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【企業向け】社会保険の健康保険資格喪失証明書とは? 発行手順を解説

社会保険は、病気やけが、失業などのさまざまなリスクに備える公的保険制度です。従業員の社会保険の手続きは企業が代行する場合が多く、被保険者資格を喪失する際には証明書の発行を依頼されることがあります。

本記事では、企業で社会保険の手続きを担当している方を対象に、社会保険の資格喪失証明書の作成方法などを解説します。発行の際の注意点もお伝えするので、ぜひお役立てください。

※本記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

【企業向け】社会保険の健康保険資格喪失証明書とは? 発行手順を解説
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    社会保険の資格喪失証明書とは

    社会保険の資格喪失証明書とは、従業員が社会保険の被保険者としての資格を喪失したことを証明するものです。資格喪失の手続きを行い、問題なく受理されれば証明書として発行されます。

    社会保険の資格喪失証明書が必要なのは、社会保険の切り替え手続きを行う場合です。従業員が自社を退職した場合など、健康保険から国民健康保険に切り替える際に提出を求められます。

    発行のルールは会社ごとに異なる

    社会保険の資格喪失証明書は公的手続きに必要な書類ではあるものの、企業に法的な発行義務はありません。そのため、発行のルールは企業ごとに異なり、なかには発行には対応しない会社もあるでしょう。従業員が退職する際は、発行の必要性についてあらかじめ確認しておくとスムーズです。

    年金事務所や保険組合での発行も可能

    社会保険の資格喪失証明書は、勤務先の企業だけでなく、年金事務所や保険組合でも発行できます。主な申請先は、日本年金機構の事務センターや年金事務所、組合保険の運営者などです。自社で対応しない場合は、従業員に証明書の発行場所を案内しておくとよいでしょう。

    離職証明書や離職票、退職証明書との違い

    「離職証明書」「離職票」「退職証明書」との違いについて解説していきます。

    離職証明書とは

    離職証明書とは、正式名称を「雇用保険被保険者離職証明書」といい、その名の通り従業員が離職したことを証明する書類です。離職証明書は、主に離職票の発行手続きの際に必要です。退職者が離職票の発行を希望している場合、企業は離職証明書を作成しハローワークに提出します。

    離職票とは

    離職票とは、正式名称を「雇用保険被保険者離職票」といい、退職者が失業給付の受給手続きをする際に必要な書類です。退職者が失業給付の受給を希望する場合、企業はまず離職証明書を作成し、ハローワークへ提出します。そのあと、離職証明書の控えのうちの1枚が「離職票」として交付され、企業経由で退職者に渡されるという流れです。

    退職証明書とは

    退職証明書とは、従業員の退職を証明するための書類です。離職証明書とよく似ていますが、離職証明書が「離職(退職)の事実」をハローワークに証明するものである一方、退職証明書は退職者本人に対して発行する書類です。

    公的な書類ではないものの、離職票が従業員の手元にない場合は、国民年金や国民健康保険手続きにおける代替書類として使用できます。

    社会保険の資格喪失証明書の発行手順

    社会保険の資格喪失証明書は、おおむね以下のような手順で発行されます。

    1. 社会保険資格喪失証明書の書式を用意する
    2. 社会保険資格喪失証明書を作成する
    3. 社会保険資格喪失証明書を従業員本人に郵送する

    1.社会保険資格喪失証明書の書式を用意する

    社会保険資格喪失証明書のフォーマットに特に決まりはないため、自社で作成して問題ありません。従業員からの申し出に速やかに対応できるよう、あらかじめフォーマットを用意しておくとスムーズです。

    自社にフォーマットがない場合は、社会保険労務士事務所などに相談しながら作成するとよいでしょう。また、自治体によっては、証明書のフォーマットを配布しているところもあるため、確認しておくことをおすすめします。

    2.社会保険資格喪失証明書を作成する

    社会保険喪失証明書は、従業員から希望された場合にのみ作成するケースが一般的です。従業員から証明書の発行依頼を受けたら、フォーマットにのっとって作成しましょう。

    3.社会保険資格喪失証明書を従業員本人に郵送する

    書類の作成が完了したら、原本を従業員本人に渡します。通常は、従業員の居住先へ郵送するのが一般的です。その際、企業の保管用にコピーをとっておくことを忘れないようにしましょう。なお原則として、社会保険の資格喪失証明書は「被保険者資格喪失届」を提出したあとに作成します。

