勤怠連絡の手段とは? メールでの報告方法や注意点を解説

勤怠連絡の手段とは? メールでの報告方法や注意点を解説

急に体調が悪くなったとき、どのように勤怠連絡をすればいいのか迷ったことはありませんか。また、従業員の勤怠連絡が人によってバラバラで、管理が難しいと感じたことがある人事担当者も多いでしょう。

勤怠連絡は、欠勤や遅刻を伝えたり、出退勤を報告したりすることです。会社と従業員で状況を共有し合うために欠かせません。

本記事では、メールを使った勤怠連絡の正しい方法や連絡時に気をつけたいポイントを紹介します。自社の勤怠連絡のルールを見直したいときの参考にしてください。

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    勤怠連絡とは?

    「勤怠」という言葉には、本来2つの意味があるのをご存じでしょうか。

    1. 仕事に励むことと怠けること
    2. 出勤・欠勤、出退勤

    以上に関連する連絡を「勤怠連絡」といい、人によっては「勤怠報告」と呼ばれています。

    ビジネスシーンにおける勤怠連絡とは、遅刻や欠勤、有給休暇の取得、出退勤などについて連絡することを指します。

    近年増えているテレワークを採用している企業では、業務の開始・終了や業務内容の報告、勤務状況の共有のために、日常的に勤怠連絡が行われているでしょう。

    勤怠連絡が必要な理由

    そもそもなぜ勤怠連絡をしなければならないのでしょうか。出勤時、何気なく当たり前のように行っている方も少なくありません。

    勤怠連絡は、企業が適切な労務管理を実行するうえで、大切な業務の一つです。必要とされるのには、次の2つの理由があります。

    従業員の労働時間を把握・管理するため

    勤怠連絡は正確に労働時間を管理するため、重要な役割を果たします。

    遅刻や早退の連絡が不十分だと、勤務状況を把握できず、正しい給与計算や控除ができません。

    労働基準法には法定労働時間が定められ、企業は従業員に対し「1日8時間・週40時間」の範囲内で労働をさせるのが原則です。

    もしも時間外労働をさせるなら、36(サブロク)協定を締結し、上限「月45時間・年360時間」を超えないように管理する必要もあります。

    企業には、従業員が規定を遵守して働いているか、賃金を適切に支払えているかを管理する義務があるのです。

    また、従業員一人ひとりの労働日数や労働時間は、3年間を保存しなければなりません。正確な記録を残すためにも勤怠連絡は必要です。

    参照:『労働基準法』e-Gov法令検索


    労働時間の管理を効率化するには以下の資料もご活用ください。

    従業員の過重労働を防ぐため

    従業員による勤怠連絡は、過重労働を抑制するためにも必要とされています。長期間にわたって従業員に過重労働を強いてしまうと、さまざまな健康障害を引き起こすリスクが高まると考えられています。

    過重労働が社会的に問題視されるなか、働き方改革で時間外労働の上限が設けられ、違反企業には罰則が科されるようになりました。

    労働時間の正確な把握・管理は、健康障害リスクを回避し、従業員のワークライフバランスの向上につながります。

    勤怠連絡によって従業員の出退勤や労働時間を把握することは、企業における勤怠管理の基本といえるでしょう。

    参考:『過重労働による健康障害を防ぐために』厚生労働省

    勤怠管理の基本をおさらい|あわせて読みたい関連記事は【こちら

    勤怠連絡で把握すべき項目

    従業員の勤怠状況を正確に管理するためには、ただ「出勤します」「欠席します」と適当な時間に伝えてもらうだけでは不十分です。労働時間や残業の有無も把握しなければなりません。

    企業が勤怠連絡で把握すべき項目は、次のとおりです。

    • 出勤・欠勤
    • 始業・終業時間
    • 休憩時間
    • 遅刻や早退
    • 残業や休日出勤
    • 有給休暇の取得申請

    出退勤時刻や休憩時間は、勤怠連絡において必須項目です。

    労働時間は、大まかな時間ではなく1分単位で記録しなければなりません。たとえ1分でも繰り上げてしまうと、違法とみなされるため、詳細な記録を徹底しましょう。

    時間外労働や休日出勤、深夜労働についても正確に記録する必要があります。

    自社で定めた所定労働時間を超えて働いている時間と、法定労働時間外で働いている時間を明確に分けて、適切に勤怠管理をしていきましょう。

    所定労働時間と法定労働時間の違いがあいまいな方は以下の記事もあわせてご確認ください。

    勤怠連絡を受ける連絡手段

    勤怠連絡と一言でいっても、連絡手段にはさまざまな方法が考えられます。本記事では、勤怠連絡の代表的な5つの手段と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく紹介します。

