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離職票は再発行できる? 退職者が再発行を依頼した場合の手続きや注意点について解説

離職票は、失業手当の受給手続きに必要な重要書類です。しかし、なかには手続きを終える前に離職票を紛失してしまう人もいるでしょう。退職者から離職票の再発行を希望された場合は、企業はどのような対応をとればよいのでしょうか。

本記事では、離職票を再発行する場合の流れや期限、注意点について解説します。「退職者から離職票の再発行を求められて困っている」「離職票の手続き方法を失念してしまった」というお悩みをお持ちの方は、本記事の内容をご活用ください。

※本記事の内容は作成日現在のものであり、法令の改正等により、紹介内容が変更されている場合がございます。

離職票は再発行できる? 退職者が再発行を依頼した場合の手続きや注意点について解説
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    離職票の再発行はできる?

    離職票は退職時の一度きりではなく、何度でも再発行が可能です。雇用保険法施行規則第17条4項では、離職票を滅失または損傷した場合には、離職票の再発行を申請できると定められています。発行回数については特に制限が設けられておらず、退職者が望めば何度でも再発行申請ができます。

    参照:『雇用保険法施行規則』e-Gov法令検索

    離職票の再発行の期限

    離職票の再発行には、申請期限は設けられているのでしょうか。

    離職票自体に期限はない

    発行回数と同様、発行期限についても制限は設けられていません。たとえ退職から数年後であっても、企業は退職者からの求めに応じて申請手続きを行う義務があります。

    ただし、雇用保険の失業手当の申請期限は、退職の日の翌日から1年以内と定められています。離職票は基本的に失業手当の申請に使用するものなので、1年以上経って発行を希望されることはそれほど多くないでしょう。

    会社経由の再発行可能期間は4年

    雇用保険法施行規則第143条により「雇用保険の被保険者に関する書類は、その完結の日から4年間保管しなければならない」と定められています。「完結の日」とは、従業員が退職や死亡などをしたタイミングのことです。

    離職票の発行申請に必要な離職証明書は、上記の「雇用保険の被保険者に関する書類」に該当します。そのため、従業員の退職や解雇から4年間は保管しなければなりません。退職者側から解釈すると、離職票の再発行期限を「おおむね4年」と考えることがあります。

    再発行したら元の離職票はどうなる?

    再発行後に紛失した離職票が見つかっても、元の離職票は無効となるため注意が必要です。離職票を再発行すると、交付日の時点で紛失したほうの離職票は効力を失ってしまいます。退職者から離職票の再発行を求められた場合は、その点について事前に説明しておきましょう。

    離職票はなぜ必要なのか

    離職票は、雇用保険の失業手当の受給手続きに必要な書類です。転職先が決まらないまま退職した場合などに失業手当を申請するには、ハローワークへ離職票を提出する必要があります。そのほかの書類では代替できないため、事前に準備を進めておかなければなりません。

    企業には、退職者の求めに応じて離職票を滞りなく発行する義務があります。「失業手当が受給できない」「受給開始時期が遅れてしまった」などのトラブルを防ぐためにも、再発行の手続きの流れを確実におさえておきましょう。

    会社の離職票の再発行の手続きの流れ

    離職票の再発行を求められた際、企業がとるべき手続きについて解説します。

    1.申請書を提出する

    初回発行時と比べて、離職票の再発行は手間がかかりません。「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」に必要事項を記入し、ハローワークに提出するだけで手続きが済みます。

    雇用保険被保険者離職票再交付申請書を入手するには、2つの方法があります。1つはハローワークの窓口に出向く、もう1つは公式ホームページからダウンロードする方法です。なお、離職票の再発行は「e-Gov電子申請」でも申請可能です。

    参照:『雇用保険被保険者離職票再交付申請書』ハローワーク インターネットサービス

    2.退職者へ送付する

    ハローワークから離職票が届いたら、退職者に送付します。離職票は手渡しまたは郵送で届けるのが一般的です。離職票を紛失した退職者は再発行を急いでいる可能性が高いため「迅速さ」を心がけることがのちのトラブル回避につながります。

    離職票を再発行しない場合の罰則は?

    離職票の発行および交付は、雇用保険法第76条3項で定められた企業の義務です。

    離職した者は、厚生労働省令で定めるところにより、従前の事業主又は当該事業主から徴収法第三十三条第一項の委託を受けて同項に規定する労働保険事務の一部として求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付に関する事務を処理する労働保険事務組合に対して、求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。その請求があつたときは、当該事業主又は労働保険事務組合は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。

    引用:『雇用保険法』e-Gov法令検索

    退職者から発行を希望された場合、企業は速やかに対応しなければなりません。なお、退職者が59歳以上であるなら、本人から「離職票が欲しい」と連絡がなくても発行する必要があります。

    発行された離職票を退職者に渡さないと、雇用保険法第83条4項の規定に基づいて、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

    第八十三条 事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

    四 第七十六条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合

    引用:『雇用保険法』e-Gov法令検索

    自社が不利益を被ることのないためにも、担当者は手続きをすみやかに進めましょう。

    離職票は退職者みずから再発行できる?

