フォローアップとは【意味ある?】具体的な方法と適切なタイミングも解説
フォローアップとは、部下や新入社員が業務を適切に遂行できるように支援することです。適切なフォローアップにより、人材育成に一定の効果が期待できます。
しかし、多忙な業務や人手不足の影響でフォローアップをあと回しにしてしまうこともあるでしょう。適切なフォローアップが行われないと、従業員のモチベーションが低下して離職につながる可能性も否定できません。
本記事では、フォローアップの重要性を確認して、具体的なポイントを解説します。フォローアップを理解して、社内での効果的なコミュニケーションにお役立てください。
フォローアップの意味とは
フォローアップには、英語で「Follow up」と表記され「再確認する」「追跡する」という意味があります。行動や取り組みの状況を確認して、必要に応じて支援を行うことを意味します。
人事領域では社内研修後にフォローアップをして、知識やスキルの理解度を深める施策が含まれます。人事担当者は、従業員が期待通りに働いているかをチェックして、問題が発生していればフォローが必要です。
フォローアップをすることで、従業員の成長をサポートできるでしょう。
フォローアップとフォローの違い
フォローアップと区別が難しい言葉にフォローがあります。フォローアップとフォローには以下の違いがあります。
フォローアップ | 対象者が特定のことを習得できるようサポートする |
フォロー | 対象者ができないことを代わりに行う |
できないことを代わりに実施するのと、習得できるようにサポートするのとでは、明確な違いがあります。
フォローとフォローアップの違いを明確にして、適切な社員教育につなげましょう。
フォローアップの言い換え
フォローアップは、以下の言葉に言い換えられます。
- 追跡
- 再教育
- 経過観察
- 進捗確認
フォローアップは、英語で「sequel(続編)」(続編)「continuation(継続)」「supplement(補足)」といった言葉で表現できます。
いずれも何かを継続したり、追加したりするという、持続的な意味合いです。厳密には同義語ではありませんが、文脈によってフォローアップと置き換えて使用することもあります。
ビジネスや医療でのフォローアップの意味
ビジネスや医療で使用されるフォローアップの意味について、以下の4種類を解説します。
- フォローアップ研修
- フォローアップ面談
- フォローアップメール
- 医療におけるフォローアップ
フォローアップ研修
フォローアップ研修は、先行して実施された研修で習得した知識やスキルの定着度を確認し、必要に応じて補完的に行う教育プログラムです。新人研修を含め、多岐にわたる研修に対してフォローアップが実施されます。
フォローアップ研修が欠如すると、研修内容が実際の業務にどの程度反映されているか把握しづらい状況が発生してしまいます。
フォローアップ研修を実施することで、先行して実施された研修の内容が実務にどのように活用されているか、その効果を測定できます。さらに、従業員に対して適切な支援を継続的に提供することにより、業務効率の向上が見込まれます。
フォローアップ面談
フォローアップ面談は、新しく入社した従業員の現状と直面している問題点を聞き取り、彼らの活躍を支援するために行われる面談です。事前に設定された時期に実施されます。
通常の面談では、上司や人事部門の担当者が主導的に会話を進めますが、フォローアップ面談の特徴は、新入社員の声に耳を傾け、適切な支援を提供することです。
新入社員の抱える課題を把握し解決に導くとともに、将来のキャリアパスを明確化することで、業務に専念できる環境を整備できます。
フォローアップメール
フォローアップメールは製品を購入した顧客や見込み客に送信されるメールのことです。
商品やサービスについて問題点はないか確認したり、情報提供を行ったりします。
フォローアップメールを送ることで、製品購入後もサポートが手厚い印象を与えます。結果的に購買促進や課題発見につながるでしょう。
製品を購入した顧客へのフォローアップメールの例文は以下の通りです。
このたびは当店をご利用いただき誠にありがとうございました。商品の使い心地はいかがでしたか。さらに使いやすい商品をお届けできるよう、改善を実施しております。お気づきの点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 |
フォローアップメールは丁寧かつ簡潔に作成することがポイントです。
医療におけるフォローアップ
医療現場におけるフォローアップは、治療後の経過観察や定期健診、患者の回復状況や治療効果のモニタリングのことです。
たとえば手術後の経過観察や、慢性疾患の管理が含まれます。医療現場のフォローアップは患者の回復状態を確認して、問題が発生した場合の対応に有効とされています。
フォローアップをする意味と重要性
従業員に対してなぜフォローアップをする必要があるのでしょうか。フォローアップの意味と重要性は次の2点が考えられます。
- スキルを定着させる
- 離職率を低下させる
それぞれの重要性について詳しく解説します。
スキルを定着させる
新しいスキルを身につける際、フォローアップは非常に重要な役割を果たします。スキルを実務で活用できるレベルまで高めるには、繰り返し練習し実践することが欠かせません。
疑問点や課題が生じた際にフォローアップすることで、より深い理解と実践的な応用力が養えます。その結果、業務効率が向上し、組織への貢献度も高まることが期待できます。
継続的なサポートとフォローアップを通じて、新たに獲得したスキルを定着させ、長期的に活用できるでしょう。
離職率を低下させる
フォローアップは従業員の離職率の低下に効果があります。新たなスキルの習得には一定期間を要しますが、個々の従業員に対する継続的なサポートを通じて、業務に関する不安を軽減できます。
このような取り組みにより、従業員の不安が和らぎ、組織への帰属意識が強まるでしょう。その結果、従業員は自発的に会社への貢献を意識した行動がとれるようになります。
定期的なフォローアップは個人だけでなく、組織全体のモチベーションを高める効果もあるといえるでしょう。
