Web給与明細システムとは|機能・タイプ別の特徴とおすすめの企業や比較ポイントも紹介

Web給与明細システムとは|機能・タイプ別の特徴とおすすめの企業や比較ポイントも紹介

Web給与明細システムとは、給与明細を電子化できるシステムのことです。

紙の給与明細は発行に手間もコストもかかるうえ、ミスが起こりやすいなどリスクがあります。給与明細を電子化すれば、従来と比べて作成・発行にかかる手間やコストを軽減でき、業務効率を向上させることも可能です。しかし、Web給与明細システムといっても、種類はじつにさまざまです。

そこで本記事では、Web給与明細システムのタイプ別に特徴・機能や、導入をおすすめする企業を解説します。Web給与明細システムを比較するときのチェックポイントも紹介しているので、導入を検討する企業は参考にしてください。

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    Web給与明細システムとは

    Web給与明細システムとは、給与明細をWeb上で作成・発行・確認できるオンラインシステムです。給与明細のほかには、賞与明細や源泉徴収票を作成することも可能です。給与明細を電子化すると、担当者の業務負担が軽減されます。

    システムで作成した給与明細はPDFファイルで出力してメールで送れるほか、製品によってはシステム上で直接発行できます。パソコンやスマートフォンで手軽に給与明細を確認できるので、利便性が高く従業員にも喜ばれるでしょう。

    Web給与明細システムが必要な理由

    従来の企業では給与明細を紙に印刷して、従業員に配布する形式が一般的でした。しかし、一人ひとり個別に配布するのは手間がかかるうえ、配布ミスや紛失などさまざまなリスクがあります。紙代や印刷代のコストがかかる、過去の分を参照しにくいなどのデメリットがありました。

    Web給与明細システムなら、給与明細を電子データとして発行できるため、従来と比較して印刷や配送にかかるコストを削減できます。電子データなので紛失のリスクも少なく、再発行も容易です。さらに、システムが各種工程を自動化してくれるので、担当者の業務負担も軽減されるでしょう。

    近年は安価で導入に手間のかからないサービスも多数登場しており、Web給与明細システムを利用する企業が増えています。

    Web給与明細システム「One人事」

    Web給与明細システムの機能

    Web給与明細システムの主な機能は、以下の通りです。

    機能詳細実現できること
    給与データの連携・取り込み既存の給与計算ソフトと連携し、給与データを自動反映転記作業が不要となり、入力ミスを減らせる
    給与明細の作成・編集給与計算ソフトから取り込んだデータをもとに給与明細を作成表示する項目やレイアウトを設定できる
    給与明細の配信システム上で給与明細を発行従業員一人ひとりに配布する必要がなくなり、誤配布のリスクも減る
    給与明細の閲覧パソコンやスマートフォンなどから、いつでも手軽に給与明細を確認データをダウンロードして印刷できる

    【タイプ別】Web給与明細システムの特徴・おすすめの企業

    Web給与明細システムは、主に以下の3種類に分けられます。

    • 給与明細特化型
    • 給与計算一体型
    • 労務管理一体型

    3種類それぞれの特徴と、タイプ別に向いている、おすすめの企業を解説します。

    給与明細特化タイプ

    給与明細特化型とは、文字通り給与明細の電子化に特化したシンプルなシステムです。

    特徴おすすめ(向いている)企業
    給与明細の作成・発行のみ安価(ほかのタイプと比べると)導入コストを抑えたい

    別の給与計算システムやエクセルなどで作成したデータを取り込み、システム上で給与明細を作成・発行します。給与明細データはCSV形式で取り込むか、API連携で読み込むタイプが大半です。

    給与明細特化型は機能がシンプルでわかりやすく、不慣れな人でも容易に扱えるのがメリットです。ほかのタイプと比べると費用も安価で、導入コストを抑えたい企業に向いています。

    また、給与計算システムはすでに導入しているので、給与明細の発行だけを電子化したいという企業にも向いています。

    ただし、給与計算やデータ作成は別途行う必要があるので、業務効率化の効果は限定的といえるでしょう。

    給与計算一体型タイプ

    給与計算一体型とは、給与計算から給与明細の作成・発行まで対応したシステムです。

    特徴おすすめ(向いている)企業
    給与計算から給与明細の作成・発行まで給与計算システム未導入給与計算システムのリプレイス

    労働時間や控除などの情報をシステムに入力すれば、給与計算や給与明細の作成が自動的に行われます。特化型タイプと異なり、給与計算をする必要がないので、担当者の業務負担を軽減できます。

    ただし、すでに給与計算システムを導入している場合は移行作業が必要です。基本的には給与計算システムを導入していない企業や、給与計算システムを新しいものに乗り換えたい企業に向いています。

    労務管理一体型タイプ

    労務管理一体型とは、従業員の労務管理から給与明細の作成・発行までを一貫して実施できるシステムです。

    特徴おすすめ(向いている)企業
    多機能(入退社手続き〜年末調整も)高価(ほかのタイプと比べると)人事労務を一元管理したい

    給与計算や給与明細の電子化はもちろんのこと、入社手続きや各種社会保険の管理、年末調整などの労務管理を1つのシステムでまかなえます。なかにはその他の人事管理に対応しているシステムもあり、各種データを一元管理も可能です。

