しており、新規市場開拓にも活用されています。

    リファラル営業のメリット

    リファラル営業の最大のメリットは、信頼関係を構築しやすい点です。共通の知人・企業からの紹介を通して新しい顧客に接触するため、初対面でもすでに一定の信頼感が得られています。

    通常の新規営業がゼロから信頼関係を築く必要があることを踏まえると、関係構築の時間や労力を削減できるのは大きなメリットです。

    さらにリファラル営業には、リード獲得のコストが従来の営業手法に比べて低い傾向にあります。広告やマーケティングに大きな費用をかける必要がなく、成果報酬型の報酬体系が多く用いられるため、コスト効率が高くなります。

    メリット
    ・信頼関係を築きやすく、成約率が高め
    ・新規探索コストが低い
    ・コスト効率がよい

    テレアポや飛び込み営業などの高コストな新規開拓手法に頼る必要がないため、営業活動の効率も上がります。

    リファラル営業のデメリット

    どのような営業でも同じことがいえますが、ニーズや関心が薄く検討段階になければ、リファラル営業でも成約には至りません。商談がうまくいかなかった場合、紹介者の評判が落ちる可能性もあります。

    万一、紹介先の企業と自社の間にトラブルが発生すると、マイナス情報が紹介者に伝わり、紹介者との関係までも損なわれてしまいます。

    デメリット
    ・紹介者に負担をかけないようにしなければならない
    ・信紹介者との関係が悪化する可能性がある

    紹介者が既存顧客や取引先の場合は、今後の取引関係にも影響をおよぼすリスクを考慮して、慎重に進めましょう。

    リファラル営業を進める際のポイント

    リファラル営業では、紹介される見込み顧客の質やニーズにばらつきがあります。リスクを避けるためには、事前にどのような見込み顧客を紹介してほしいのか、具体的な条件を明確に定めておくことが重要です。業界や企業の規模、求める解決策などの基準を設定し、内容を紹介者と共有しておけば、質の高いリード獲得につながります。

    また、リファラル営業に完全に依存してしまうと、紹介のタイミングや契約件数の予測がしにくいため、計画的に営業活動を進めることは困難です。

    成功のポイント
    ・紹介先の基準を明確にする
    ・「紹介しやすい仕組み」をつくる
    ・紹介者と密に関係を築く

    リファラル営業以外の施策やマーケティング活動、通常の営業手法と並行して取り入れるとよいでしょう。

    まとめ

    リファラル採用・リファラルマーケティング・リファラル営業は、信頼関係を活用することで高い成果を上げられる戦略として、多くの企業で注目されています。

    人のネットワークを活用することで、高い成果を上げることが可能です。

    リファラル採用採用コストを削減し、企業文化に合った人材を確保できる
    リファラルマーケティング広告に頼らず、信頼を基盤とした顧客獲得が可能
    リファラル営業通常の営業よりも高い成約率を実現し、リード獲得コストを削減できる

    コスト削減を実現しつつ、競争力を強化したい場合は実践してみましょう。

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