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給与計算の事務作業が難しい理由とは? 向いている人の特徴や対策について解説

給与計算では、多岐にわたる事務作業が発生します。法規制の遵守や正確性と機密性の保持が求められるため、人事労務担当者が負担を抱えているケースもめずらしくありません。

当記事では、給与計算で発生する事務作業が難しいとされる理由と背景を踏まえて、向いている人材の特徴や根本的に事務作業を効率化するための対策について解説します。

※当記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

給与計算の事務作業が難しい理由とは? 向いている人の特徴や対策について解説
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    給与計算の事務作業とは?

    給与計算の事務作業の基本的な概要や計算式をご紹介します。

    従業員に支払う給与の金額を計算する業務

    給与計算とは、従業員に支払う給与を計算する業務です。従業員が労働した分の対価を計算し、適切に給与を支払うことを目的として行われます。従業員ごとに給与から差し引かれる金額が異なるため、個別に計算しなければなりません。

    給与計算の基本的な計算式

    給与計算は、次の計算式で行います。

    差引総支給額=総支給額-控除額

    まずは、残業や休日出勤などの勤怠データをチェックしたうえで総支給額を計算します。

    そして、厚生年金や健康保険、雇用保険を含めた社会保険料や財形貯蓄、生命保険料など、給与から控除すべき控除額を算出します。総支給額から控除額を差し引いた額が「差引総支給額」です。差引総支給額とは「手取り額」を指します。

    給与計算の事務作業が難しい理由

    給与計算はただ数字を扱うだけの単純な事務作業ではありません。

    • 精密さ
    • データ管理能力
    • 法的な知識
    • 高度な機密性の保持

    以上のように、多岐にわたる複雑な要素を含んでいます。担当者の中には難しいと感じている人も多数いることでしょう。給与計算の事務作業が難しいとされる理由をより具体的にご紹介します。

    給与計算はミスが許されない

    給与計算は、小さなミスであっても従業員の生活に影響を及ぼす可能性があり、計算や振り込みのミスは許されません。会社から支給される給与は、従業員の生活を支える基盤です。給与は正しく振り込まれるのが大前提であり、高い精度が求められる担当者の責任は重大といえます。

    専用のソフトを導入する企業が増え、手で計算する作業は格段に少なくなったとはいえ、ソフトに入力する元の数字が間違っていては意味がないでしょう。そのため、担当者に強いプレッシャーがかかってしまい「難しい」と感じることが多くあるようです。

    多様な給与・勤務体系を適用しなければならない

    給与計算は、従業員の個人情報や勤務時間、休暇、税金控除など、多岐にわたるデータを扱います。また、従業員ごとに異なる基本給や時間外労働、休日手当、ボーナスなどの要素を適用しなければなりません。

    個別の条件を加味してデータを収集し、正確に計算する作業は煩雑になりがちで、正確に処理することは簡単ではありません。

    税制改正による詳細の変更が多い

    給与計算にかかわる法律が頻繁に改正されることも、事務作業の難易度を高めている要因です。業務には多くの税制や規則がかかわっています。業務をどれだけ仕組み化して効率を上げても、労働法や税法、社会保険などが頻繁に改正されると、そのたびに対応が必要です。

    社会保険料や源泉所得税にまつわるルールは毎年のように変更されるため、担当者は情報を常に最新の情報を把握しなければなりません。

    集中力と高い機密性が求められる

    給与計算の業務は、ミスを防ぐために集中力が求められるものの、毎月のように同じような作業を繰り返していると、集中力を失ってしまうこともあるでしょう。

    また、従業員の給与情報は当然ながら個人情報の一部です。情報を適切に管理し、不正なアクセスや漏えいを防止しなければなりません。

    給与計算における事務作業の内容

    給与計算における事務作業の手順を解説します。

    1.総支給額を計算する

    給与計算では、まず従業員たちの勤怠情報を取りまとめましょう。タイムカードや出勤簿などで従業員それぞれの出勤日数や有給休暇取得日数、欠勤日数、遅刻・早退の有無などを確認し、労働時間や残業時間を算出してください。そのうえで総支給額を計算します。

    総支給額を導き出す際には、次の3つの項目が必要です。

    • 勤務時間
    • 割増賃金
    • 各種手当(通勤手当や役職手当、資格手当など)

    割増賃金は、次の計算式で算出します。

    割増賃金=時間外労働時間数×1時間あたりの賃金×割増率(25〜50%)

    割増賃金の計算に用いる割増率については、以下の通りです。

    支払う条件割増率
    時間外労働法定時間(1日8時間・週40時間)を超えたとき25%以上(1か月60時間を超える
    時間外労働は50%以上)
    休日労働法定休日(週1日)に労働させたとき35%以上
    深夜労働22時から5時までの間に労働させたとき25%以上

