クラウドツールとは? 脱エクセルで業務効率化、導入メリットや種類、注意点をまとめ

働き方改革やテレワークが浸透するなか、業務効率化を目的にクラウドツールの導入を検討する企業が増えています。しかし「種類が多すぎて選べない」「自社の業務に本当に合うのか不安」という声も多く聞かれます。クラウドツール選びを誤ると、かえって現場の混乱を招き、効率化どころか業務負担が増えてしまうことも。
本記事では、クラウドツールの基礎知識から種類、エクセルとの比較、導入時の注意点まで、失敗しない選び方のポイントを解説します。導入前におさえたい情報を体系的に紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

目次
クラウドツールとは
近年急速に普及している、クラウドツールの概要をご紹介します。
クラウドとは
クラウドツールの「クラウド」とは、ユーザーがサーバーやソフトウェアを持たなくても、インターネット経由でサービスを利用できる仕組みです。
クラウドの語源は、雲(=cloud)だといわれています。インターネット環境を雲にたとえ、雲の先のサービスを利用するイメージです。また、システムの集約(=crowd)で、クラウドと呼ばれるという説もあります。
クラウドツールとは
クラウドツールとは、クラウドの仕組みを活かしたツールです。Gmail、Facebook、オンラインゲームもクラウドツールの一種です。サーバーやソフトウェアはクラウドツールの会社が管理し、ユーザーはサービスだけを手軽に利用できます。
ビジネスにおいては、人材管理や情報共有といった場面でクラウドツールが活用されます。
クラウドツールで、脱エクセルすべき?
Excel(エクセル)は文書作成や集計作業など、ビジネスで幅広く使われています。誰でも手軽に使いやすいというメリットはありますが、管理が複雑になって逆に業務効率が落ちてしまう場合もあります。エクセル管理の課題例は以下のとおりです。
- データ容量が大きいと読み込みに時間がかかる
- 別のツールと連携しづらい
- 閲覧制限がかけづらい(簡単に改変できてしまう場合も)
- 共有編集ができない
必ずしもすべての業務を脱エクセルする必要はありませんが、クラウドツールの方が効率化が進む業務も少なくありません。脱エクセルで便利になる業務とそうでない業務を見極め、自社に必要なものだけクラウドツールを取り入れるといいでしょう。
クラウドツールの導入メリット
クラウドツールの導入メリットは、以下のとおりです。
| ・業務効率化が進む ・どこにいても端末さえあればアクセス可能 ・金銭的・時間的コストの削減 |
業務効率化が進む
クラウドツールは、エクセルと比べて一つひとつのファイルを作成する必要がありません。管理の手間が省け、業務効率化が進められるでしょう。
どこにいても端末さえあればアクセス可能
クラウドツールはインターネット環境があれば利用できるため、自宅や外出先でも場所を選ばず利用できます。出張先やリモートワーク中でもログインできるので、社内にいなくても作業を進められる点はメリットといえます。
金銭的・時間的コストの削減
クラウドツールの導入によって、金銭的にも時間的にもコストを抑えられるでしょう。とくに自社でサーバーを設置する必要があるオンプレミス型のシステムと比較して、金銭的コスト削減が期待できます。
オンプレミス型のツールを自社に設置するとなると時間がかかり、人件費も発生するでしょう。外注する場合も同様です。
一方クラウドツールは、自社でサーバーやシステムを用意する必要がないため、初期費用が低コストですむ可能性があります。ツールによって価格差はありますが、毎月数千円から数万円で利用できるものもあります。
クラウドツールでできること・エクセルで不向きなこと
クラウドツールは、エクセルと比較したとき、便利な点が多くあります。クラウドツール向きの業務とエクセルで不向きな業務を整理してみましょう。
複数人での同時編集
クラウドツールは、複数人で同時にデータを編集ができます。しかしエクセルでは、1つのファイルに対して1人の作業が終わるまで、ほかの人はそのファイルにアクセスできません。
さらにクラウドツールは、離れた支店やリモートワーク中の社員同士でも同時に編集ができます。一度に大多数の従業員が処理を行っても遅延などが発生する心配も少ないです。
アクセス権限の設定
クラウドツールでは、データのアクセス権限が設定できます。エクセルでは、パスワードで閲覧の可否は設定できるものの、細かなアクセス権限の設定はできません。
クラウドツールは「営業部の社員のみ」「営業職でも管理職のみ」といった細かな制限をかけて、必要に応じて秘密保持に役立つでしょう。
膨大なデータ処理