    離職票を提出しようとして、初めて紛失していることに気づく退職者は少なくありません。離職票がないと失業手当の給付手続きが進められないため「急いで再発行したい」と相談を受けることもあるでしょう。

    しかし、会社が仲介するとなると、どうしてもタイムラグが発生してしまうものです。それならば、退職者が離職票の再発行手続きを行うことはできないのでしょうか。

    ハローワークでの再発行が可能

    離職票の初回発行は企業を介して行われますが、再発行の手続きは退職者本人が進められます。

    ただし、退職者本人による手続きが可能なのは、あくまで会社が離職証明書を提出している場合のみです。会社が事前に必要書類を提出していなければ、退職者自身で申請を進めることはできないため注意しましょう。

    管轄内の場合は即日発行が可能

    企業の管轄のハローワークに申請書を提出すれば、即日発行も可能です。退職者本人が直接ハローワークを訪問すれば、即日再発行ののち、そのまま失業手当の手続きも進められるでしょう。

    管轄外でも再発行は可能

    離職票の再発行自体は、会社の管轄外のハローワークでも可能です。そのため、引っ越しなどですでに遠方にいる場合も、退職者自身で再発行手続きを進めることができます。ただし、管轄外のハローワークに申請する場合は、受け取りまでに数日から1週間ほどかかってしまう可能性があります。

    「失業手当の申請期限が迫っている」「申請が遅れると生活設計が崩れてしまう」など、退職者が再発行を急いでいる場合は、やはり会社を管轄しているハローワークを案内するのがおすすめです。

    退職者が離職票を再発行する際に必要な書類

    退職者から相談を受けた際、必要書類についてもひと通り案内すると喜ばれるでしょう。退職者がみずから離職票を再発行するには、以下の4点が必要です。

    雇用保険被保険者離職票再交付申請書

    会社が手続きを行う場合と同様に、再発行には「雇用保険被保険者離職票再交付申請書」の提出が必要です。ハローワークの窓口、またはホームページから入手できます。

    雇用保険被保険者離職票再交付申請書には、主に以下の情報を記入します。

    • 退職者の氏名
    • 性別
    • 生年月日
    • 勤務していた事業所(会社)

    写真付き身分証明書

    運転免許証やパスポート、マイナンバーカード(通知カードは不可)などの写真付き身分証明書を提出します。

    雇用保険被保険者証

    雇用保険被保険者証とは、従業員が雇用保険に加入していることを証明する書類です。通常は入社したときに本人に手渡しているか、紛失防止のため会社で保管しています。

    なお、雇用保険被保険者証には有効期限があり、退職後7年が経過すると効力を失うため注意が必要です。雇用保険被保険者証の有効期限が切れてしまった場合は、企業が仲介役となってハローワークに再発行を申請します。

    離職票の再発行までの時間は?

    離職票の再発行にかかる時間は、申請者や申請するハローワークによって異なります。

    管轄のハローワーク管轄外のハローワーク
    会社が申請する場合1週間程度1週間程度
    退職者本人が申請する場合即日1週間程度

    急いで再発行する必要がある場合は、退職者本人が管轄のハローワークに申請することが肝心です。

    離職票の再発行をする際の注意点

    離職票を再発行する際は、以下の3つのポイントに注意しましょう。

    会社経由では再発行までに時間がかかる

    会社を介して手続きを行う場合「担当者が申請書類を書き、ハローワークへ送る」というステップを踏む必要があるため、交付まで時間がかかってしまいます。

    「とにかく早く離職票を再発行したい」と相談を受けた場合は、自社の管轄のハローワークを案内し、自分で手続きしたほうが素早く交付されることを教えてあげると親切です。

    そもそも離職票が発行されていない場合

    「離職票は、退職時に自動的にもらえるもの」という認識を持っている人は少なくありません。退職者本人は「離職票を探したが見つからないので、紛失した」と思っていても、なかにはそもそも離職票が発行されていないケースもあるでしょう。

    その場合は、会社側が離職証明書を用意し、離職票の発行手続きを行う必要があります。離職証明書の作成には、退職者の同意や署名が不可欠です。まずは離職票が発行されていないことを説明し、今後必要な手続きや確認作業について退職者と相談しましょう。

    紛失した離職票の交付年月日と交付番号の記入が必要

    離職票の再交付申請書には、なくしてしまった離職票の交付年月日と交付番号を書く項目欄があります。これらの情報は紛失した離職票に記載されていますが、退職者が控えをとっていない可能性も十分考えられます。離職票の再発行について相談されたら、まず退職者本人に確認をとりましょう。

    退職証明書の再発行は?

    離職票と同様、退職証明書も退職者の求めに応じて企業が発行する書類です。では、退職証明書も離職票と同じように再発行が可能なのでしょうか。

    本人が希望したら発行する義務がある

    退職証明書の発行は、労働基準法第22条で定められている企業の義務です。退職証明書を破損または紛失した場合、退職者は以前勤めていた企業に再発行を依頼できます。

    正当な理由なく退職証明書の発行を拒否した場合は、労働基準法第120条1項により、30万円以下の罰金が科せられる可能性があるため注意が必要です。

    参照:『労働基準法』e-Gov法令検索

    何度でも再発行できる

    退職証明書の発行回数に法的な制限はなく、退職者が希望すれば何度でも再発行が可能です。したがって、企業は退職者の求めに応じて、何度でも退職証明書を発行しなければなりません。

    2年以内であること

    退職証明書の発行義務が生じるのは、従業員の退職から2年間です。もちろん2年経過後も発行自体は可能ですが、法的な義務はなくなります。

    離職票は何度でも再発行が可能

    離職票の発行・交付は、法律で定められた企業の義務です。発行回数や期限については特に制限がなく、退職者の求めに応じて何度でも対応しなければなりません。

    ただし、初回発行時とは異なり、再発行手続きは退職者本人が行うこともできます。基本的には退職者本人が手続きした方がすばやく発行できるため、急いでいる様子なら管轄のハローワークを案内してあげましょう。

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