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タイムカードをエクセルで作成・管理する方法|労働時間を効率的に集計する関数も紹介

タイムカードをエクセルで作成・管理する方法|労働時間を効率的に集計する関数も紹介

タイムカードの打刻された内容から労働時間を計算するとなると、終業時刻から始業時刻を差し引き、休憩時間も考慮に入れたりと、何かと手間がかかります。そこで企業が活用しているツールがエクセルです。タイムカードとエクセルを組み合わせると、より効率的な勤怠管理が実現できるでしょう。

本記事では、エクセルでタイムカードを作成する方法や管理方法について解説します。

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    タイムカードをエクセルで管理することは可能?

    タイムカードのエクセル管理は、多くの企業で取り入れられている方法です。

    エクセルの集計機能は勤怠管理に役立つ

    エクセル「データの集計」を得意とするツールです。出勤時刻や退勤時刻、休憩時間などのデータをエクセル上に記録すると、従業員ごと、期間ごとの勤怠情報を容易に集計できます。

    簡単な関数が使えれば対応できる

    エクセルには多くの機能があり、すべてを使いこなすのはなかなか手間のかかる作業です。しかし、勤怠管理だけなら、ごく簡単な関数が使えれば容易に対応できます。難しい関数やマクロを勉強しなくても取り入れられるため、スムーズな導入を実現できるでしょう。

    タイムカードをエクセルで管理するメリット

    タイムカードをエクセルで管理するメリットは、以下の4つです。

    • 業務負担を軽減できる
    • カスタマイズ性が高い
    • 社内での共有がしやすい
    • 導入コストを抑えられる

    それぞれのメリットについて、詳しく解説します。

    業務負担を軽減できる

    エクセルの関数機能を活用すると、労働時間の計算を自動化できます。これまで手動で集計・計算していた場合は、業務負担を大きく軽減できるでしょう。

    カスタマイズ性が高い

    カスタマイズ性の高さも、エクセルを活用する魅力です。エクセルなら、関数やマクロを使って自分たちが使いやすいようにカスタマイズできます。

    便利な機能を活用すると、さまざまな就業形態や勤怠ルールにも対応できるでしょう。運用が変わった際も、変更を加えやすいのがポイントです。

    社内での共有がしやすい

    エクセルを用いた集計結果は電子データなので、メールやチャットで気軽に送信できます。社内での共有がしやすいため、業務がより円滑に進むでしょう。

    また、紙の資料と異なり保管場所にも困らず、汚損の恐れもありません。

    導入コストを抑えられる

    勤怠管理の専用システムは便利ですが、導入コストがかさみます。多額の初期費用が必要なため、導入をためらっている企業も多いでしょう。

    一方、エクセルは勤怠管理システムと比べて導入コストを小さく抑えられます。普段の業務でエクセルを使用している会社なら、追加コスト不要で勤怠管理をスマートに進められるでしょう。

    タイムカードをエクセルで管理するデメリット

    タイムカードのエクセル管理にはさまざまなメリットがある一方、いくつかのデメリットも存在します。

    • ヒューマンエラーが起こりやすい
    • 法改正に対応しきれない
    • 勤務時間を改ざんされるリスクがある

    ヒューマンエラーが起こりやすい

    エクセルの関数を用いると、労働時間の集計は自動化できます。

    しかし、始業時間や終業時間などのデータは、手入力が必要です。そのため、エクセルを導入しても、入力ミスや転記ミスなどのヒューマンエラーが起こる恐れは依然としてあります。

    法改正に対応しきれない

    労働関連の法律は、頻繁に改正されています。法改正があった場合、タイムカードの記載方法や計算方法などを都度変更しなければなりません。担当者がエクセルに変更を加える必要があるため、対応しきれない場面も出てくるでしょう。

    勤務時間を改ざんされるリスクがある

    従業員が個別に出勤・退勤時間を入力するシステムとする場合、勤務時間を改ざんされるリスクはゼロではありません。特に、近年はリモートワークが普及しているため、勤怠情報の改ざんを把握しにくい側面があります。

    エクセルでタイムカードを管理する2つの方法

    エクセルでタイムカードを管理する方法としては「無料のテンプレートを使用する」「勤怠管理用のエクセルを自作する」という2つの方法が考えられます。

    無料のテンプレートを使用する

    タイムカード機能を備えたエクセルテンプレートは、多数提供されています。無料でダウンロードできるものも少なくないため、手軽に始められるのがメリットです。

    ひと通りのフォーマットや計算の仕組みができあがっているので、ダウンロードしたあとは、数値を入力するだけですぐに使い始められます。エクセルの表作成や関数に慣れていない企業におすすめの方法です。

    勤怠管理用のエクセルを自作する

    エクセルの表作成にある程度慣れている場合は、勤怠管理用のエクセルを自作するのもおすすめです。自社に合わせた柔軟なカスタマイズが可能なため、さまざまな雇用形態や社内規則に対応しやすいでしょう。

