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OKRとKPIの違いとは|MBOとの違いや運用のポイントも解説!

OKRやKPIは、会社や組織の目標を達成するために管理するための手法です。「両者の違いを理解できていない」「OKRやKPIどちらを導入すべきかわからない」と感じている経営者や人事担当者もいるでしょう。

そこで本記事は、OKRとKPIという2つの目標管理手法を解説しながら、運用のポイントについても紹介していきます。自社にとって最適な目標管理の方法を探している場合は、ぜひチェックしてみてください。

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    OKRとは

    OKRとは、Objectives KeyResultsの略であり「ひとつの目標(O)」と「主な結果(KR)」の意味を持ちます。

    目指したいひとつの目標とともに複数の結果が付随するような目標管理方法です。目指したいひとつの目標を達成するために必要な結果を設定し、各部署や個人レベルに必要な業務や役割を割り振っていきます。

    Objectives

    Objectivesは、組織が最終的に目指すゴールであり、従業員のモチベーションが上がるような内容で設定するのがポイントです。また、Oは定性的な内容である点も特徴です。

    KeyResults

    KeyResultsは、ひとつの目標であるObjectivesを達成させるために必要な成果として設定します。

    Objectivesが定性的な内容であり、数値で達成度合いを測定することが難しいため、KeyResultsを定量的な内容で設定します。KeyResultsを測定すると、Objectivesの進捗も測れるということになります。

    KPIとは

    KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」の意味合いを持ちます。

    KPIは最終的にプロジェクトのKGI(Key Goal Indicator=重要目標達成指標)を達成するために必要な中間目標として設定します。そのため、最終的な目標であるKGI達成のためにはKPI達成が必須であるという関係性が成立します。

    KPIはKGIを達成するための過程において重要な指標となる存在といえるでしょう。

    OKRとKPIの違い

    OKRとKPIにはどのような違いがあるのでしょうか。両者の違いとともに、混同しやすいMBOについても解説します。

    目的

    OKRKPI
    会社の意思統一や生産性の向上など
    プロジェクトの目標達成やプロセスの確認

    設定方法

    OKRKPI
    定性(O)と定量(KR)
    定量

    個人目標の共有範囲

    OKRKPI
    社内全体
    プロジェクトやチーム内

    目標達成率

    OKRKPI
    60~70%程度
    100%

    サイクル

    OKRKPI
    1~3か月(1か月~四半期)
    プロジェクトによって変動

    混同しやすいMBOとは

    OKRやKPIと混同しやすいものとして「MBO(Management By Objectives=目標管理制度)」が挙げられます。

    MBOの特徴
    評価目標に対する評価を半年から1年程度の目安で実施
    目標の達成度定性や定量を組み合わせる場合やどちらか一方の場合も
    共有範囲上司と本人など、限定された者で共有
    目標達成率100%以上の達成率
    サイクル半年~1年

    MBOの目的は、業績達成や業績評価を行うために活用される目標管理制度です。

    OKRの目的は会社の意思統一や従業員のモチベーション向上、組織連携や生産向上とされており、KPIの目的は、プロジェクトの目標達成を目的としたものです。そのため、OKRやKPIとMBOでは目的が大きく異なると認識してよいでしょう。

    OKRを設定するメリット

    OKRを活用するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。具体的なメリットをご紹介します。

    目標の設定や変更が簡単

    OKRは、O自体はシンプルなものとして設定され、KRはOの達成に必要なものを逆算することになるため、スムーズに設定できるでしょう。また、四半期など比較的短い期間での目標設定であるため、状況に応じて調整や変更など柔軟な対応がしやすくなります。

    社員にビジョンが浸透しやすい

    OKRでは、最終的に達成したい会社目標を明確にすることで、従業員全員が理解し、自分のこととして意識できるようになります。また、ひとつの目標を組織全体で追っていくと、目標達成に対する団結力が生まれやすくなるでしょう。

    部署を超えた連携で組織としても成長

    OKRでは、最終的にはひとつの目標を達成するために業務に取り組みます。そのため、異なる部署間であっても、目標達成のためにコミュニケーションを取る場面も出てくるでしょう。

    部署を超えたコミュニケーションが取りやすくなるので、目標のために協力し合う環境が育まれ、組織の成長にもよい影響が生まれます。

    業務の優先順位が明確になる

    OKRは、会社としての目標と必要な成果が明確になるため、優先度を理解して業務に取り組むことにつながります。最終的な目標達成のために、従業員が何から優先すべきかという点がわかりやすくなるでしょう。

    社員のエンゲージメント向上が期待できる

    OKRは、目標を社内全体で共有して目標達成に向けて動くため、会社としての団結力や連帯感が生まれます。

    その結果、従業員一人ひとりが「会社の目標達成のために」という意識が強くなり、会社への貢献意欲も育みやすくなるでしょう。

    KPIを設定するメリット

    KPIを活用するメリットとして具体的な点をチェックしてみましょう。

    目標の明確化と意思統一

    KPIを設定するとプロジェクトの目標を理解し、意思を統できます。さらに、細分化する個人目標についてもKGI達成のために必要なものとして設定することで、プロジェクトにおける目標達成のための意思統一が期待できるでしょう。

    目標達成までのプロセスを可視化

    KPIを設定することで、目標達成までのプロセスをわかりやすく可視化できます。目標達成のために、どのようなプロセスを経由すればよいかを見える化できるため、従業員のやるべきことがわかりやすくなるでしょう。

    評価基準の統一

    KPIでは、定量的な目標を設定することで評価基準を統一できます。評価基準が統一されることによって、従業員の納得感が得られ、公平な評価にもつながるでしょう。

    組織力強化やモチベーション向上

    KPIとして達成したい目標をプロジェクトやチームで共有すると、モチベーション向上も期待できます。目標達成の進捗に遅れや問題が生じた場合も、プロジェクトや部署内で把握することで改善に向けた取り組みができれば、組織力の強化につながるでしょう。

    OKRとKPIは結局どちらがいいのか?