    社会保険の資格喪失証明書発行における注意点とは

    社会保険の資格喪失証明書を発行する際の注意点を解説しましょう。

    資格喪失日

    書面には、社会保険の資格喪失日を記載する必要があります。注意したいのが、資格喪失理由が「退職」の場合の資格喪失日です。退職した当日は被保険者として扱われるため、退職日の翌日を資格喪失日とする必要があります。

    また、次の条件に当てはまる従業員に対しては「資格喪失日を過ぎると社会保険が適用されないこと」について注意を促しておきましょう。

    • 次の職場の入社日まで期間がある
    • 国民健康保険への切り替えが必要である

    必須の記載項目

    社会保険の資格喪失証明書に定められたフォーマットはないものの、いくつかの必須項目が設けられています。漏れなく記載できるよう、フォーマットを作成する際にあらかじめ必須項目を盛り込んでおきましょう。

    1.被保険者の情報

    • 氏名
    • 生年月日
    • 現住所
    • 基礎年金番号
    • 保険者名
    • 保険者番号
    • 被保険者証等記号・番号
    • 資格取得年月日(入社日)
    • 資格喪失年月日
    • 退職日

    2.被扶養者の情報

    • 氏名
    • 続柄
    • 生年月日
    • (被扶養者の)認定年月日
    • (被扶養者の)喪失年月日

    3.事業所(自社)の情報

    • 事業所名
    • 所在地
    • 代表者氏名
    • 代表印
    • 電話番号

    4.基本事項

    • 書類の名称
    • 書類の作成日

    社会保険資格喪失証明書に記入する項目は、大きく「被保険者の情報」「被扶養者の情報」「事業所(自社)に関する情報」の3つに分けられます。もちろん、被扶養者がいない場合は、被扶養者の情報に該当する項目は必要ありません。

    また、基本事項として、書類の名称と作成日も忘れず記載しましょう。

    従業員が退職するときの社会保険の手続き

    従業員が退職する際、企業はさまざまな手続きを行わなければなりません。資格喪失証明書の作成以外の手続きについて詳しく解説します。

    1.年金事務所に被保険者資格喪失届を提出する

    従業員が退職する場合、企業は年金事務所に対して「被保険者資格喪失届」を提出する必要があります。被保険者資格喪失届は、資格を喪失してから5日以内に提出する必要があるため注意しましょう。提出方法は、窓口持参・郵送・電子申請の3種類から選択できます。

    2.任意継続も可能

    健康保険は、退職後も任意で継続することが可能です。健康保険の任意継続制度は、資格喪失の前日まで継続して2か月以上の被保険者期間がある場合に利用できます。申請すれば、任意継続被保険者となった日から2年間、健康保険に加入し続けることが可能です。

    なお、申請は退職した日の翌日から20日以内に行う必要があります。

    月末に退職したときは社会保険の控除方法に注意

    社会保険料を負担するのは、被保険者資格を取得した日の属する月から、喪失した日の属する月の前月までです。たとえば、被保険者資格を取得したのが2018年4月1日、資格を喪失したのが2023年8月12日なら、2018年4月〜2023年7月までの社会保険料を負担します。

    また、企業は従業員の賃金から前月分の社会保険料を控除する必要があります。退職前後の社会保険料の控除方法は、従業員が退職するタイミングによって異なるため注意が必要です。

    退職のタイミング社会保険料の控除方法
    月の途中で退職した場合退職した月の前月の保険料は、退職月の賃金から控除
    月末に退職した場合退職した月の前月の保険料と、退職月の保険料の2か月分を退職月の賃金から控除

    社会保険資格喪失証明書を発行するなら、フォーマットを作成しておくと安心

    社会保険資格喪失証明書とは、従業員が社会保険の被保険者資格を喪失したことを証明する書類です。日本年金機構の事務センターや年金事務所でも発行できますが、従業員の求めに応じて企業が発行することもできます。決められたフォーマットはないものの、いくつか必須の記載事項があるため、自社で発行する場合はあらかじめフォーマットを作成しておくと安心でしょう。

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