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勤怠管理の業務フローを策定する際のポイント|業務フローの一例も紹介

勤怠管理の業務フローを策定する際のポイント|業務フローの一例も紹介

勤怠管理を効率的に行うためには、業務フローの策定が欠かせません。まずは現在の業務の実態を把握し、適宜改善策を講じながら業務フローを作成することが大切です。

本記事では、勤怠管理の概要についておさらいし、勤怠管理における業務フローの一例や策定する際のポイントを解説します。勤怠管理の業務フロー策定について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。


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    勤怠管理とは? 業務の目的をおさらい

    勤怠管理とはどのような業務なのか、その目的について解説します。

    勤怠管理は企業の義務

    「勤怠管理」とは、出勤・退勤時間や休日取得の有無といった労働の記録を数字として管理することです。企業の義務として労働基準法で定められており、従業員を雇用しているほとんどすべての事業所は勤怠管理を実施する義務があります。

    参考:『労働基準法』 e-Gov法令検索

    勤怠管理の目的

    勤怠管理は、法令を遵守できているかどうか、従業員の健康が守られているか、給与計算が適切に行われているかを把握することが目的の業務です。労働時間の適切な管理は、過労死の防止にもつながるといえるでしょう。

    給与は労働時間をベースに計算されるため、給与を正しく計算するには、労働時間を正しく把握する必要があります。

    勤怠管理におけるチェック項目

    勤怠管理を行う際にチェックすべき4つの項目をご紹介します。

    労働時間

    勤怠管理におけるチェック項目として「労働時間」が挙げられます。勤怠管理では、始業・終了時刻や労働時間、休憩時間などを管理し、労働時間を正確に把握することが重要です。

    また、時間外労働時間や深夜労働時間、休日労働時間には賃金の割増率が適用されるため、注意する必要があるでしょう。出勤時間と退勤時間が定刻通りなのか確認することで、遅刻を繰り返す従業員への指導や長時間残業の防止にもつながります。

    休憩時間

    労働時間に加え「休憩時間」を適切にとれているかどうかも把握しなければいけません。従業員の心身の健康を守ることはもちろん、休憩時間は給与計算から除く必要があるからです。

    労働基準法第34条では、1日の労働時間が「6時間を超えて8時間以下」なら少なくとも「45分の休憩」1日の労働時間が「8時間を超える」ならは少なくとも「1時間」の休憩が必要であると定められています。

    参考:『労働基準法』 e-Gov法令検索

    勤務状況

    出勤日や欠勤日、休日出勤日などの「勤務状況」を1か月ごとに把握することも重要です。休日を正しく取得できているか、休日出勤があった場合は必要な代休を与えられているかチェックする必要があります。

    有給取得日数・残日数

    労働基準法第39条の7により、年10日以上の有給休暇が付与されている従業員に対し、企業は年5日の有給休暇を確実に取得させることが義務づけられています。そのため、有給取得日数・残日数を確認し、従業員が有給休暇を適正に取得できているか、しっかり把握しておかなければなりません。

    参照:『労働基準法』 e-Gov法令検索

    勤怠管理の3つの方法

    勤怠管理には「タイムカード」や「エクセル」「勤怠管理システム」を利用する方法があります。それぞれについて解説します。

    タイムカードを使った方法

    タイムレコーダーにタイムカードを通して出退勤時刻や休憩の開始・終了時間を打刻することで、労働時間や休憩時間を把握する方法です。比較的安価なコストで導入しやすいですが、不正打刻のリスクがある、勤怠管理をリアルタイムに行えないなどのデメリットもあります。

    エクセルを使った方法

    エクセルで出勤簿を作成し、出退勤時間などを入力する方法です。エクセルを業務に使用している会社は多く、導入や運用が容易なのがメリットですが、タイムカードと同じく、不正打刻や勤怠管理がリアルタイムにできないなどのデメリットがあります。

    勤怠管理システムを利用する方法

    勤怠管理の専用システムを導入する方法です。パソコンやスマートフォンなどから出退勤時間を打刻できるとともに、集計や計算も自動化できます。また、そのほかの方法と比べると、不正打刻のリスクが少ないなどの特徴があります。

    勤怠管理における業務フローの一例

    勤怠管理における業務フローの具体例を取り上げて解説します。ただし、下記はあくまで一例であり、実際の業務フローは会社によって異なります。

    参考:『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン』 厚生労働省

    1.出勤時間・退勤時間などを記録する

    従業員の始業時間・終業時間・休憩時間などを記録します。労働基準法第24条「賃金全額払いの原則」により、労働時間は1分単位で管理する必要があります。また、出勤日や欠勤日、休日出勤日も把握しておきましょう。

