タイムカードによる勤怠管理を効率化するやり方は? クラウド型を導入するメリットも解説
従業員の勤怠管理の方法について、悩まれている経営者や人事担当者の方はいませんか。タイムカードを使えば、効率的な勤怠管理が可能です。
そこで本記事では、さまざまなタイムカードの使い方や、注意点についてお伝えします。労務管理のヒントにぜひ役立ててください。
タイムカードとは何か
タイムカードとは、労働時間を管理するツールのことです。大企業になるほど従業員が多く、1人ひとりの労務管理が困難になるため欠かせません。
タイムカードにはさまざまな種類があります。従来型の紙に打刻するタイプや、生体認証・ICカードを使ったタイムカードなどがあります。企業規模によって、適している機能が違うため、自社にあったタイムカード選びが大切です。
タイムカードが必要な理由
タイムカードは労働時間の正確な把握に欠かせません。給与額算出の根拠になるため、確実な計算が求められます。タイムカードの設置義務はありません。
しかし、導入しなければ勤務時間が従業員の自己申告になるためほとんどの企業で導入しています。
タイムカードの主な4種類
タイムカードは主に以下の4種類です。
- 紙に打刻するタイプ
- 生体認証を利用するタイプ
- ICカードを利用するタイプ
- QRコードをつかうタイプ
順番に解説します。
紙に打刻するタイプ
紙に打刻するタイプは、もっともシンプルなタイムカードです。集計が手作業になるため手間がかかります。しかし、導入コストが安く誰でも使いやすい点がメリット。10人未満の小さな会社で、手間をかけずコストを抑えたい企業におすすめです。
生体認証を利用するタイプ
指紋や顔などで生体認証して時刻を記録するタイプです。導入コストが高いため、すぐに取り入れるには難しいでしょう。カードを紛失するリスクがないため、セキュリティ対策を重要視する企業におすすめです。
ICカードを利用するタイプ
ICカードをカードリーダーに近づけて時刻を記録するタイプです。導入コストが高いため、紙のタイムカードに比べて費用がかかります。打刻した情報はシステムで管理するため、業務量を減らして効率的な労務管理を行いたい企業におすすめです。
QRコードをつかうタイプ
従業員ごとにQRコードを配布してカメラで読み取り、時刻を記録するタイプです。紙のタイムカードに比べて導入費用が高いですが、QRコードを保存できるため紛失しても再発行が容易に行えます。リスク対策を重要視している企業におすすめです。
タイムカードの基本的な使い方
タイムカードの基本的な使い方について解説します。ご存じの方も多いと思いますが、あらためて確認しましょう。
- 出勤・退勤ボタンから打刻したい方を選ぶ
- タイムカードを打刻する
- ミスがないか確認する
出勤・退勤ボタンから打刻したい方を選ぶ
タイムカードは基本的に出勤と退勤のタイミングで打刻します。出勤・退勤のいずれかを選択しましょう。休憩時間や中抜けをする際は、打刻が必要かどうか従業員への周知が必要です。
タイムカードを打刻する
出勤・退勤を選択して打刻します。紙のタイムカードは、用紙の表裏で日にちが異なるため、確認を怠ると印字が重なります。人為的なミスを防ぐためにも、月の半ばになったらタイムカードを裏返すなど、間違いのない打刻ができる環境を整えましょう。
ミスがないか確認する
打刻したら日付や時間が間違いなく記録されているか、確認するように周知しましょう。打刻は毎日行うことなのでミスに気づきにくいです。そのため、打刻ミスが起きたときの連絡先を掲示しておくことで、迅速な対応が可能です。
また、人事部など労務管理をする部署ではミスが起きたときの対処方法をまとめておくと効率的に業務を行えるでしょう。
タイムカードを利用する際の注意点
タイムカードを利用するときの注意点は以下の4つです。
- タイムカードの使い方に関するルールを定める
- 打刻すべき労働時間を定義しておく
- 従業員が疑問に思う点を事前に周知する
- 不正打刻に対するペナルティを定める
順番に解説します。
タイムカードの使い方に関するルールを定める
タイムカードの使い方やルールを定めましょう。明確にしておくことで、トラブルが起こりにくいです。たとえば、以下の点が挙げられます。
- いつ打刻するのか(出社してすぐなど)
- 休憩時間も打刻するのか
- 直行直帰する場合、タイムカードはどうするのか
起こりうる問題点を事前に想定しておきましょう。
打刻すべき労働時間を定義しておく
打刻すべき労働時間を定義します。ルールを設定しておくことで、不正打刻などのトラブルも防げます。たとえば、労働時間が9時から18時の場合、特別な理由がない限り9時と18時に打刻するなどをルールとして盛り込みましょう。
従業員が疑問に思う点を事前に周知する
休憩や着替え、中抜けなど「タイムカードを押すべきか」従業員が悩みやすいポイントをまとめておきましょう。事前に伝えておくことで、対応方法が明確に把握できます。
不正打刻に対するペナルティを定める
不正打刻に対するペナルティを設けます。たとえば過去に、以下のような不正行為がありました。
不正の例 | 対応 |
---|---|
打刻を行わず、実際の退勤時間より遅い時間を手書きで記入したケース | 懲戒解雇 |
「他人に打刻させた場合は解雇」という注意書きをしていたにもかかわらず、同僚に打刻させたケース | 懲戒解雇 |
どのような行為をしたら、罰則があるのかルールを制定しておくことで、円滑な組織運営ができるでしょう。
従業員からよく出るタイムカードに関する質問
タイムカードによる勤怠管理に関して、従業員からよくある質問をまとめました。
- タイムカードは何分単位で管理されているのか
- 休憩の開始・終了時もタイムカードに打刻するべきか
- タイムカードを打刻し間違えていたらどうすべきか
- タイムカードを紛失したらどうすべきか
タイムカードは何分単位で管理されているのか
