残業代の仕組みとは|出る条件や計算・割増率、平均、例外を紹介

残業代の仕組みとは|出る条件や計算・割増率、平均、例外を紹介

残業代とは、法定労働時間あるいは所定労働時間を超えて働いた際に加算される手当です。

  • 「残業はどんな条件で発生する?」
  • 「給与明細にある残業手当は、どのように計算されている?」
  • 「管理職の残業代はどこまで支払われる?」

残業代についてよく知らない方は、ちょっとした疑問を持つ方もいるでしょう。残業代のルールは法律で決められているもの、業界や企業ごとに計算方法や適用範囲が異なる場合があり、意外と理解が難しいですよね。

本記事では人事・労務担当者が知っておきたい「残業代の基本」を整理しています。発生する条件や計算、割増賃金の適用、業界の平均額、さらに例外まで幅広く解説しています。残業代の仕組みを理解し、適切な労務管理にお役立てください。

▼残業管理の基本を確認したい方は以下の記事もご確認ください。
残業管理の方法とは【誰の仕事?】目的・必要性と課題、エクセルを活用した法も簡単に解説

目次アイコン目次

    残業代とは【仕組みをわかりやすく】

    残業代とは、企業が定めた「所定労働時間」または、労働基準法で定められた「法定労働時間」を超えて働いた際に支払われる賃金です。残業代の仕組みについて初心者向けにわかりやすく解説します。

    そもそも残業とは?

    企業は、労働基準法で定められた法定労働時間の範囲内で、所定労働時間(定時)を設定できます。定めた所定労働時間は、就業規則や雇用契約書に明記しなければなりません。

    所定労働時間を超えた労働は「残業」となり、残業の対価が「残業代」です。

    残業には法定労働時間内の法定内残業と、それを超える法定外残業(時間外労働)があり、時間外労働には休日労働や深夜の残業も含まれます。

    • 法定内残業(所定労働時間を超えるが、法定労働時間内の残業)
    • 法定外残業/時間外労働(法定労働時間を超える労働)
    • 休日労働(法定休日の労働)
    • 深夜労働(22時~翌5時までの労働)

    時間外労働は種類によって、計算方法や割増率が少し異なるため、把握しておく必要があります。

    残業代が出る条件とは? 何分から?

    残業代は8時間を超えると必ず支給されると思われていませんか。

    残業代を割増して支払わなければならないのは、法定外残業(時間外労働)の範囲のみです。つまり、法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた場合、割増賃金の支払いが法的に義務づけられています。

    一方、法定内残業に対しては、必ずしも割増手当を加算する必要はありません。就業規則に特別な規定がない限り、割増なしの通常の賃金を支払えば問題ないとされています。

    また、残業代は1分単位で計算して支払われるのが原則です。15分単位や30分単位で切り捨てるのは基本的に違法にあたるため注意しましょう。

    残業代と割増賃金・時間外労働手当の違いとは?

    「残業代」とは、所定労働時間や法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた時間外労働に対する賃金を指します。


    一方、「割増賃金」や「時間外労働手当」は、残業代より広範囲な概念と考えてよいでしょう。深夜労働や休日労働に対する手当も含め、割増率を乗じて支払われる賃金の総称です。

    ※本記事は単なる残業代だけでなく、深夜労働や休日労働に対して適用される割増賃金も含めて解説していきます。

    残業代の【種類別】割増率

    残業代の割増率は、時間外労働の種類によって異なります。「60時間超の時間外労働」「深夜労働」「休日労働」など複数の時間外労働が重なる場合、割増率が大きくなるため注意が必要です。

    以下の表で、種類ごとの割増率を確認しましょう。

    残業の種類賃金割増率
    法定内残業割増なし
    法定外残業25%以上
    法定外残業(月60時間超え)50%以上
    深夜労働25%以上
    法定休日労働35%以上
    法定外残業+深夜労働50%以上
    法定休日労働+深夜労働60%以上

    各残業(時間外労働)の割増率について、簡単な計算方法と注意点を解説します。

    法定内残業:割増なし

    所定労働時間(会社が決めた定時)を超えても、法定労働時間(1日8時間・週40時間)内におさまる法定内残業には必ずしも割増賃金を支払う必要はありません。法定内残業に対しては、割増賃金の支払い義務はなく、通常の時給や月給に基づいた賃金の支払いでも問題ありません。ただし、企業によっては独自に割増した残業代を支払うところもあります。