    労務管理一体型は3タイプの中でもっとも業務効率化の効果が高く、人事労務管理部門全体を効率化させたい場合に向いています。ただし、ほかと比べると費用は高額になりがちなので、導入コストを抑えたい企業にはあまり適していません。

    労務一体型Web給与明細システム「One人事」

    Web給与明細システムのメリット・デメリット

    Web給与明細システムのメリット・デメリットを、企業側、従業員側の視点でまとめました。

    メリットデメリット
    企業側・給与明細関連の業務を効率化できる
    ・ペーパーレス化によりコストを削減できる
    ・誤配布のリスクが軽減される
    ・給与明細以外の情報も配信できる
    ・電子化には従業員の同意が必要
    ・情報漏えいのリスクがある
    ・導入コストが発生する
    従業員側・書類の管理が不要で、紛失リスクもない
    ・過去のデータを閲覧できる
    ・いつでもどこでも明細を閲覧できる
    ・申請しないと紙の明細を受け取れない
    ・個人情報の安全性が、会社の管理体制に左右される

    給与明細を電子化する場合は、所得税法により、あらかじめ従業員から許可を得る必要があります。ただし「令和5年度税制改正」において、従業員から同意の承諾について回答が得られなかったときも、承諾があったとみなされることになりました。

    参考:『1. 基本的な事項』国税庁

    クラウドWeb給与明細システム「One人事」

    Web給与明細システムを比較するときの着眼点

    Web給与明細システムを比較する際は、以下の7つのポイントに着目して検討するとよいでしょう。

    1. どの程度の機能を求めるか
    2. 既存システムと連携できるか
    3. コストが予算と機能に見合うか
    4. モバイルデバイスや印刷に対応しているか
    5. セキュリティ対策が万全か
    6. サポート体制が充実しているか
    7. 管理画面の操作性がよいか

    どの程度の機能を求めるか

    Web給与明細システムの機能は、製品によって大きく異なります。

    給与明細の作成・発行だけを電子化したい場合は、シンプルな給与明細特化型が適していますが、より高い利便性を求めるのであれば、ほかの機能にも注目してみましょう。

    給与計算や労務管理、人事管理などの機能が搭載されているシステムであれば、人事労務部門の業務負担をより一層軽減できます。

    まずは、効率化したい業務を明確にし、自社にとって必要な機能を洗い出すことが大切です。

    既存システムと連携できるか

    給与計算システムや労務管理システムを導入している場合は、既存システムとの連携性もチェックしたいポイントです。

    給与明細の発行に特化したタイプのシステムでも、既存の給与計算システムと連携していれば、ある程度は業務効率を高められます。

    ほかのシステムとの連携性ができたとしても、連携するためにデータ加工に手間がかかる場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

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    コストが予算と機能に見合うか

    Web給与明細システムを導入するためには、一定のコストがかかります。

    導入費用のほかに月額利用料やサポート費用、システム管理料などのランニングコストがかかる場合もあるため、発生する費用を事前に把握することが大切です。

    導入や運用にかかるコストを洗い出し、予算や機能に見合っているかを確認しましょう。

    モバイルデバイスや印刷に対応しているか

    スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからの閲覧に対応しているシステムであれば、従業員にとって利便性が高まります。

    それぞれの端末の画面サイズに合わせて自動的にデザインを最適化する「レスポンシブデザイン」を取り入れているシステムをおすすめします。

    また、すべての従業員が給与明細の電子化を歓迎するとは限らないので、希望に応じて印刷もできる製品を選ぶことも大切です。

    電子化と紙出力の両方に対応しているシステムなら、さまざまなニーズに応えられるでしょう。

    セキュリティ対策が万全か

    給与明細には、従業員の個人情報が多く含まれます。

    給与明細を電子データ化することは、クラウドなどのシステムに従業員の個人情報を預けている状態といえます。

    情報漏えいやデータ改ざんなどのリスクを防ぐために、システムのセキュリティ対策を確認しておきましょう。

    サポート体制が充実しているか

    サポート体制が充実しているシステムなら、導入・運用における不安や疑問をスムーズに解消できます。特に業務効率化システムを初めて導入する企業は、サポート体制が充実している製品を選ぶとよいでしょう。

    管理画面の操作性がよいか

    管理画面の操作性や見やすさも、システムを選ぶうえでは重要なポイントです。管理画面の操作方法がわかりづらいと、業務効率化の効果をあまり感じられない可能性があります。

    担当者の意見も取り入れながら、使いやすいシステムを選びましょう。

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    Web給与明細システムで業務の効率化をはかりましょう

    Web給与明細とは、電子データとして発行された給与明細のことです。Web給与明細を作成・発行するシステムには「給与明細特化型」「労務管理一体型」「給与計算一体型」の3種類があり、それぞれ異なる特徴を持ちます。

    Web給与明細システムを導入すれば、業務の自動化により担当者の負担を軽減でき、ペーパーレス化によるコスト削減も実現できます。いつでも気軽に給与明細を確認可能なので、従業員にとってもメリットのあるシステムです。

    「従業員が増えてきて、給与明細の作成・管理の負担が増してきた」「従業員の労働時間や給与などのデータを一元管理したい」という場合は、ぜひ便利なWeb給与明細システムの導入を検討してみてください。