    メール

    勤怠連絡の手段として、メールを採用している企業も少なくありません。

    メールを活用した勤怠連絡には、次のようなメリット・デメリットがあります。

    メリットデメリット
    ・社外にいる従業員にも対応できる
    ・コストをかけず手軽に取り入れられる
    ・実働時間とズレる
    ・定型文の挿入に手間がかかる
    ・ほかのメールに埋もれてしまうおそれがある

    メールであれば、社外にいる従業員の勤怠連絡も受けられます。タイムカードのような管理方法と異なり、営業で外回りをしている人やテレワーク中の人でも対応できます。使い慣れたメールシステムを活用すれば、コストをかけず手軽に取り入れられるのもメリットです。

    一方で従業員が報告をし忘れたり、実際の労働時間とのズレが生じたりするおそれがあります。そのほかにも、定型文の挿入に手間がかかったり、ほかのメールに埋もれて見落としたりする可能性もあるため、運用には注意しなければなりません。

    チャットツール

    チャットツールを勤怠連絡の方法として活用するメリット・デメリットは、次のとおりです。

    メリットデメリット
    ・手軽に導入できる
    ・連絡や確認作業を効率化できる
    ・勤務中の状況も可視化できる
    ・気軽に報告できる
    ・実働時間とのズレが生じる
    ・メッセージを見落とすおそれがある

    チャットツールは、メールのように定型文を挿入する必要がなく、手軽に導入できる方法です。送信先を設定するだけで気軽にやり取りができるため、連絡・確認作業を効率化できます。

    導入ツールによっては、勤怠連絡だけでなく勤務状況も共有できます。オンライン・オフラインのステータス表示機能があり、勤務中の可視化ができるのもチャットツールのメリットです。

    しかし、報告忘れや実際の労働時間とのズレが生じることもあります。メールでの勤怠連絡と同様、ほかのメッセージに埋もれて報告内容が見落とされてしまうデメリットも、理解しておかなければなりません。

    電話

    電話による勤怠連絡を採用するメリット・デメリットは、次のとおりです。

    メリットデメリット
    ・手軽に取り入れられる
    ・会話によるコミュニケーションが生まれる
    ・電話をかけるタイミングがつかみにくい
    ・上司が社内にいないと連絡しづらい

    従業員の遅刻・早退や欠勤により、業務に支障が出る場合や引き継ぎが必要な場合は、電話での勤怠連絡が適するでしょう。

    電話は直接会話ができるのもメリットで、テレワークが推進されるなか、社内コミュニケーションの活性化にも一定程度役立ちます。

    ただし、連絡するタイミングをつかみにくく、上司が社内にいないと連絡できないなど、運用していくうえでの課題もあります。

    表計算ソフト

    Excel(エクセル)やスプレッドシートのような表計算ソフトで勤怠連絡表を作成し、従業員に始業・終業時間や休憩の開始・終了時間などを記録してもらう方法です。

    表計算ソフトを勤怠連絡に活用するメリット・デメリットは、次のとおりです。

    メリットデメリット
    ・手軽に導入できる
    ・集計を自動化できる
    ・実働時間とのズレが生じる
    ・計算式のミスを避けられない
    ・法改正のたびに最新の情報にアップデートしなければならない

    導入コストがほとんどかからないため、メールや電話と同様に手軽に利用できます。従業員に必要な情報を入力してもらうだけで、集計をある程度自動化できる点もメリットです。

    しかし、表計算ソフトであっても人が入力するため、実際の労働時間とズレたり、計算ミスで誤った数値が出たりすることもあるのは課題として残ります。

    勤怠管理システム

    働き方改革が推進され、多様な働き方が採用されるようになり、勤怠管理システムを導入する企業が増えてきました。

    勤怠管理システムを活用した勤怠連絡には、次のようなメリット・デメリットがあります。

    メリットデメリット
    ・インターネット環境があればどこでも使える
    ・簡単に記録ができ、不正もしにくい
    ・集計や分析がしやすい
    ・勤怠情報をリアルタイムで確認できる
    ・チャットツールやメールと連携し、通知を送れるシステムもある
    ・連絡だけでなく社内承認まで完結できる
    ・導入費用や維持管理費などのコストがかかる
    ・システムの使い方を習得するために時間と手間がかかる

    とくにクラウド勤怠管理システムは、パソコンやスマートフォン、タブレットを使い、場所や時間を選ばず申請と連絡ができるのが大きなメリットです。テレワークやフレックスタイム制の働き方には向いているでしょう。