    法定外残業:25%以上

    法定労働時間である1日8時間・週40時間を超えて働くと「時間外労働(法定外残業)」となり、 通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

    例:時給1000円→残業代込み時給1,250円(1.25倍)

    法定外残業(月60時間超え):50%以上

    月60時間を超える法定外残業には、通常の賃金の50%以上の割増賃金が必要です。近年の法改正により適用された割増率で、開始当初は猶予されてた中小企業でも2023年4月から適用されています。

    例:時給1,000円 →残業代込み時給1,500円(1.5倍)

    深夜労働:25%以上

    午後10時から午前5時までに労働した場合は、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

    例:時給1,000円 →深夜労働代込み時給1,250円(1.25倍)

    法定休日労働:35%以上

    法定休日(週1日または4週4日以上の休日)に働いた場合、 通常の賃金の35%以上の割増賃金を支払う必要があります。

    休日労働は、大きく2種類に分類されています。1つは労働基準法に定められた法定休日の労働で、もう1つは企業が独自に就業規則で定める所定休日の労働です。

    例:時給1,000円 →休日労働手当込み時給1,350円(1.25倍)

    法定外残業+深夜労働:50%以上

    法定外残業(25%以上の割増賃金)と深夜労働(25%以上の割増賃金)が重なると、合計50%以上の割増賃金を支払う必要があります。それぞれの時間集計にミスがないように管理しなければなりません。

    例:時給1,000円 →(残業+深夜労働)時給1,500円(1.5倍)

    法定外残業(月60時間超え)+深夜労働:75%以上

    月60時間を超える法定外残業(50%以上の割増賃金)と深夜労働(25%以上の割増賃金)が重なると、合計75%以上の割増賃金を支払わなければなりません。

    例:時給1,000円 →(60時間超えの法定外残業+深夜労働)時給は1,750円(1.75倍)

    法定休日労働+深夜労働:60%以上

    法定休日に深夜時間帯(午後10時から午前5時)の勤務が発生した場合、合計60%以上の割増賃金の支払いが必要です。法定休日労働の35%以上の割増賃金と深夜労働の25%以上の割増賃金を合計するのがポイントです。

    例:時給1,000円 →(法定休日労働+深夜労働)時給は1,600円(1.6倍)

    参照:『しっかりマスター労働基準法ー割増賃金編ー』東京労働局

    いずれにしても負担が重い労働ほど高い割増率が適用されていると理解しておきましょう。

    残業代の計算式・計算手順

    残業代はどのように計算されるのか、月給の場合の基本的な計算式は以下のとおりです。

    月の給与 ÷ 1か月の平均所定労働時間 × 割増率 × 1か月の残業時間

    残業代は、割増賃金の単価に残業時間数を乗じて計算します。割増率は、ここまで解説した時間外労働の種類に応じて加算されます。

    基本計算式をもとに、残業代の計算手順を確認していきましょう。

    1.月の給与(基本給+諸手当)を計算する

    まず、残業代の基準となる「1時間あたりの賃金(月の給与 ÷ 1か月の平均所定労働時間)」を求めるために、月の給与を整理します。月ごとの給与は、基本給と労働の対価として加算される諸手当を足して計算します。

    ただし、すべての手当が計算に含まれるわけではありません。以下の手当は残業代の計算基礎に含まれないため、注意が必要です。

    • 家族手当
    • 通勤手当
    • 住宅手当
    • 別居手当
    • 子女教育手当
    • 臨時に支払われた賃金
    • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(例:賞与)