クラウドツールでは、膨大な情報量のデータも滞りなく処理できます。エクセルのワークシートでは最大行数1,048,576行、最大列数16,384列と、処理範囲が規定されています。エクセルファイルを更新していると、情報がどんどん増えて処理が遅くなるという事態が発生したことがある方もいるかもしれません。従業員規模が多い企業などが従業員データをまとめたファイルを処理する場合、作業が滞るおそれがあるので、ファイルを分けるなどの対応が必要です。クラウドツールなら、そのような心配は少ないといえるでしょう。
参照:『Excelの仕様と制限』Microsoft 365サポート
スムーズな情報共有
クラウドツールを活用できれば、社内の情報共有がスムーズになる可能性が高いです。エクセルの場合、データの上書き保存や共有を忘れてしまうことも多く、情報共有に漏れが発生することもあるでしょう。
クラウドツールなら、複数人での同時閲覧や処理が可能なので、情報をいち早く共有する助けとなります。
▼エクセルで各種人事業務を進める方法は、以下の記事で紹介しています。
ビジネスクラウドツールの種類
ビジネスで役立つクラウドツールにはどのような種類があるのでしょうか。ビジネスクラウドツールの種類と特徴をご紹介するので、選定の参考にしてみてください。
コミュニケーション・チャットツール
コミュニケーション・チャットツールは、1対1または複数人で、意思や情報の伝達ができるチャット形式のツールです。メールだと送受信に時間がかかり、返信メッセージも都度丁寧に書かなければいけないこともあるでしょう。
コミュニケーション・チャットツールを使えば、素早く送受信ができ、絵文字や既読サインで返信メッセージの省略もできます。社内で頻繁にメールを送る人や、リモートワーカーが多い会社で活用が進んでいるといえます。
社内SNSツール
社内SNSツールは、企業用にカスタマイズされたSNSといえます。チャットツールに近い活用方法で、メールよりも手軽に情報共有ができるでしょう。ノウハウの共有やアイデアの創出にも役立つことがあります。離れた拠点で働く社員やリモートワーカーが多い企業で、希薄になりがちな社内コミュニケーションの活性化にも役立つでしょう。
タスク管理ツール
タスク管理ツールは、プロジェクトの進捗を管理・共有できるクラウドツールです。業務状況が可視化できるため、タスク漏れや遅延の防止にも役立つでしょう。テレワーク環境下で、従業員のタスクを把握したい場合にも有効です。
Web会議ツール
Web会議ツールは、離れた場所の相手と会議を行えるクラウドシステムです。海外出張中やリモートワーク中の社員とも、画面越しに対面で会議ができます。採用面接や会社説明会に活用する企業も増えています。
ファイル共有ツール
ファイル共有ツールは、クラウド上でファイルの共有ができるツールです。ファイルをアップロードし、相手にストレージのURLなどを伝えることで、ファイルをやり取りします。メールで送付できないような大容量のデータの保存や共有に適しています。
名刺管理ツール
名刺管理ツールは、紙の名刺を管理・共有するクラウドシステムです。スキャナーやスマートフォンなどで名刺を読み込み、デジタル化して自動保存します。
名刺情報をクラウド上で共有することで、メールを一斉に配信するなど、営業・マーケティング活動への活用も進むでしょう。
ナレッジ共有・蓄積ツール
ナレッジ共有・蓄積ツールは、社員や企業が保持する知識や情報を蓄積するクラウドシステムです。共有内容の一例として、業務マニュアル、議事録、研修資料などが挙げられます。業務が属人化しているといった課題の解消に役立つでしょう。「〇〇の情報はどこ?」といった問い合わせに、時間をとられることも減る可能性があります。
情報共有ツール
情報共有ツールは、ナレッジやドキュメントの共有に加え、チャット機能、Web会議、タスク管理などが付随したクラウドシステムです。チャットツールと同様に連絡が円滑になるとともに、業務効率化にも役立つでしょう。
会計ツール
会計ツールは、会社のお金の動きを管理し、決算書の作成までを助けるクラウドシステムです。会計システムまたは会計ソフトとも呼ばれます。
会計ツールがないと、簿記知識のある社員が伝票や仕訳帳を紙やエクセルで作成する必要がありました。ツールを活用すれば、知識がない社員でも業務が進められるでしょう。ペーパーレス化も後押しし、担当者の負担も大幅に減らせるかもしれません。
請求書作成ツール
請求書作成ツールは、必要な情報をシステムに入力するだけで、請求書を簡単に作成できるクラウドシステムです。請求書の送付もWeb上で完結できるものもあります。業務効率化につながるのはもちろんのこと、請求書の発送にかかるコスト削減も期待できるでしょう。
人事労務ツール
人事労務ツールは、人事労務管理に関わる業務を自動化するクラウドシステムです。入社手続きや年末調整の書類作成など、複雑な労務管理を簡単に行えます。また、電子申請を助けるツールであれば、社内で完結できるので、役所への移動時間や交通費の削減にもつながるでしょう。
人材管理ツール
