マネジメントサイクルとは? 種類やポイント、事例もご紹介

マネジメントサイクルとは? 種類やポイント、事例もご紹介

マネジメントサイクルにはさまざまな種類があり、企業やプロジェクトの特性によって最適な手法は異なります。PDCAサイクルを活用しているものの、効果を実感できないという方もいるのではないでしょうか。

本記事では、マネジメントサイクルの種類をわかりやすく解説するとともに、自社に合った手法を選ぶためのポイントを紹介します。効果的なマネジメントの実現に向けて、ぜひ参考にしてみてください。

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目次アイコン目次

    マネジメントサイクルとは

    マネジメントサイクルとは、仕事を効率的に進めるうえで必要な手順、あるいは企業が目標達成を踏まえて管理する仕組みを指します。一般的にPDCAサイクルが有名ですが、ほかにも複数の種類があります。

    マネジメントサイクルを行うメリットには、次が挙げられます。

    ・目標達成までの道のりを管理し、達成の可能性を上げる
    ・目標達成のための予測を立てられ、臨機応変な対応ができる

    マネジメントサイクルを継続的に実施すると、会社の目標に向けて組織の生産性を上げられます。客観的な成果や評価によって、従業員のモチベーションを高めるためにも効果的な仕組みといえるでしょう。

    マネジメントサイクルの歴史

    マネジメントサイクルは、1870年から1890年代におけるアメリカの鉄道経営に起源があるといわれています。

    当時のアメリカは、大陸を横断できる鉄道ネットワークが完成し、輸送の需要が拡大したため、会社ごとの競争が激化しました。そのなかで、鉄道労働者の賃金が10%も削減されたことから、大規模なストライキが発生します。

    その解決策として、鉄道会社は、決められた目的を達成した労働者に給料を上乗せする制度を採用しました。このような改善策の検討や実施により、結果的に鉄道会社の生産性は向上したため、マネジメントサイクルは今日のビジネスへの運用につながったとされています。

    マネジメントサイクルの重要性

    マネジメントサイクルが重要とされるのは、変化が激しい現代において、臨機応変な対応や業務改善が必要になるためです。

    サイクルを通して計画や評価、改善策などのステップを行うと、業務改善が促進されるだけでなく、変化に即した対応や持続的な成長がしやすくなるでしょう。

    マネジメントサイクルの種類

    マネジメントサイクルとして一般的に知られている「PDCA」のほかに、実はさまざまな種類があります。代表的なマネジメントサイクルの種類を紹介します。

    業務・課題の特徴向いているサイクル
    既存業務を継続的に改善したいPDCA
    変化が激しく、状況を見ながら判断したいOODA
    新しい施策をまず試したいDCAP
    現状把握や分析を重視したいSTPD
    小規模業務や短期目標を管理したいPDS
    早い実行と見直しを重視したいPDR

    マネジメントサイクルの種類ごとに特徴を理解したうえで、自社の目的や業務の性質に合わせて選ぶことが大切です。何を改善したいのか、どの程度のスピードで判断する必要があるのかを踏まえて選ぶとよいでしょう。

    PDCA

    PDCAは、マネジメントサイクルのなかでも広く浸透している種類です。

    Plan(計画)計画の立案や作成
    Do(実行)計画の実行
    Check(評価)結果への評価
    Action(改善)評価をふまえた改善策の検討や実行

    計画から改善までの4ステップで構成され、仕事をスムーズに進められ、とくに業務効率化に役立つサイクルといえます。

    サイクルの全体の流れとして、評価を踏まえた改善から、最初のステップである計画に戻って活かすことを繰り返すため、より計画がブラッシュアップされていくでしょう。

    OODA

    OODA(ウーダ)とは、主に意思決定のシーンで使われ、マネジメントサイクルというより「ループ」と呼ばれています。

    Observe(観察)客観的な現状観察
    Orient(方向づけ)観察した結果に基づく方向づけ(状況判断)
    Decide(意思決定)行動を意思決定
    Action(行動)意思決定した行動を実行する

    OODAは、アメリカ空軍の戦術家が開発しました。ステップのなかに「計画」がなく、観察に重点が置かれていることが特徴で、臨機応変な対応をとる必要があるときに有効活用できるでしょう。

    DCAP

    DCAPサイクルは、スピーディに実行できるサイクルです。大きなプロジェクトや重要なプロジェクトよりも、時代やトレンドに即した新たな分野や領域で検証したい場合などに有効です。