15分で管理している企業が多いです。しかし、労働基準法第24条で「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない」と定められています。そのため、タイムカードは1分単位で管理することが必要です。
つまり、1分でも労働したら賃金の支払いが必要です。10時5分に出勤しても、10時30分から労働時間としてカウントしない行為は違法です。
休憩の開始・終了時もタイムカードに打刻するべきか
休憩時間の打刻はどちらでも構いません。企業によって判断が分かれます。休憩時間は労働基準法第34条で定められており、必ず取らせる必要があります。
6時間を超える労働の場合、45分以上の休憩が必要で、8時間を超える労働の場合、60分以上の休憩が必要です。休憩時間が取れているか判断するために打刻させるなど、状況に応じて使い分けてください。
タイムカードを打刻し間違えていたらどうすべきか
タイムカードを打ち間違えたら上司か、総務課など労務管理している部署に連絡しましょう。
タイムカードを打ち間違えたときは、どのように対処すればいいかわからない方も多いです。小さなミスでも、報告の流れをルール化しておけば給与支払いのトラブルなども減らせます。
タイムカードを紛失したらどうすべきか
タイムカードを紛失したら、直ちに労務管理している部署に連絡しましょう。勤務した事実がわからないと給与計算ができないため、早めの連絡が必要です。
タイムカードが見つからない場合は、業務日報などほかの資料から勤務情報を把握して給与計算を行えます。ICカードやQRコードなど社外に持ち出せるものは、紛失リスクが高いためカードケースに入れて持ち歩くなどの対策が必要です。
タイムカードの管理担当者によくある悩み
タイムカードの管理担当者によくある悩みをまとめました。どのような悩みが考えられるのか、ぜひ参考にしてください。
- タイムカードの集計に手間がかかる
- タイムカード記録の保管が厄介
- 不正打刻が常態化している
- テレワーカーのタイムカードの取り扱いに困難を感じる
タイムカードの集計に手間がかかる
紙のタイムカードは1枚1枚確認するため、集計に手間がかかります。従業員が増えるほど管理が煩雑になりミスが多くなりやすいです。
休憩時間や実働時間の合計が自動集計されるタイムカードもあります。しかし、従業員の勤務状況に応じた現場の細かなニーズに対応していないケースがあるため、手作業による確認が必要です。
したがって集計業務は大きな負担がかかります。
タイムカード記録の保管が厄介
勤怠記録は労働基準法第109条で、5年間(経過措置により当分の間は3年間)保管しなければならないと定められています。紙のタイムカードだと従業員の人数分×年数分の保管が必要になり、手間や場所も必要です。長期間保管するため、紛失しても気づかないこともあります。
不正打刻が常態化している
不正打刻が常態化しています。特に、紙のタイムカードは不正打刻が横行しやすいです。常態化すると労務管理に支障をきたすため、生体認証タイプのタイムカードなど不正がしにくいツールの導入が必要になるでしょう。
テレワーカーのタイムカードの取り扱いに困難を感じる
紙のタイムカードだと、テレワーカーや直行直帰型の従業員の出退勤管理が難しいです。本人の自己申告となり、正確に労働時間が把握できないケースもあります。そのため、会社に寄らなくても勤怠管理が行えるシステムが必要です。
タイムカードによる勤怠管理を効率化にクラウド型システム
まだ紙のタイムカードによる勤怠管理を行っているなら、クラウド型勤怠管理システムの導入がおすすめです。
クラウド型勤怠管理システムは、人事や労務周辺の煩雑な業務データを集約し、クラウド上で半自動化できる効率化ツールです。
近年は、利便性やDX化の波を受けて、導入を検討する企業も増えてきました。各社から勤怠打刻の不正防止やテレワークへの対応など、さまざまな人事労務の課題解決をサポートできるサービスが提供されています。
また、HRテックと呼ばれる人事労務系クラウドシステムは、勤怠や給与計算、タレントマネジメント、採用管理など複数の領域にわたり、一括管理してデータ活用を進めたいというニーズも多く聞かれます。
クラウド型勤怠管理システムのメリット
クラウド型勤怠管理システムを導入すると、次のようなメリットが考えられます。
- 労務管理コストを削減できる
- バックオフィス業務全体が効率化する
- どこからでもシステムにアクセスできる
労務管理コストを削減できる
さまざまな労務管理のシンプル化、ペーパーレス化によりコストを削減できます。システムメンテナンスは販売業者が対応するため、メンテナンス費用なども必要ありません。
バックオフィス業務全体が効率化する
1つのデータベースで勤怠管理から給与、労務、採用まで一括管理できるため、バックオフィス業務全体の効率化が期待できます。システムが自動的に行う作業が増えるため、人の手による業務が軽減します。
どこからでもシステムにアクセスできる
インターネット環境があれば、システムにアクセス可能です。リモートワークや出張中の従業員の勤怠管理も容易に行えます。多様な働き方を支援できるため、従業員にもメリットが大きいシステムとなるでしょう。
まとめ
タイムカードは正確な労働時間を知るために使える勤怠管理ツールの一つです。手書きの出勤簿よりも、勤務時間の改ざんへの懸念が少なく、採用している企業もあるでしょう。
とはいえ、不正がまったくないわけではありません。
また、効率化するには少しコツがあります。運用ルールも含めて、さまざまな場面を想定し、社内環境を整備する必要があるでしょう。より効率化や給与計算へのスムーズな連携を求めるなら、専用の勤怠管理システムの導入も検討してみてください。
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