    OKRとKPIを比較したうえで、どちらがよいかという答えはありません。あくまでも企業の考え方や状況によっても異なるからです。

    一般的な捉え方としては、会社の大きな目標を達成させたい、組織強化をしたいという場合にはOKRを、プロジェクトを成功させたいという場合にはKPIを選択するとよいでしょう。また、OKRとKPIは絶対にどちらかひとつしか選択できないというわけではありません。

    両者をうまく組み合わせながら運用するのもよいでしょう。

    OKRを実施する手順やステップ

    OKRを実施する手順について、具体的なステップをご紹介します。

    手順1:目標(O)を設定する

    OKRを実施する際は、会社として最終目標とする定性的な目標(O)を設定します。

    年間のOKRを立てたうえで、逆算や調整を行いながら四半期のOKRを設定しましょう。誰でも理解できるよう、できるだけわかりやすい表現や言葉を使って設定するのもポイントです。

    手順2:成果(KR)を設定する

    OKRとして、ひとつの目標に対して必要な成果を設定します。

    KRの数が多すぎると、業務や部署間の連携、目標達成に支障が出る可能性があるため、少なすぎず多すぎない数(2~5個程度)で設定しましょう。

    手順3:OKRの内容を共有する

    OKRで重要なステップともいえるのが、OKRとして設定した内容を社内に共有することです。これは、会社として追う目標を従業員がいつでも確認できるようにするためです。

    従業員の理解が深まることで、より会社の目標のために取り組むように促せるでしょう。

    手順4:細分化してOKRを設定

    会社全体として追いたい内容を設定したあと、部署やチームで細分化してそれぞれの目標を設定します。各部署や個人でOKRを立てる際も、会社目標を達成できるか、部署目標を達成できるかを踏まえて設定するようにしましょう。

    手順5:進捗確認の実施

    OKRを実施する中で、定期的な進捗確認も怠らないようにしましょう。実施頻度としては、毎週や隔週、月に1回など、企業や状況によっても異なります。

    進捗確認をすることで、上司とのコミュニケーションを促進できます。柔軟に対応しながら定期的な確認をするようにしましょう。

    手順6:成果を測定し、評価する

    OKRの期間が終了したら、定量的な目標であるKRを測定したうえで達成度を評価します。達成率の目安として70%を超えていれば目標達成とみなしてよいでしょう。

    OKRを効果的に運用するためのポイント

    OKRを効果的に実施するために、重要なポイントをご紹介します。

    定期的な進捗確認やミーティングを行う

    OKRでは、定期的な進捗確認やミーティングの場を設けるようにしましょう。単純な進捗報告会にするのではなく、よかった点や課題点なども伝え合い、目標達成に向けてより意識を強化するような場にすることが重要です。

    従業員が理解できる目標を設定する

    OKRを設定する際は、達成が難しいような高いレベルの目標を設定するのがポイントでもあります。ただし、到底達成できないような目標を設定するのは従業員のモチベーション低下につながるため、避けなくてはなりません。

    従業員が理解できて納得感のある目標を設定するよう、経営層からのトップダウンとするのではなく、従業員の声にも耳を傾けながら最適な目標設定を心掛けましょう。

    失敗しやすい原因を把握しておく

    OKRを実施する際は、あらかじめ失敗しやすい要因を把握しておくのが重要です。特に、高すぎる目標や、会社と従業員の方向性のズレなどは従業員のモチベーション低下につながるため、注意が必要です。

    また、人事評価が下がることを危惧して低い目標を設定してしまうケースも考えられるため、OKRと人事評価とはできるだけ切り離すようにしましょう。

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    タレントマネジメントシステムは、企業に属する従業員のデータを集約しながら、経営目標の実現や戦略人事の実行を目的として、さまざまな人事施策に役立てられるシステムです。

    目標管理や評価制度を効率化する場合にも、タレントマネジメントシステムが活用できます。

    タレントマネジメントシステムの中には、目標を管理する機能や複数の評価制度を管理することが可能なものもあります。従業員データを管理しながら、さまざまな機能を活用することで戦略的人事の実行が実現できるでしょう。

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    まとめ

    OKRとKPIの大きな違いは、目的です。両者の目的が異なるため、設定方法や共有範囲、サイクルなども異なります。企業としてどちらを導入すべきかという点は、OKRとKPIにそれぞれの特徴があるため、一概にはいえません。

    企業や組織としての目的を踏まえながら、どちらを運用するのか、両者を組み合わせて運用するのかを検討してみましょう。目標や評価の管理について課題を感じている場合は、タレントマネジメントシステムの活用もおすすめです。

    タレントマネジメントシステムは、従業員データの一元管理だけではありません。目標や評価の管理機能をはじめとした、戦略的な人事施策の実行に役立つ機能が搭載されているため、ぜひチェックしてみてください。