    Do(実行)まずは実行
    Check(評価)結果の評価
    Action(改善)評価を踏まえた改善策の検討や実行
    Plan(計画)改善策などをもとにした計画の立案や作成

    DCAPサイクルは、PDCAサイクルと構成されているステップが同じですが、順番が異なり、まずはすぐに実行することに重点を置いています。実行後、評価や改善を経て、計画に移すため、変化や未知のものをまずは経験してみてから、今後のステップに活かす際に向いているでしょう。

    CAPD

    CAPDも、PDCAの順番を変えたサイクルの一つです。

    Check(評価)現状を把握して評価する
    Action(改善)改善策の立案
    Plan(計画)改善策をもとに計画
    Do(実行)計画の実行

    最初に計画から始めるのではなく、現状の評価から改善策を立てるため、自社の状況を把握しやすく、導入しやすいサイクルとされています。

    PDR

    PDRとは3つのステップから構成されるステップです。

    Prep(準備)目的や理由を考える
    Do(実行)目的に向かって実行
    Review(見直し)結果から見直しや分析

    PDRも計画がステップに含まれておらず、準備が整ったらすぐに実行するため、スピード感をもって取り組む必要がある際に向いています。

    OODAと比べて、実行する前の段階がなく、PDRもスピーディーに実行できるサイクルとされています。

    PDS

    PDSも3つのステップから構成されるサイクルです。

    Plan(計画)計画の立案や作成
    Do(実行)計画の実行
    See(評価や見直し)結果の検証

    PDSは、PDCAサイクルに含まれるCheck(評価)とAction(改善)が、Seeに集約されています。小規模業務や短期目標の達成に向けた活用に向いているサイクルです。

    STPD

    STPDは、計画の前に入念な準備を行うサイクルです。

    See(現状把握)現状把握
    Think(分析)現状を分析
    Plan(計画)分析結果から計画を立案、作成
    Do(実行)計画の実行

    STPDは、現状把握と分析によって、より戦略的に考えて、計画と実行に反映させるのがポイントとなるサイクルです。重要な目標や緻密な計画が必要とされる場合に有効です。

    マネジメントサイクルの問題点

    どのマネジメントサイクルを選んでも、運用方法が定まっていないと十分に機能しません。たとえば、目標を立てても評価の場がなかったり、数値で進捗を確認していなかったりすると、改善につながりにくくなります。

    また、責任者や期限があいまいなままでは、次の行動に移せません。会議で振り返りをしても、具体的なアクションに落とし込まれていなければ、サイクルは形骸化しています。

    ここでは、マネジメントサイクルが失敗しやすい原因と、各サイクルの問題点を確認していきましょう。

    PDCAの問題点

    マネジメントサイクルとして広く浸透しているPDCAサイクルの問題点は次のとおりです。

    ・変化に臨機応変に対応しにくい
    ・目標が高すぎて実行(達成)できない
    ・計画に時間がかかる
    ・評価や改善が十分にされないまま計画すると十分に機能しない
    ・サイクル自体に時間がかかるため、続かない

    4つの段階を効率的に回し続けるのが難しいことが挙げられます。また、変化が激しい現代においては未来の予測が立てにくいため、変化に対応するのが困難な場合があるでしょう。

    STPDの問題点

    STPDの問題点は次のとおりです。

    ・現状把握や分析に時間がかかる
    ・効果検証のステップがないため、問題に気づきにくい

    STPDでは、分析などからより精度の高い施策の計画が求められるため、計画の実行前段階で時間を要します。また、サイクルをより成功させるために、計画に問題がないかどうか、プロセスとは別で効果検証をしなければなりません。

    DCAPの問題点

    DCAPは、スピーディーにサイクルを回せるのはメリットですが、次のような問題点が指摘されています。

    ・施策の精度が低くなりがち
    ・成果が出るまでに時間がかかる

    「まずは実行」という特徴があるDCAPは、変化が激しい時代では未知の領域を把握するために効率的といえます。しかし一方で、見通しが甘くなりがちになり、成果が出るまでに時間がかかってしまう場合もあるでしょう。

    マネジメントサイクルを行うポイント

    マネジメントサイクルを機能させるには、目標・評価基準・進捗確認のタイミングなどを整理し、次の行動までつなげることが重要です。マネジメントサイクルを実施するうえで、成功するためのポイントを紹介します。

