テレワーク下の人事評価は難しい?【課題と対策】適切な方法やポイントを紹介

テレワークが広がるなか、人事評価の運用に悩む企業が増えています。対面で働く機会が減ったことで、従業員の勤務状況や成果、チーム貢献が見えにくくなり、評価の公平性や納得感が損なわれるケースも少なくありません。
本記事では、テレワーク下で人事評価が難しくなる理由と、課題を解消するための対策を紹介します。公平で納得感のある評価制度の整備に向け、見直しのポイントを確認しましょう。
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目次[表示]
テレワーク下の人事評価はなぜ難しい?
テレワークを導入すると、人事評価が難しいという声をよく耳にします。その理由には主に次の3つが関係しています。
- 勤務態度が見えにくい
- 勤務状況を把握しにくい
- 成果につながる行動がわかりにくい
テレワークでは、対面コミュニケーションがとれないため、従業員の勤務態度や成果が不明瞭になりがちです。とくに数値化できない「定性評価」がしにくくなるため、人事評価が困難だと感じるようです。
テレワーク下の人事評価の課題
テレワーク下における人事評価を適切なものにするためには、課題を解決しなければならないと考える人も多いでしょう。テレワーク下の人事評価の課題として、一般的に次の5つが挙げられます。
勤務態度やコミュニケーションの不明瞭さ
オフィス勤務では、上司が部下の働きぶりや勤務態度を直接見られますが、テレワークではそれらを正確に把握できません。従業員一人ひとりの業務へのモチベーションや勤怠、ほかのメンバーとのコミュニケーション状況などが見えにくい傾向にあります。人事評価で必要とされる定性評価が行いにくいことは、テレワークの人事評価における課題の一つといえるでしょう。
職場ごとの評価基準のばらつき
テレワーク下の人事評価でも、従業員の成果だけでなくプロセスも評価されるべきでしょう。しかし、テレワーク下では部下の働きぶりが見えにくいため、評価者によって評価基準にばらつきが発生する可能性があります
たとえば、Aさんは少ない判断材料をもとに被評価者のプロセスを評価したとします。一方Bさんは、テレワーク環境では正しく評価できないと割り切って、プロセスを加味しないという判断をすることもあるかもしれません。評価者ごとに基準が異なると、企業全体で公平な評価が行えなくなってしまうでしょう。
評価プロセスの滞り
評価者が複数いる場合、テレワーク下における人事評価はさらに複雑になります。人事評価は1人の従業員に対し、直属の上司、さらにその上位の役職者、人事担当者などさまざまな人の間で情報を共有しながら進めることが多いでしょう。
テレワーク下では、オフィスに全員がそろっているときのように気軽に相談ができず、なかなか人事評価を終えられない可能性があります。
評価シートの回収による遅れ
テレワーク下で人事評価を進めるとき、必要な書類のやりとりが遅れてしまうおそれもあります。人事評価を紙の書類で運用している場合は特に、出社がまばらで回収が滞ったり、通常より集計に時間を要したりするので不便でしょう。そのため、評価や手続きに遅れが生じてしまいます。
環境の不備による不正確な判断
テレワーク下の人事評価では、個々の業務環境が異なるため、職務遂行能力を正しく判断できない場合があります。たとえば一時的なネットワーク不備で、進捗や結果の報告が遅れてしまうこともあるでしょう。
本人は円滑に業務を遂行していたとしても、インフラ不備によって納期が遅れてしまえば、評価者は「納期に遅滞があった」という事実で評価してしまうかもしれません。

テレワーク以前から根底にあった人事評価の課題
ここまでテレワーク下での人事評価の難しさについてご紹介しました。しかし、それらの課題を解決すると、適切に人事評価を行えるのでしょうか。
実際にはテレワークが普及する以前から、人事評価にさまざまな課題を抱えている企業も少なくありません。たとえば、必ずしもテレワークが原因とは限らない人事評価の課題には、次のようなものが挙げられます。
- 人事評価に工数がかかっている
- 自社の現状と人事評価制度が合致していない
- 評価制度の内容が浸透していない
- 明確な評価基準が定まっていない
- 評価者ごとに評価指標にばらつきがある
- 評価に見合った待遇を設定していない
- 評価結果が具体的に説明されていない
こうして見てみると、このような課題は「テレワークを導入したから」という理由で発生したわけではないはずです。そもそも自社にはこのような課題があったということを認識しなければなりません。ここで挙げたのはほんの一部です。
まずは自社の人事評価制度にどのような課題があるのかを列挙してみるとよいでしょう。そのときに「テレワークだから発生した課題なのか、その前から発生していた課題なのか」で分けて考えることをおすすめします。

