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給与とは【簡単に】給料との違いや手取りの計算方法、明細と源泉徴収まで基本を徹底解説

給与とは、会社から支給されるすべての労働対価を意味する言葉です。給料と混同されますが、異なる意味を持つので注意しましょう。給与から税金や社会保険料などが控除され、手取り額が算出されます。

本記事では、給与の基本的な概要や手取り額の計算方法、給与明細の項目について詳しく解説します。記事の後半では源泉徴収にも触れるので、ぜひ参考にしてください。

※当記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

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    給与とは

    給与とは、給与収入の略称で、労働の対価として企業が従業員に支払うお金です。基本給だけでなく残業代や住宅手当、ボーナスなども含まれます。

    給与は税法上の所得に該当するため、税金や社会保険料の対象です。

    所得税法に規定された給与

    所得税法において、給与は次のように定められています。

    (給与所得)
    第二十八条 給与所得とは、俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与(以下この条において「給与等」という。)に係る所得をいう。

    引用:『所得税法(昭和四十年法律第三十三号)』e-Gov法令検索

    給与の範囲は非常に広く、基本給をはじめ残業代や通勤手当など、会社から支払われるものすべてを含みます。会社から支払われたものであれば、手当や現物も給与に含まれると覚えておきましょう。

    給与に含まれるもの

    給与を構成する要素は、次の通りです。

    • 基本給
    • 残業代(時間外労働手当、休日手当、深夜手当)
    • 役職手当
    • 危険手当
    • 単身赴任手当
    • 通勤手当
    • 食事代補助
    • 制服代
    • ボーナス など

    基本給以外に、各種手当や食事代補助、現物支給、ボーナスなどがあります。

    給与と給料の違い

    給与と給料の明確な違いは、下記の通りです。

    給与給料
    変動変動する変動しない
    支給方法現金以外の手段もあり現金のみ

    違い1.給与は変動する

    給与に含まれる残業手当や出張手当などの各種手当やボーナスは、タイミングによって金額が大きく変動します。

    一方で給料を意味する基本給は残業代やインセンティブなどを含まないため、そのときどきの状況で変動することはありません。欠勤や遅刻、早退などがなければ、毎月同じ固定給が給料として支払われます。

    違い2.給与は現金以外でも支払われる

    給与は、労働基準法によって現金で支払うのが原則とされていますが、例外的に現物支給での支払いが認められているのが大きな違いといえます。

    現物支給が認められている代表的な例は、次の通りです。

    • 食事代補助
    • 制服代
    • 通勤手当
    • 家賃補助
    • 社員旅行の費用
    • 自社製品の割引購入 など

    上記のように、労働者にとって経済的な利益をもたらすものが現物支給となる可能性があります。ただし、現物給与を換算した金額に対して所得税が課されるため、金銭の給与として合算しなければなりません。

    給与と報酬や賃金など似た用語との違い

    給与と似たような用語として、報酬や賃金、所得、手取りなどがあります。それぞれの意味合いや給与との違いを詳しく解説します。

    報酬との違い

    報酬とは、給料や給与、賃金と同じように、会社から労働者に対して支払う労働対価です。給与との大きな違いは、報酬の示す範囲が広義であることです。給与は雇用関係を結ぶ相手に支払うのに対し、報酬は雇用関係にない相手に支払う金銭も含みます。

    所得税法上は、雇用契約の有無によって給与所得と報酬を区別します。委任契約の役員や社員に支払う金銭、業務委託のフリーランスへの支払いは報酬となるのです。

    賃金との違い

    賃金は、給与とほぼ同義で利用される言葉であり、労働基準法では次のように定義されています。

    第十一条 この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。

    引用:『労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)』e-Gov法令検索

    つまり、給料や各種手当、賞与はすべて賃金に含まれます。労働の対価として雇用主から労働者へ支払われる賃金は、給与とほぼ同義と捉えて問題ありません。

    所得との違い

    給与が勤務先から支払われる労働対価なのに対し、所得(給与所得)は、年間給与の合計額から必要経費とみなされる給与所得控除を差し引いた金額を指します。給与所得控除ができる金額は所得税法に定められており、年収によって異なるのが特徴です。

    手取りとの違い

    手取りとは、実際に従業員が受け取る金額のことです。給与が会社から従業員に支払われる労働対価なのに対し、手取りは給与から所得税や住民税、社会保険料などを控除した金額を指します。

    給与の手取り計算のステップ

    一般的に、手取りは額面の75〜85%といわれています。手取り額の計算方法を紹介します。

    総支給額(額面)を計算する

    労働基準法において、給与は毎月1回以上支払うよう義務づけられています。給与の締め日が過ぎたら、担当者は勤怠表やタイムカードで各従業員の勤務状況をチェックし、労働時間を集計しなければなりません。

    基本給のほか毎月変動する手当を正しく計算したら、合計金額を出しましょう。

    控除額を計算する

    支給額がわかったら、控除額を算出します。遅刻・早退・欠勤などの勤務状況に応じた控除をはじめ、所得税や住民税、社会保険料についても金額を確認し、控除の合計額を計算してください。

    なお、控除の内訳は大きく分けて次の2つです。

    法定控除法律で給与から控除すると定められている
    その他の控除法定控除以外に、それぞれの企業で定められている

    手取りを計算する

    従業員の口座に振り込む手取り額を計算します。

    総支給額-控除額=差引支給額(手取り額)