    毎月固定で支払われる手当であっても、労働と直接的に関係がなく、従業員の個人的な事情により配慮した福利厚生の性質が強い手当は、除外されるケースが多くあります。

    営業手当や役職手当など、業務に直結する手当は含まれるケースが多いため、現在の規程を確認することが重要です。

    2.1か月の平均所定労働時間を計算する

    次に1か月あたりの平均所定労働時間を計算します。まず以下の計算式で、年間所定労働時間を出します。

    年間所定労働日数(1年間の歴日数(365日)-年間休日数)×1日の所定労働時間

    ※うるう年の場合暦日数は366日

    1か月の平均所定労働時間は、年間所定労働時間÷12か月で算出される値です。

    年間休日数122日、1日8時間勤務の場合
    (365日 – 122日)× 8時間 ÷ 12 か月= 162時間

    以上の例の場合、1か月の所定労働時間は162時間となります。

    3.割増率をかける

    最後に、残業(時間外労働)の種類に応じた割増率をかけ算して残業代を計算します。割増率は、前述した種類別の割増率に基づいて、正しく適用しましょう。

    残業代の計算例|1時間あたりはいくら?

    「実際の残業代はどれくらい?」と疑問に思われた方もいるかもしれません。

    時給1,500円を基準とした残業代(割増賃金)を、各時間外労働の種類別に表で紹介します。

    残業割増率法定外残業の時間例左記を利用した計算例支給額
    法定内残業割増なし5時間5時間×1,500円7,500円
    法定外残業25%以上10時間1.25×10時×1,500円18,750円
    法定外残業(60時間超え)50%以上61時間(1.25 × 60時間 + 1.5 × 1時間)×1,500円間114,750円
    深夜労働25%以上2時間1.25×2時間×1,500円3,750円
    法定休日労働35%以上5時間1.35×5時間×1,500円10,125円
    法定外残業+ 深夜労働50%以上10時間(うち深夜労働2時間)(1.25 × 8時間 + 1.5 × 2時間)×1,500円19,500円
    法定休日労働+深夜労働60%以上5時間(うち深夜労働2時間)(1.35×3時間+1.6×3時間)×1,500円10,875円

    残業代の平均とは?

    「残業代の相場はどれくらい?」と気になる人事・労務担当者も多いですよね。業界レベルと比較して自社の状況を把握することも大切です。

    厚生労働省の『毎月勤労統計調査』(令和6年6月)によると、所定外給与(超過労働手当)の全産業平均は 19,397円でした。

    しかし、業種によって大きな違いがあり、以下のような違いが見られます。

    業種所定外給与(超過労働手当)
    電気・ガス業54,922円(もっとも高額)
    運輸業4,336円(全産業平均上回る)
    飲食サービス業7,373円(全産業平均下回る)
    教育・学習支援業7,207円(もっとも安い金額)

    以上のように業種によって47,715円もの開きがあります。そのほか、製造業や運輸業は平均を上回る一方、飲食サービスや小売業は比較的低い水準です。

    インフラ維持や物流など、24時間稼働が求められる業種では、長時間労働になりやすく、残業代が高くなりやすいのかもしれません。一方で飲食サービス業・小売業は、シフト勤務が主流のため、一定の労働時間内で人員が調整される傾向があり残業代が抑えられているのでしょう。

    参照:『毎月勤労統計調査 令和6年6月分結果確報』厚生労働省

    残業代の扱いが異なる勤務形態

    残業代の扱いは割増率だけでなく、従業員の勤務形態によっても異なります。 固定残業代制度やフレックスタイム制、裁量労働制などを採用している場合、労働時間の管理や残業代の支払いルールが通常とは異なるケースがあります。

    固定残業代制度

    固定残業代制度は、あらかじめ定められた時間分の残業代を給与に含める制度です。制度を導入すると、毎月一定額の残業代が支払われるため、毎月の給与計算に変動が少なく処理できます。

    ただし、実際に働いた残業時間が、定められた固定残業時間を超えた場合は、追加で残業代を支払わなければなりません。

    ▼固定残業代の仕組みを知るには以下の記事もあわせてご確認ください。

    変形労働時間制

    変形労働時間制は、一定期間内の労働時間を調整することで、特定の日や週の労働時間が法定時間を超えても残業代が発生しない仕組みです。

    たとえば、1か月単位の変形労働時間制では、月の総労働時間が法定労働時間内に収まれば、1日8時間を超えて労働しても残業代は発生しません。

    期間全体での平均が、法定労働時間を超えた場合には、超過分の残業代の支払いが義務となります。

    変形労働時間制を導入する場合には、事前に労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出る必要もあります。