人材管理ツールは、組織に属する人材マネジメントに役立つクラウドシステムです。人材管理は、企業規模が大きくなるほど複雑化するといえるでしょう。人材育成や人材配置、人事評価など、テレワークによってますます煩雑化している、業務の効率化と最適化をサポートします。
人材管理ツールのなかでもタレントマネジメントシステムは、昨今の人的資本経営推進など社会的な背景から注目度が高まっています。
クラウドツールの選び方・注意点
ここまで代表的なクラウドツールの種類を紹介してきました。それでは実際にクラウドツールを導入するとなった場合、どのような点に気をつければいいでしょうか。
クラウドツールの選び方や注意点において、ポイントを3つご紹介します。
課題を解決できるか
クラウドツールを選ぶ際は、自社の課題を本当に解決できるものか、見極めましょう。まずは自社の課題を整理するといいです。注意すべきは、機能が多すぎても目的を見失う可能性がある点です。現在、何にもっともリソースを割くべきかを検討し、必要な機能を過不足なく搭載したツールを選びましょう。
操作が簡単にできるか
とくにクラウドツールを初めて導入する会社では、直感的な操作性も重要です。せっかく導入しても、難しくて従業員が使いこなせなかったというケースもあります。普段からパソコンを使っていない職員がいる医療機関や自動車販売代理店などは、トライアルの機会を利用して実際に使ってもらい、社内に馴染めるかも検討材料にするといいでしょう。
継続的に利用できる金額か
クラウドツールはサブスクリプション型のものが多く、基本的に月額費用が発生します。
継続的に発生するコストを試算し、費用対効果が望めるのかも検討したうえで、予算や従業員規模に合ったツールを選びましょう。必要な機能だけを選んで始められるサービスを選択するのも一案です。
クラウドツールのデメリット
業務効率化を後押しするクラウドツールですが、デメリットも存在します。
クラウドツールの主なデメリットを3つご紹介します。
ネットワーク障害時に使えない可能性がある
クラウドツールは、ネットワーク障害時に使えない可能性がある点がデメリットといえます。通信回線のダウンやサーバーの不具合などで障害が発生すると、緊急時に操作ができない可能性があります。
カスタマイズが難しい
クラウドツールは、オンプレミス型のシステムよりカスタマイズが難しいとされています。
クラウドツールは、すでに完成されたパッケージを使用することが多く、その仕様に自社の運用を合わせていくイメージです。そのため自社でやりたいことが固まっている企業には、デメリットとなる場合があります。なかにはカスタマイズの自由度が高いサービスもあるので、無料トライアルの機会を利用してよく確認しましょう。
ランニングコストが発生する
先述したように、クラウドツールは買い切り型ではないため、月額の利用料(ランニングコスト)が発生します。必要な機能だけでスモールスタートできるサービスだと、無駄なコストの支払いが抑えられるので、料金体系もよく確認しましょう。
クラウドツール導入のポイント
クラウドツールを導入する際は、まず第一に目的を明確化するのがポイントといえます。目的を見失ってしまうと、無駄なコストを毎月支払うことになりかねません。
自社の目的や課題を整理する段階で、利用人数も決めましょう。人数によって最適な料金体系も変わってきます。
さらに、利用する社員のITリテラシーも把握しておくといいでしょう。場合によっては、専用の端末などを用意する必要もあります。操作に慣れていない従業員の理解を得るための説明会や導入時の問い合わせ窓口の設置など、ツール定着の準備も抜かりなく行うとスムーズに導入が進むでしょう。
クラウド人事労務ツール「One人事」
「One人事」は、人事労務をワンストップで支えるクラウドツールです。労務・勤怠・給与からタレントマネジメントまでを一元管理します。分散する人材情報を集約し、転記ミスや最新データの紛失など労務リスクを軽減することで、制度設計や業務改善など「本来注力したい業務」に集中できるようにサポートいたします。
詳しい機能や活用例を知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。専任スタッフが課題の整理からお手伝いいたします。
当サイトでは、サービス紹介資料のほか、人事労務のノウハウに関する資料を無料でダウンロードしていただけます。こちらもお気軽にお申し込みください。
まとめ|クラウドツールで業務効率化
クラウドツールは、業務効率化や情報共有、コスト削減を進めるうえで役立つ手段です。エクセル管理に不便を感じている場合や、テレワークによる課題がある場合は、導入を検討する価値があります。
クラウドツールを選ぶ際は、機能の多さだけで判断せず、自社に定着するかどうかを見極める必要があります。
とくに人事労務領域では、扱う人事情報が多く、機密性や正確性も重要です。アナログな管理に限界を感じている場合はとくに、人事労務システムなどのクラウドツールの活用を検討してみましょう。