フォローアップの具体的なやり方・例
具体的にフォローアップはどのように実施すればいいのでしょうか。4つのやり方を例を交えて紹介します。
- 人事面談をする
- 定期的に上司が1on1をする
- メンター制度を取り入れる
- 研修を実施する
人事面談をする
人事面談では業務の進捗や課題を確認してフォローアップをします。
従業員の多くは日頃、上司や先輩から指示を受けていますが、必ずしもすべての悩みを言えるとは限りません。配属して間もない新入社員は、採用にかかわった人事担当者と接点があるため話しやすいこともあるでしょう。
人事面談では、現状の意識や労働環境の問題点、業務上の課題のヒアリングとアドバイスを行います。
定期的に上司が1on1をする
上司が定期的に1on1ミーティングを行い、従業員の業務の進捗や課題を確認します。定期的なフォローアップにより課題が明確になるため、適切なサポートを実施できます。
フォローアップをするタイミングはあらかじめ決めておくことで、従業員も事前に相談内容をまとめておけるでしょう。
メンター制度を取り入れる
メンター制度も新入社員や若手社員に対するフォローアップとして有効な手法です。
メンター制度とは、経験豊富な社員がサポート役(メンター)として、新人や若手社員に対して個別に指導や助言を行い、職場への適応を支援する制度です。
メンターを選ぶ方法は主に2つあり、人事部がメンティーの年齢や経験を考慮して人選する方法とメンティーがメンターを選ぶ方式です。
メンターは定期的にフォローアップ面談を実施し、メンティーにフィードバックします。
メンターは教育担当とは異なり、少し離れた距離から見守ることが特徴です。従業員の成長を見守り、先輩や上司には言いにくい悩みも相談できる立場といえます。
研修を実施する
多くの従業員に知ってほしいことを広く発信するには、研修の実施によるフォローアップが有用です。従業員が新しいスキルや知識を学んで、業務に活用できるようにします。
たとえば、研修が終了して一定期間が経過したら、受講した従業員が集まって復習をするフォローアップ研修があります。eラーニングや実地研修を組み合わせると、学習効果を高められるでしょう。
フォローアップ研修の具体的な内容
フォローアップ研修の具体例を挙げると以下の通りです。
- キャリアプランの形成
- 研修に対するプレゼンテーションの実施
- コミュニケーション研修
- 新入社員研修の復習
スキルが身についているか確認したり、業務に付随する内容を学んだりします。
フォローアップは誰がやるのか?
フォローアップは上司や人事担当者、メンターが担当します。担当者の特徴により従業員にとって以下のようなメリットがあります。。
上司から部下 | 上司は部下の業務内容を把握しているため具体的なアドバイスができる |
人事担当者から新入社員 | 入社間もない新入社員は上司や先輩より接点があるため相談しやすい |
先輩社員から後輩社員 | 上司よりかかわる時間が多いためアドバイスをもらいやすい |
従業員からフォローアップしてもらう担当者を選ぶ方法もあります。チームリーダーやプロジェクトマネージャーがフォローアップを担当することもあるでしょう。
フォローアップの注意点やポイント
フォローアップを進めるうえでのポイントは以下の通りです。
- PDCAサイクルを回す
- 対話の場を設ける
- 適切なタイミングを見計らう
それぞれ注意点を踏まえながら解説します。
PDCAサイクルを回す
フォローアップは一度やったら終わりではなく、PDCAを回しましょう。
PDCAとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のサイクルです。フォローアップする内容を計画して実行、研修後は評価と改善を実施します。次のフォローアップまでに新たな計画を作成していくサイクルが整えられると、質の高いサポートができるでしょう。
対話の場を設ける
フォローアップは継続的に実施し、定期的に対話の場を設けて、従業員の意見やフィードバックを収集します。対象の従業員がどのようなフォローアップを期待しているのか、研修では何を重視するのかなどを理解しましょう。
普段は話せない内容を聞ける可能性もあり、ヒアリングをもとに状況を把握して、今後のフォローアップの内容を検討します。
適切なタイミングを見計らう
フォローアップは適切なタイミングで実施すると、スキルの定着が期待できます。
たとえば、プロジェクトの節目や重要なイベントのあとに実施すると、効果的なサポートが可能です。また、新しい業務が始まった直後や問題が発生した際にも、迅速なフォローアップが必要です。
フォローアップはいつやる?タイミング
フォローアップは日常的に実施する場合と、一定期間の経過後に実施する場合があります。
日常的に実施するフォローアップは主に新入社員に向けたものです。入社して間もないため、どうすればよいか戸惑うことが多い期間にやると効果的といえます。日常的にフォローアップを実施すると成長の速度が早まるでしょう。
一定期間が経過したあとのフォローアップは、社内研修や訓練で学んだことが定着できているか振り返るために実施します。今後の仕事をどのように進めていくかも含めて検討する場として機能します。
フォローアップは人材育成に欠かせない
フォローアップとは、学習や業務の進捗を確認し、必要に応じて追加の指導や支援をすることで、スキルの定着や問題解決をはかる行為です。
人材育成において欠かせないプロセスであり、PDCAサイクルを回しながら質を向上させる必要があります。
フォローアップにつながる人事施策の例として、定期的な人事面談や研修プログラムの実施が挙げられます。きめ細かなフォローにより、モチベーション向上し、組織への定着率の改善も期待できるでしょう。
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適切なフォローアップには、1on1の実施管理や研修管理、従業員情報の一元管理が必要です。
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