    ▼変形労働時間制を詳しく知るには以下の記事もあわせてご確認ください。

    フレックスタイム制

    フレックスタイム制では、総労働時間が一定の期間(=清算期間)内で、法定労働時間を超えなければ残業代は発生しません。

    フレックスタイム制とは、必ず勤務する時間帯(コアタイム)に働いていれば、自由に出社時間や就業時間を決められる制度です。労働者の裁量で自由に調整できる期間を清算期間といい、最大3か月まで定められます。

    清算期間が1か月以内では、法定労働時間の総枠を超えた時間が時間外労働となり、残業代が発生します。法定労働時間の総枠の算出方法は、以下のとおりです。

    1週間の法定労働時間(40時間)×清算期間の暦数/7日

    清算期間が1か月を超える場合は、以下のいずれかの場合に、時間外労働となり残業代が発生します。

    • 1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた時間
    • 1か月ごとの労働時間が週平均50時間を超えた場合を除き、清算期間の労働時間が週平均40時間を超えた時間

    適切に運用をしないと、従業員のワークライフバランスを崩すおそれもあり、フレックスタイム制ではより慎重な労務管理が重要です。

    ▼フレックスタイム制における残業代の扱いを詳しく知るには、以下の記事もあわせてご確認ください。

    事業場外みなし労働時間制

    事業場外みなし労働時間制は、外出が多い営業職など、事業場外で働く業種に適用される制度です。 

    事業場外みなし労働時間制では、所定労働時間働いたものとみなされるため原則として残業代を支払う必要はありません。

    しかし、みなし労働時間が法定労働時間を超えている場合や、みなし労働時間と事業内での実労働時間を足すと法定労働時間を超える場合は、時間外労働となり残業代が発生します。

    事業場外みなし労働時間制も、従業員の働きすぎに注意しながら、適切な残業時間の計測が求められる制度の一つです。

    みなし労働時間制を詳しく知るには以下の記事もあわせてご確認ください。

    裁量労働制

    裁量労働制では、実労働時間に関係なく、事前に定めた時間を労働時間とみなします。具体的には研究職やデザイナー、記者などに適用されています。

    裁量労働制は、所定労働時間働いたものとみなされるため1日単位や一定期間ごとに残業代を計算することはありません。しかし、みなし労働時間が法定労働時間を超えて設定されている場合には、時間外労働になり残業代が発生します。

    ▼裁量労働制における残業代の取り扱いを詳しく知るには、以下の記事もあわせてご確認ください。

    歩合給制

    基本給に加えて成果に応じた報酬が支払われるのが歩合給制です。営業職などで導入されることが多く、業績に応じて給与が変動する点が特徴です。

    そのため、通常の固定給の従業員よりも、残業代の計算が複雑になりやすい傾向があります。

    法定労働時間を超えるときは、歩合給部分を含む基礎賃金に基づいた残業代が支払われます。仕組みを理解していないと、未払い残業代を請求されるおそれがあるため、注意しましょう。

    残業代が発生しない業種・役職・働き方

    一部の業種や役職では、どんなに働いたとしても残業代が発生しません。残業代の支払いがない代表的な業種、役職、働き方は以下のとおりです。

    区分概要
    農林・畜産・養蚕・水産事業の労働者農林事業(林業を除く)および畜産・養蚕・水産事業に従事する労働者。労働時間・休日規定の適用除外となる。
    管理監督者経営者と一体的な立場にあり、権限・裁量・待遇面で管理職相当の人。通常の労働時間管理の対象外。
    機密事務取扱者経営者や管理監督者の活動と一体不可分の職務を行う人(秘書など)。労働時間・休日規定の適用除外。
    監視・断続的労働に従事する者で、使用者が労働基準監督署長の許可を受けたもの守衛や学校用務員、団地管理人、専属運転手など、手待ち時間が長く業務負荷が比較的軽い労働者。労働基準監督署長の許可により適用除外。
    高度プロフェッショナル制度高度の専門知識を要し、労働時間と成果の関連性が低い業務従事者。一定以上の年収要件あり。労使委員会決議により適用。