    参考:『労働基準法』 e-Gov法令検索

    2.賃金台帳の調整

    給与の支払い状況や勤務時間を記載した帳簿のことを「賃金台帳」といいます。賃金台帳は、労働基準法で定められている「法定三帳簿」の一つであり、従業員を雇用するすべての企業に対して作成や保管が義務づけられています。

    労働基準法第108条に基づき、下記の項目を記入した賃金台帳を調整します。

    • 氏名
    • 性別
    • 賃金計算期間
    • 労働日数
    • 労働時間数
    • 時間外労働・休日労働・深夜労働時間数
    • 基本給、手当などの種類および金額
    • 賃金の一部を控除した場合にはその金額

    参考:『労働基準法』 e-Gov法令検索

    3.給与計算への反映

    労働時間を給与計算に反映させることも、勤怠管理の一環です。残業時間や休日労働時間、欠勤などの勤怠状況を正確に算出する必要があります。

    4.法令違反の有無の確認

    時間外労働時間や深夜労働時間、休日労働時間、有給取得日数などを管理し、違反状態がないかどうか確認します。万が一、法令に違反していると、労働基準監督署から是正勧告を受けたり、従業員から訴訟を起こされたりなどのリスクが高まるため、十分なチェックが必要です。

    また、記録と実態に大きな乖離がないかどうかも確認しておきましょう。

    5.関連書類の保管

    労働基準法第109条に基づいて、勤怠データに関する書類は5年間保管する義務があります。ただし、賃金台帳が源泉徴収簿をかねている企業は、7年間です。解釈によってはタイムカードも7年間保管する必要があることに留意して、不安な人は専門家に相談するとよいでしょう。

    参考:『労働基準法』 e-Gov法令検索

    勤怠管理の業務フローを策定する際のポイント

    勤怠管理の業務フローを策定するときに押さえておくべきポイントを3つご紹介します。

    記載ルールを決めておく

    フォーマットや使用する記号などの記載ルールは、できるかぎり事前に決めておくとよいでしょう。特に、複数人で業務フローを策定する際は、記号や書式が混在しやすくなります。そのため、ルール決めは大変重要といえます。

    担当者や作業内容を正確に洗い出す

    業務フローを策定するためには「いつ」「誰が」「どのような作業を」「どのような状況で行うのか」を明確化することが大切です。勤怠管理では、出退勤時刻の打刻は従業員、勤怠の承認は部門ごとの管理者、勤怠の管理は人事労務部の担当者など、作業を担う人が異なるため、正確に洗い出しておく必要があります。

    時系列を意識する

    実際の業務の流れと照らし合わせて時系列ごとに作業を並べると、スムーズに策定が進みます。担当者(部署)ごとに縦にレーンを区切り、それぞれの作業を当てはめていく形式が一般的です。

    勤怠管理の業務フローを改善するなら、勤怠管理システムがおすすめ

    勤怠管理業務の効率化には、勤怠管理システムの導入がおすすめです。勤怠管理システムを導入するメリットを詳しく解説します。

    業務を効率化できる

    多くの勤怠管理システムにはワークフローシステムが搭載されており、打刻や休暇、残業などの申請・承認のフローをシステム内で完結できます。それぞれの作業負担が軽減されることで、業務の効率化をはかれるでしょう。

    勤怠情報をリアルタイムで把握できる

    勤怠管理システムを使うと、出退勤時刻や時間外労働などの勤怠情報をリアルタイムで把握できます。残業が多い部署や遅刻が多い従業員などの情報をすばやく知ることで、改善策を講じられるでしょう。

    不正やミスの防止につながる

    第三者による代理打刻や遅刻・早退の隠ぺいなどの不正を防止できるのも大きなメリットです。また、勤怠記録を自動で集計してくれるので、ヒューマンエラーも防げます。

    勤怠管理フローはシステムで自動化

    勤怠管理とは、出勤・退勤時間や休日取得の有無といった労働の記録を数字として管理することで、労働基準法で定められた企業の義務です。勤怠管理では、労働時間や休憩時間、勤務状況、有給取得日数・残日数についてチェックを行う必要があります。

    また、出勤時間・退勤時間などの記録から、賃金台帳の調整、給与計算への反映、法令確認、関連書類の保管までが一般的な業務フローです。業務フローを策定する際は、記載ルールを決めておくなどのポイントを押さえておくとスムーズに進められます。

    勤怠管理の方法としてタイムカードやエクセルなどの利用が挙げられますが、業務フローを改善したいと考えている企業には勤怠管理システムの導入も一案です。勤怠管理システムの導入によって、業務の効率化やリアルタイムでの勤怠情報の把握、不正・ミスの防止などさまざまなメリットがあります。

    特に、勤怠をはじめ人材情報が分散している企業は、管理運用の見直しとともに、勤怠管理フローのクラウド化を検討してみてはいかがでしょうか。

    勤怠管理フローをシンプルに|One人事[勤怠]

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