    目的や目標を明確にする

    マネジメントサイクルを実施する場合は、何のためにサイクルを回すのか目的を明確にしましょう。さらに、目標も立てておくと、より具体的な計画が立てやすくなります。

    計画や評価基準は定量的に設定する

    計画や評価基準を定量的にすると、方向性を定めて取り組めます。また、サイクルの評価を行う際にも、客観的な数字に基づいた評価が行えるため、改善策や次への計画にも役立つでしょう。

    実現可能な目標にする

    マネジメントサイクルでは、到底達成できないような高い目標を設定するのは避けましょう。

    サイクルを回すなかで、目標達成があまりにも難しい場合、やる気をなくしてしまう危険性があり、適切なサイクルを回せなくなってしまうこともあるからです。

    継続してサイクルを回す

    マネジメントサイクルは、一度サイクルを回して終わりにしては意味がありません。継続的にサイクルを回し続けることで目標達成や成果につながるため、繰り返しサイクルを実施しましょう。

    ステップの偏りを防ぐ

    マネジメントサイクルを実施する際は、計画や実行に重点が置かれがちですが、評価をもとにした反省や改善点の検討も大切です。

    次のサイクルをより成功させるためには、評価や改善などもしっかりと行い、すべてのステップを大切にしましょう。

    マネジメントサイクルの企業事例

    マネジメントサイクルの具体的な紹介として、企業事例をチェックしてみましょう。他社の事例を知ることで、よりイメージしやすくなるため、ぜひ参考にしてみてください。

    株式会社良品計画

    株式会社良品計画では、巨額の赤字を出してしまった際に、売り上げを伸ばすためにPDCAサイクルを回すことを徹底しました。

    とくに店舗運営マニュアル『MUJIGRAM』の作成と定期的な更新などを実施して、サービスの均一化を徹底し、低迷していた業績を向上させました。

    参照:『「MUJIGRAM」を開発した無印良品・松井元会長インタビュー
    』サービス産業生産性委員会

    ソフトバンク株式会社

    ソフトバンク株式会社では、独自のPDCAサイクル「超高速PDCA」を実施しています。

    1. 新商品における1か月の目標決定
    2. 1か月の目標から1日の目標を逆算
    3. 新商品リストを作成し、販売計画を立てる
    4. リストの商品を同時に販売
    5. 目標に対する結果を毎日検証
    6. 改善策の実行
    7. 1か月後、販売目標を達成できる商品を検証する
    8. 販売目標を達成できる商品に絞って販売する

    一連のサイクルは8つのステップから構成され、比較的短いスパンで実施されているのが特徴です。さまざまな結果をもとに検証が必要ですが、実際に売れる商品を見極められるため、効率的に売り上げを伸ばすことに役立っているのかもしれません。また、1年を通したリスク管理としてPDCAを回し、定期的にリスク回避に取り組んでいます。

    参照:『ソフトバンク元社長室長が初公開!急成長を支えた「高速PDCA」とは?』ダイヤモンドオンライン
    参照:『リスクマネジメント』SoftBank

    情報管理としてISMSも注目されている

    マネジメントサイクルを回す対象は、従来ヒトやモノ、カネとしてきました。しかし近年では「情報」もその対象と認められ始めています。

    ISMS(Information Security Management System)とは、マネジメントサイクルを情報管理セキュリティにも活用する取り組みです。

    情報漏えいの問題を深刻に捉え、煩雑な情報管理セキュリティに対してマネジメントサイクルを回すと、情報管理を最適化できると考えられています。企業の資産の一つである情報を守る仕組みとして、近年注目が高まっています。

    マネジメントサイクルの成功には従業員への教育も重要

    マネジメントサイクルは、目標達成や業務改善を継続するための仕組みです。自社の目的や業務の性質に合わせて選ぶ必要があります。どのサイクルを選んでも、進捗を確認する場を設け、数値に基づいて振り返り、改善策を次の行動に落とし込むことが大切です。

    また、マネジメントサイクルを現場に定着させるには、従業員や管理職への教育も欠かせません。目的を共有し、進め方を理解してもらうことで、形だけの運用を防ぎやすくなります。

    自社に合ったマネジメントサイクルを選び、継続的に運用できる体制を整え、業務改善や組織の目標達成につなげていきましょう。

    マネジメントサイクルを継続的に実施するには、目標や進捗、評価結果を可視化し、振り返りや改善に活かせる仕組みがあると便利です。たとえば人事評価や目標管理に課題がある場合は、タレントマネジメントシステムの活用も一案となります。

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