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雇用保険資格喪失届は従業員の離職時に必要! 記入例や注意点などを解説

従業員が雇用保険被保険者資格を失った場合、企業は『雇用保険被保険者資格喪失届』を提出しなくてはなりません。本記事では、雇用保険被保険者資格喪失届の概要や提出が必要な理由、記入例、添付書類、注意点などについて解説します。

※本記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

雇用保険資格喪失届は従業員の離職時に必要! 記入例や注意点などを解説
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    雇用保険被保険者資格喪失届とは

    まず、雇用保険被保険者資格喪失届の概要について解説します。必要なタイミングや条件について理解を深めておきましょう。

    雇用保険被保険者資格喪失届はいつ必要?

    雇用保険被保険者資格喪失届は、従業員が雇用保険の被保険者ではなくなった際に必要な書類です。基本的には従業員の退職時に提出しますが、それ以外にも提出すべきときがいくつかあります。

    提出先は、管轄のハローワークです。雇用保険被保険者資格喪失届の提出内容は、従業員の失業手当にも影響します。

    雇用保険被保険者資格の条件

    従業員が下記の条件を満たしている場合、企業は雇用保険に加入させなければなりません。

    • 31日以上雇用される見込みがあること
    • 所定労働時間が週20時間以上であること

    また、昼間の学生は雇用保険の対象になりませんが、以下に該当する学生は被保険者の対象です。

    • 卒業見込証明書を有する者であって、卒業前に就職し、卒業後も引き続き当該事業に勤務する予定の者
    • 休学中の者(事実を証明する文書が必要)
    • 大学の夜間学部・高等学校の夜間または定時制課程の者
    • 事業主の命により、または事業主の承認を受けて(雇用関係を存続したまま)大学院などに在学する者
    • 一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に在学する者であって、同種の業務に従事するほかの労働者と同様に勤務し得ると認められる者(事実を証明する文書が必要)

    参考:『被保険者に関する具体例』厚生労働省

    従業員が上記の条件を満たさなくなった際には、雇用保険被保険者資格を失うため、雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。

    雇用保険被保険者資格喪失届が必要なシーン

    雇用保険被保険者資格喪失届が必要なシーンについて解説します。どのような場合に書類を出すべきなのか、正確に把握しておきましょう。

    退職以外で雇用保険被保険者資格喪失届が必要な場合

    雇用保険被保険者資格喪失届が必要なシーンは、主に従業員が退職したときです。しかし、退職以外でも必要になる場合があります。

    雇用保険被保険者資格喪失届が必要となる具体的な場面は、下記の通りです。

    • 所定労働時間が週20時間未満となった場合
    • 従業員が死亡した場合
    • 従業員が役員になった場合
    • 他事業所へ出向する場合

    所定労働時間が週20時間未満となった場合

    従業員の所定労働時間が週20時間未満の場合は、雇用保険被保険者資格喪失届の提出が必要です。ただし、一時的に20時間未満となっただけなら、提出する必要はありません。

    従業員が死亡した場合

    雇用している従業員が何らかの事情で死亡した場合は、雇用保険被保険者資格喪失届の提出が必要です。従業員が死亡すると、被保険者としての資格は自動的に喪失するためです。

    従業員が役員になった場合

    従業員が企業の役員になった際には、雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。役員は企業と雇用関係にはなく、雇用保険被保険者資格を持たないためです。

    ただし、支店長や工場長など労働者的性格が強い役職を兼務するなど、明確な雇用関係にある役員は被保険者のままです。

    他事業所へ出向する場合

    従業員が他事業所へ出向する場合は、出向先で雇用保険被保険者資格を再取得するため、退職時と同じく雇用保険被保険者資格喪失届を提出します。ただし、雇用元が変更されない場合は提出不要です。

    雇用保険被保険者資格喪失届の記入方法

    雇用保険被保険者資格喪失届の記入方法について解説します。様式や記入項目をあらかじめ確認しておきましょう。

    雇用保険被保険者資格喪失届の様式

    雇用保険被保険者資格喪失届には、決められた様式(フォーマット)があります。フォーマットは、ハローワークの公式ホームページでダウンロード可能です。ハローワークでも配布されているほか、電子申請も可能です。

    雇用保険被保険者資格喪失届は、従業員が被保険者ではなくなった翌日から数えて10日以内にハローワークへ提出しなければならない点に注意しましょう。

    参考:『雇用保険被保険者資格喪失届』ハローワークインターネットサービス

    雇用保険被保険者資格喪失届の記入項目

    雇用保険被保険者資格喪失届の記入項目は、下記の通りです。なお、被保険者が外国人の場合には、下記の項目のほかに在留期間などの記載も必要となります。

    • 個人番号(マイナンバー)
    • 被保険者番号
    • 事業所番号(雇用保険適用事業所番号)
    • 資格取得年月日
    • 離職等年月日
    • 喪失原因
    • 離職票交付希望
    • 1週間の所定労働時間
    • 補充採用予定の有無

    以下、具体的に解説します。

    個人番号(マイナンバー)