    総支給額から各種控除額を差し引き、実際の手取り額を算出してください。

    手当を計算する

    昇給や減給、欠勤控除などがない限り基本給は毎月一定ですが、賃金規程に基づいて支給する手当を別途計算する必要があります。

    手当の例
    通勤手当
    家族手当
    住宅手当
    役職手当
    資格手当 など

    さらに、残業や深夜勤務などで時間外手当や休日手当、深夜手当が発生する場合、手当の額は毎月変動します。時間外労働をした従業員については、勤怠状況に合わせて個別に計算・支給しましょう。

    給与の明細について

    給与明細とは、給与の支払い額や控除額をまとめて記載した通知書です。給与や手取り額のほかにも手当や社会保険料・所得税などの控除額、勤怠情報など、支払われた金額の根拠となる情報が記されています。

    所得税法第231条により、給与明細は紙もしくは電子データで発行するよう義務づけられています。

    給与明細の基本的な概要を解説します。

    基本の項目

    給与明細に記載されている項目は次の通りです。

    • 総支給額・控除合計・差引支給額
    • 支給項目
    • 控除項目
    • 勤怠項目

    それぞれの内容を詳しく解説します。

    総支給額・控除合計・差引支給額

    総支給額とは、基本給にすべての手当を足したもので、額面金額とも呼ばれます。控除合計とは、所得から控除される合計金額で、所得税の計算をする際に必要です。そして、差引支給額とは、総支給額から控除合計を差し引いたものです。

    支給項目

    支給項目には、会社から従業員に支払われる給与の全項目が明記されています。

    主な支給項目
    基本給
    役職手当
    資格手当
    住宅手当
    家族手当
    通勤手当
    残業手当
    深夜手当
    休日手当

    企業によって項目名が異なる場合がありますが、上記のような項目が設定されているケースが一般的です。

    控除項目

    控除項目には、給与から天引きされて支払われる保険料や税金の額が項目ごとに記載されています。

    主な支給項目
    雇用保険料
    社会保険料
    所得税
    住民税
    共済費

    上記のほか、社宅費や組合費など会社独自で定めた控除項目がある場合も記載されます。

    勤怠項目

    給与明細の勤怠項目に記載されている内容は、次の通りです。

    • 勤務日数
    • 欠勤日数
    • 労働時間
    • 残業時間
    • 有給消化日数
    • 有給残日数

    上記の中でも、残業時間は給与に大きく関係する項目です。実際に残業した時間が時間外手当の支給額に反映されているかを確認してください。

    確認すべきポイント

    給与明細が発行された際に確認すべき3つのポイントを解説します。

    総支給額や課税対象額が正しいか

    発行された給与明細に、基本給をはじめ、役職手当や残業手当など各種手当の金額が正しく反映されているかを確認しましょう。

    通勤手当は一定額まで課税対象外ですが、課税対象として記載されているケースもあります。総支給額や課税対象額が間違っていないかをチェックしてください。

    出勤日数や残業時間は正しいか

    給与明細に出勤日数や欠勤日数、残業時間が正しく記載されているかを確認しましょう。残業時間や深夜勤務などは給与に直結する項目なので、間違いがないようにしておきたいポイントです。

    また、有給残日数も注意すべき項目です。給与の締め日以降に有給休暇を取得した場合は、給与明細に反映されません。実際に利用できる有給日数とのズレが生じないように管理しておきましょう。

    給与明細は保管しておく

    法律上、会社に給与明細の保管は義務づけられていないため、発行後に破棄したとしても問題はありません。ただし、のちに従業員から確認や再発行を申請されるケースもあるので、保管しておくことをおすすめします。

    なお、給与明細にかかわる書類には保管義務が課せられています。給与明細にかかわる書類とは、労働者名簿や賃金台帳など給与計算の根拠となる書類や、給与明細の記載項目をまとめた書類です。保管期間は、それぞれの書類によって異なります。

    給与の源泉徴収について

    源泉徴収とは、1年間の収入にかかる所得税を会社側が給与からあらかじめ差し引くことです。源泉所得税や源泉徴収票の概要を詳しく解説します。

    源泉所得税とは

    源泉所得税とは、特定の所得や報酬から差し引かれる所得税や復興所得税です。1月1日から12月31日までの1年間に個人が得た所得に対して課される税金を意味します。

    給与所得の場合は、給与から健康保険や厚生年金などの社会保険料を差し引いた金額を『給与所得の源泉徴収税額表』にあてはめ、該当する源泉徴収税額を給与から差し引きます。

    参考:『給与所得の源泉徴収税額表(令和5年分)』国税庁

    源泉徴収票とは

    源泉徴収票とは、給与を支払ったすべての労働者に対して作成、交付される書類です。1年間の収入と納付した所得税額が記載されているため、徴収された税金額がわかります。

    必要な時期

    源泉徴収票は、従業員が退職する際や年末調整の計算後に発行されます。そのほかにも、従業員自身で確定申告をするときや、車・住宅を購入するためにローンを組むときにも必要となる大切な書類です。

    収入や納税を証明する書類なので、5年間を目安に保管しておくとよいでしょう。

    見るべき項目

    源泉徴収票を発行したら、次の4項目を確認してください。

    • 支払金額
    • 給与所得控除後の金額
    • 所得控除の合計額
    • 源泉徴収税額

    上記の金額に間違いがないか内容を確認することが大切なポイントです。

    まとめ

    給与とは、会社から支払われるすべての労働対価の総称です。基本給だけでなく、各種手当や現物給与、ボーナスも含めた総支給額を意味します。

    給与から税金や社会保険料が差し引かれたあとの手取り額が、各従業員に支払われます。本記事で紹介した内容を参考に、給与に関する正しい知識を身につけましょう。

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