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有給休暇の申請は何日前? 理由やルールについて徹底解説

有給休暇は申請したうえで取得するというのが原則とされています。企業によっては申請時に取得理由を必要としたり、ルールを設定している場合もあるでしょう。

そこで当記事では、有給休暇の申請について総合的に解説します。事前申請は何日前までに行うのかや申請理由、申請書などについてもご紹介しますので、有給管理担当者はもちろん、労務担当者や有給が付与されている従業員もぜひ参考にしてみてください。

※当記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

有給休暇の申請は何日前? 理由やルールについて徹底解説
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    有給休暇の申請は義務?

    有給休暇の申請は、労働基準法により「事前申請」が原則とされています。しかし、事前申請に関する明確な定めはないため、企業によってルールを設ける必要があります。具体的な有給休暇の事前申請について解説します。

    労働基準法では申請を原則としている

    労働基準法では、有給休暇が付与された労働者に対し、基本的には労働者が指定する日に取得させる必要があるとしています。このことを「時季指定権」といい、たとえば労働者が「2月1日に有給休暇を取得したい」と希望する場合、この通りに取得できるものです。

    しかし企業側は「時季変更権」を持ち、労働者の時季指定について、指定日に有給休暇を取得させることで企業運営の妨げが予想される場合には、別の日に取得させることができます。

    そのため、基本的には労働者が事前に希望日を申し伝えたうえで、企業側が問題ないかを検討する必要があるため、有給休暇の取得には「事前申請」が必要とされるのです。

    仮に事前申請を行わずに有給休暇を取得した場合、企業側は時季変更権を行使できなくなるため、正常な企業運営が妨げられるかどうかを判断できなくなってしまうでしょう。

    参照:『労働基準法 第39条』e-GOV法令検索

    有給休暇の事前申請はルール化することが大切

    有給休暇の事前申請を企業で浸透させるためには、ルール化することが重要です。そのため、就業規則などに有給休暇に関する内容を盛り込み、事前申請についても記載するのがもっとも効果的でしょう。

    事前申請をルール化する際には、労働者の声にも耳を傾ける必要があります。使用者目線でのみルールを作成してしまうことで労働者側にとって不利益な内容になってしまいます。

    さらに、やむを得ない状況なども踏まえて、事後申請や申請期限を超過した際の申請についても認めるようにしましょう。就業規則に統一したルールとして明文化することで、認識相違やトラブルも防止に効果的です。

    有給休暇の申請ルールの例

    有給休暇の申請ルールに関して、定めておくべき代表的な項目と注意点をご紹介します。

    申請方法

    有給休暇の申請についてどのような方法で誰に向けて行うのかを定めましょう。一般的な方法としては

    • メール
    • システム
    • 書類

    などの方法が挙げられます。メールの場合は、記載すべき項目も明記し、書類の場合はあらかじめ申請用紙などを用意したうえで載せておくとよいでしょう。

    申請期限

    有給休暇の申請ルールでは、申請期限を定めておくことも重要です。本来有給休暇は、前日(取得予定日の0時)までに申請すれば取得可能です。

    しかし、それでは時季変更権行使の判断も難しくなってしまいます。そのため、多くの企業では申請期限を設けることで対応しています。

    企業側は取得したい日の何日前までに申請するのかを明確にし、従業員に期限を守ってもらうことで、企業運営に支障がないかどうかを判断できます。

    ただし、期限は合理的な理由のもと定める必要があります。たとえば希望日の1か月前などとしてしまうと、従業員は予定が組みにくくなり、有給休暇を取得しにくくなってしまうでしょう。そのため、一般的な期限として1週間程度で検討するのがおすすめです。

    期限後申請や事後申請の取り扱い

    有給休暇の申請ルールでは、期限後申請や事後申請に関する取り扱いについても定めておきましょう。原則としては事前申請であるものの、やむを得ない理由で申請期限を過ぎてしまった場合や事後申請を認めるべき場合もあるはずです。