    残業代の適用となるかどうかは、役職名や業種だけで決まるわけではありません。

    「管理職」という肩書きがあっても、出退勤自由がなく、ほかの従業員と同じ労働時間管理を受けている場合は、管理監督者には該当しません。

    適用を誤ると、未払い残業代の請求や労働基準監督署の指導対象となる可能性があるため、慎重に判断しましょう。

    残業代の支払いに関する注意点

    残業代を適正に支払うためには、以下の3つの点に注意が必要です。誤った運用をすると、労務トラブルの原因となり、企業にとって大きなリスクとなるため注意しましょう。

    • 残業代は1分単位で計算する
    • 残業代の未払い状況を回避する
    • 未払いがあると過去3年間分の残業代を請求される

    残業代は1分単位で計算する

    残業代は1分単位での計算が原則です。労働者にとって有利な切り上げは認められますが、切り捨ては基本的に違法となります。

    ただし、時間単位で1円未満を四捨五入する場合と、月単位で1時間未満を30分で区切る場合に限り、例外的に切り捨てが可能です。

    残業代の未払い状況を回避する

    未払いが発生した場合、過去にさかのぼって請求される可能性があります。適切な労働時間の管理と計算・支払いが求められます。

    未払い残業代を防ぐには、日頃から以下のような対策をとっておきましょう。

    • 勤怠打刻の正確な記録(勤怠管理システムの活用)
    • 勤怠管理と給与計算の自動連携(計算ミスのリスクを減らす)
    • 残業代のルールを明確にし、従業員に周知する

    みなし残業や固定残業代を導入している企業でも、超過分の残業代が発生する場合は追加支払いが必要なため注意が必要です。

    未払いがあると過去3年間分の残業代を請求される

    残業代請求権の時効は3年です。企業は最大で過去3年分の未払い残業代を請求される可能性があります。ただし、以下のケースでは時効が中断され、3年を超えても請求権が継続します。

    • 内容証明郵便で請求された
    • 労働審判の申し立てや訴訟が提起された

    たとえ故意でなくとも未払い残業代がないに越したことはありません。誤った処理が発覚したらすぐに対応しましょう。

    残業代に関する疑問・質問

    残業代についてとくに多い質問に対し、労務管理にとって大切なポイントを中心に回答していきます。

    残業代が出ない場合はある?

    基本的に、法定労働時間(1日8時間・週40時間)以内の勤務であれば、残業代は発生しません。

    ただし、法定労働時間を超えていなくても、所定労働時間を超えた場合には、会社によって割増賃金を加算するルールを設けており、残業代が支払われることがあります。

    また、管理監督者や高度プロフェッショナル制度の適用者など、一部のケースでは労働時間の規定が適用されないため、残業代が支払われません。

    パートにも残業代は支払う? 計算方法は?

    パートやアルバイトでも、正社員と同様に法定労働時間を超えた場合は残業代を支払う必要があります。

    時給制が多いため、時給を基礎賃金として通常の残業代計算方法で算出するのが一般的です。

    時給1200円のパートが週40時間を超えて2時間残業した場合
    時給 1,200円 × 1.25(割増率) × 2時間 =3,000円

    ただし「みなし残業代制」を採用しているケースもあるため、雇用契約書を確認することが大切です。

    公務員に残業代は出る?

    公務員にも残業代は支給されますが、国家公務員と地方公務員で制度に違いがあります。

    基本的に国家公務員の多くは労働基準法が適用されないため、残業代の支払いがないのか?と思われるかもしれません。しかし、国家公務員法や人事院規則で残業代の支払いが規定されています。

    地方公務員には、労働基準法が適用されるため、民間企業と同じように時間外労働に対して1.25の割増賃金が支払われるのが基本です。

    まとめ

    残業代は、法定労働時間を超えて働いた際に支払われる賃金です。残業(時間外労働)の種類に応じて25%〜75%の割増率が適用されます。

    未払いがあると過去3年分までさかのぼって請求される可能性があるため、適正な労働時間の把握と支払い管理が重要です。

    ただし、管理監督者や高度プロフェッショナル制度適用者は、残業代の支払い義務がありません。

    適用基準を誤るなどしないよう、残業代に関する正しい知識を持ち、適正な労務管理を行うことで、支払いミスやトラブルを防ぎましょう。

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