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残業申請とは|基本からメリットや導入方法・注意点も解説

2019年4月に施行された働き方改革により、残業時間の制限が厳しくなりました。企業が従業員の残業時間を適切に管理し、残業時間を決められた範囲内に抑えるためには、残業申請の実施が効果的です。

本記事では、企業における残業申請の基礎や導入方法、注意点などについてくわしく解説します。残業についての社内ルールを整備したいと考える人事労務担当者や管理者の方はぜひ参考にしてください。

※本記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

残業申請とは|残業申請の基本からメリットや導入方法・注意点も解説
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    残業申請とは

    残業申請とは、従業員が残業を行う際に、上司や人事などの決裁者にあらかじめ残業を申請する社内規則の一つです。この制度は、残業申請制や残業申請制度とも呼ばれることがあります。

    残業申請は、従業員が残業を行う前に申請し、決裁者による適切な判断のもとで承認を得ることが望ましいでしょう。その上で、承認を得た後に残業を行うことが重要です。そのため自社で残業申請を行う際には、従業員による「事前申請」が原則である旨をルールに加えておくとよいでしょう。この工程により、企業は不要な残業を削減できるため、業務管理の効率化や労働時間の適正化が期待できます。

    残業申請が重要な理由

    残業申請を行うことで、正確な勤怠管理の運用に役立ちます。残業申請が勤怠管理を行ううえで重要とされる理由を、3つご紹介します。

    法律違反の防止

    労働基準法により、1日の法定労働時間は8時間、1週間の法定労働時間は40時間と規定されています。従業員が法定労働時間を超えて働く場合、労働者と雇用者の間で「36協定」を結ぶことが必要です。

    企業が、従業員の残業時間を把握・管理できていなければ気づかないうちに、労働時間の上限を超えてしまう可能性があります。結果的に法律違反になる場合もあります。残業申請を導入することで正確に勤怠管理を行えるようになるため、労働基準法違反の防止に効果的といえるでしょう。

    サービス残業の撲滅

    残業申請を導入し、正確な勤怠管理を行うことによって、従業員のサービス残業を削減できます。サービス残業とは、従業員が労働時間外に自主的に業務を行う、時間外手当がつかない残業を指します。サービス残業による残業手当の未払いはトラブルのもととなり、ときには裁判にまで発展することもあるのです。このようなトラブルを未然に防ぐためにも、残業申請の導入は有効でしょう。

    ただし残業申請を導入しても、管理と確認を怠っては意味がありません。管理者は、サービス残業が発生しないように、残業申請の適切な管理や定期的な確認を行い、正確に勤怠管理を行いましょう。

    不必要な残業の削減

    残業申請を自社に導入すれば、企業にとって不必要な残業を削減できます。一部の従業員は、残業手当を得るために、必要以上の残業をすることがあるかもしれません。このような行為は、不要な残業に対して残業代を支払うことになるため、企業にとっては望ましくないでしょう。残業申請のルールとして、残業を行う前に従業員が申請を行い、その理由や必要性を管理者へ明示することが求められます。これにより、不要な残業を抑制できます。

    残業申請を導入するメリット

    ここまでで解説したように、残業申請の導入は正確な勤怠管理を行ううえで重要です。しかし、残業申請を導入するメリットはほかにもあります。その代表的なものを3つご紹介します。

    生産性が高まる

    残業申請によって業務時間を管理できれば、上司は各従業員の業務状況を把握できるようになります。従業員それぞれの業務量を調整し、業務の偏りがなくなるため、全体的な生産性の向上につながるでしょう。

    また従業員が残業申請を行うときには、なぜ残業が必要なのかを明確にしなければなりません。明確な理由を記載することで、従業員も残業時間を意識するようになります。結果として生産性の向上が期待できるでしょう。

    残業手当を削減できる

    残業申請を適切に行うことで、従業員ごとの残業時間を月単位で設定して管理できるため、従業員の時間あたりの作業効率が改善されます。さらに、部署内でのコミュニケーションを通じて業務の調整を行い、業務の進捗状況や負担のバランスを把握することで、業務の偏りの解消につながるでしょう。この結果、全体の残業時間が減少し、残業手当を削減できます。

    業務時間を管理しやすいため健康管理もしやすい

    長時間労働の主な原因は残業です。残業申請を活用することで、企業は各従業員の業務時間を把握できます。これにより、長時間労働の抑制が可能です。長時間労働を抑制することで、従業員の過労防止になり、健康管理にも役立つでしょう。

    残業申請を導入する方法

    残業申請を導入する方法について、注意すべきポイントを交えつつ解説します。

    残業のルールと申請方法を策定

    残業申請導入にあたり、はじめに自社の就業規則から、所定労働時間と残業となる時間をあらためて確認します。そのうえで、残業申請についてルールの策定を行いましょう。残業申請は、特別な場合を除いて「事前申請」しなければならないため、それにのっとったルールの策定が必要です。具体的には、誰に対して、どのような様式で申請をするかについて明確に定める必要があります。 必要に応じて就業規則の見直しも検討しましょう。

    また、勤務形態に合わせたルール策定も重要です。営業担当者は、外回りや顧客との面談が多いため、事前に残業申請を行うルールがうまく運用できないかもしれません。これは、予定外の仕事が発生しやすい職種の特性です。また、プロジェクトの締め切りやトラブル対応などの突発的な残業が発生するエンジニアにも同様の問題があります。勤務形態に合わせたルールをつくることで、どの従業員にとっても残業申請を活用しやすくなるでしょう。

    残業申請を徹底させる

    残業申請を適切に運用するためには、従業員全員にルールを正しく理解してもらうことが重要です。全従業員に残業申請の意味や意義を詳しく説明しましょう。そのうえで、ルールを明文化し、全従業員に配布するなどして周知の徹底を図ります。

    また、自社で残業申請の運用が決定した際には、承認者となる管理職にも運用ルールを十分に理解してもらわなければなりません。各部署の管理職に対して、別途くわしく周知する機会を設けましょう。

    残業申請の運用ルールを就業規則に明文化することが重要です。さらに、残業申請を人事評価の対象とすることで、従業員は残業申請の重要性を理解し、ルール遵守が促進されます。

    残業申請を導入する際の注意点

    残業申請のルールが形骸化しないようにするには、継続して運用するための工夫をしなければなりません。ルール周知後にも、無断で残業をする従業員がいた場合、ただ注意するだけで終わらせてはいけません。その原因を突き止めるためのヒアリングを実施する必要があります。

    ヒアリングの結果、残業申請のルールに問題があると認められた場合は、ルールの見直しを検討しましょう。改善後には、従業員に再度ヒアリングを実施することが重要です。また、ルールがうまく運用されているかどうかを確認するために、定期的なチェックを行うとよいでしょう。

    残業申請の運用ルールを変更した場合には、就業規則も変更する必要があります。残業申請を導入するメリットは多いですが、それには工数がかかります。残業申請のルールに問題がある場合は、早急に改善することが重要です。また、改善したルールを従業員に周知することも必要です。残業申請を実施することで、残業時間の削減を目指す場合、まずは業務量の精査を行いましょう。そのうえで、徐々に残業時間を削減していくことがおすすめです。

    まとめ

    残業申請は、企業が従業員の残業時間を把握・管理したり残業時間を削減するうえで有効な手段です。残業申請のスムーズな運用には、すべての従業員の労働時間を把握することが必要です。しかし、従業員にとっては申請する手間が増えます。決裁を行う管理者や人事担当者も決裁作業が増えてしまいます。残業申請の導入とともに、人事労務業務の効率化をはかるサービスの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。

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