テレワークにおける人事評価の成功事例
テレワークを導入したばかりの企業は「新たな環境下における人事評価は困難だ」「今までのような人事評価はできない」と考えてしまうかもしれません。しかし、実際にテレワーク下でも人事評価を成功させている企業もあるのです。ここでは、テレワークにおける人事評価の成功事例を3つ紹介します。
カルビー株式会社
カルビー株式会社では、2009年よりテレワーク制度を段階的に導入してきました。現在ではモバイルワークの標準化とフルフレックス導入により、多様な働き方を推進しています。同社では「ワークライフバランス」を重視しつつ、成果主義の観点から、年間の業務目標に応じた絶対評価を基本に人事評価を実施しています。
日産自動車株式会社
日産自動車株式会社は、2014年から製造工程以外の全従業員を対象にこれまで月1回だった在宅勤務制度の利用上限を40時間へと変更しました。また、上司への申請期限を「在宅勤務利用の前月まで」から「前日まで」に変更し、よりテレワークを活用しやすくしています。テレワークでもオフィス勤務と同様に、パソコンへのログイン記録によって勤怠を管理しているほか、在籍状況を確認できるツールを活用して、遠隔でも従業員の勤務状況を把握する工夫をしています。
株式会社SiM24
株式会社SiM24は、解析シミュレーションに関する高度な知識を持った優秀な人材の確保と継続雇用を目的に、テレワークでも柔軟な働き方ができる環境を整備しています。同社では、週ごとの報告とアウトプットの管理を徹底することを前提に、勤務時間と成果物のバランスを業務評価に反映しています。
テレワークに適した人事評価の方法
自社でテレワークを導入する際、どのような人事評価が適しているのでしょうか。ここでは、テレワークに適した人事評価の方法をご紹介します。以下のポイントを押さえて、自社の人事評価をよりよいものへ再構築してみてはいかがでしょうか。
評価項目・基準を明確にする
テレワーク下の人事評価では、評価基準が不明瞭になりやすいため、項目基準の明確化がより重要です。評価者によって判断にばらつきがあると、公平な人事評価とはいえず、従業員の不満の温床になってしまう可能性もあります。
不公平な人事評価を防ぐために、テレワークに合わせた評価項目を設定することが大切です。たとえば、定期的なオンラインミーティングで顔を合わせて面談し、成果に至るプロセスも評価すると従業員の納得度を高めることにつながります。定量評価とあわせて、自社に必要な評価項目を設定しましょう。統一的な評価基準で効率的に評価を運用するなら、専用システムの導入も一案です。
IT環境を整える
テレワーク下において適切な人事評価を実施するには、上司と部下で定期的なコミュニケーションが欠かせません。円滑なコミュニケーションには、ITツールの活用が役立ちます。
テレワーク下でも、ビデオ会議などで対面コミュニケーションをはかり、目標達成や仕事のフローについて話し合うといいでしょう。全社共通のチャットツールや通話アプリ、ビデオ会議ツールなども有効です。
また、業務効率化を促進させるために、タスクやリソース管理ツールの導入を検討するといいかもしれません。人事労務部門においては、人事評価情報をほかの従業員情報と紐づけて一元管理できる人事評価システムの導入がおすすめです。
MBO(目標管理制度)を導入する
テレワーク下において適切な人事評価を行うには、目標管理の仕組みを導入するのも有効です。たとえばMBO(目標管理制度)を導入すると、従業員は一人ひとり明確な目標を設定し、それを達成するために自律的に行動できるようになるでしょう。特にMBOは定期的にフィードバックの場を設ける必要があるため、オンライン勤務でも頻繁にコミュニケーションを取り合います。また、目標達成に向けて上司がサポートするので、テレワーク下で抱きがちな従業員の孤独感も解消されるでしょう。
セルフアセスメントを行い上司・部下間で共有する
テレワーク下で適切な人事評価を実現するためには、従業員によるセルフアセスメントも重要なポイントです。上司は部下に対し、テレワーク下での仕事に対する自己評価を通じて、自分自身の能力や強み・弱みを明確にするように指導しましょう。
また、セルフアセスメントは本人だけで完結させるのではなく、上司・部下の間で共有するようにします。定期的に1on1ミーティングを実施し、自己評価と上司の評価に乖離(かいり)がないかを確認し合うとよいでしょう。
テレワーク下の人事評価に活用したいツールとは
テレワークでは、従業員の目標進捗や日々の行動が見えにくく、評価者の主観に偏るリスクもあります。そこで活用したいのが、課題に即したITツールの活用です。
コミュニケーション課題にはチャットツールやビデオ会議ツール、勤務状況の不明確さにはタスク管理ツールや勤怠管理システムがおすすめです。
さらに評価プロセスを可視化し、データで公正に判断できる環境を整えたいなら、タレントマネジメントシステムや人事評価システムが適しています。
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タレントマネジメントシステムOne人事[タレントマネジメント]は、テレワーク環境での人事評価運用にも役立ちます。従業員の目標設定・評価シート・1on1の記録をクラウド上で一元管理し、評価の透明性を保ちつつ、上司と部下の認識あわせが可能です。
▼また、テレワークで閉ざされがちな、社内コミュニケーションの活性化にも役立てている企業事例もあります。
在宅勤務やハイブリッド勤務でも、評価者と被評価者が同じ基準で話し合える環境を整えられるでしょう。
公平で納得感のある評価運用を実現したい企業は、ぜひ導入を検討してみてください。
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まとめ
テレワーク下では人事評価の公平性が課題になりがちですが、評価基準の明確化や仕組みの工夫によって、納得感を高めることができます。あわせて評価制度を見直し、オンラインでも評価の透明性を保てる体制を整えておくことが重要です。
その際は、評価フローの可視化や情報共有を支援するシステムの活用も検討をおすすめします。システムやツールの導入を視野に入れて、人事業務全般を効率化していきましょう。