    一方で、初期費用や運用していくためのコスト、システムの使い方を周知徹底するまでの時間や手間はかかります。

    しかし、勤怠管理システムなら単なる勤怠連絡だけでなく、社内承認まで済ませられます。

    集計や分析まで実施できるため、勤怠管理全体を改善したい企業は視野に入れてみてもいいでしょう。

    ▼まだ勤怠管理システムを利用していない場合や、今のシステムに課題がある場合は、導入も一案です。

    勤怠管理をシンプルにするシステムOne人事[勤怠]の資料はこちら

    勤怠連絡の方法を選ぶポイント

    それぞれの勤怠連絡手段のメリット・デメリットを理解できたとしても、どれを選ぶべきか迷いますよね。

    勤怠連絡の方法を選ぶには、以下のポイントに留意しましょう。

    • 客観的に勤怠を記録できるか
    • 打刻忘れや不正打刻を防げるか
    • 管理者だけでなく、すべての従業員にとって導入しやすい方法であるか
    • 集計や分析までまとめて行えるか
    • 従業員の勤務形態に合っているか

    勤怠管理をする際には、労働時間を客観的なデータで記録しなければなりません。そのため、打刻ミスや不正打刻を防止できるような勤怠連絡の手段を検討する必要があります。

    管理者と従業員双方にとって使いやすいものであるか、業務効率化につながるものであるかも重要なポイントです。

    従業員の人数や働き方などさまざまな条件を考慮したうえで、自社に最適な方法を選択しましょう。

    メールやチャットによる勤怠連絡を受ける際の注意点

    ところでメールやチャットで勤怠連絡を受ける際は、とくに注意したいポイントがあります。次の4つの注意点を踏まえたうえで、最適な方法を選択しましょう。

    1. 内容を簡潔に伝えてもらう
    2. なるべく早いタイミングで送ってもらう
    3. 用件が伝わりやすい件名を作成してもらう
    4. 引き継ぎ事項の有無を伝えてもらう

    いずれもビジネスパーソンとして基本的なマナーといえますが、基本をおさらいしていきましょう。

    内容を簡潔に伝えてもらう

    メールやチャットでの勤怠連絡を採用する場合は、内容を簡潔に伝えるように従業員へ周知します。

    可能な限り無駄な文章は省き、シンプルでわかりやすい文章に仕上げてもらうことが大切です。

    欠勤や遅刻をする場合は、その理由や次の出勤予定日を明記してもらうようにすると、スムーズにやり取りができるでしょう。

    なるべく早いタイミングで送ってもらう

    メールやチャットでやり取りをする場合、電話とは異なり、相手がいつ内容を確認するかがわかりません。

    そのため、従業員が始業時間の直前にメールやチャットを送信すると、すぐには気づけないことがあります。

    体調不良などやむを得ず急に休まなければいけない場合は、メールやチャットではなく電話で連絡してもらうなど、社内ルールを決めておきましょう。できるだけ早い報告を促すルールづくりが必要です。

    用件が伝わりやすい件名を作成してもらう

    メールでの勤怠連絡は、用件が伝わりやすいよう、わかりやすい件名にしてもらいます。

    たとえば、件名の先頭に「欠勤報告」「遅刻連絡」と記載されていれば、受信した人はひと目で勤怠連絡であると理解できます。

    不明確な件名だと、ほかのメッセージに紛れてしまうため、社内ルールには例文を記載しておくとよいでしょう。

    引き継ぎ事項の有無を伝えてもらう

    メールやチャットによる勤怠連絡を受ける際は、遅刻や欠勤によって業務の引き継ぎが必要になるかどうかも伝えてもらいます。

    当日の業務内容や緊急時の連絡先を共有してもらうことで、全体の業務が滞ることなくスムーズに進められます。

    勤怠連絡の手段はシステムがおすすめ

    勤怠連絡の手段は、1つの方法を採用して終わりではなく、運用しながら改善することが大切です。

    「どの手段で」「どのように連絡するか」のガイドラインを作成し、社内周知も忘れずに手配しましょう。

    最初は手軽なメールを採用する企業も多いですが、それでも勤怠連絡の抜け漏れが続く場合は、ルールや管理方法の見直しをおすすめします。

    メールやチャットでの勤怠連絡に課題を感じる場合は、ほかの連絡と埋もれにくい勤怠管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

    連絡・承認経路を統一し、勤怠の一元管理が可能になります。

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    One人事[勤怠]は、勤怠管理全体をシンプルに運用するために開発された勤怠管理システムです。テレワークにおける勤怠連絡、遅刻・早退、欠勤の承認申請だけでなく、勤怠管理におけるさまざまな課題解決をサポートしております。

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