    雇用保険被保険者資格喪失届には、従業員の個人番号(マイナンバー)を記入します。従業員に個人番号を尋ねる際は、利用目的をしっかりと本人に伝えましょう。

    被保険者番号

    従業員の被保険者番号の記入も必要です。被保険者番号とは、雇用保険の加入者に割り当てられた番号です。現在の被保険者番号は11桁ですが、1981年7月6日以前発行の被保険番号は16桁でした。16桁の場合、被保険者番号の欄には下10桁を記載します。

    事業所番号(雇用保険適用事業所番号)

    記入項目には、企業の事業所番号(雇用保険適用事業所番号)もあります。事業所番号は「雇用保険適用事業所設置届事業主控」(適用事業所台帳)で確認可能です。

    資格取得年月日

    従業員の雇用保険被保険者資格の取得年月日を記入する欄もあります。この欄には、従業員の入社日、あるいは所定労働時間が週20時間以上となった日などを記入しましょう。

    離職等年月日

    離職等年月日の項目には、従業員が離職した日付を記入します。最後の就労日を記載するのが一般的です。長期欠勤していた場合は最後に勤務していた日を、死亡の場合は死亡年月日を記入しましょう。

    喪失原因

    喪失原因の項目では、従業員の雇用保険被保険者資格の喪失原因を番号から選択します。下記の3つの区分から喪失原因を選びましょう。

    1死亡、在籍出向・出向元への復帰(退職金などの支払いがない場合)
    2本人の都合による退職、定年退職、契約期間満了、懲戒解雇、取締役への就任、被保険者とならない就労形態への変更
    3事業主都合による解雇、事業主の勧奨による退職

    参考:『雇用保険被保険者資格喪失届記載例』北海道ハローワーク

    離職票交付希望

    離職票交付希望の項目には、離職票交付が必要か否かを記入します。離職票の交付を希望するなら「有」を選択しましょう。

    1週間の所定労働時間

    1週間の所定労働時間の項目には、従業員の1週間の所定労働時間を記入します。記入の際、離職などがあった年月日時点での時間を記入するよう気をつけてください。

    補充採用予定の有無

    雇用保険被保険者資格喪失届には、補充採用予定の有無を記入する欄もあります。従業員を補充採用する予定がある場合は「有」を選択し、予定がなければ空欄にしておきましょう。

    新氏名・フリガナ

    「新氏名・フリガナ」の欄には、雇用保険被保険者証と氏名が異なる場合に新しい氏名を漢字で記入し、隣の欄にフリガナを記入します。記載の必要がない場合は空欄としましょう。

    雇用保険被保険者資格喪失届の添付書類

    雇用保険被保険者資格喪失届の提出時に必要となる添付書類は、下記の通りです。

    • 従業員の出勤簿またはタイムカード
    • 雇用契約書
    • 労働者名簿
    • 賃金台帳
    • 離職理由が確認できる書類(退職届や解雇通知書など、退職理由によって提出書類は異なる)
    • 雇用保険被保険者離職証明書(離職票交付を希望する場合)

    複数の添付書類を用意しなければならないため、漏れがないようチェックを徹底しましょう。

    雇用保険被保険者資格喪失届の注意点

    雇用保険被保険者資格喪失届に関する注意点を解説します。気をつけるべき点をあらかじめ把握しておきましょう。

    雇用保険被保険者離職証明書を添付する場合

    雇用保険被保険者離職証明書とは、企業がハローワークに離職票の発行を依頼するための書類です。離職票は退職者が失業手当を受けるために必要な書類ですが、退職者の再就職先が決まっている場合は、失業手当を受けないため離職票は必要ありません。

    ただし、退職者が59歳以上なら、本人が希望していなくても離職票を交付しなくてはなりません。この場合は、高年齢雇用継続給付の給付金額決定のために必要なため、再就職先が決まっていたとしても雇用保険被保険者離職証明書を添付しましょう。

    雇用保険被保険者資格喪失届の提出期限

    雇用保険被保険者資格喪失届には、ハローワークへの提出期限が定められています。具体的な提出期限は、従業員が被保険者ではなくなった日の翌日から10日以内です。

    退職日はまだ被保険者であるため、被保険者ではなくなった日の翌日とは「退職日の翌々日」を指しています。資格を喪失する日は、退職日の翌日であると覚えておきましょう。

    雇用保険被保険者資格喪失届の提出が遅れた場合

    雇用保険被保険者資格喪失届の提出が遅れた場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される恐れがあります。また、提出が遅れると従業員の失業手当の申請に支障が出たり、企業が注意や調査を受けたりするおそれもあります。期限内の提出を徹底しましょう。

    雇用保険被保険者資格喪失届の電子申請が義務となる場合

    雇用保険被保険者資格喪失届は、ハローワークの窓口に提出するほか、郵送での提出や電子申請が認められています。さらに、特定の要件を満たす企業は、電子申請が義務化されている点に注意しましょう。具体的な要件は下記の通りです。

    • 資本金などが1億円を超える法人(資本金、出資金または銀行等保有株式取得機構に納付する拠出金の額)
    • 相互会社
    • 投資法人
    • 特定目的会社

    この措置は、行政にかかわる手続きの作業時間を短縮するために取られています。

    まとめ

    本記事では、雇用保険被保険者資格喪失届の概要や提出が必要な理由、記入例、添付書類、注意点などについて解説しました。提出の必要が生じた際には、できる限り迅速に手続きを進めましょう。

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