    タイムカードをエクセルで管理する具体例

    タイムカードのエクセル管理は、主に以下の3パターンに分けられます。

    • 勤務時間のみ集計する場合
    • 出退勤を記録し、合計労働時間を集計する場合
    • 記録から給与計算まで一貫して行う場合

    それぞれのパターンについて、詳しく解説しましょう。

    例1.勤務時間のみ集計する場合

    月の終わりに管理者が従業員のタイムカードを回収し、エクセルに転記する方法です。打刻された始業時間や終業時間などのデータから、エクセル上で労働時間を計算・集計します。最終的な給与計算は、専用ソフトを用いて行います。

    例2.出退勤を記録し、合計労働時間を集計する場合

    エクセルがタイムカードそのものを兼ねるパターンです。日々の出退勤は、従業員に個々のエクセルファイルを配布することで個別に記録してもらいます。

    そして、月の終わりに管理者にデータを集約し、それぞれの労働時間を集計する方式です。

    例3.記録から給与計算まで一貫して行う場合

    エクセル上で出退勤の記録から労働時間の集計、給与計算まで一貫して行う方法です。

    エクセルがタイムカードそのものを兼ねるパターンに加えて、個々の給与を自動で計算するシートを用意します。なお、同一シート内で計算まで完了できるようなフォーマットも作成できます。

    【実践】タイムカードをエクセルで自作する方法

    タイムカードをエクセルで自作する方法を解説します。

    今回ご紹介するのは、例3でご紹介した「出退勤の記録から給与計算までを行えるエクセル」の作成方法です。集計や計算のため、実際に使用する関数を解説します。

    自社の運用に合わせて、必要なステップまで参考にしてください。給与を専用ソフトで計算する場合は、STEP2までが役に立つでしょう。

    STEP1.勤務時間を自動計算できるようにする

    1日あたりの実労働時間は「退勤時間-出勤時間-休憩時間」の式で計算できます。下記のように日付と出勤時刻・退勤時刻・休憩時間の項目を設定し、労働時間を自動計算できるようにするとよいでしょう。

    ABCDE
    1日付出勤時刻退勤時刻休憩時間労働時間
    21日9:3018:301:008:00
    32日
    43日

    たとえば、1日の労働時間は、E2のセルに「=C2-B2-D2」という関数を設定することで自動計算できます。そのほかの日にも、同様に設定しておきましょう。

    STEP2.1か月の勤務時間を集計できるようにする

    次に、1か月の合計労働時間を自動で集計できるような仕組みを整えます。

    下記の場合、E32のセルに「=SUM(E2:E31)」という関数を設定すると、1か月の労働時間を自動計算できます。SUM(E2:E31)とは、「E2からE31までのセルをすべて合算する」という意味です。

    なお、時間表示のままでは正確な値が表示されないため、セルの書式設定から「ユーザー定義」を選択し「[h]:mm:ss」に変更しておきましょう。

    ABCDE
    1日付出勤時刻退勤時刻休憩時間労働時間
    2928日9:3018:301:008:00
    3029日9:3012:303:00
    3130日9:3018:301:008:00
    3229:00:00

    STEP3.給与額を自動計算できるようにする

    給与額は「合計勤務時間×時給」で計算できます。

    ただし、エクセルでは「24時間=1日」として扱われるため、「合計勤務時間×時給×24」と設定しなければなりません。仮に労働時間が48時間だった場合、エクセル上では「2(日)」という数値として扱われてしまうため、時間換算の数値に戻す必要があるのです。

    たとえば、以下の場合は、E34のセルに「=E32*E33*24」と設定します。

    ABCDE
    1日付出勤時刻退勤時刻休憩時間労働時間
    2928日9:3018:301:008:00
    3029日9:3012:303:00
    3130日9:3018:301:008:00
    3229:00:00
    33時給1,200
    34給与額34,800

    タイムカードをエクセルで管理する際の注意点

    タイムカードをエクセルで管理する際は、以下の2点に注意しましょう。

    • 出退勤時間は労働日ごとに確認する
    • エクセルとシステムの連携に注意

    出退勤時間は労働日ごとに確認する

    『労働安全衛生規則』には「従業員の労働時間の客観的な記録による把握が使用者の義務」という内容が明記されています。客観的な記録による把握とは「使用者(管理者)が、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を適正に確認・記録すること」です。

    給与計算は月ごとに行われるケースが一般的です。しかし、1か月に一度まとめて確認すると作業が煩雑になり不十分といえるでしょう。従業員の出退勤時間は、労働日ごとに確認することが大切です。

    参照:『労働安全衛生規則』e-Gov法令検索

    エクセルとシステムの連携に注意

    勤怠管理のシステムを導入する際は、エクセルと連携できるかどうか確認しましょう。「普段の管理はエクセルで、給与計算は給与計算ソフトを使用したい」というケースはよくありますが、場合によっては完全な連携が困難なこともあります。

    勤怠管理のシステムを導入するなら、給与計算と勤怠管理を1つのデータベースで管理しているサービスを選ぶと便利です。

    タイムカードのエクセル管理は効率的に

    タイムカードの集計には、エクセルを活用している企業もあるでしょう。便利な関数を用いれば、労働時間の集計から給与計算まで、労務管理の手間を大きく軽減できます。導入コストを抑えられる、手軽に始められるという点もメリットです。

    一方で、ヒューマンエラーが起こりやすい、法改正に対応しきれないというデメリットもあります。エクセル管理のメリット・デメリットを両方踏まえたうえで、自社に最適な方法を選択しましょう。

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