    どのような場合に当日申請や事後申請などを認めるのかを明記しておきましょう。

    時季変更を行う場合

    有給休暇の申請に対して、企業側が時季変更権を行使する場合の内容についても、ルール化しておきましょう。

    労働基準法では、時季変更権を「事業の正当な運営を妨げる場合」に行使できるとしていますが、この表現はやや抽象的です。従業員に理解してもらうためにも、具体的な状況例などを明記しておきましょう。

    有給申請時に理由は必要ない

    有給休暇の取得において、理由がなければ取得できないということはないため、必ずしも申告時に理由を記載させる必要はありません。

    有給休暇取得の義務化は、労働者の心身の健康維持や労働生産性の向上が目的です。そのため、仮に申請時に理由を申告させる場合でも、企業側が拒否することはできないという点を理解しておきましょう。

    就業規則を変更したら従業員に周知する

    有給休暇の申請をルール化し、就業規則に記載する場合、何か変更点があった場合には、従業員に周知しなければなりません。

    有給休暇の申請については労働者にとってとくに身近な内容であるため、小さな変更や更新を行った場合にも周知を徹底しましょう。

    参照:『労働基準法 第106条』e-GOV法令検索

    有給休暇の申請方法

    有給休暇の申請は何日前? 理由やルールについて徹底解説

    有給休暇の申請方法としては、一般的に申請書やメールなどを用いて上司や担当者の承認を得る流れが一般的とされていました。

    しかし、近年ではシステムを活用した申請方法も浸透しています。どのような申請方法にしても、できるだけスムーズな申請ができるよう工夫したり、申請方法の手順などをわかりやすくまとめ、いつでも従業員が確認できる状態にしておくのがおすすめです。

    厚生労働省では、有給休暇の申請について、書面による申請のフォーマット例を公開していますので参考にしてみてもよいかもしれません。

    参照:『年次有給休暇申請書』厚生労働省福井労働局

    有給休暇の申請をメールで行う場合

    有給休暇の申請では、メールを使用する企業も少なくありません。メールで申請する際のポイントなどをご紹介します。

    内容を簡潔に書く

    有給休暇の申請をメールで行う場合は、件名や本文をわかりやすく記載することが大切です。件名には余計な文言は入れず、本文は結論から簡潔に伝えるようにしましょう。企業で項目などを定めている場合は、ルールに従い記載します。

    期限後申請や事後申請の場合は早めに行う

    有給休暇の申請について、期限後や取得後に申請したい場合は、できるだけ早い段階でメールを送るようにしましょう。とくに、急遽有給休暇を取得することになった場合などは、組織やチームに迷惑がかかる可能性があるため、注意しましょう。

    有給休暇をメールで申請する場合の例文

    有給休暇の申請をメールで行う場合の例文をご紹介します。とくに、当日の申請や事後申請の場合は、マナーとして具体的な理由や事情を伝える文章を添えておきましょう。

    <件名>
    有給休暇の申請【○○部○○課△△】

    <本文>
    ○○部○○課
    △△部長
    お疲れさまです。○○部○○課の△△です。
    以下の通り、有給休暇を申請いたします。

    【有給休暇取得希望日】
    日時:2月1日(木)
    理由:私用のため

    お忙しいところお手数をおかけいたしますが、
    何卒よろしくお願いいたします。
    <件名>
    有給休暇の当日申請【○○部○○課△△】

    <本文>
    ○○部○○課
    △△部長
    お疲れさまです。○○部○○課の△△です。
    昨夜から発熱しており体調がすぐれないため、
    以下のとおり本日を有給休暇を取得したくお願いいたします。

    【有給休暇取得希望日】
    日時:3月1日(金)
    理由:体調不良のため

    急な連絡となり、大変申し訳ございません。
    お忙しいところお手数をおかけいたしますが、何卒よろしくお願いいたします。

    有給休暇申請をシステムで行う場合

    有給休暇申請において、近年ではシステムを活用して行う企業も少なくありません。

    勤怠管理システムや有給休暇管理システムなどの機能として「有給休暇申請機能」が搭載されていれば、申請者本人から承認する担当者までの一連の流れがシステム上でスムーズに進み、効率化できるでしょう。