    参考:『割増賃金の計算方法』厚生労働省

    時間外労働と深夜労働が重複して適用される場合は、割増率に注意しましょう。

    2.控除の金額を計算する

    総支給額をもとに控除額を計算します。社会保険料や雇用保険料、所得税、住民税などが控除の対象です。そのほかにも、遅刻早退控除や欠勤控除などの控除額を勤怠状況に応じて算出しなければなりません。

    3.給与明細や賃金台帳を作成する

    総支給額から控除額を差し引いて手取りの給与を算出できたら、給与明細や賃金台帳を作成し、計算作業の内容をまとめましょう。

    賃金台帳とは、労働基準法で定められた法定三帳簿の一つです。賃金の額や対象となる従業員の氏名、性別、賃金計算期間など、記載すべき項目があります。

    4.振り込む

    最後に計算結果に準じた給与を振り込みます。なお、給与計算の担当者が、社会保険料や源泉徴収税の納付も担当する企業が多いです。

    給与計算の事務作業に向いている人の特徴

    給与計算の事務作業に向いている人の3つの特徴をご紹介します。

    給与計算は細かな作業が得意な人

    給与計算は、従業員一人ひとりの労働時間や各種手当、控除額などさまざまな数字と向き合う業務です。そのためミスが少なく、正確に管理できる人が向いています。

    ささいな数字の違いや違和感を察知し、細かなチェックや管理ができる人ほど、難しさを感じづらいでしょう。反対に大雑把なタイプの人はミスをしやすい傾向にあるだけでなく、大きなストレスを感じやすいかもしれません。

    仕事を最初から最後までやり遂げられる人

    給与計算の事務作業に携わるためには、仕事を最初から最後までやり遂げられる忍耐力と集中力が求められるでしょう。

    給与計算の事務作業は、毎月決まった業務をこなす必要があり、途中で投げ出せない仕事です。スケジュール通りに仕事をこなせる人にしか任せられない、重要な業務といえるでしょう。また、期日を守りミスなくこなすためにも、プレッシャーに強い人材が向いています。

    決められた業務を淡々とこなせる人

    給与計算は、従業員の勤怠データを正確に反映させる仕事です。決められた枠組みの中で業務や工程を淡々とコツコツと積み上げられる人が向いているでしょう。

    ルーティンワークが得意であったり、同じような作業が続いても飽きずに実行できたりする人が望ましいです。常に安定した結果を出せる人に任せましょう。

    給与計算を効率化する方法

    給与計算を効率化するために、おすすめの方法をご紹介します。

    給与計算ツールを導入する

    近年は多くの企業が給与計算に計算ツールやシステムを導入しています。給与計算ツールを導入すると作業の効率化をはじめ、ミスの軽減や法改正・税率変更にも柔軟に対応できるでしょう。

    また、給与計算業務の属人化の解消にもつながるかもしれません。経験や知識が浅い従業員でも、給与計算や振り込みまでの業務を担当できる可能性があります。

    給与計算を外注する

    給与計算業務の工数を減らしたい場合は、給与計算を外部の専門業者に委託することも検討しましょう。アウトソーシングをすると、業務の効率化はもちろん時間的コストの削減にもつながります。給与計算にまつわる作業を外注することで、本来であれば注力すべき業務にリソースを配分できます。

    アウトソーシング業者を選ぶ際は、専門性や信頼性の確認が必要です。委託したい業務範囲を事前によく検討し、自社に最適なサービスを選びましょう。

    給与計算の効率化にOne人事[給与]

    給与計算を効率化する手段として、One人事[給与]の活用という方法もあります。

    One人事[給与]は、給与計算からWeb明細発行までの事務作業を簡単にするシステム。煩雑な法令の改正や毎年の保険料の改訂にも対応しており、長年の間、公的機関にも認められている実績からセキュリティも万全です。

    One人事[勤怠]と連携し、簡単な設定を行うと、労働時間や残業時間の集計も自動化できるため、面倒な照合作業に手間がかかりません。年末調整や社会保険の電子手続きなど、煩雑な業務も「One人事」で効率化できます。

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    まとめ

    給与計算は、企業が従業員に対して行う重要な業務の一つです。

    給与計算業務では、

    • 多岐にわたるデータを参照したうえで計算しなければならない
    • 多様な雇用形態や給与体系に対して個別に対応しなければならない
    • 常に変化し続ける法律や規則に関する理解が必要
    • 個人情報の取り扱いに注意が必要

    などの理由で、高い集中力と正確性が求められるため、担当者の負担が重くなっているケースもあるようです。

    給与計算の事務作業の難しさという課題に対処するためには、システム化やアウトソーシングを検討するといいでしょう。勤怠管理と連携できるクラウド型システムを導入すると、労働時間の集計がスムーズで、従業員がいつでもどこでも明細を確認できます。

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