    有給休暇は、従業員ごとに付与されるタイミングも日数も異なります。管理が煩雑になりがちですが、システムを活用することで、一人ひとりの付与日数や消化日数などの自動計算もできるため、有給休暇の申請だけでなく管理そのものを効率化できるでしょう。

    有給休暇の申請や取得時に注意すべき点

    有給休暇を申請する際に、従業員はどのようなことに注意すればよいのでしょうか。具体的な注意点についてご紹介します。

    有給休暇取得を事前に相談・報告しておく

    有給休暇の申請を行う際には、事前に取得したい旨を上司や業務上影響のあるメンバーに相談・報告しておくのがよいでしょう。必ずしも必要ではありませんが、申請する前にひと言でも伝えておくと、業務を進めるうえで安心です。

    ただし、有給休暇は労働者の権利であるため、上司やメンバーが拒否したり否定したりしてはいけません。

    有給で不在になっても問題がないようにしておく

    有給休暇を取得する際は、当日不在になるため、業務に問題が生じないようあらかじめ準備したり必要な業務や連絡を済ませたりしておくと安心です。不在になることで、チームに支障が出ないようにしておきましょう。

    休暇取得日までにできるだけ余裕を持つ

    有給休暇の申請は、余裕をもって申請しましょう。就業規則でルールが定められている場合は規則にのっとれば問題ありませんが、早い段階で取得する予定がわかっている場合は、早めに申請を済ませておくとよいでしょう。

    有給休暇取得の権利を主張しすぎない

    有給休暇は労働者の権利であるため、取得することに問題はありません。しかし権利を主張しすぎた場合、周囲からの心象はよくないかもしれません。申し訳なく思う必要はないですが、当然のような立ち振る舞いはできるだけ避けた方が無難でしょう。

    有給休暇申請の期限超過や事後申請は就業規則を確認する

    有給休暇申請の申請期限を過ぎてからどうしても取得しなければならない場合や当日申請、やむを得ない事情で事後申請となる場合は、まずは就業規則を確認しましょう。就業規則で定めがない場合は、念のため上司や担当者に確認しましょう。

    有給休暇申請を断られた場合の対処法

    有給休暇の申請をした際に、断られる場合もゼロではありません。しかし労働基準法では有給休暇を拒否することはできないとしています。

    そこで、申請を断られた場合の対処法についてご紹介します。

    有給休暇申請を断った理由を尋ねる

    有給休暇の申請を断られてしまった場合、何かしらの理由があるかもしれません。まずは上司や担当者などに理由を尋ねてみましょう。

    別日に取得できるか確認する

    有給休暇の申請を断られた場合、理由にもよりますが、別の日に取得できるかどうかを確認してみましょう。

    有給休暇の取得について、企業側は事業運営に支障が出る場合は日にちを変更してもらう「時季変更権」をもっています。繁忙期や業務上大きな支障が出ると判断されている可能性もあるため、別日での取得は問題ないかどうかを確認しましょう。

    また、企業側は労働者の有給休暇の取得を拒否できないため、別の日も断るということはしないようにしましょう。

    有給休暇の取得を拒否される場合は労働組合などに相談する

    有給休暇の取得は労働者の権利であるため、時季変更権の行使以外では拒否することで労働基準法違反となり、罰則が科せられます。

    どうしても拒否される場合は労働組合に相談しましょう。また、労働組合がない場合や相談しにくい場合は、労働基準監督署などに相談しましょう。

    まとめ

    有給休暇の申請は、取得する際に原則必要とされています。労働基準法では、申請について期限や特定の書式がないため、企業が定めた方法で申請します。そのため企業では申請に関するルールを設け、就業規則などに明記しておくとよいでしょう。

    申請ルールについては、

    • 申請方法
    • 申請期限
    • 期限後申請や事後申請の取り扱い
    • 時季変更を行う場合

    などを定めておくと、混乱やトラブルの防止にもなるはずです。申請に関するルールを就業規則で定めた場合は、変更したときに必ず従業員に周知しましょう。

    また、企業側は申請ルールの徹底に努めることはもちろんですが、有給休暇の取得を拒否することはできません。時季変更権などの意味合いなどもあわせて理解し、法令遵守を徹底しましょう。

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